カテゴリー「犯罪」の79件の記事

2009年7月11日 (土)

準児童ポルノ

 おおお、な、なんといういやらしい画像だろう。こっそりあなただけにお教えしておこう。消されないうちにダウンロードすることをお勧めする。いい歳をした豊満な大人の女性が、性器を剥き出しにした全裸の二人の児童を戯れさせ、いやらしい笑みを浮かべならがそれを眺めている。この女性はそういう趣味なのだろうか。コーフンする。劣情を催す。これで二、三発は抜けそうだ。

 あ、しまった。リンクを張ってしまった。おれはもしかすると近いうちに逮捕されてしまうかもしれない。もし長期間更新が途絶えたら、おれはブタ箱にぶちこまれていると思ってください。しばしのあいだ、さようなら、みなさん。



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2009年6月27日 (土)

♪寂~しさに負けた~、いいえっ、タヌキに負けた~

寂しさに負けた…タヌキの置物何度も盗む 容疑者を逮捕 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0625/NGY200906250001.html

 陶器のタヌキの置物を盗んだとして、愛知県警豊橋署は25日、同県豊橋市多米町、無職木村修武容疑者(52)を窃盗の疑いで逮捕した、と発表した。木村容疑者は独り暮らしで、「寂しさから盗んだ。ここ1年で、10体のタヌキの置物を盗んだ」と話しているという。
 同署によると、木村容疑者は24日午後11時10分ごろ、同市内の会社員男性(41)方で、庭にあった全長約60センチの陶器のタヌキの置物(1万円相当)を盗んだ疑いがある。木村容疑者はこの置物を盗んだ後、さらにタヌキの置物もう1体を盗もうと戻ってきたところを、男性に見つかり、110番通報で駆けつけた同署員が逮捕した。
 木村容疑者が、なぜタヌキの置物を狙っていたのかは不明で、同署員は「(木村容疑者は)タヌキマニアなのかもしれないが、よくわからない」と話している。

 まあ、先日の「ヘビの散歩」のおっさんだってそうだけど、はっきり言って、どこか“病んでる”よなあ、この人たち。だが、病んでいるがゆえに、そりゃ犯罪はいかんけれども、どうもその、そこはかとない惻隠の情というか、けっして人ごとではないなにかを感じて、妙にいとおしくなってしまうことも事実である。いやそりゃ、犯罪者ですよ。でも、悪い人じゃないような気がしちゃうんだよねー。

 これが仏像かなにかなら、オーガナイズされた組織犯罪の匂いみたいなものがして、とたんに関心が失せるのだが、タヌキの置物ってとこがしょぼくていいじゃないすか。“業”のようなものを感じる。おれもいつの日にか、カエルの置物の連続窃盗犯として逮捕されるところまで壊れてしまうようなことがないとは言えない。

 もしそういうふうにおれが壊れてしまったら、おれの友人・知人の方々にはお願いがある。「まさか、あんな真面目そうな人がこんなことを……」みたいな薄っぺらなことは、けっして言わないでほしい。え? べつに頼まれんでも言いませんかそうですか。でもまあともかく、「ああ、とうとうやりおったですか。そのうち、なんかやるんやないかと思うてました」くらいのことを言って、マスコミを喜ばせてあげてほしい。え? べつに頼まれんでも、そういうふうに言いますって? いやあ、嬉しいね、そりゃ。さすがおれの友人・知人だけのことはある。いつ壊れても安心だ。じゃあ、頼みましたよ。

 ここまで壊れたかないけどねえ……。



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2009年5月 5日 (火)

逮捕せんか~!

 と、日本中の人が大声でツッコんでいるのが聞こえるようだ。

愛知県警・守山署副署長が飲酒運転容疑 任意で取り調べ (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0505/NGY200905050001.html

 愛知県警は5日、守山署の小川直哉副署長(54)が同日未明、名古屋市守山区内で酒気帯び運転をしたとして、道交法違反容疑で任意で取り調べていると発表した。小川副署長は豊田署交通課長、県警交通安全教育推進室長を経て現職。県警によると、「何でこんなことをしてしまったかわからない。申し訳ない」と話しているという。
 監察官室の発表によると、小川副署長は同日午前2時ごろ、同区内の飲食店から自家用の乗用車を運転して署の駐車場に戻ってきたところ、署員が酒のにおいに気づき、飲酒運転がわかった。呼気中のアルコール濃度は、道交法の違反点数がより重い基準値(0.25ミリグラム/リットル)を超えていたという。
 小川副署長は4日午後6時半から5日午前0時まで、知人らと署の近くの飲食店で酒を飲み、徒歩で官舎に戻った後、1人で署の駐車場から車で再び飲食店に出かけて戻ってきたところだった。飲酒運転したのは、署と2軒目の飲食店の往復約3キロ。1軒目で焼酎の水割り3杯とビール2本を飲んだと話しているという。
 加藤僚首席監察官は「飲酒運転の絶無を期しているなか、警察幹部が飲酒運転をしたことについてはまことに申し訳なく思う。事実に基づき厳正に対処する」とのコメントを出した。

 昨今の警察の基準では、こういうのは現行犯逮捕して、ひと晩拘留し、尿検査したうえで家宅捜索するべきだろう。署員が目の前で見てて、呼気検査で違法な数値が出たんだろう? な~にが「任意で取り調べ」だ、ふざけるんじゃない。逮捕していないから、マスコミも“小川直哉容疑者”と呼ぶことができない。うまくしたもんだ。

 加藤僚首席監察官とやらは、「警察幹部が飲酒運転をしたこと」だけじゃなく、やたら身内に甘い警察の体質に関しても「まことに申し訳なく思う」べきだ。



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2009年4月25日 (土)

おれはすげー犯罪者であるかのような気がしてきた……

 いやあ、しかし怖ろしいよなあ。公然わいせつの疑いで家宅捜索などという世にも珍しい話をごく最近聞いた。疑いもなにも、草なぎ(「なぎ」は弓へんに剪)クンの場合は、現行犯なんだろう?

 仮におれがなにかをしでかして、XXXXの疑いで家宅捜索された場合、おおよそあらゆる罪に結びつけられそうな証拠物件が押収されることであろう。てゆーか、こんなブログを読んでるあなたの家もそうでしょう、きっと。



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2009年4月23日 (木)

おれを裁判員に選んだって知~らないぞ、知らないぞ

 裁判員制度の開始まで一か月を切ったということで、またもやにわかにいよいよ是非の論議が盛り上がっているみたいだが、是非もへったくれも、もうやることになっちゃったんだから、どうしようもないわな。さいわい、おれのところにはまだ赤紙(?)は来てない。というか、来ても言っちゃダメなんだっけ。来てないと言うのはいいんだろ?

 「私は法律の知識なんかないし、裁判員なんかにさせられても……」といったコメントをする人がけっこう多いのだが、そりゃ、みんなそうだわさ。法律にめちゃめちゃ詳しかったら、弁護士やら検事やらになってるよ。国がパンピーの常識と良識で判断しろと言っているのだから、法律の知識に乏しいことをこちとらが負い目に思う必要などない。無知な私のせいで罪もない人が重罰を課せられたらどうしよう──などと思うところが、よくも悪くも真面目な日本人だなあと思う。ふつう、無能なやつを採用したり抜擢したりしてろくな結果にならなかった場合、無能なやつが悪いのではなくて、そいつを採用したり抜擢したりしたほうが悪いのである。おれを裁判員などにしてしまった場合、どんなことになろうと、それはおれを選んだやつが悪い──と、割り切って考えられないのが、お人よしの日本人のいいところでもあるし、悪いところでもあるのだよなあ。だけど、裁判員に選ばれちゃった人は、「おれが他人の人生を、ことによると、生死を左右するのだ」などと、根を詰めて悩みすぎると、心身症になっちゃうよ。ある意味、おれたちは、ごくふつうに生きていても、その一挙手一投足が、他人の人生を左右しているのだ。考えすぎると、「生まれてすみません」状態になってしまう。「生まれてすみません」よりは、「生きてるだけで丸儲け」((C)明石家さんま)と思って生きてるほうが、人生なんぼかましだと思うよ。

 「経営陣がボンクラだから、おれたちがしっかりしなきゃ、お客さんに迷惑がかかる。おれたちが会社を支えているのだ」などと、自分に給料以上の使命感を課して身体壊しちゃう人とか、極端な場合は、過労死しちゃう人とかが少なからず出るのも、愛すべき日本人のいいところでもあり、悪いところでもあるよね。「当座はおれしかいないが、そんなもん、いざとなりゃ、べつにおれの代わりなんていくらでもいる」くらいに考えて、死なない程度に働くのがしあわせなんじゃなかろうか。なにしろ、経営陣の代わりだっていくらでもいるし、仮にあなたの勤め先が潰れたって、代わりはいくらでも出てくるのだ。あなたが公務員だってそうである。だけど、息子・娘としてのあなた、夫・妻としてのあなた、父親・母親としてのあなたの代わりはどこにもいない。優先順位の付けかたはおのずとあきらかであろう。

 おっと、裁判員制度の話からちょっと逸れたな。であるからして、おれは裁判員になんぞなりたくもないが、選ばれちまったら、それはそれでいたしかたないと思っている。選ばれちまったら、「おれが正義だ」くらいの心持ちで臨むつもりだ。たまたまおれの正義に合致する立法主旨の法律があればけっこうなことだし、おれの正義に反する法律があるのだとしたら、それは法律のほうがまちがっているのだと裁判員たるおれは思ってよいのだ。文句あるか。

 それはそうと、ミステリ作家の方々にとっては、この裁判員制度、けっこうおいしいかもしれないよね。裁判員全員が共謀する『裁判員制度殺人事件』なんてのは、誰でも思いつきそうだから早いもん勝ちだ。生まれてこのかた小さな村から一度も出たことのない老婆が裁判員に選ばれ町に出てゆくのだが、彼女にはじつはとてつもない推理の才能があって、本職の法律家をも唸らせる冴えた論理で裁判員たちをことごとく納得させ、誰も想像だにしなかった真相を暴く──な~んて話も出てきそうだ。じつは、偶然にも真犯人は裁判員の中にいた──なんてのも面白そうだな。人間の心理を手玉に取る才能に恵まれているやつが裁判員の中にいて、どう考えても無実の人間を、そいつの弁舌と手練手管で死刑に追い込む“触媒殺人”なんてのもアリかもしれない。う~む、アガサ・クリスティは偉大だねえ。

 なに? 不謹慎だ? だーかーらー、なにもあなたが全宇宙を背負うことなどありませんって。あなたがどんなにいいかげんでもボンクラでも一般常識程度の法律を知らなくても、それは選んだやつが悪いんだから。



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2009年4月17日 (金)

その“鈍器”が見たい

女子高生が鈍器で殴られ、かばん奪われる 堺市の路上 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0417/OSK200904160059.html

 16日午後10時25分ごろ、堺市南区桃山台4丁の路上で、自転車で帰宅途中の高校2年の女子生徒(17)から「強盗被害に遭った」と110番通報があった。南堺署によると、前から歩いてきた男に鈍器のようなもので後頭部を数回殴られ、現金約7千円入りのかばんを奪われたという。生徒は軽いけがを負わされた。同署は強盗致傷容疑で逃げた男の行方を追っている。
 同署によると、男は25~30歳、身長約170センチ、黒色っぽい半袖Tシャツと白色っぽい長ズボン姿で、眼鏡をかけていた。硬い物が入ったスーパーの袋のようなものをすれ違いざまに振り回して殴りつけたという。

 出たな、謎の凶器“鈍器のようなもの”

 そもそも“鈍器”ってだけで十二分に曖昧な凶器なのに、さらに“のようなもの”がつくわけだから、読んでるほうにはさっぱりイメージが湧かない。「鈍器」というのは、広辞苑によれば、「鋭くないが重みのある刃物。また、刃のついていない棒状の道具」とある。そもそもがずいぶん曖昧な定義である。刃が鋭くない、あるいは、刃がついていないというところに意味領域のコアがあるようだから、言い換えれば、切ることよりも叩くことのダメージを目的としたなにものかということなのだろう。たとえば、靴下に砂を詰めたものなどは、充分に“鈍器”なわけだ。日本刀で峰打ちされた場合、それはやはり、殴られた痕を調べるかぎりは、“鈍器のようなもの”で殴られたということになるのだろうな。

 かねてより、あちこちで指摘されているのを見るのだが、はたして“鈍器”に“のようなもの”をつける意味があるのだろうか? 「鈍器のようなもので殴られた」というのは、「刃物のようなもので切られた」と言っている以上に曖昧な表現ではなかろうか。“切れる”からには、それは一般的に刃物と呼ばれるものそのものでなくとも、それに準ずる鋭利な部分を備えた凶器なのだろうなと妥当に推測できるが、“鈍器のようなもので殴られる”場合、凶器は、明確に切ることに特化した道具ででもないかぎり、およそすべての物体が候補になってしまう。というか、切ることに特化した道具をあえて殴ることに使った場合でも、候補になってしまう。広辞苑だって、立派な鈍器である。

 「鈍器のようで鈍器でないもの、ってあるのですか?」と、マジメにQ&Aサイトで尋ねている人がいて、それに続くやりとりのあまりの面白さに大爆笑してしまった。いやあ、たしかにこれはもっともな質問だと思うな。マスコミはいったいどういう理由で「鈍器のようなもの」を使い続けているのだろう?

