カテゴリー「健康」の14件の記事

2008年4月16日 (水)

朝メガ、昼メガ、夜メガ

 最近マクドナルドがものすごいテレビCMを流している。「♪朝メガ~、昼メガ~、夜メガ~」って、あのな~。

 つまり、朝はメガマフィンを食い、昼はメガマックを食い、夜はメガてりやきを食うことを推奨(?)しているかに思えるのだが、当のマクドナルドのサイトで試算してみると、メガマフィンは695キロカロリー、メガマックは768キロカロリー、メガてりやきは900キロカロリー、しめて、2,363キロカロリーである。成人男性の一日の摂取カロリーは、いろいろ説はあるが、まあ、ざっくり2,000~2,500キロカロリーあたりである。おれなんかは、あんまり動かない仕事なので、1,800~2,000キロカロリーくらいに留めている。おれの基礎代謝は、だいたい1,400キロカロリーである。

 つまり、メガマフィン、メガマック、メガてりやきを食ったら、少なくともカロリーベースで考えるかぎりは、その日はほかになにも食わなくてもよい、というか、食ったらあきらかに肥るということだ。

 そりゃまあ、おれもマックのハンバーガーは嫌いではない。じゅるじゅると肉汁の滴るメガマックをときには楽しむこともある。が、「朝メガ、昼メガ、夜メガ」は、さすがにやったことがないし、やろうとも思わない。

 マクドナルドも商売ではあろうが、これは国策に真っ向から敵対しようというCMなのではあるまいか。おれは、個々人が肥っていようが痩せていようが、そんなことに国が口出ししてくることには反対だが、おれ個人は肥っている自分を好まない(他人は知らん)。なにより、階段昇ったりするのがしんどいからな。

 とはいえ、いくらなんでもこれは、あまりにものすごいCMではありますなあ。「朝メガ、昼メガ、夜メガ」のカロリーの合計が、それらのみを食うとしたら必ずしも食べすぎとはいえないあたりに留められているところに、マクドナルドが思い切ってこのようなCMを打つことを是とした計算が秘められているように思える。要するに、このCMは、「ほかにはなにも食うな」と暗に言っているわけである。

 たしかに、毎日この三つだけを食い続けるとしたら、存外にバランスはいいかもしれないよなあ。



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2008年4月13日 (日)

百貫目のサル

エサもらい放題…気がつけばメタボ猿 「虐待」の声も (asahi.com)
http://www.asahi.com/life/update/0412/OSK200804120060.html

 大阪府堺市が管理する大浜公園(同市堺区)の猿山に住むアカゲザルが、集団肥満に陥っている。常駐する管理人も金網もないため、見物客から餌をもらい放題になっているのが原因らしい。おなかはだらんと垂れ下がり、ついたあだ名は「メタボ猿」。市大浜公園事務所は昨年からダイエット食に変えたが、焼け石に水だ。専門家からは「劣悪な管理が原因で、虐待だ」との指摘もある。
 「デブざるだ。乳牛みたい」「おなかに赤ちゃんがいるのかな」。子どもたちが歓声をあげる中、猿たちは膨らんだおなかを揺らしながらのっしのっしと歩く。10年以上世話を続けている職員は、「妊娠ではありません」。

(中略)

 だがダイエットは思うように進まない。猿山の周りには「害になる食べ物を与えないこと」と書かれた看板が四つあるが、毎日10~20人がパンや菓子を投げ与えている。近所の女性は、朝食の残飯やバナナ、かりん糖、ピーナツなどをやるのが日課という。「大きな猿に餌を取られる小さな猿がかわいそうで」
 日本モンキーセンター(愛知県)の加藤章園長によると、10年ほど前から猿山の周囲を透明なプラスチック製の壁で覆って餌を投げ込めないようにしたり、専用の餌を限定販売したりと見物客の餌やり対策が進んだ。「まだそんな管理をしている公園があったとは。無制限に食べ物が与えられる状況を放置しているのは明らかな虐待。早く手を打つべきだ」と忠告する。

 ひええ、こっ、こりゃすごいな……。それにしても、サルが肥ると不格好だねえ。

 サルにラッキョウの皮を剥かせるとなんとやらとか、オナニーを教えるとなんとやらとかいった話は俗によく語られるのだが、人間の食いものを際限なく与えるというのも同じような話なんだろう。こりゃたしかに管理も悪いが、「かわいそう」だとかなんとか言って餌を与える見物客のマナーも悪いよ。見物客というものはいくら注意しても理解できない阿呆であるということを前提にして管理するのがプロの管理というものなのかもしれないが、むかしから驚異的な識字率を誇るわが国で、それもなんだか悲しい話である。

