いっそ、にせものに代わってもらったほうがいいのでは……
▼ネタにされ逆襲? お笑い番組にペイリン候補本人が出演 (asahi.com)
http://www.asahi.com/international/update/1019/TKY200810190132.html
【ワシントン=梅原季哉】米大統領選の共和党副大統領候補、ペイリン・アラスカ州知事が18日夜、自らのインタビューや討論会での言動を再三ネタにされてきたNBCテレビのコメディー・ショー「サタデー・ナイト・ライブ」に、敵地に乗り込む形で特別出演した。
オープニングの寸劇は、ペイリン氏が記者会見に臨んだとの設定。実際に演壇に立ったのは、ペイリン氏の「そっくりさん」で話題を呼んでいる女優ティナ・フェイで、今回も知事の保守的な言動などをネタに笑いを取った。
ここで場面が換わって本人が登場し、ニセ者知事はあわてて消えた。ペイリン知事は「質問は受け付けません」としたうえで、番組開始の決まり文句である「ニューヨークから生中継、サタデー・ナイト・ライブ」と叫んだ。
陣営としては、度量の広さを見せて無党派層の若者らのウケをとる思惑もあったようだが、本人は終始、やや硬い表情のままだった。
この Tina Fey のものまねが最高なんだよなあ。ほんもののペイリンよりもペイリンらしい。なにやらわけのわからない保守的な信念だけは持っているらしいのだが、口を開けば茫漠とした抽象的なことばかりをあっけらかんと垂れ流し、経済政策や外交政策で具体的なことを訊かれると、ぶりっコして逃げる。それでいて、外見は頭良さそうで美しいし、かわいらしいところもある。ティナ・フェイのペイリンがほんもの以上にほんもの(つまり、バカ)に見えるというのは、ティナ・フェイがほんもののペイリン以上に頭が良いからなのであろう。実際、ティナ・フェイは、ほんとうに政界に入ってもペイリン程度にはなれるにちがいない切れ者である。
日本にも政治家のものまねをする芸人はいるけれども、顔や身振りやちょっとした癖などの形態模写に留まるものがほとんどだ。思想模写、思考回路模写というところまでは、なかなか行かない。「ザ・ニュースペーパー」なんかはけっこうがんばってると思うけど、ティナ・フェイの足元にも及ばないなあ。もっとも、日本の場合、思想模写、思考回路模写を芸人にしてもらえるほどのことを、そもそもオリジナルが言わない(言えない)からなあ。やっぱり、なんだかんだ言っても、アメリカとは議会制民主主義の歴史がちがうし、裾野の広さがちがう。日本にも、ティナ・フェイ並みのレベルの高いにせものが出てくれば、ほんもののレベルももっと上がると思うんだが……。
Gov. Palin and Katie Couric get real and adorable
(にせクーリックの“まばたき”がいい。あのなー、ペイリン、『クイズ$ミリオネア』じゃないんだから……)
Gov. Palin and Senator Clinton address the nation
(夢の競演。ヒラリーを指す“flurge”とはなにかググってみよう。結局、アメリカ人だって雰囲気でしかわかってない不思議な流行語なのだ)
Gov. Palin pays a visit to the show
(いよいよ敵地に乗り込んだほんもの。必殺の“fancy pageant walking”に苦笑するほんものは見ものだ。はてさて、この出演が凶と出るか吉と出るか……)
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