 鈍器のようで鈍器でないものなあ……やっぱり、それは日本刀の峰打ちなんじゃないか? 実際、峰打ちだろうが、あれだけの重量の鉄の棒で殴られたら、死ぬことだって少なくなかろう。

 ♪鈍器のようで、鈍器でない、ベンベン!



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2009年3月30日 (月)

政府紙幣の使いみち?

小泉政権ブレーンの高橋洋一教授 脱衣所で窃盗容疑 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0330/TKY200903300341.html

 温泉施設の脱衣所のロッカーから高級時計などを盗んだとして、警視庁は、元財務官僚の高橋洋一・東洋大教授(53)=東京都板橋区=を窃盗の疑いで30日に書類送検した。高橋教授は、小泉政権のブレーンとして郵政民営化などを進めた。
 練馬署によると、高橋教授は24日午後8時ごろ、練馬区の温泉施設「豊島園庭の湯」の脱衣所で、同区の会社員男性(67)が使っていたロッカーから現金約5万円入りの財布や、イタリア製の高級腕時計(数十万円相当)などを盗んだ疑いがある。男性は鍵をかけ忘れていたという。
 高橋教授は「いい時計で、どんな人が持っているのか興味があった。申し訳ない」と謝罪しているという。
 浴室から上がった男性が時計などが無いことに気づき、同署に通報。署員が防犯カメラの映像を確認したところ、映っていた男に似た高橋教授が午後11時ごろに施設から出てきた。事情を聴くと男性の時計などを持っており、容疑も認めたという。
 高橋教授は昨年4月から東洋大学経済学部に在籍。「さらば財務省! 官僚すべてを敵にした男の告白」などの著書がある。
 東洋大は「事実関係を確認中だが、教育に携わる者として許し難いことである。今後、厳正な処分を行う」などとするコメントを出した。

 数百万円、数千万円というならともかく、数十万円相当の腕時計なら、著書もあって講演を依頼されテレビにも出るような大学教授に買えんことはないと思うんだけどなあ。べつに生活に困っているわけでもないのに、二百円、三百円のものをわざわざ万引きして捕まる病んだ主婦みたいなもんなのかもなあ。

 さては、政府紙幣を発行しろと言っていたのは、腕時計が欲しかったからか……と、ツッコんでいる人が、いまごろ日本中にいっぱいいるにちがいない。

 それにしても、地位も名もある人が、なんともちんけな犯罪で書類送検されるもんだ。わが国が世界に誇る最高の腕時計なら、一万五千円で買えるのに。



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2009年3月 4日 (水)

国策捜査だとしたら、こいつは面白くなってきたぞ

小沢代表「全く問題ない」…捜査次第で進退に発展も (asahi.com)
http://www.asahi.com/politics/update/0303/TKY200903030284.html

 西松建設側の政治献金問題に絡んで公設第1秘書が逮捕された民主党の小沢代表は3日、「全く問題はない」と同党幹部に伝えた。党執行部は「国策捜査だ」と反発しているが、党内には総選挙への悪影響を危ぶむ声が広がっている。捜査の展開次第では、小沢氏の進退に発展する可能性も出てきた。
 小沢氏は3日、公設秘書が逮捕されるのに先立って党本部で鳩山由紀夫幹事長、菅直人代表代行ら幹部と会談し、「すべて合法にやっている。全く心配はいらない」などと語ったという。秘書の逮捕後も、鳩山氏は記者団に「全く問題ないとのことだったので当然、私たちは信頼している。いずれ代表自らが説明される」と述べた。小沢氏の進退については「この問題で今すぐにという判断にはならない」と否定した。
 小沢氏は4日朝の党役員会で、経緯などについて説明。その後、党本部で記者会見する。
 党執行部は当面、捜査の推移と小沢氏本人の説明を見守る構えだ。しかし、説明が理解を得られず、政治責任を追及され続ければ総選挙への打撃は計り知れない。小沢氏と距離を置く議員を中心に「党内政局だ」(中堅)として、「ポスト小沢」を想定する声も党内には出始めている。

 国策捜査なんだかどうかはよくわからないが、もしそうなのだとしたら、自民党と官僚の持ちつ持たれつのアンシャンレジームはなりふりかまわず最後のカードを切ってきたということであって、よほど切羽詰まっているのだと解釈することもできる。

 どのみち、民主党が聖人君子ばっかりだとは最初から誰も思ってないわけで、それどころか、「元自民党がいっぱいいるじゃーねーか」と思っている人のほうが多そうだ。国策捜査だとしたら、下手すると逆効果になりそうな気がするがなあ。“叩けば埃が出る小沢”というイメージは、そのまま自民党そのもののイメージであるからだ。

 それでも、これだけ民主党が自民党に肉迫してきているのは、ひとえに自民党そのものが自壊していっているからであって、民主党の実力ではない。小泉元首相は、ここへ来てようやくかつての公約を果たしつつあると言えるであろう。

 おれは、これがほんとうに既得権にしがみつく連中の陰謀であったり、国策捜査であったりするほうが、ずっと愉快だと思っているのだ。これでもし小沢代表が退くことがあれば、いっぺん政権交代させにゃならんとは思っているものの“小沢アレルギー”のみを理由に民主党を積極的に支持するのには腰が引けている人たちが、憑きものが落ちたようにいっせいに積極的な民主党支持にまわるということだって考えられる。ここまで自民党がメタメタになった段階で民主党に失点が出ても、それはちっとも自民党のプラス評価には繋がらないだろうと思う。

 この好機に、民主党は、いっそクリーンで堅実なイメージの岡田克也をいま一度トップに据えたほうが、さらにダメ押しで支持率が上がるのではなかろうか、というか、不支持率が下がるのではなかろうか? いまのぐちゃぐちゃな自民党よりは、多少頼りないくらいの若い力のほうがずっとイメージがよい。そうすれば、今回の国策捜査(?)の糸を引いた連中は、「そ、そんなアホな……」と、藪をつついて蛇を出した予期せぬバックファイアに仰天し、Orzと崩折れることであろう。いや、そうなると、ドラマとしては、と~っても面白いなあと思うだけ。けけけけけ。

 おれはとくに民主党支持ではないが、自民党不支持である。よって、上記の提案は、なかば本気でしている。岡田代表を再び据えて、これはまあ無理かもしれないが、欲を言えば世耕弘成を自民党から引き抜いて選挙参謀にしろ。世耕氏も、いまの自民党では、自分の才能が空回りするだけで有効に活かせず“はらほろひれはれ感”を強く抱いているのではなかろうか。「それを言っちゃあ、おしめーよ」ってさ。民主党にまわったほうが、ずっと才能と経験が活きると思うんだがなあ。なあ、世耕さん、“民主党のゲッベルス”として、日本を変えてみる気はないか? そんな努力のし甲斐のないところで埋もれてないでさあ。



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2008年11月28日 (金)

これはやっぱり詐欺は詐欺だよなあ

「10万振り込んで」…詐欺じゃなくて息子の無心 長崎 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/1126/SEB200811260017.html

 長崎県南島原市の女性(69)に、県外に住む息子を名乗る男性から「滞納した10万円を払わないと逮捕されるかも。口座に振り込んで」という電話が入った。
 女性は不審に思い、長崎署に相談。助言に従って息子(34)に電話で確認したところ、本人が金に困って、振り込め詐欺に便乗したうそをついたと認めたという。
 実害がなかったとは言え、振り込め詐欺被害急増を反映した騒動に、平井隆副署長は「まさか本人までが」と苦笑い。「正直に事情を話してお金を借りれば良いのに」

 こりゃもう、マンガとしか言いようがないわなあ……。

  「あ、おれおれ。テツヤ。じつは、滞納した5億円を払わないと逮捕されるかも。口座に振り込んで」
  「コラ! テツヤ、何ばあんたしようとかいな、あんた。はようあんた、警察へ行ってこんね、あんた」

 ピザやらハンバーガーやらばっか食べおるて、どげん贅沢しよるとか。自炊せんね、自炊。

 ♪今も聞こえる あのおふくろの声~



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2008年11月23日 (日)

これで納得できるほうがおかしいよなあ

小泉容疑者、2つの事件への関与を認める 元次官宅襲撃 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/1123/TKY200811230175.html

 元厚生事務次官宅が相次いで襲撃され計3人が死傷した事件で、「事務次官を殺した」と22日夜、警視庁に出頭したさいたま市北区東大成町2丁目、無職小泉毅(たけし)容疑者(46)を、同庁は銃刀法違反容疑で23日未明に逮捕したと発表した。二つの襲撃について関与を認めているという。同庁は同日、東京都中野区の吉原健二さん(76)の妻靖子さん(72)に対する殺人未遂容疑で小泉容疑者の自宅アパートなどを家宅捜索や検証した。
 同庁と埼玉県警は、サバイバルナイフなどに付着した血液のDNA鑑定などを進め、物証が整って容疑が固まれば、靖子さんに対する殺人未遂か、さいたま市の山口剛彦さん(66)、妻美知子さん(61)に対する殺人のいずれかの容疑で再逮捕する方針だ。
 元次官宅襲撃について小泉容疑者は調べの中で「以前、保健所でペットを殺されたことに腹が立った」などと話したという。父親によると、小泉容疑者が小学生の時に、家に来る茶色い野良犬を飼うようになったが、自宅で営んでいた駄菓子屋の客や周囲の人によくほえるため、保健所に処分してもらった。小泉容疑者には相談しなかったという。

「事実なら理不尽」被害者の知人、元次官襲撃動機に怒り (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/1123/TKY200811230164.html

 小泉容疑者は元厚生事務次官宅を相次いで襲った動機について、子どものころに飼っていたペットが保健所に処分されたことをあげた。思いも寄らない内容に、被害者を知る人たちは「理由は別にあるのでは」「むなしい」と言った。
 殺害された山口剛彦さんが厚生省で官房長だったとき、厚生事務次官だった多田宏さん(69)は、容疑者逮捕の知らせに安心できなかった。「ずっと前にペットを処分されたことが殺害の理由だと言っているようだが、そんなことで人を殺せるわけがない。理由は別のところにあるのではないか。捜査が進まないと、家族も私も、不安な気持ちのままだ」と話した。

 なんだかなー、じつに不可解な話ではあるよね。わけわからんよ。

 先日、テレビのニュースを観ていたら、誰かが「犯人は年金行政に不満のある者ではないか」みたいなことをほざいたので、おれはのたうちまわって大爆笑してしまいましたわさ。公務員を除く日本国民に、年金行政に不満のないやつなんかいるものか。誰でもいちばんに考えるような単純なこと、だからこそ、どこかの誰かのミスリーディングかもしれないようなことを、さも重要なニュースであるかのようにほざいてどうする、マスコミよ?