 そもそも、記事のとおりだとすると、その看板って、日本語おかしいだろ。「害になる食べ物を与えないこと」って、いったいどういう意味だ? 農薬の入ったギョーザとかを与えるなという意味なのだろうか? だいたい“害になる食べもの”をわざわざ持ち歩いている見物客なんているんだろうか? 飼育係以外が勝手に食べものを与えることが害になるからやめてくれと伝えたいのであれば、単に「食べものを与えないでください」と書けばいいだけの話ではなかろうか? 不可解なこと、このうえない。「誰でもいいから皆殺し」に匹敵する奇ッ怪な日本語表現である。

 まあ、近年、ここのサルみたいな人間の幼児をしばしば見かけるよなあ。子供がうまそうにものを食っているところを眺めるとたしかに癒されるし、子供が欲しいと泣けば食わせたくなる気持ちもわからんではない。が、そりゃ大人側の都合だ。子供はまだ十全に“人間”ではないのだから、食いものの質や量を親が管理してやるしかない。ギャル曽根みたいな特殊な体質の人ばかりではないのだ。この公園のサルが“虐待”されているのだとしたら、どう見ても虐待されているとしか思えないほど肥っている幼児の親も、然るべき筋が指導すべきだと思うぞ。例のメタボ検診とやらいう大きなお世話の制度は、むしろ子供に適用すべきだ。大人は、なんだかんだ言っても、つまるところ自分の意志で肥ったり痩せたりしているわけであって、むしろ自分でコントロールできない子供こそ、バカ親の虐待(?)から護ってやるべきではなかろうか?



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2008年4月 6日 (日)

常識が覆った応急心肺蘇生法

Revised CPR method helps save Arizonans (CNN.com)
http://www.cnn.com/2008/HEALTH/conditions/03/31/moh.cpr/index.html

In a bold departure from standard practice, paramedics in most Arizona cities do not follow the guidance of the American Heart Association. Instead, they follow a protocol that was developed at the University of Arizona's Sarver Heart Center, largely by Dr. Gordon Ewy.
Even after cardiac arrest, Ewy said, there's enough oxygen in the body to feed the brain and keep a person alive for several minutes. But that air helps only if someone compresses the heart to circulate blood. In traditional CPR, rescuers alternate 30 chest compressions with two long "rescue breaths." Paramedics are trained to start by checking the airway, and insert a breathing tube at the start of resuscitation. These extra steps, said Ewy, waste precious time.
In Arizona, paramedics skip the breathing step when they begin to treat a cardiac arrest. They simply alternate two minutes of pumping on the chest -- 200 compressions -- with a single shock from a defibrillator.
Epinephrine, a powerful stimulant that jump-starts the body's vital systems, is given as soon as possible. Paramedics insert a breathing tube only if several cycles of shock and compressions fail to re-start the heart.
Ewy said the Arizona study, along with studies on bystander interventions in Japan and his own animal research, show that resuscitation without additional breathing is superior.
"In my mind, the evidence is overwhelming right now," he said.

心停止、とにかく胸押して 救急医ら調査、指針見直しへ (asahi.com)
http://www.asahi.com/life/update/0404/TKY200804040161.html

 心停止状態で倒れている成人を助けるには、胸を押し続けて圧迫するだけでも、人工呼吸を加えた方法と同じ蘇生効果があることが、日本の二つのグループの調査でわかった。調査を受けて米心臓協会(AHA)は、この「圧迫」を蘇生法として市民に勧める見解を発表。日本でも指針が見直される見通しだ。
 心臓発作などで倒れた場合、命を大きく左右するのは早期の心肺蘇生。蘇生法は、胸の真ん中を押す「胸骨圧迫」と人工呼吸を交互に行うのが原則で、海外でも同じ。ただ、第一発見者の多くはたまたま居合わせた人。他人に口をあわせる人工呼吸に抵抗感があるのが課題だった。
 ところが京都大の石見拓・助教や大阪府の救急医らの調査で、人工呼吸を省いても効果が変わらないことがわかった。調査対象は、98~03年に心臓病で心停止して倒れたが、近くに人がいた大阪府民の事例約4900件。倒れて1年後に、後遺症なく社会復帰できた率を調べた。

