放射線被曝健康法(※個人の感想です。効果には個人差があります)
「低線量の放射線被曝は、むしろ健康によい」という説がある。おれは専門家じゃないから、これを肯定したり否定したりする研究をする能力はないが、素人でも素朴に不思議に思うのは、「むしろ健康によい」のであれば、これを金にしようとする人が出現しないはずがないということである。「低線量なら、浴びてもさしつかえない」というんじゃなくて、積極的に健康を増進する効果があると言っているわけだろう? だったら、なぜ商売にしないのだろう?
たしかに、ラジウム泉やらラドン泉やらといった、ある種の温泉などは、低線量の被曝による健康増進効果を期待して商売にしているわけだ。でも、温泉なんて、わざわざこちらから湯治に出かけてゆかねばならない。大きく儲けるには、誰もが手軽にいつでもどこでも低線量被曝の恩恵に浴すことができるような、流通可能な商品を開発したほうがいいのではないか。おお、ビッグビジネスの予感!
そこで提案である。福島あたりの学校の校庭の隅っこに積んである、汚染された土やら砂やらがあるじゃないか。あれをですな、「低線量の放射線被曝は、むしろ健康によい」説を唱えている学者先生たちに監修してもらって、健康によい程度の分量を割り出し、食品に加工して販売するのである。ただそれだけでは売れないから、そこはそれ、こうした学者先生方の力をお借りして、特定保健用食品の認可を取る。「むしろ健康によい」程度の放射性物質を含んだ食品は、「条件付き特定保健用食品」としてなら認可される可能性は充分あるのではなかろうか?
むろん、これを実現するには、産業廃棄物関連の法律をはじめ、いくつかの法律を改正しなくちゃならないだろうけれども、放射能汚染された瓦礫の山が健康食品の原料として宝の山に化けるのであれば、骨を折ってくださる議員さんはたくさんいるはずだ。
特保が取れたら、有名人にCMに出てもらうのもいいだろう。「いやあ、うまい! カイワレはこれくらい汚染されているのが、むしろ健康にいいんですよ!」と、お遍路さん姿の菅直人ににっこりと言ってもらえれば売り上げ倍増である。あるいは、スポーティーな自転車を駆って躍動感たっぷりに現れた元科学技術庁長官/元原子力委員会委員長の谷垣禎一が、ペットボトルを咥えて天を仰ぎ、喉仏をダイナミックに上下させながらごくごくと特保のスポーツドリンク「プルト君」を飲み干すというCMも、運動不足の中年層にアピールしそうだ。
なにも食品や飲料ばかりが銭儲けの種ではない。旅行会社は、“放射線浴”を楽しめるツアーをなぜ組まない? もちろん、件の学者先生方にお願いして、「むしろ健康によい程度に汚染されたエリア」をピックアップしていただき、ツアーにもご同行いただこう。「◯◯先生監修! むしろ健康によい程度に被曝できるマイルドホットスポットめぐり」なんてのはどうだろう?
いやいやいやいや、誤解してもらっては困る。おれはなにも、「むしろ健康にいい」と世のため人のためを思って無知蒙昧なおれたちを啓発してくださる先生方を茶化しているのではないのだ。ちょっとでも健康によさそうなものがあれば片っ端から商売にするビジネスマンたちが、なぜもっと商売気を出さないのか、いささか義憤すら覚えているのである。
え? 実現したら、利用してくれるかって? いや、おれはべつにそのあの、そういうむしろ健康によいものを進んで飲み食いするほどには健康に気を遣ってないから、いいよいいよ、いいってば。どうせ独り身だ。日光浴もあんまり好きでないくらいなので、放射線浴も遠慮したい。バカだなあ、遠慮しないで、むしろ健康によいのにって、いやいやいやいや、だからおれなんかはいいから、もっとこう、健康に気を遣っている、妻も子もある人たちに薦めてあげて。
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