 仮におれが“年金テロ”を行なうとしたら、とっくに“逃げ切った”爺さんたちを襲うよりも、“ちょっと前から現職に至るまでの事務次官どもと、その形式上の上司であった政治家ども”を襲うことだろう。そのほうが、現職の政治家や国家公務員の連中に、「国の禄を食んで権力と厚遇を与えられるということには、当然、このような逆恨みを受けるリスクも織り込まれているのだ」というあたりまえのことを改めて認識させる刺激になるであろうし、逆に言うと、それが怖いような人は政治家や国家公務員になるべきではないとおれは思うからである。世の中、どんな歪んだ怨みを持つやつがいるかはわからない。ましてや、正当な怨みとなればなおさらだ。べつに、命に危険が及ぶやもしれぬ公職は、自衛官だけではないのだ。

 むろん、このようなテロはけっして許されるべきことではない。だが、職と厚遇にくっついてくるリスクは、やはり、エリートとしては覚悟すべきだろう。それが真のエリートというものだ。テロはいかんという話と、エリート(と、その周辺にいて恩恵を受ける人々)はテロも覚悟しておかねばならんという心構えの話とは、別問題である。「無関係の奥さんを襲ったのは許せん」という論調もあるようだが、それはちょっとちがうだろうとおれは思うね。許せんことは許せんのだが、あくまで覚悟の問題としては、坂本竜馬に添うなら、やはり奥さんもおりょうくらいの覚悟は当然持っているとおれは推測する。え? おれ? おれはそんな覚悟などとても持てないから、逆立ちしても政治家や公務員にはなれません、ハイ。というか、たとえ能力的になれたとしても、そういう覚悟がなければなってはいかんと思う。

 それにしても、この“自称犯人”、胡散臭いことおびただしいよなあ。おれはこいつが現れたとき、いちばんに、オウム真理教の村井をマスコミの目の前で殺害した、あの徐という男のことを連想した。あいつはたしかに実行犯にはちがいないが、あいつを操っていたやつがどこかにいることは、(法的に証明できないとはしても)誰もが確信しているだろう。今回の小泉というやつも、徐と同じ臭いがしますなあ。きっと、どこかでかんらからからと哄笑しているやつがいるのにちがいない。それは、殺害された元事務次官に、この期に及んでおかしなことを口走られては困るような誰かなのかもしれん。大勢の人がそう思っていることではあろうが、まあ、おれの言っていることは、あくまでファンタジー((C)北芝健)ですから、どこかでかんらからからと哄笑している人は、ヘンな鉄砲玉をおれみたいな善良な雑魚に差し向けないように。



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2008年10月31日 (金)

“足るを知る”という能力を欠くと、不幸になるんだろなあ

高級住宅街で麻薬密売のイラン人摘発 (TBS News i)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3982684.html

 東京の高級住宅街で、主婦や会社員ら、延べ2万人に覚せい剤などを密売していたイラン人らのグループが摘発されました。このグループは調べに対し、「こんなに薬物を買う人がいて、日本は大丈夫なのかと心配になった」と、供述しているということです。
 東京・港区の高級住宅街で周囲を見回す女性。現われたのは1人の男。2人は何かを話した後、男は女性に手渡されたライターでたばこに火をつけると、ライターと一緒に何かを女性に手渡しました。薬物売買の瞬間です。この男は、同じ場所で車に乗った"客"にも何かを手渡していました。
 関東信越厚生局麻薬取締部は、今年7月、薬物密売グループのリーダーでイラン人のアボルファズル・ザルバリ被告(42)を逮捕しました。港区のマンションやアパートで、覚醒剤やコカインなどを販売目的で所持していた疑いです。
 ザルバリ被告はその後、起訴されましたが仲間のイラン人4人と共謀。港区の白金や高輪、麻布といった高級住宅街で薬物を、1日平均70人、延べ2万人の主婦や会社員に密売したということです。月に2千万円の売り上げがあったこともありました。

 いやあ、どうも、遠い国からやってきて、こんなにも日本のことを心配してくれてありがとう。

 白金に高輪に麻布かあ……。なにが不満で薬物に走るのやら。ひょっとすると、住むのに精一杯で、案外、内実は“豊かでない”(それはたぶん“貧しい”というのとはちがうのだ)生活をしてたりして。見栄も張らにゃあならんだろうから、ホントは使いたくもないトコに金使ってストレスが溜まるのかもしれないしね。

 それにしても、貧乏人は薬物中毒にすらなれないのかと思うと、なんとなく癪に障るよな。きっと、本やCDやDVDやデジタル機器や食玩を買っても、まだなお薬物中毒にもなれるほどの金があるんだろうなあ……って、人はほかにいったいなにを買うというのだろう? 何億も持ってても、どうせそんなに本も読み切れないし、CDも聴き切れないし、DVDも見切れないのになあ。となると、薬物でも買うしかないのか?



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2008年10月26日 (日)

怨みの抽象化?

母校文化祭へ「いじめ仕返し」 ナイフ所持容疑の男逮捕 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/1025/TKY200810250234.html

 文化祭を開いていた群馬県前橋市日吉町2丁目の勢多農林高校駐車場でナイフを所持していたとして、前橋署は25日、吉岡町大久保の専修学校生、小渕鏡人(あきと)容疑者(20)を銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕したと発表した。小渕容疑者は同校の卒業生で「在学中のいじめに仕返ししようとした」と容疑を認めているという。
 数日前から同校周辺に「文化祭で卒業生の首をもらいに行く」などと書かれた怪文書がまかれていたため、前橋署が警戒中だった。同署は怪文書との関連を調べている。
 前橋署によると、小渕容疑者は25日午前11時25分ごろ、勢多農林高校の駐車場で、刃渡り約12センチの果物ナイフを持っていた疑いがある。署員が職務質問した際、所持品の中からナイフが見つかった。小渕容疑者は同校卒業後、高崎市内の県立の専修学校に入学していたという。
 同校は「在学中にいじめがあったかどうかわからないのでこれから事実を確認する。いまは何もわからない」としている。

 なんかまたこれも、一読しただけではなんのことやらさっぱりわからない事件である。いや、記者の文章が下手とかいう意味じゃなくて、この小渕容疑者とやらの言葉と心理がさっぱりわからない。“仕返し”という言葉をどういう意味で使っているのだろう? 以前あった「誰でもいいから皆殺し」に匹敵する不可解な言葉遣いだ。

 小渕容疑者が勢多農林高校在学中にいじめを受けていたのだとしたら、いじめた当事者を探し出して刺しにゆくというのが、ふつうの“仕返し”なんじゃあるまいか? おれならそうする。

 あるいは、そうしたいじめを知りながら看過していた教師がいて、いまもまだ同じ学校で教えているというのであれば、その教師を刺しにゆくというのがふつうの“仕返し”ではなかろうか? おれならそうするかもしれん。「卒業生の首をもらいに行く」(という怪文書が小渕容疑者によるものであるとすれば)というのは、じつに奇妙だ。現在の在校生になんの関係があるというのだ? 現在の在校生を傷つけて、怨みが晴れるとでもいうのだろうか? おれなら晴れん。

 小渕容疑者が、勢多農林高校という抽象的概念としての組織体にいじめを受けていたと感じていて、それに対する“仕返し”を試みたと考えるとすれば、まあ、多少はわからないこともない。しかし、だとすると、現在もその抽象的組織体にいじめを受けている最中の具体的構成員(つまり、過去の自分と同じ境遇にある生徒)がいるかもしれず、自分の“仕返し”がそのような生徒を傷つける可能性も大いにある、それでもいいのか――と考えるのが、ふつうの想像力というものではあるまいか? とにかく、おれにはこやつがなにを言っているのか、さっぱりわからん。わからなくてさいわいだ。

 もしかすると、おれは難しく考えすぎているのかもしれん。要するに、単にこいつは、いまの自分より弱そうなやつに八つ当たりしたかっただけの話なのかもしれん。親に虐待を受けた子が長じて親になったとき自分の子を虐待してしまうといった、いわゆる“虐待の連鎖”が学校現場でも起こり得るということなのだろうか。そういえば、あの宅間守も「エリートでインテリの子供をたくさん殺せば死刑になると思った」と言っていたが、論理的に考えれば、“宅間が子供だったころにエリートでインテリの子供だったおっさん・おばはん”を殺しにゆくのが筋というもので、現在“え~トコの学校”に行っている子供を殺したとて、怨み(というか、逆恨みというか)が晴れたりするものであろうか?

 いやまあ、「怨みが晴れたりするものであろうか」などと言っている時点で、正常な精神状態のものさしを持ち出しているわけだから(た、たぶん正常だと思う……)、じつに詮のないことではあるのだが、おれにはこういう思考回路がないだけに、不気味であると同時に、興味も覚える。

 人は、集合の具体的要素を怨んでいるうちに、集合という抽象的なものを怨むようになってしまうこともあるものらしい。おれにはよくわからんが……。「日本に原爆を落としやがって」などと、戦後に生まれたおれが戦後に生まれたアメリカ人一人ひとりに怨みを抱けるかというと、そんな感情はまったく湧いてこない。アメリカ政府という抽象的なシステムの厭らしさに嫌悪感を覚えるということはあるが、だからといって、そこのマイケル君やあそこのメアリーちゃんに嫌悪感を覚えるかというと、そんなことはまったくない。なんだか、おれが異常なんじゃないかと自信がなくなってきたが、ふつう、そんなもんなんじゃないの?