 先日、上のCNNの記事を読んで、90へぇくらいを叩いていたんだが、American Heart Association (AHA) のガイドライン見直しを受けて、日本のメディアも報道したようだ。CNNの記事にある“studies on bystander interventions in Japan”というのが、おそらく朝日の記事にある「京都大の石見拓・助教や大阪府の救急医らの調査」なんだろう。

 要するに、急に心停止した場合には、血中には脳を数分間生かせるだけの酸素は溶けているのだから、人工呼吸に貴重な時間を費やすより、即、胸の圧迫に入って、とにかく血液を循環させることに集中したほうが、緊急の際には予後がよくなるということのようだ。言われてみれば、なるほどそうしたほうがよさそうだと素人にでも思えるんだが、なにしろ実験をするわけにはいかない分野だけに、こうした統計的な調査が威力を発揮する。

 何十万、何百万人に一人といった珍しい病気に関してならいざ知らず、心臓発作などといった、ごくありふれた症状に対する応急処置についてすら、二十一世紀になって常識が覆るんだから、まこと医学というのは奥が深い。ひょっとしたら、実際に医療の現場にいる人たち個々人には、「教科書や研修ではこう習ったが、どうも長年の経験に照らすと、ひょっとしたらこっちのほうがいいんじゃなかろうか?」と思っていることが、あれこれあるんじゃなかろうか? とはいえ、なにしろ人の命がかかっていることであるから、常識とされている手順を無視して、「こっちのほうがいいんじゃなかろうか?」と思っていることを軽々に実行するわけにはいかないのだ。下手すると、人体実験になってしまう。そのあたりが、ロゴスとプラクティスとが不可分である医学という分野の難しいところだよねえ。ジェンナーなんか、いまなら確実に訴えられますわな。おれたちが子供のころ偉人伝なんかで読まされた“自分の息子で実験した”という話はウソらしいが、自分の息子だろうが他人の子だろうが、結果オーライだったからまだよかったものの、やってることは人体実験そのものですからねえ。

 たぶん、ちょこっと未来の人たちは、いまのおれたちが中世の医術を語るような感覚で、「二十世紀には、道端で心停止して倒れた人に人工呼吸してたんだって。信じられねー」などと言うようになるのだろう。まあ、医学ってのは、もちろん科学としての理屈も大事だが、得られた経験則をすぐにでも利用して、結果として多くの人が助かりゃオーケーって面もある。それこそお釈迦様の毒矢の喩えじゃないけれども、ごちゃごちゃ議論している暇があったら、とっとと矢を抜くべき局面というのがあるだろう。

 CNNの記事は、こう続く――

Crystal Sorenson, a Glendale firefighter and medic for more than 20 years, experienced a vivid example last summer with the case of 48-year-old Daniel Lane. As she pounded his chest, Lane kept grabbing her wrist, struggling to look up. Each time she paused to deliver a defibrillator shock, "he'd let go and drop down, passing out."
A similar story inspired Ewy, who told CNN about a recording of a 911 call he heard several years ago, on which dispatchers guided a woman through CPR on her husband while she waited for paramedics to arrive.

 (これに似た話に、ユーイ博士ははっとしたのだった。彼はCNNに数年前に聴いた911の録音について語ってくれた。ある女性に、救急配車係たちが救急隊が到着するまでのあいだに心肺蘇生法の指導をしている録音である)

"After a while, she came back to the phone and said, 'Why is it every time I press on his chest, he opens his eyes, and every time I stop and breathe for him, he goes back to sleep?' " Ewy paused and gave a rueful laugh. "This woman in 10 minutes learned more about cerebral perfusion [getting blood flow to the brain] than we had in 15 or 20 years of CPR research."

 (「しばらくして彼女は電話口に戻ってきて言ったのです。“夫の胸を圧すたびに彼は目を開け、人工呼吸のために圧すのをやめるたびに意識を失うのはどうしてなの?”」 ユーイ博士は少し間をおいて、悔しそうに笑った。「この女性は、脳灌流(脳への血流確保)について、われわれが心肺蘇生法の研究で十五年、二十年とかけて学んできた以上のことを、十分間で学んだのです」)

 夫を救いたいと必死で応急処置をする妻が、その修羅場で発見したことについて、このように言える謙虚な研究者というのも、またすごいと思う。この rueful laugh は、「これにもっと早く気づいて人々に知らしめていれば、もっともっと多くの人を救えたものを、わしゃ大学のドクターでございと、いったいいままでなにをしとったんだろう……」という心持ちの laugh なのだろう。