 しかし、小渕容疑者のような思考回路を持つ人間を計算に入れておく必要というのは、危機管理上、あるだろう。SFファンという抽象的な集合に殺意を持っているやつだっているかもしれんし、喫煙者を皆殺しにしたいとか、酒飲むやつを皆殺しにしたいとか、眼鏡をかけているやつはみんなオレをむかしいじめたやつの仲間だ、殺せ、殺せ、殺せ~~~とか思っているやつだっているかもしれん。

 ことによるとひょっとしてもしかするとあなただけは該当しないかもしれないが、人類という集合のなんらかの部分集合に属してしまっている人は、誰かに部分集合ごと怨まれているかもしれないので、個人的には身に覚えがなくても、気をつけたほうがよい(っつっても、気をつけようがないけど)。

 そもそも、生命体という集合を怨んでいるやつだっているかもしれないんだよなあ……。



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2008年10月25日 (土)

ゲームはまだそこまで進んでないよ

「ゲームうまくできたので、車運転」ひき逃げ容疑の中3 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/1024/OSK200810240011.html

 大阪市淀川区で18日未明、自転車の男性が軽乗用車に約180メートル引きずられて重傷を負った事件で、ひき逃げなどの疑いで逮捕された大阪府豊中市の中学3年の女子生徒(14)が「車を運転したのは初めてだった。ゲームでうまく運転できたので、本物でもできると思った」と供述していることが府警への取材でわかった。
 淀川署によると、女子生徒は「ゲームセンターでハンドル付きのゲームをして運転に興味を持ち、自宅から運転して行った」と供述。友人の中学2~3年の男子生徒3人が同乗していたことについては「ドライブに行こうと自分から誘った」と話しているという。重傷の男性は現在も入院中という。

 なあに、この程度はなまぬるい。えーと、ご記憶の方もいらっしゃるだろうが、九年ほど前に、旅客機を包丁一本でハイジャックして操縦させろと機長に迫り、断られたので機長を刺殺した阿呆がおった。阿呆は、「シミュレーションゲームで訓練を積んでいるので自信がある」とほざいていたな。

 重傷を負った方にはお気の毒だが、この程度の阿呆は、もはや、そこいらへんにざらにおると考えておかねばなるまい。道を歩くときは気をつけんとな。

 こりゃしかし、いったいなんなんだろうね? 情報教育の貧困なんだろうか? “現実”というものの情報量が、現代の迫真のゲームに比べてすら、いかに桁ちがいに膨大であるかを、ちゃんと学校で教えておいてくれなくては困るね。

 おれはヴァーチャルがリアルに本質的に劣ると言っているのではない。virtual という言葉を、real の“パチもん”といった意味に誤解している人はかなり多いが、本来、virtual というのは、“そのものではないが、その「力」において、そのものと等価である”という意味だ。まあ、残念ながら、現在の技術水準は、現実世界に匹敵する情報量をリアルタイムで仮想で操るには、まだまだお話にならないほど非力である。virtual という言葉を使うのは、ホントはまだ誇大広告(?)なのだ。そんなことは、むしろ年寄りのほうが直感的にわかるのだろうが、ひょっとすると、いまの若者には、知識として教えなければならないことなのかもしれない。こういう阿呆には、スポーツをやらせれば、現実の情報量の膨大さが体感でき、いまのコンピュータ技術など、まだまだオモチャのようなものだと納得してくれるのかもな。



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2008年10月22日 (水)

しょぼいことで捕まるなよ、正義の味方

正義の味方捕まる 茨城ご当地ヒーロー「イバライガー」 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/1020/TKY200810200417.html

 子ども向けのテレビ番組「獣拳戦隊ゲキレンジャー」の衣装を無承諾で複製・販売したとして茨城県つくば市に住む男性(41)が先月末逮捕され、今月15日、著作権法違反の罪で罰金100万円の略式命令を受けた。この男性は茨城のご当地ヒーロー「時空戦士イバライガー」でもあった。正義の味方の逮捕は、イバライガー消滅の危機をもたらし、コスプレ業界にも不安を広げている。

 ご当地戦隊ってのは、この間歇日記でも「離島戦隊タネガシマン」あたりからいろいろ取り上げてはきたが、とうとう逮捕される戦隊が出たかあ。

 まあ、ウルトラマンコスモスだって逮捕されたことがあるんだから、イバライガーもちゃんと罪を償って復活してもらいたいものである。

 杉浦太陽だって、被害者の証言に虚偽があったってことで不起訴となり、結果的には誤認逮捕ってことで、いろいろ番組には影響はあったが最終的にはことなきを得たわけで、いまは問題なく芸能活動してますしね。可愛い奥さんももらったし。

 まあ、正義の味方をやる人は、子供の夢を壊さないよう、めったなことはしないような心がけは必要でありますなあ。大人は「あんたも聖人君子じゃあるまいしね」と見てくれるかもしれんが、子供にとってはヒーローなんだしね。



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2008年10月17日 (金)

お爺ちゃん・お婆ちゃんに近況報告しよう!

15日の「振り込め詐欺」集中警戒にもかかわらず、4件700万円の被害 (FNN)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00142431.html

年金支給日の15日、警察庁はいわゆる「振り込め詐欺」に対する集中警戒として、異例の5万人以上の警察官を全国各地のATM(現金自動預払機)に配置し、厳重な警戒にあたった。
しかし、宮城、群馬、埼玉、静岡で4件の被害が起き、総額およそ700万円の被害が出てしまった。

 おれが不思議でしようがないのは、マスコミが再三再四報道し、警察が注意を呼びかけているにもかかわらず、いまだにこの手の詐欺に引っかかる人が多いことである。むろん、被害者の多くは高齢者だが、ボケてしまっているわけではない。ボケてたら、現金の調達もままならないだろう。おそらく、こうした老人たちは、ほんとうに「振り込め詐欺」なるものを知らないか、聞いたことがあってもわが身に降りかかるものであるという認識がないのだ。

 いまこうやって、このような駄ブログですら読んでいるような人は、おれも含めて、いわば情報強者である。世間でなにが起きているか、マスコミが報道しているようなことは、たちどころに情報収集できるだろう。必要とあらば、外国の片田舎のニュースにすら触れることができる。だが、世の中には、新聞も取っておらず、テレビも決まったドラマなどしか観ないといったお年寄りは大勢いるのにちがいない。

 若いやつが引っかかるのなら「アホかおまえは」とおれも容赦はしないのであるが、世間に疎くなったお年寄りが引っかかるのはなんとも気の毒である。まあ、百万、二百万といった大金をすぐに調達できるのだから、ある意味、被害者は恵まれたお年寄りたちとも言えないことはないが(そもそも、孫が困っていようがどうしようが、ない袖は振れないのである)、被害者に金があろうがなかろうが、このような情報弱者を狙うという根性が好かん。どうせなら、頭脳明晰なやつを相手に、そのまま映画にでもなりそうな虚々実々の知能戦を展開して金を騙し取ってもらいたい。ケヴィン・ミトニックツトム・シモムラのように、知能の火花を散らして戦ってもらいたい。おまえら、そもそも、騙しやすい人たちを騙してなにが面白い?

 えーと、なんだか話が微妙にズレてゆくような気がするのでここらで戻そう。それにしても、全国で五万人の警察官が動いて、それでも被害が出るというのは、じつに根が深い問題だ。

 そこで、振り込め詐欺被害防止のため、おれも若い人に呼びかけたい。お爺ちゃん・お婆ちゃんが健在な人は、多少照れくさいかもしれんが、たまにはお爺ちゃん・お婆ちゃんに電話をして、近況報告をしてあげよう。こんな手口の詐欺が流行っているから気をつけてねと言ってあげよう。オレは、アタシは、まちがっても、お爺ちゃん・お婆ちゃんにこんなふうにお金をねだることなどないからと安心させてあげよう。全国の孫たちが、ちょっと時間と電話代を使ってこれを実行してくれれば、ATMに張り込む五万人の警察官よりも、詐欺被害を食い止める大きな力になることだろう。

 詐欺師どもは、多くのお爺ちゃん・お婆ちゃんが長らく孫の声を聞いておらず、最近なにをしているのかも知らないということにつけこんでいるのだ。自分のお爺ちゃん・お婆ちゃんくらい、キミらが守らんでどうする! 詐欺師が苦手なのは、最近の孫の声をしっかり憶えているお爺ちゃん・お婆ちゃんだ。孫が最近なにをしているのかをよく知っているお爺ちゃん・お婆ちゃんだ。

 おれくらいの歳になるとな、電話するお爺ちゃん・お婆ちゃんなど、もうとっくにいないのだ。

 さあ、明日、いや、今日電話してあげよう!



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2008年9月26日 (金)

哀愁の薄牛乳

 まあ、似たようなことを思いついている人も世間には多いことであろうが、思いついちまったものはしかたがない。とりあえず、書き残しておこう――


♪誰が言ったか知らぬけど 儲けすぎてる業者は
 牛乳が薄いなんて 誰が言ったのよ
 あたしの知ってる あの業者 乳が薄いので有名
 水増ししてる乳なのにとても人気があるのよ
 ところがウチは正直に言うけど いままで薄めてないの
 チャンスがなかったわけじゃないけど 薄め切れなかった
 そうなのウチの牛乳は 味が薄くて水みたい
 だけどよそより安いの 薄めてなんかないのに
 メラミン濃度が高いだけ それがどうしたってゆーの
 だけど分析されるたび 心は沈んでく

 メラメラミンミン メラミンミン
 メラメラミンミン メラミンミン
 メラメラミンミン メラミンミン
 メラミン メラメラメラミン



 

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2008年9月19日 (金)

そんなに安全なら、ちゃんと商品にしようよ

「あきたこまち」に萌え系イラスト JA、若者獲得狙い (asahi.com)
http://www.asahi.com/food/news/TKY200809170292.html

 市女笠(いちめがさ)をかぶり、稲穂を手に笑顔を浮かべる黒髪の美少女。秋田県羽後町のJAうごが、萌(も)え系のイラストが米袋に印刷された「あきたこまち」を発売する。
 事故米のニュースが連日報道されるなか、米離れが進む若者に身近に感じてもらおうと、ゲームのデザインなどを手がける原画家に依頼した。
 東京の百貨店には「店の雰囲気に合わない」と断られたというが、「若者なら受け入れてくれるはず」とJA担当者は強気。米袋は1万枚発注済みで、ホームページで22日から注文を受け付ける。

 いやまあ、この企画自体が優れているとかスベっているとかいう話じゃないのだ。まともな米を食用に売っているちっちゃな町のJAですら、このように涙ぐましい知恵の絞りかたをしているということに感銘を受けたのである。おれ自身は、米はあんまり食わないけどさ。

 太田農林水産大臣農林水産省の役人どもは、JAうごを表敬訪問して、担当者の爪の垢でももらって煎じて飲むがいいぞ。アフラトキシンB1メタミドホスほどの害はあるまい。

 農水大臣が「低濃度で、人体への影響はないと自信をもって言える」などとほざくのなら、最初からそのような米であると宣言して消費者に食用のちゃんとした商品として売ればいいのだ。国民を騙そうとするからいかんのであって、農水大臣が安全を保証した商品なら、最終消費者の中には“安かろう悪かろう”を納得して買う人が出てくるはずだ。コロンブスの卵だと思うがどうか。なに? 法律がある? かまわんかまわん、人体に害がないのなら毒入りでもいいと納得して食う消費者がいるんなら、法律なんぞ適当に変えればよろしい。

 そうだな、ほれ、よく「私が作りました」なんて、農家のおじさん・おばさんの写真が印刷してあるパッケージとかがあるじゃないか。ああいうふうにして、にこにこと微笑む太田農水大臣の写真に「あまり安全だと言わないが、でも安全なんだ」というキャプションを添えて袋に印刷しよう。商品名は、『汚染米「かなり安全」』とでもしようか。

 もっとも、テグレット技術開発から文句が出るかもしれないけどさ。



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2008年9月15日 (月)

とても“マジメ”なやつが自分の仕事をかんちがいするとダークサイドに堕ちる

三笠フーズ、農政事務所元課長を接待 05~06年 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0914/OSK200809140075.html

 農薬などに汚染された事故米を食用に転用していた米販売会社「三笠フーズ」(大阪市)の冬木三男社長らが05~06年、農林水産省近畿農政局大阪農政事務所の当時の消費流通課長(62)を、大阪市内の飲食店で接待していたことが14日、わかった。元課長は朝日新聞の取材に対し、飲食接待を受けたことを認めたうえで「三笠フーズに便宜をはかったことは一切ない」と話している。
 同消費流通課は大阪府内の米の流通業務全般を管轄し、政府が保有する輸入米や備蓄米の販売・入札、業者の監督・指導をしている。輸入米を購入していた三笠フーズの調査は同課が業務としており、接待は同社が事故米を食用と偽って不正転用していた時期と重なる。

「三笠フーズはお客さん」 接待受けた農水省課長 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0915/OSK200809150005.html

 ――便宜供与は?
 ない。農政事務所には供与できる資料は何もない。うちは政府米を買ってもらう立場であり、(三笠フーズは)お客さん。行政をしているようで商売している感じ。千トンの米を保管したら年に1千万円かかる。米を売らねばという思いだった。ずっと断り続けるのは失礼にあたると思った。
 ――三笠フーズの印象は?
 輸入米を一生懸命買ってくれる大事なお客さん。10年ほど前から米の在庫が問題化し、食糧庁長官が「米を売れない農政事務所長は辞表を出せ」と言ったという話まで広まっていた。消費流通課長には相当なプレッシャーだった。三笠フーズが事故米を買っていたことは新聞で初めて知った。

 誰もが疑っていたとおりの展開になってゆくなあ。こんなのは序の口で、もっと大口のがどんどん出てくるんじゃないの?

 それにしても、奇妙な構図である。こんな感じだ――

   悪代官 「事故米を持って参りましてございます。毎度のお買い下げ、かたじけのう存じます」
   越後屋 「苦しゅうない苦しゅうない。この米、なんに使うかは言いっこなしじゃぞ」
   悪代官 「手前どもの商売は、事故米を売るところまででございます。あとは手前どもの与り知らぬこと」
   越後屋 「お主もワルよのお」
   悪代官 「越後屋様ほどでは……」
   越後屋 「まま、近う寄れ。まずは一献。今宵はよい焼き鳥が入っておる」
   悪代官 「かたじけのう存じます」
   越後屋 「よい焼酎も入っておるのじゃが……」
   悪代官 「そ、それはけっこうでございます。越後屋様もお人が悪い……」
   越後屋 「はっはっは、戯言じゃ。われらは麦酒といこう」

 どっちが悪徳商人なんだか。♪ややこしや~。

 三笠フーズに対して「輸入米を一生懸命買ってくれる大事なお客さん」などという意識になってしまっている時点で、すでにこの人は公務員じゃなくなっているよね。あんたに給料をくれるほんとうのお客様、いやさ、パブリック・サーヴァントたるあんたのほんとうの主人はいったい誰だと思っているのだ?

 もし“事故瓜”とか“事故李(すもも)”とかがあったら、農水省に大量に送りつけてやりたいよ。



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2008年9月14日 (日)

汚染米じゃなまぬるい、“毒入り米”と呼べ!

 いま焼酎のお湯割りを飲みながらこれを書いている。幸か不幸か、おれが飲んでいる銘柄は幸か不幸か“いまのところ”毒入り銘柄には挙がっていない。

 マスコミは最初あれを“事故米”と呼んでおり、やがて一部を除いては次々と“汚染米”と呼びはじめたが、ふつうに考えれば“汚染米”でもまだまだなまぬるい。転売した業者の犯意農林水産省の不作為(ひょっとして業者と癒着していたとすれば犯意)という二重の“人間の意志”が介在しているのだから、“汚染されていた米”などというニュートラルな言葉を使っている場合ではないだろう。例の農薬の入ったギョーザをみな“毒入りギョーザ”と呼び習わしているのだから、今回のこの米も“毒入り米”と呼ぶのが適当ではあるまいか。焼酎メーカーやらお菓子メーカーやらなにやら、善意の第三者として“毒入り米”を購入し、それを原料とした商品を作って売ってしまった方々にはまことに気の毒ではあるが、腐った役人どもの根性を叩き直すためには、被害者となった善意の第三者の方々にも、あえてこれを“毒入り米”と呼んでいただきたい気持ちがおれにはある。誰もあなたがたが犯意を持って毒を混入したなどとは、もはや思いませんから。すべては、毒と知りつつ転売した業者と、そもそもそんなものを売って、容易に転売できるような仕組みを作った農林水産省が悪いのです。

 もし業者を検査した農水省の担当者に充分な能力があったのなら、同じ業者に過去五年間のあいだに九十六回も検査に入っていて見抜けなかったなどということはまずあるまい。その場合、作為義務がある状況に於いての不作為があきらかに認められるだろう。公務員による犯罪だ。もし検査担当者が、公務員であるにはあまりに能力的に適格を欠く場合、また、そのような業務を行わせるにはあまりにも能力的に適格を欠く場合(早い話が、税金で養われているにしてはあまりに阿呆な場合)、その直属上司から農水大臣までがみな悪い。阿呆にその知能以上のことを無理やりやらせているのだから、そんな状況で当の阿呆を責めては阿呆がかわいそうだ。阿呆(すなわち、検査担当者)たち自身には罪はない。ただ阿呆なだけで、それは生まれつきのものだから、本人たちの努力ではどうにもならないのである。なにかのまちがいで公務員に採用されてしまっただけの話だ。採用のしかたそのものにも、大きな問題があるだろう。だからこの場合、当然そういう重要な仕事を阿呆に命じているやつらが悪い。もし検査担当者たちが阿呆でないというのなら、明白な犯意があるとしか考えられないから、農水省は、転売した業者だけではなく、とっとと検査担当者たちを刑事告訴しろ。おれの言っていることになにかおかしいところがあるか?

 というわけで、マスコミの方々、もうそろそろあれをちゃんと“毒入り米”と呼んではどうか? もちろん、善意の第三者である、米を原料とした食品を作るちゃんとした業者さんたちの損害を国が賠償するべきであるのは言うまでもない。警察には、転売した業者と検査担当者たちの金銭授受を伴う癒着関係がないかどうかを徹底的に調べてもらいたい。



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2008年9月 3日 (水)

証拠隠滅の定番パターン

理事長部屋…まさか 露鵬・白露山から大麻反応 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0902/TKY200809020359.html

 角界が恐れていたことが2日、現実となった。日本相撲協会が関取衆を対象に抜き打ちで行った尿検査で、ロシア出身の露鵬(大嶽部屋)と白露山(北の湖部屋)から大麻の陽性反応が出た。秋場所の初日まで2週間足らず。元若ノ鵬容疑者の大麻事件に続く薬物汚染の捜査は理事長の部屋も直撃した。

 「親方、ウチもバレたらどうしましょう? あいつの部屋にたくさんありますよ」
 「なあに、堂々と撒けて、まず捜査されない場所があるじゃないか」



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2008年7月25日 (金)

「教育委員は誰か辞めてはいないんですか?」

 高校一年生の姪が、おれの姪にしては英語が苦手なもんだから(まあ、あんまり血縁は関係ないわな)、少し前に、中学の基礎の復習もしっかりできるような高校生向けのよさげな参考書がないかとネットでいろいろ漁ったところ、英語教育の玄人筋にたいへん評判のよい『高校これでわかる基礎英語―基礎からのシグマベスト』(組田幸一郎・宮腰愛美・佐野正之/文英堂)ってのを見つけ、姪に勝手に送りつけて押しつけた。姪は迷惑しているだろうが、おれの気がすまん。おれは英語がそこそこできるが、英語教育に関しては素人である。NHKの講座なんかの最近の教えかたを観ては、「おれたちが学生のころに比べて、ずいぶん進んだなあ」と、いまだに蒙を啓かれたりしているくらいだ。とはいえ、おれがなんだかんだで影響を受けた英語の先生三巨頭(國弘正雄倉谷直臣松本道弘)のうちのひとり、國弘先生ご推薦の本であるからして、とんちんかんな参考書では絶対にあるまい。さすが、漢文ならぬ英文の“只管朗読”を推奨なさる國弘先生お薦めだけあって、「声に出して読ませる」「書かせる」に力を入れているのは、学習参考書として絶対に正しいとおれも思う。

 まあ、姪はそもそも英語という言語そのものが生理的に嫌いなようなので、有効利用するとはとても思えないのだが、おれ自身の経験に照らすと、良書というものは、とにかく当座読もうが読むまいが、“それが手元にある”ということが非常に大事である。ふとしたタイミングで、汗を大量にかいたときに塩気のものが欲しくなるかのごとく、魔法のようにぱらぱらとめくってしまい、その真価に吸い寄せられるように気づくということがあるのである。不思議だが、ほんとうだ。こういう経験のある本読みは、当面読めないだろうなと思いつつも、本能が命じた本をとにかく買って手元に置いておきたがる。

 で、なんの話かというと、姪が英語が苦手なおかげで、おれは情報収集の過程でこの参考書を書いた先生、組田幸一郎氏のブログ「英語教育にもの申す」を発見し、しばしば覗かせてもらっている。学校英語教育の現場の方の声としてたいへん読み応えのある内容で、非常に勉強になる。まったく、姪のおかげだ。

 現時点での最新エントリー「この国は弱いものいじめが通るのか?」には、たいへん感銘を受けた。これは、安全圏からコメンテーターがほざいている台詞ではない。現職の教師が風当たりを承知で投げかけている勇気ある言葉なのだ――

 その一方で、教育長が辞職をしないのはどうして? 県の教育のトップが、「知らなかった」だけで、その職にとどまるのでしょうか。武士としての志が全く感じられない。そんな人間が、教育畑で偉くなっていくのって、ホントに良いんですか。
 教育委員は誰か辞めてはいないんですか? 
 秘書が口利きをしたといわれている議員が辞職しないのはどうして? 報道で名前が出てこなければ良いんですか? 結局は、秘書が行ったこと、自分は知らなかったで通すつもりなのだろうか。日本の政治って、所詮はこんなもんなんでしょうか。
 だいたい、今回の件は大分だけなのかい? そして、教員だけなのかい? 地方自治体の公務員にコネってないのかい? これについて、どうしようもないほどの、腹立たしさがあるけれど、あえて言うまい。
 しかし、組織的な矛盾について、若い教師が辞めることで、一件落着にしてはいけないだろう。

 いやあ、おれはこの先生、ますます好きになっちゃったよ。武士(もののふ)だね。「生涯一教諭のススメ」ってエントリーもしびれるぞ。なんか、これ読むと、教師の業界って、ソフトウェア業界にちょっと似てるな。

 もはや制度的にはぐちゃぐちゃと言ってもよいわが国の教育であるが、この先生みたいな方々が、上向きでも内向きでもなく、子供のほうだけを向いていらっしゃるかぎり、まだまだ日本も捨てたもんじゃないと、ちょっと安心するのである。痴漢とか盗撮とかで捕まってるバカも少なからずいるけどね。



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2008年7月15日 (火)

右翼の方々、こういうのをほっといてはいかんよ

田中義剛さんの生キャラメル「200箱売れ」強要の男逮捕 (YOMIURI ONLINE)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080714-OYT1T00418.htm

 タレントの田中義剛さんが経営する花畑牧場(北海道中札内村)に対し、右翼団体を名乗って生キャラメルを大量販売させようとしたとして、道警帯広署は14日、芽室町西2、不動産業山口栄治容疑者(29)を強要未遂の疑いで逮捕、釧路地検帯広支部に送検したと発表した。
 発表によると、山口容疑者は9日、花畑牧場に電話をかけ、人気商品「生キャラメル」(12粒入り、850円)約200箱の購入を申し込んだが、断られたため、右翼団体を名乗り、「100箱買うんだったら30人で行って買えばいいんだな」「バスに乗って、黒い服を着て行くぞ」などと脅した疑い。
 生キャラメルは昨年4月に発売したところ、大人気となり、今春から1人当たり5箱の限定販売をしている。山口容疑者は「内祝いのお返しに使うつもりだった」と供述しているという。

 なんだかなあ。脅しただけだから強要未遂ということになるのだろうが、実際に押しかけていったら、威力業務妨害だろうな。

 「右翼団体を名乗り」ってあるけど、キャラメルが欲しいからと三十人で押しかけてくる右翼なんているかねえ。ちゃんとした右翼が怒るぞ。「内祝いのお返しに」人気のキャラメルを使いたいんなら、その三十人の手下だか従業員だかに、行儀よく一人ずつ代わるがわるふつうに買いにゆかせればいいだけではないか。それくらいのことは、みんなスーパーの特売とかで家族を動員してやっているぞ。念の入った人は、着替えて行ったり、リバーシブルのジャンパーとかを用意していったりするくらいだ。庶民がふつうにやってる手間を惜しんではいけませんなあ。