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2008年3月31日 (月)

ありがたい値上げ

 醤油の値上げってのはけっこう痛いが、なあに、the bright side of life を見よう。うんと薄味にすればよいのだ。醤油をかけるときに値段を意識するようにすれば、おのずと塩分の摂りすぎが防げる。健康にもよい。新幹線の禁煙席しか取れなかったときに、「ああ、これで少なくとも二時間くらいは禁煙できる」と、ちょっと嬉しくなるのと同じようなものだと考えればいいいのだ。どうだ、まいったか。



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2008年1月10日 (木)

大便と運動エネルギー

 今日(というか昨日)は人間ドックに行ってきて、例によってバリウムを飲んだせいで腹具合が悪い。まだ出きっていないらしく、なにやら催してきたため、ついさっき、またトイレに行った。

 いやあ、やっぱりちがうねー。なにがって、運動エネルギーがいつもとまるでちがう。大便がわずかな距離を落下して便器の水面を叩くときの音に如実に表れている。いつものが「とぷんっ!」だとすると、今回のは「どぼぉおおおお~ん!」と、やたら貫禄があるのだ。まるで、ケツの穴から劣化ウラン弾が発射されたかのような感触である(そんなものを発射してみたことはないけど)。

 もしもウラン化合物を造影剤に使ったとしたら、バリウムなんぞとは比べものにならない音がするんだろうなあ。「そりゃもう、てんで核がちがいますから」って、そんなことを言いたいがためにエントリーひとつ使ったのか。



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2007年8月25日 (土)

人生いろいろ、身体もいろいろ

「プーチンのようになろう」 ロシア紙が肉体改造特集 (asahi.com)
http://www.asahi.com/international/update/0824/TKY200708230345.html

厚生労働副大臣のメタボ退治ホームページ
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/metabo/index.html

レコーディング・ダイエットのススメ
http://putikuri.way-nifty.com/blog/

 この三つを比べてみると、なにやらいろいろフクザツな思いが心中を去来するものであるが、おれには岡田斗司夫がいちばんカッコよく見えるなあ。あたりまえのことをあたりまえにやる。なんとすがすがしいことだろう。そして、それはなんと難しいことだろう。近年すっかり酒呑みになってしまったおれには、まったく頭が下がる。最近筋トレをさぼっていると、たちまち体脂肪率が上昇しはじめたので、あわててまたはじめたところだ。多分におれの先入観のせいなのかもしれんけれども、どうもプーチンの逞しい身体は、年齢からすればカッコいいことはカッコいいが、気に食わないやつが現れたら即座に首をへし折るための逞しい身体であるように見えてしまう。「岡田斗司夫は、気に食わないやつが現れたら即座に首をへし折るために肥っていたのだ」と思う人はいないと思う。

 それにしても、あのマシュマロマンのような巨体から、一年あまりで体重六十七キロ体脂肪率十七パーセントにまで下げるとは、科学と意志の偉大さに感動を禁じ得ない。やっぱり、おたくというのは“その気になったらとことんやる”という脂質、じゃない、資質があるわけで、オタキングとまで呼ばれる人物の底力を見た思いがするよな。こういう実例を目の当たりにすると、おれなんかは全然おたくじゃなく、パンピーに毛の生えた程度の執着心しかないのだなあと、改めておのれの業の浅さに情けなくなると同時に安堵感を覚えたりもする。ちなみに、おれみたいな元々からの痩せ型体形でも、体脂肪率を十七パーセント台にまで下げていた期間はほんの少ししかない。最近は、概ね、体重六十五~六キロ体脂肪率十九~二〇パーセントくらいで、ふらふらと安定している。

 ここ数年、おれもかなり“肉体”というものを意識して運動をするようになり、“無理に脂だけを落とそうとするよりも筋肉をつけようとしたほうが健康的で、結局フィットネスの早道のようだ”という実感は得ているのだが、岡田斗司夫の事例はあまりにすごい。あの岡田斗司夫に、体脂肪率の低さで負ける日が来ようとは、まったくの想定外である。おれは基本的に、食いたいものは我慢までせずちゃんと食って、そのぶん筋肉をつけることで食ったぶんをどんどん燃やして相殺しようという思想だから、あんまり劇的な効果というものがない。筋肉がついてくると面白いものだから、ついつい筋肉増強運動にばかり文字どおり力を入れがちになってしまうのが、あまりよろしくないのだろうなあ。もう少し、有酸素運動に割く時間を増やしたほうがよさそうだ。

 いやあ、しかしこれは励みになりますなあ。岡田斗司夫が体重六十七キロ、体脂肪率十七パーセントなのだったら、おれとしては六十五キロ、十六パーセントくらいをめざしたいもんだ。年内の実現をめざしてがんばろう。




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2007年5月27日 (日)

うまいから身体によいのか、身体によいからうまいのか?