 ちゃんとした右翼の方々は、こういうくだらない犯罪で右翼を名告るようなけしからんやつには、再発防止のためにヤキのひとつも入れてやるべきだな。右翼をバカにしている。こういうやつがいるから、左翼に比べて右翼は頭が悪いとか(実際にはそんなことは全然ない。左翼だろうが右翼だろうがアホはアホ、カシコはカシコである)、右翼のイメージが悪くなるのだ。



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2008年7月 5日 (土)

電車の女性乗務員を守る提案

電車内で乗務員を連続強姦 男起訴、朝のグリーン車狙う (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0703/TKY200807030489.html

 JR東日本の電車内で今年3月と4月、乗務員の女性が襲われる事件が2件相次ぎ、川崎市川崎区の飲食店従業員、今井卓哉被告(34)が、強姦(ごうかん)や強姦致傷の罪で逮捕・起訴されていたことがわかった。JR東日本は、一部の電車内に監視カメラを設置するなど、車内の防犯、安全対策の強化に乗り出している。
 電車内の強姦事件では、JR西日本管内の特急などで06年、乗客の女性3人が被害に遭うなどしたが、勤務中の乗務員の被害が明らかになったのは初めて。
 捜査当局やJR関係者などによると、今井被告は今年3月下旬と4月上旬ごろ、走行中の電車のグリーン車付近で、乗務員の女性をトイレに連れ込んで首を絞めるなどの暴行を加えたうえ、「静かにしろ。殺すぞ」「死にたくなかったら言うことを聞け」などと脅迫。1人を強姦し、1人は未遂だったが約2週間のけがを負わせたとされる。
 今井被告は、グリーン車には女性乗務員が勤務していることを知っていて、乗客の人目が少ない早朝を狙って相次いで乱暴したとみられる。

 ひえええ、こんなアダルトビデオみたいな事件が現実に起こっているとは……。まあ、車内がガラガラになる時間帯だったら、こういうやつも現れるかもなあ。

 それにしても、鉄道会社も鉄道会社だ。自社のどの路線のどんな列車がどんな時間帯にガラガラになるのかとかは、把握してないのかなあ。女性乗務員をひとりで回らせるのは危険かもしれないくらいのことは、気づきそうに思うんだけどな。ひょっとしたら、女性乗務員たちからも、「あの時間帯は怖い」くらいの訴えはあったのかもしれない。とくに昨年は、北陸本線の特急「サンダーバード」車内で、衆人環視(というか、衆人看過)の下に起こったああいう事件が各メディアに大きく取り上げられたくらいなのだから、もっと早く手を打つべきだったろう。

 監視カメラやなんかを設置する決定をし手配をするまでに時間がかかったのだろうが、どっちにしても監視カメラってのは、モニタを常時見ている人がいなければ、迅速に対応はできないだろう。あとで録画を観たら乗務員が強姦されていました、では話にならないのである。また、抑止力としての監視カメラは、「監視してるぞ~」とこれ見よがしに設置しなければ意味がない。ホンモノであろうが、ダミーであろうがだ。ほとんどのふつうの乗客にとって、ちょっと不愉快だろう。グリーン車となれば、なおさらだ。

 そこでおれは考えたのだが、女性乗務員にヘッドセットを着用させるというのはどうだろう? コールセンター要員が着けてるようなアレだ。実際に機能してもいいし、なんならダミーでもいい。よからぬことを考えている男に、「私はどこかと繋がってます」ということを視覚的にアピールするだけで、大きな抑止力になるだろうと思うのだがどうか? ヘッドセットなら、監視カメラほど不快な印象を与えないし、なにより、女性が装着している姿はあちこちで誰もが見慣れている。

 まあ、問題は、世の中には“ヘッドホン萌え”という趣味の人もあるから、“ヘッドセット萌え”だって、たぶんあるだろうということだけだな。ヘッドセットを装着しているがゆえに、ニッチな趣味(?)の男の劣情を刺激してしまうという可能性はゼロとは言えない。でも、ニッチなフェチで非常識な男であったとしても、「キャー」とひと声叫べばどこかの誰かに聞こえるようになっているかもしれないと“見える化”されていれば、そうそう迂闊に手は出せまい。ひょっとしたら、車内放送のマイクになっているという可能性だって、見るからにあるのだ。

 これ、いいアイディアだと思うんだけどなあ。ダミーでも充分効果あるんじゃないかな。どこかの鉄道会社さん、採用しませんか?

 まあ、最後の手段は、女性乗務員にスタンガンでも携行させるしかないか。それもまた、殺伐としてて厭だけどねえ。日本という国がそこまで落ちぶれてほしくない。



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2008年7月 2日 (水)

警戒せよ、大阪人!

大阪人、「金が戻ってくる」には弱い? 還付金詐欺急増 (Yahoo!ニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080701-00000901-san-soci

 「オレオレ詐欺」には強くても、税金などの払い戻しを装う「還付金詐欺」には弱い大阪人-。大阪府警が30日まとめた今年1~5月の府内の振り込め詐欺の被害状況で、こんな大阪人像が浮かびあがった。全国での還付金詐欺の被害額は一般にオレオレ詐欺の半分以下だが、大阪府の還付金詐欺は件数、被害額とも前年同期比10倍以上と急増しており、オレオレ詐欺を大きく引き離している。
 府警幹部は「オレオレ詐欺に強い大阪人も、金が戻ると思わせる還付金詐欺には注意してほしい」と呼びかけており、府警は同日、被害抑止に向けた「振り込め詐欺対策本部」を設置した。

 いわゆる“オレオレ詐欺”に最も引っかからないのは大阪人であると人口に膾炙しているのだが、“金が戻ってくる”という話には弱いというのは、じつに面白い。おれは妙に納得し、爆笑してしまったよ。

 だけど、大阪人ともあろうものが、こんな手口に引っかかるとは、もう少し常識というものをわきまえなきゃならんよなあ。そもそも、国やら自治体やらが、「取りすぎていました」などと自分から申し出てくるわけがないじゃないか。民間の優良な企業であれば、そういう良心というものを持ち合わせており、みずからの過ちを誠実に認めることが長期的には自分たちの繁栄にも繋がるということをちゃんと理解しているが、国や自治体を逆さに振っても、そんな良心が出てくるわけがない。取れるところ、取りやすいところからはどんどん取り、取れないところ、取りにくいところからも取れれば取りたいと思っている。そして、一度取ったものは絶対に返すものかと思っている。「公のものは公のもの、民のものは公のもの」くらいに思っているのが、日本の多くの公務員である。ジャイアンみたいなものだ。そういう卑しい身分を恥ずかしく思う人は、たいてい遅かれ早かれ公務員など辞めている。

 原則として、国や自治体が国民・住民(ユーザ)のためを思って、自分たちが損をするようなことを自主的に言ってくるわけがないという、あたりまえのことをわきまえておれば、還付金詐欺などに引っかかるはずがないのである。わかりましたか、大阪人? とにかく、“官”とか“公”とかの名のつくものは“ひったくりの一種”だと思っていれば、大阪人ももっと自然に警戒できるだろう。



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2008年6月28日 (土)

産地はどこか、前へ回ってウナギに訊いてくれ

ウナギ偽装の魚秀社長「神港魚類と計画」 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0628/OSK200806280057.html

 ウナギ輸入販売会社「魚秀(うおひで)」(大阪市)と水産物卸売会社「神港魚類」(神戸市)が中国産のウナギのかば焼きを「三河一色産」と偽装して販売していた問題で、魚秀の中谷彰宏社長が朝日新聞の取材に対し、「魚秀の福岡営業所長と神港魚類の担当課長が1月下旬ごろに偽装を計画した」と話した。中谷社長は営業所長から相談を受け、「ウナギの在庫を何とかしたい」と思って偽装を承認したという。
 中谷社長によると、神港魚類との商談窓口になっている福岡営業所長が、神港魚類の担当課長との雑談の中で「中国産ウナギの在庫がふくらみ困っている」と話したところ、互いの利益が一致し、偽装の計画が持ち上がった。その際、一色産なら有名だから売れるのではないかと、偽装ブランドの内容も決めたという。

(中略)

 問題発覚後の神港魚類の会見では、担当課長が中谷社長から呼び出され、1千万円入りの中国産のお茶の袋を渡されたと証言。当時、市場関係者から「ウナギの産地がおかしい」と指摘されており、担当課長は「産地偽装の口止め料」と認識していたという。これに対し、中谷社長は「偽装したウナギを売ってもらうためのリベート」と話しており、両者の認識は食い違っている。

 『担当課長は「産地偽装の口止め料」と認識していたという。これに対し、中谷社長は「偽装したウナギを売ってもらうためのリベート」と話しており、両者の認識は食い違っている』って、ええい、目くそ鼻くそじゃ。お互い、自分の都合のいいようになんとでも呼べ。

 しかし、すげえなあ。「越後屋、お主もワルよのお」「いえいえ、お代官様にはかないませぬ」みたいな定型のやりとりが聞こえてきそうだ。いや、少なくとも、悪代官と越後屋には相互に犯意の認識があるわけであって、まだしもすがすがしい(?)。今回のようにワル同士がなすり合いをしているのは、なんとも見苦しいなあ。

 もし、《必殺》シリーズをいまも作ってたら、絶対、偽装ネタで一本やっただろうねえ。「主水、偽装鰻を食う」とかなんとか。

 それにしても、「ウナギ偽装」とか言われると、「イヌの肉を混ぜてたりして……」などと反射的に考えてしまうおれもわれながらいかがなものかとは思うが……。それを“珍味ウナギイヌ”として売るのならなんの問題もないが(買う人がいるかどうかはともかく)、純ウナギだとか純イヌだとか偽って売っちゃいかんというだけの話だよなあ。

 「ウナギの在庫を何とかしたい」と思っていたんなら、丸明の冷凍庫に預けておけばよかったのに。とっても長いあいだ保管(保存ではない)してくれるぞ。



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2008年6月26日 (木)

悪人なおもて説明される、いわんや善人をや

 とんでもない善人・Aさんが、それはそれは怖ろしいばかりの無差別善行事件を起こし、人々を不安にするとしよう。なぜ人々が不安になるかというと、Aさんに比べれば、自分は卑しく、みみちく、欲深く、穢れにまみれた極悪非道の人非人のように、誰もが思えてしまうからなのだ。

 マスコミには連日連夜さまざまな識者が登場し、Aさんのような常軌を逸した善人を生んでしまった社会の病理を説明しようとする。それらにつきあっていると、なにやら、Aさんが善人であるのはAさんがふつうの人よりえらいからでもなんでもなく、Aさんの高潔な精神を形作った社会的要因の為せる業であると、みなが納得したがっているかのように聞こえてくるのだった。要するに、みな、「ああ、こんなことどもが重なったのであれば、Aさんが善人になったのも無理はない。Aさんはたまたま環境の犠牲で善人になってしまったにすぎないふつうの人なのだ」と思いたいわけである。

 Aさんの凶善行の数日前に、善行心理学者がAさんのプロフィールをぴたりと言い当てた記事を書いていたことなどがクローズアップされると、「ほうら、やっぱりAさん自身が偉いわけじゃない」といった妙な論調がエスカレートし、Aさんは“たまたま善人になるべき運命を背負わされただけのふつうの人”に引きずり下ろされる。

 テレビを観ながら「Aさんはえらいなあ」と感心してひとことつぶやき、テレビを消して自分の日常に戻る――といったごくありふれた反応に、存外に強かな健全性を覚えてしまう今日このごろなのだったのだった……。

 ――なーんてひねくれたことを考えてしまうのは、例の秋葉原連続殺傷事件をきっかけに、おれを以前からずっと悩ませている例のダブルスタンダードが、またもや頭をもたげてきたからである。「加藤智大はただの悪人です。以上」じゃ、いかんのかい?

 いや、マジな話、「マザー・テレサはえらいなあ」で終わらせずに、「マザー・テレサは“なぜ”あんなにも善人だったのか」を徹底討論するワイドショーとか報道番組とかを観てみたい気がするのよ。そういう討論は、つまるところ、必然的に“マザー・テレサはいかに偉くなかったか”を説明しようとする事象や分析や意見で溢れかえることにならなければならないはずだ。なんだかなあ。



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2008年6月21日 (土)

国際環境保護窃盗団「グリーンピース」

グリーンピース:鯨肉持ち去りでメンバー2人逮捕 (毎日jp)
http://mainichi.jp/select/today/news/20080620k0000e040025000c.html

 国際環境保護団体「グリーンピース・ジャパン」(GP)=東京都新宿区西新宿8=のメンバーが4月、調査捕鯨船「日新丸」乗組員の鯨肉横領を裏付けようと、宅配途中の鯨肉入り段ボールを無断で持ち去った事件で、青森県警と警視庁は20日朝、GP海洋生態系問題担当部長、佐藤潤一容疑者(31)=東京都八王子市みなみ野3=ら2人を窃盗と建造物侵入の疑いで東京都内で逮捕した。

(中略)

 県警は20日午前、新宿区のGP事務所など5カ所の家宅捜索に入った。2人の身柄は同日中に青森署に移して本格的に事情を聴き、GPが組織的に関与していなかったかなどについても調べる。
 GPは5月15日、乗組員ら12人が鯨肉を着服したとして業務上横領容疑で東京地検に告発。佐藤容疑者は記者会見で、無断持ち出しを認めたうえで「横領行為の証拠を入手するためで問題ない」などと説明していた。
 県警は「持ち出し行為は悪質で、グリーンピースの主張は関係ない」としている。西濃運輸は「同様事件の再発防止を再徹底する。グリーンピースへの損害賠償請求については、弁護士に相談する」とのコメントを発表した。【矢澤秀範、野宮珠里】
 ◇「逮捕は当然だ」 国家公安委員長
 GPメンバー2人が逮捕されたことについて、泉信也国家公安委員長は20日の閣議後会見で「人の所有物を勝手にとるのはあってはならないことで許されない。(逮捕は)警察として当然の責務を果たしたものと理解している」と述べた。

グリーンピース:即時釈放求める声明 (毎日jp)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080620k0000e040079000c.html

 国際環境保護団体グリーンピースは20日、「グリーンピース・ジャパン」の幹部ら2人が窃盗容疑などで青森県警と警視庁の合同捜査本部に逮捕されたことを受けて、「無実の人間が逮捕されたことは驚きだ。即時に釈放されるべきだ」との英文の声明を東京発で発表した。
 声明は、「日本の捕鯨は国際的に批判されている。逮捕された活動家には、捕鯨で誰が得をしているか知る権利がある。(逮捕は)脅迫行為だ」と非難した。(共同)

 おれは最初にテレビでこのニュースを観たとき、目か耳がおかしくなったのかと思ったよ。言っていることがさっぱりわからない。「横領行為の証拠を入手するためで問題ない」って、あのなあ、いつどこで誰がおまえに司法警察権を付与したというのだ?? 環境より先に、自分の脳を心配しろ。

 まあ、どんな組織にもバカはいる。ごく少数のバカが勝手な解釈で突っ走って犯罪に走ることもあろう……と大目に見てやろうかと思っていたら、団体名義の声明で「無実の人間が逮捕されたことは驚きだ」などとほざいている。おまえらが犯人たちを「無実の人間」だと思っているのが驚きだよ。

 こら、あかんわ。こいつらの言っていることは、オウム真理教と本質的には変わらん。テロリストの論理だ。こういう連中は、法というものは自分たちを縛るばかりの枷だとしか考えられない程度の知能と想像力しか持ち合わせていない。その法が守っているものの中には、ほかならぬ自分たちも入っているのだとは夢にも思っていないのである。

 こんなやつらは、どんどんしょっぴけばよろしい。というか、しょっぴかんとまずい。国家公安委員長の言ってることは、まったくもって正しい。こいつらは、“環境保護”という呪文を唱えれば、なにをしてもかまわんと思っているわけだ。“なにをしても許される”と思っているわけではない点に注意されたい。なにをしてもかまわんのだから、“許される”なんて概念そのものがそもそもないのである。

 こういう団体を放っておくと、そのうち集団で秋葉原とか新宿とか霞が関とか東京駅とかでダガーナイフを振りまわし通行人を数十人、数百人と殺傷しては、シー・オー・ツーの排出を削減するためで問題ない」などと、いけしゃあしゃあとほざくにちがいない。おれは冗談で言っているのではないのだ。そういう思想を内包している団体だと、連中は自分たちで誇らしげに明言しているのである。

 まともに環境保護について考えているのだが、うっかりなにかの弾みでグリーンピースに所属してしまっている人は、すぐに脱退したほうがいい。いつなんどきどんな理屈で、“自己批判”を迫られ、粛清されるかポアされるか、わかったもんじゃないですぞ。なにしろ、あなたひとりがこの世から消えれば、あなたぶんの二酸化炭素の排出は確実に削減できるし、あなたぶんの食糧になる動物や植物の命を絶たなくてもすむのもまた、定性的にはまったく正しいことなのだから。



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2008年5月 5日 (月)

硫化水素自殺対策に関する控えめな提案

 最近やたらむかついているのが、硫化水素による自殺である。そりゃまあ、自殺するのは、この際、個人の自由であるとしよう。するなとは言わん。おれは牧師じゃない。ここでは、専らその方法のみを問題とする。

 気体の硫化水素を発生させて自殺しようとする場合、当然、本人はそれがたいへんな毒ガスであることを知っているわけである。つまり、不特定多数の無辜の市民が、ことによると巻き込まれて、死んだり障害を抱えたりすることになると知ったうえでそのような毒ガスを発生させ、おのれの目的のみを果たそうとしているわけだ。手前の都合だけしか考えていない。同じ死ぬにしても、もう少し他人に迷惑のかからん方法がありそうなものだ。まあ、人が死ぬということは、どんな死にかたであろうが自動的に他人になにがしかの迷惑がかかるものなのであるが(かからない方法があればどんなにいいだろう)、よりによって、他人も巻き込まれて死ぬことを織り込んで、自分勝手に死ぬことはなかろう。これは、未必の故意による殺人あるいは傷害である。“死ぬ”というおのれの目的のためであれば、関係のない人がどうなろうとかまわんという思想がベースにある。要するに、自爆テロといささかも変わらん。

 しかし、自暴自棄で死ぬ気になっている人間に対して、「それは人としてどうか」などと難詰したところで詮ないことである。本人は、自分が死ねさえすれば、人がどうなろうと知ったことではないという心境なのだろう。その自分勝手さに腹が立つというのは、大方の人が共有する心境なのではなかろうか。だが、おれたちがいくら腹を立てようと、硫化水素で死にたいやつは、自分勝手に死ぬのである。

 となると、そうした死にかたを抑止する(死ぬのを抑止するのではない)方法としては、まず、死後に罰するという方法が考えられる。たとえば、未必の故意による殺人あるいは傷害を見込んで硫化水素で自殺した者には、死後、遺体、いや、死体を全裸で河原に晒しものにしてカラスやらについばませるに任せ、往来の人々は暇潰しに石を投げたり棒でつついたりチンポコを切り取って犬に食わせたりオマンコにアイスキャンディーの棒を突っ込んだりしてもよいことにし、葬儀も出させず、本人についての一切の記録を抹消し、そんなやつは最初からこの世にいなかったことにするくらいの死後刑罰を科すといった方向もあろうが(“市中引き回しのうえ獄門”みたいなもんだ)、他人が死んでもかまわぬという心持ちで自分が死にたいと思っているくらいのやつになら、自分の死後の扱いがどのようになろうがまったく意に介さぬというやつも少なからずあろうから、死後にひどい扱いをしてやるという刑罰がどの程度危険な自殺に対する抑止力になるかは疑問である。

 むろん、自殺などしないに越したことはないが、ここでは、他人を巻き込んでもかまわんと考えて自殺する身勝手なやつはけっしていなくなりはしない、いや、ことによるとどんどん増えてくるやもしれぬとして、冷徹に考えることとしよう。

 じゃあ、そうした自殺そのものが阻止・抑止できないのであれば、どうしたらよいのか? 本人が死のうとすることは避けられぬとした場合、最優先で考えるべきことは、無関係の人々が巻き添えになるのを防ぐことである。

 とすると、硫化水素で死にたがっている人々に、せめて他人を巻き込まぬよう、“安全に死んでもらう”方法を提供するしかあるまい。つまり、ガスが漏れたりせず、自殺志望者だけが安全に死ねるような設備を提供するという方法が考えられる。いわば、個人用の公衆ガス室だ。自殺志望者のみが確実に死ね、換気や通報の機能によって、無関係の人にはまったく危害を加えない公共の施設を用意してはどうか?

 ここまで書くと、似たものがすでに実在するのにお気づきになるだろう。そう、“赤ちゃんポスト”である。あれは、望まぬ赤ん坊を産んでしまった人々に対して、嬰児を殺害するくらいであれば、このポストに“投函”して命を救ってくださいというものだ。だったら、どうしても硫化水素で自殺したい人に対しては、「無関係の人を巻き添えにして殺したり障害を負わせたりするくらいなら、どうぞこの設備であなただけが安全に死んでください」というコンセプトの公共施設があってもいいのではなかろうか。これを“自殺ボックス”とでも名づけよう。赤ちゃんポストも自殺ボックスも、望まずして命を危険に晒される人々を救うためのものである。なにか問題でもあるだろうか?

 いまの日本は、自分の力でなんとか生きていけないような、能力のない人間、不運な人間、弱い人間、不健康な人間、老いた人間は、とっとと死んでくれたほうが国のためであるという国策を推し進めている国家である。だったら、おれの提案する自殺ボックスを実現するのに、なんの不都合もあるまい? おれの論理になにかおかしなところがあるか、福田さん? 硫化水素で自殺しようとしている四十代のニートが、日本のGDPを引き上げているIT企業の有能な社長を巻き添えにして殺すかもしれないのだぞ。介護疲れで年金もろくろくもらえない六十代の老いた夫が認知症の妻と一緒に硫化水素で死のうとして、なんの仕事もしていないが有能であることになっている天下り官僚を巻き添えに殺してしまうかもしれないのだぞ。そんなことがあってはならない。日本政府としては、早急に自殺ボックスを設置すべきではないかとおれは思うのだがどうか。

 多少英文学を齧った方であれば、このエントリーのタイトルだけでおれの真意を察してくださることと思うが、おれの提案は、聖職者であったジョナサン・スウィフトにのそれに比べれば、ずっと“控えめな提案”として日本政府に嬉々として受け容れられるだろうと思うんだがどうだろう?