 おれはオリーブ油が好きだ。なんならそのまま飲んでもいいくらいである(さすがに、そんなに贅沢なことはしないが)。パスタなんかを食うときには、これでもかというくらいにかける。最後に皿の中に残ったオリーブ油をずずずと啜れるほどにかける。以前、「うまい汁を吸う」というエントリーでも書いたのだが、トマトにもどぼどぼオリーブ油をかけて食う。昨晩そうやって食った。

 オリーブ油とトマトを一緒に食うとリコピンの吸収が高まるということが数年前から支配的な認識になっているけれども、おれはそれ以前からそうやって食っている。うまいからだ。イタリア人やらギリシア人やらも、むかーしから日常的にトマトとオリーブ油を一緒に食っている。彼らがそうやってトマトとオリーブ油を食ってきたのは、なにもリコピンがどーたらということを考えてのことでは絶対にあるまい。単にうまいからにちがいない。

 いや、待てよ。“うまい”というのはどういうことだろう? 逆に考えてみたら、どうなるだろう? つまり、地中海あたりに住んでいた連中のうち、オリーブ油とトマトを一緒に食うと“うまい”と感じるような嗜好を偶然遺伝的に持っていた人々が、ほんのわずかでも健康になり、子孫を残す確率がほんのわずかでも高くなって、トマトをオリーブ油で料理するという文化が強化されていったという考えかたはできないか? そのようなダーウィン進化が有意に働くには人類の歴史は短すぎるような気もするんだが、まったく働かないというわけでもなさそうに思える。人類にはファームウェアとしての遺伝子だけではなく、個体の外部で進化するソフトウェアとしての文化があるから、ダーウィン進化が加速されるってこともあるだろう。このあたりの与太な思いつきを突き詰めてゆくと、マーヴィン・ハリスの“文化唯物論”に似たものになってゆきそうだなあ。

 まあ、食文化というのは健康や寿命(すなわち、ハードウェアの耐久性)に大きな影響を及ぼすものであろうから、“文化唯物論”は極端だとしても、純粋にミームとしてだけ切り離して考えるわけにもいかないはずだ。“食性とダーウィン進化”だったら科学的にアプローチできそうだけど、“食文化とダーウィン進化”となると、これは一筋縄ではいかないだろう。でも、まったく無関係だとも思えないんだよなあ。

 トマトにオリーブ油をかけて食うたび、おれはこういう与太に思いを馳せてしまう。人類が培ってきた食文化というものには、まだまだサイエンスが取りこぼしてきている不思議が隠されていそうな気がするんだよね。もっとも、トマトとオリーブ油のような健康によい食べ合わせが偶然か必然か文化として受け継がれてきている不思議があるのとまったく同じように、世界のあちこちには、健康に悪い食べもの、健康に悪い食べかたが文化として定着してしまったせいで、あたら寿命を縮めている人々だっているはずだ。「家を出るとき犬が騒いで、飛行機に乗り遅れる人もいる。その飛行機が墜落した場合、主人を救った不思議な犬ともてはやされることにはなるわけだが、世の中には、主人を引き止めて墜落する飛行機に乗せてしまった馬鹿犬もやはり同じ確率でいるはずだ」ってのと同じである。あ、そんな難しいこと考えなくたって、酒飲みで煙草吸いの手前が好例ではないか。

 ま、好きな食いものを我慢して長生きするのと、好きなもの食って多少寿命が縮むのとどちらがいいかとなると、こりゃ、個々人の哲学の問題だからねえ。「酒も煙草も女もやめて 百まで生きた莫迦がいる」って都々逸の苦笑と自嘲と共感は、たぶん、世界中の人に通じるんじゃなかろうか。



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2006年11月21日 (火)

利用者限定の一般公開情報

関節リウマチに飲み薬・三菱ウェルファーマなど候補物質確認 (NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20061120AT2G1300N20112006.html

 三菱ウェルファーマ、東京医科歯科大学はそれぞれ、関節リウマチによく効く「生物製剤」と同等の効き目が期待できる飲み薬の候補物質を開発、動物実験で効果を確認した。3年前に登場した生物製剤は症状がなくなるまで回復する患者がいる半面、点滴や注射で投与するため通院や入院が必要。今回の成果が実用化すれば患者の生活の質(QOL)を大幅に改善できる。
 三菱ウェルファーマが開発した治療薬の候補物質は「Y―320」。これまでに合成した200種類以上の化合物から効果があるものを選び出した。関節の炎症の原因となるたんぱく質ができないようにする。

 おお、こりゃ朗報だ。母が関節リウマチなもので、まことに切実である。いやべつにおれが特段の孝行息子だというわけではなくて、母の症状が緩和できるとしたら、なによりおれ自身がずいぶん助かるからだ。早く実用化されるといいのだがな。もっとも、あんまり高くつくようではこれまた困る。

 一応、なにか情報があるだろうかと三菱ウェルファーマのサイトに行ってみたのだが、まだなんにも出てなかった。まあ、そのうち出るだろう。

 ついでにいろいろと三菱ウェルファーマのサイトをうろついていて不思議に思ったのが、「医療関係者向け情報」というやつである。「あなたは医療関係者(医師、薬剤師など)ですか?」と訊いてくるので、正直に「いいえ」と答えると、「ご利用上の注意」というやつが出てきて、いろいろと注意書きが並べてあり、そこから先(?)へは行けない。「専門的な情報であり一般の方々にご理解いただけるように配慮したものではありませんので、ご利用は医療関係者の方々に限定させていただくことをご了承下さいますようお願い申し上げます」などと言われる。要するに、“ここに書いてあることは素人にはわからんだろうから、ここに書いてあることを素人が勝手に解釈して行動に反映させてはならない”と釘を刺しているわけだ。まあ、その意図はわからんでもない。でも、見るくらいいいじゃないかケチと思い、おれは医療関係者だと強く思い込むことにして「はい」を選択すると、なんのことはない、べつになんのチェックもなく、すんなりと「医療関係者向け情報」が見られてしまうのであった。

 「病院・薬局で使う外国語会話集」なんて、医療関係者以外にも有益であろうコンテンツもあって、なぜこういうものをもったいぶって“医療関係者限定”という名目で公開しているのかよくわからない。現にこうして直リンクを張れてしまうではないか。どうも、“素人は専門知識に触れてはならん”と言っているみたいで、あまり印象はよくない。しかも、「医療関係者向け情報」からリンクしてあるサイトは、べつに“素人はなるべく見るな”といった制限など設けていないところだったりするのだ。わけがわからん。

 まあ、アレか、「あなたは十八歳以上ですか?」などと訊いてくるページで、十六歳の健全な来訪者が「いいえ」をクリックする可能性は低いけれども、サイト運営側が「一応、訊くことは訊いたから、こっちの責任は果たしたぞ」と言える形式を踏んでいるのと同じようなもんか。



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2006年10月12日 (木)

微妙だが決定的なちがい

Cola consumption linked to weaker bones in women (CNN.com)
http://www.cnn.com/2006/HEALTH/10/10/cola.consumption.reut/

Cola linked to weak bones (Aljazeera.Net)
http://english.aljazeera.net/NR/exeres/E9FDB56A-C3F7-4698-87FE-969ABE75A8CA.htm

 コーラの摂取と女性の骨粗鬆症に因果関係があるかもしれないという研究についての記事だが、じつはこの二紙の記事の文面は“ほとんど同じ”である。同じロイターの配信記事なのだから、あたりまえと言えばあたりまえだ。だが、“まったく同じ”でないところが面白いのだなあ。

 よーく読み比べると、このふたつの記事は、言葉遣いが要所要所で微妙に異なっている。その結果、CNNのほうは、コーラと女性の骨粗鬆症の因果関係について、“はっきりしたことはまだわからないが、女性は気をつけるに越したことはない”という比較的ニュートラルな印象を与えているのに対して、アルジャジーラのほうは、ちゃんと読めば重要な部分はCNNとまったく同じ文面であるにもかかわらず、周辺部分のちょっとした言い換えや小見出しをつけるといった工夫によって、コーラと骨粗鬆症の因果関係がより強く印象づけられるように読者を誘導していることがわかる。なかなかの職人藝だ。CNNのほうには、Copyright 2006 Reuters. All rights reserved.This material may not be published, broadcast, rewritten, or redistributed. という権利の明示があるから、おそらくアルジャジーラのほうがロイターの原文をいじっているのだろうが、編集権として容認される範囲には留まっているだろう。うまいものだ。じっくり読まずに、ざっと斜め読みをすると、両者の与える印象のちがいが、いっそうはっきりする。

 いや、だからアルジャジーラはけしからんと言いたいのではないのだ。むしろアルジャジーラは、立ち位置のしっかりした骨のある媒体である。おれは、報道というのは本質的にこういうものなのだと、改めて肝に銘じるに足る面白い事例だと言いたいだけなのだ。なにしろ、コーラというのはアメリカ文化の象徴としての意味を持つものであり、その象徴に関する科学的なニュースをうまく利用して、ほとんどサブリミナルに近いレベルで反米感情に訴えるアルジャジーラの藝には、もの書きの端くれとして学ぶべきところがある。

 ま、それはともかく、おれたちの子供のころには、「コーラを飲むと骨が溶ける」などとまことしやかに言われたもんだけど、このニュースでまたそういう話が再燃するのかねえ? 要するに、どんなものだって、過ぎたるは及ばざるがごとしというだけの話じゃないのかなあ?



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2006年4月 3日 (月)

意識しないと食べすぎてしまう

 丸山和也弁護士のブログ(2006年4月1日「食生活」)に、「今の日本人は基本的に食べすぎだと思う」という端的な指摘があった。おれもそう思い、以前に『「腹八分目」というのは身体に悪いのではなかろうか?』などと、ヒネた言いかたで私見を述べたことがある。あれは半ば以上本気である。おれは、とてもじゃないが、「1日2食から2.5食をずっと続け」ながら、時に百キロ走ったり、しばしば冬の川で泳いだりしているような鉄人ではないけれども、丸山弁護士のような生活をしてもべつに死にはせん……どころか、人一倍丈夫に過ごせるものなのだなと、妙に納得した。

 現代では、“ふつうに”食うと、食いすぎになってしまうんだろうなあ。“ふつう”の基準がずいぶん高いところに行ってしまっている。たとえば、マクドナルドで、百円のマックチキンを一個食ったとする(例が悪いか)。388キロカロリーである。二個食ったとする。776キロカロリーである。小ぶりのコンビニ弁当くらいの高カロリーだ。たった二百円で、これだけのカロリーが取れてしまうのだ(なにを隠そう、おれはしょっちゅう「マックチキン二個」の昼食を摂る)。まあ、栄養バランスということも考えねばならないが、単純にカロリーだけ考えるとすると、現代ではエネルギー源を摂取するのは、ことほどさように低コストで簡単なのである。“ふつうに”食っていたら、絶対摂りすぎになる。それだけの運動をしていればいいだろうが、たいていの人はそんなに運動できない。時間がない。意志が続かない。

 よって、現代では「いささか腹が減っているなあ」と感じるくらいをキープしたほうがいいのではないかと、最近とくに実感するのである。人間、ハングリー精神が大切だ……というのは、あまりにも古典的なオチだけど。

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2006年3月12日 (日)

脳細胞日記

 どうも最近、よく知っているはずのむかしの芸能人の名前が咄嗟に出てこないことが増えてきた。思い出せる場合でも、あきらかに反応速度が落ちてきているのが自覚される。元々あまりよくない頭が、とうとう実用に支障を来たすほどに老化してきたのだろうか。脳細胞がどんどん死んでいっているのは、厳然たる事実であるからな。

 そこで、以前よくテレビでやっていた「おとといの晩御飯がなんだったか、思い出せますか?」というゲームのCMを思い出す。

 よし、やってみよう。おとといの晩御飯は……コンビニ弁当だ。三日前は……えーと、えーと、コンビニ弁当だ。四日前は……そうだ、コンビニ弁当だった。五日前となるとさすがにダメかと思ったが、なんのなんの、コンビニ弁当だ。いくらなんでも六日前まで憶えていることは不可能だと思うでしょうが、そんなことはない、コンビニ弁当だと思い出すことができた。七日前は……う、うーむ、コンビニ弁当じゃなかったので思い出せない。

 なあに、これだけ思い出せるのだから、まだまだおれの脳は若々しいにちがいないぞ。

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2006年2月24日 (金)

♪ちっちゃいってことは便利だね あ 便利だね

メール打ちすぎで障害:英国だけで年間380万人
http://hotwired.goo.ne.jp/news/20060222301.html

 携帯電話会社の英ヴァージン・モバイル社は21日(現地時間)、携帯メールの打ちすぎで、指の痛みなど「反復運動過多損傷」(RSI)を患う人が、イギリスだけで年間380万人に上ると発表した。予防マッサージを考案し、専用ウェブサイトで紹介している。
 同社の調査によると、イギリスでは約12%の人が1日当たり1〜20通の携帯メールを発信しており、10%の人はそれ以上、多い場合は100通を打ち込んでいる。このため、同じ動作の繰り返しすぎでRSIとなり、指や手首にしびれ、痛みを感じる人が増えているという。

 ううーむ。あのですね、ふつー、そこまで大量に打つんなら、パソコン使わんか? 使わんのだろうな。ケータイで打つことに意義があるのかもしれん。それにしても、一日百通とは……。ちょっとしたショートショートが分割入稿できてしまうのではあるまいか。まあ、日本の女子高生とかなら、それくらいのヘビーユーザはざらにいるんだろうなあ。さすがにおれの歳になると、一日百通は想像するだけでもつらい。肩がばりばりになるだろう。そんなにメールしなくてはならない用事があるなら、おれなら「あとはパソコンで送るわ」ということになるにちがいない。

 この「反復運動過多損傷」というのがどれくらい怖ろしい障害なのかは知らんけど、高橋名人とかは大丈夫なのかなあ?

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2005年12月16日 (金)

もの食う人

 いま、やっと晩飯を食い終わったところである。今日食ったものを復習してみる。

[朝]ミニアンパン 2個(ふつうのアンパンの一個分にも満たないだろう)
   コーヒー(角砂糖1個) マグカップ1杯
   暴君ハバネロ 少々
   納豆 1パック
   生卵 1個

[昼]トマトチキンフィレオ(マクドナルド) 1個
   コーヒー(クリームのみ) 紙コップ1杯

[夜]広島焼き(コンビニ弁当) 1枚
   キムチ 少々
   焼酎お湯割り ウィスキーグラス1杯

[他]コーヒー(ブラック) 紙コップ2杯
   アクティブダイエット 1本

[サプリメント]
   ビタミンE 300mg
   カルシウム/マグネシウム (約350mg/約175mg)
   マルチミネラル(鉄・銅・亜鉛・セレン・クロム・マンガン・ヨウ素・モリブデン) それぞれ必要量
   αリポ酸 3カプセル
   アスコルビン酸(ビタミンC) 小匙1杯

[煙草]マイルドセブンエクストラライト 約1箱
   
 なんか、すげー健康的かつ経済的だが、なんとなく不健康な気もしないでもない。日本人のくせに、今日は米をひと粒も食っていない。とくに今日が粗食だったわけではなく、だいたい月曜から金曜までは、概ねこの調子だ。

 おれはひょっとして、光合成でもしているのだろうか? おれの基礎代謝に必要なカロリーは、約1400キロカロリーである。これでは、基礎代謝ぶんくらいしかカロリーを摂っていないのではなかろうか? しかも、昼と夜のあいだは、十二時間以上あいている。

 正直なところ、近年、ものを食うのがめんどくさくてしようがない。錠剤一錠で一日オーケーなんて具合にならないものだろうか。まあなにはともあれ、人間、納豆さえ食っていれば、なんとかなるものなのである。そうにちがいないのである。日本人は納豆だ! 米なんか食わなくてもいいんだ!

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2005年12月11日 (日)

酢を飲む

 どうもこのところ疲れが溜まって、土日なんぞ身体を動かすのも億劫になってきたので、ちょっと酢でも飲んでみようかと黒酢を飲みはじめる。以前かなり長期間飲んでいたことがあったのだが、たぶんめんどくさいからだろう、いつしかやめてしまったのだった。

 飲みはじめると、さしてうまいものでもないのに、どんどん飲みたくなるから不思議なものである。身体が欲しているのやもしれない。

 説明書きでは薄めて飲むのを推奨しているが、薄めて飲むとかえってまずい。生のまま(?)の黒酢をくいっと飲んだほうがずっとうまい。食道をかーっと熱いものが落ちてゆき、それがけっこう快感なのである。慣れると、ちょっと風味の変わったウィスキーのような感じになって、それがまた癖になる。そのままだと胃に悪そうなので、チェイサーとしてお茶を飲んで食道の粘膜を洗い、腹の中で酢を薄める。黒酢に対抗するわけだ。これがほんとの黒酢カウンターってそれが言いたかっただけやな。

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