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2008年4月 8日 (火)

約74日

 イリジウム192の半減期。人の噂よりは長期間放射線を出すようだ。

 というか、ふだんイリジウムを取り扱っている人たちも、きっと最初に「え~と、半減期はだいたい人の噂くらい」と覚えたのにちがいないぞ。

放射性物質盗まれる 防犯カメラに不審者 市原の検査会社 (東京新聞 TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008040802001924.html

 七日午前七時ごろ、千葉県市原市五井の検査会社「非破壊検査」(大阪市)京葉事業部の保管庫で、放射性同位元素イリジウム192を密封した容器(被害額約百三十万円)が無くなっているのを出勤してきた男性社員(66)が見つけた。
 非破壊検査によると同社は五、六の両日は休みだったが、五日未明、保管庫内の防犯カメラに容器を持ち出す不審な人物が写っており、市原署が窃盗事件として調べている。



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2008年3月24日 (月)

身体は大人、組織は子供

駅前で8人刺し、1人死亡 別の殺人容疑手配中 茨城 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0323/TKY200803230086.html

 23日午前11時ごろ、茨城県土浦市荒川沖東2丁目のJR荒川沖駅構内などで通行人ら8人が男に次々と刃物で刺され、1人が死亡、7人が負傷し、うち2人が重体となった。男は現場を立ち去った後、近くの交番に出頭。男は19日に同市内で起きた別の殺人事件で指名手配中の無職、金川(かながわ)真大(まさひろ)容疑者(24)=同市中村東3丁目=で、この殺人容疑で県警に逮捕された。県警によると同容疑者は22日、「早く捕まえてごらん」などと挑発する電話をかけてきており、私服警官が同駅などで警戒を強める中、凶行を許した形となった。

「捕まえてごらん」 容疑者、前日警察に電話 茨城殺傷 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0324/TKY200803230264.html

 茨城県警の石井孝・刑事部長は23日に土浦署で開いた記者会見で、「こういう結果になったのは残念で遺憾」「駅やネットカフェへの張り付きなど、ベストを尽くしたつもりだ」と釈明した。
 19日の殺人事件にかかわった疑いで金川容疑者が指名手配されたのは21日。ゲームを買いに行ったことがあるとの情報から、東京・秋葉原にも捜査員を派遣するなどして行方を追っていた。
 「早く捕まえてごらん」と、金川容疑者から県警に電話が入ったのは22日昼。携帯電話の発信元は、同容疑者の自宅に近いJR荒川沖駅周辺だった。約1時間後、今度は無言の電話。常磐線の取手駅周辺からと判明したが、「携帯電話の電源が切れたこともあり、居場所を突き止められなかった」(捜査幹部)。
 23日。金川容疑者が近くにまだ潜んでいるとみた県警は、始発電車が発着する時間帯から、常磐線やつくばエクスプレスの各駅を警戒した。荒川沖駅では改札口の内側と外側に2人、ホームに2人、東西のロータリー口に各1人、東ロータリーに2人、防刃チョッキを着た私服捜査員を配置した。
 だが、金川容疑者を見つけることはできず、駅の通路では、警戒中の巡査も襲われた。巡査は同僚に取り押さえるよう伝えたが、追跡した捜査員も行方を見失った。
 金川容疑者は19~22日まで都内のホテルに4泊したと供述しており、22日日中にいったん茨城県内に戻ったと見られる。自分だと悟られないように秋葉原で髪を丸刈りにしたとも話しているという。23日の犯行当時は黒のニット帽をかぶり、銀縁めがねをかけていた。
 記者会見で県警側は「駅構内の数百メートルを全力で走りながら切りつけたので、追えなかった」と説明。本人を見逃していた理由については、捜査本部が入手していた顔写真が約2年前のものだったことや、本人がニット帽をかぶっていたことなどを挙げた。

 突然頭がおかしくなった通り魔が突然犯行に及んだとでもいうのなら話はわからんでもないんだが、別の殺人事件で指名手配中の男がご丁寧にも自宅の最寄り駅付近から電話をしてきて、百七十人がかりで警戒して、事件現場の駅に八人も捜査員が張り込んでいて……それで、これかいな? 全力で走りながら切りつけたからだの、警察の写真が古くてしかも犯人が変装していたからだの、ちょっとそれは言いわけにならんだろう。日本の警察って、ここまでどんくさくなってるんだなあ。

 とくに飛びぬけて狡猾で凄腕というわけでもなく、捕まえてくださいと言わんばかり(事実、言ってるんだが)のこんな若造一人をプロの警察官(アマチュアの警察官なんていないけど)が百七十人でも捕まえられず、好き勝手やらせたあげく、むこうから出頭してきたからようやく逮捕できましたって、あのなあ。ガキの使いやあらへんで!!

 こんな警察が相手では、怖ろしく知能の高い犯罪者なんかは、おれたちの知らないところでやりたい放題やっとるんじゃないかと思えてくるなあ。使いもせん道路作っとるくらいなら、警察官(とくに指揮官)の報酬をもっと引き上げて、優秀な人材を確保してほしいもんだ。最近の犯罪見てると、どう考えても犯罪者のほうが頭がいいとしか思えないことが多い。分析技術には科学技術の粋が傾けられていても、捜査技術が非科学的・非合理的なのではあるまいかと邪推してしまう。医療とか教育とか福祉とかと同じで、現場の多くの個々人は身削ってやっているのかもしれないが、制度が疲弊してしまって、いまの時代にはちゃんと機能していないのかもなあ。いったいどうなってるんでしょうね?



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2008年3月15日 (土)

サムライ商法

 「いまなら、一週間ほどの講習を受けるだけで宇宙飛行士の資格が取れます。来年の四月には国家資格になる予定なんですが、いまのうちなら試験の難易度も低いのです。転職にも有利ですよ。開業も夢ではありません。開業をお考えの場合は、事務所の開設までサポートさせていただきます」

 ロケットやらシャトルやらは、ご自分で調達してください、ということになるだろうなあ。



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2008年3月 1日 (土)

タダで法律を教えてくれる試供品

Asahi_sample1Asahi_sample2 近所のディスカウントスーパーに食糧の買い出しに行ったら、出口のところで発泡酒の試供品をくれた。そのままレジ袋に放り込んで、帰宅してから冷蔵庫に入れるときに見たら、金色の地に黒い文字ででかでかと書いてあった――「飲酒運転は法律で禁止されています。ご自宅に帰ってから冷やしてお飲みください。」

 こんなことをいちいち書かなくちゃならないとは、酒のメーカーもたいへんだ。往来で酒をタダで配るとなると、こんなことまで明記しておかなくては、メーカー側も社会的に非難されるおそれがあるということなのだろう。細やかな配慮と言えばいえるし、嘆かわしいとも言えばいえる。

 この注意書きを読んで、「おお、そうであったか。飲酒運転は法律で禁止されていたのか。これはよい勉強をした。なんと親切なメーカーであろうか。こうして書いておいてくれなくては、まさか酒を飲んでクルマを運転してはいけないなどとは、お釈迦様でも知らぬ仏のお富さん」などと目から鱗が落ちるやつはいないとは思うけどねえ。

 日本人ってのは、賢いんだかバカなんだか……。



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2008年2月28日 (木)

拳銃所持の基地外

 あ、すまん、「まま」が抜けてた、「まま」が。自分で書いてて、なんだか物騒なタイトルだなという気はしたんだ。

▼日本人従業員、拳銃所持のまま基地外を移動 沖縄の基地 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0228/SEB200802280004.html

 沖縄県の米海兵隊基地の警備をしている日本人従業員が今月中旬、米軍側の指示で、実弾が入った拳銃を携行したまま基地の外を移動していたことが分かった。日米地位協定は、日本人従業員が米軍施設内で銃を携行することを認めているが、施設外での携行は銃刀法違反にあたる疑いがある。沖縄防衛局は海兵隊からの事前通知を受けて中止を求めていたが、そのまま実施されたという。

 まあ、はっきり言って、面倒くさかったんでしょうな。だけど、こういうことはきちんとしてもらわんと。途中で基地外の人に襲われて拳銃を奪われないともかぎらない。佐世保であんなことがあって日も浅いことだし。



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2008年2月24日 (日)

てっきり……

 サイパンで万引きしたのかと思ったよ。ふつー、そう思うよなあ。

三浦和義元社長を逮捕 ロス警察、81年に妻殺害容疑 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0223/TKY200802230363.html

 アメリカの警察ってのは執念深いね。もっとも、殺人の時効がたった十五年という日本の法律は、絶対見直したほうがいいとおれはかねてから思っている。そりゃまあ、何十年も捜査本部を解散せずにべったり捜査を続けるというのは経費を考えると無理だとは思うんだが、なにかほかの事件を捜査している過程であれ、過去の別の事件に繋がる重要な事実関係やら証拠やら証言やらが出てくるとかいうのは充分想定できることだ。そういうときに、「時効だからダメ」なんてのは、あまりにも理不尽だと思うんだよな。

 まあ、三浦はあくまでも日本では呼び捨てにするべきではない人なわけだが、これでアメリカで有罪が確定したら、日本ではどういうふうに呼んだらいいんだろうね? マスコミもいまから悩ましいところかも。



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2008年1月 6日 (日)

「誰でもいいから皆殺し」とは高校二年にもなって情けない

商店街で5人に切りつける 容疑の16歳少年逮捕 品川 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0105/TKY200801050128.html

 5日午後3時25分ごろ、東京都品川区平塚2丁目の「戸越銀座商店街」で、「男が包丁を振り回している。けが人がいる」と通行人の男性から110番通報があった。女性2人が男に胸部を切られるなどして軽いけが。ほか男女3人が服を切られた。警視庁は、都内の私立高校2年生の少年(16)=品川区=を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。調べに対し「誰でもいいから皆殺しにしたかった」と供述。病院の精神科への通院歴があった。
 少年は両手に文化包丁を持ち、数分の間に200~300メートル移動しながら次々と通行人を切りつけた。「殺してやる」などと叫んでいたという。

(中略)

 通報を受けた同署員2人が現場付近で少年を取り押さえた。少年は抵抗しなかったといい、包丁2本を両手に持ち、1本は靴に差し込むようにしていた。包丁の刃渡りはは15~17センチだった。黒いジャンパーにジーパン姿の少年は取り調べには落ち着いた様子で応じているという。

 以前にも、池袋で似たような事件があったなあ。

 それにしても、「誰でもいいから皆殺しにしたかった」というのは、じつに興味深い供述だ。「誰でもいい」という無条件の宣言と、「皆殺し」という特定の部分集合の要素すべてを殺害する意の限定が、真っ向から矛盾している。「誰」と言っているからには対象は人間だと認識しているとすれば、「誰でもいいから皆殺し」という表現を論理的に成り立たせる行為はただひとつである。“人類皆殺し”にほかならない。こいつがいくらおかしなやつでも、文化包丁三本で人類を皆殺しにしようとしていたとは思えない。本気でそう思っていたのだとすれば、こいつは包丁でハムとかを切ったことがないやつなんだろう。

 こいつは義務教育で集合を習ったのか? それとも、いまは、文系理系を問わず、高校二年まで集合の基礎の基礎も教わらずに来られるようなカリキュラムがあったりするんだろうか? あるんだったら、それはちょっと考え直したほうがいい。集合の基礎は論理的思考には不可欠なものである。人を騙そうとするような連中が弄する詭弁には、集合の考えかたとその論理操作を意図的にねじ曲げたものがけっこう多い。学校出てから三角関数だの無理数だの虚数だのとはまったく縁のない人であっても、集合の考えかたを使わないなどということは、仕事につけ日常生活につけ、およそあり得ない。計算なんぞ多少苦手でも、論理の操作がしっかりしておれば、そうそうとんでもないところへたどり着いたりはしないものである。高校二年にもなって、「誰でもいいから皆殺しにしたかった」などという非論理的なことを吐き散らしているようでは情けない。困るなあ、学校でちゃんと教えておいてくれなくちゃあ。

 もっとも、この場合、集合より先に教えておくべきことがあったのはたしかだ。困るなあ、家庭でちゃんと教えておいてくれなくちゃあ。



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2007年12月24日 (月)

滅びつつある「スピリチュアル」

 なにやらいろいろな事件が重なって、昨今では「スピリチュアル」という言葉が、その“バズワード”としての力をすっかり失って、世間では単に「胡散臭いもの」とイコールになりつつあるようだ。これは、おれみたいな思想の持ち主にとっては、非常に喜ばしいことだ。

 ええ、もう、全然かまわないですとも、そこのお兄さん、お姉さん、お爺ちゃん、お婆ちゃん、「スピリチュアル=胡散臭い、詐欺、インチキ」と覚えていただいてけっこうです。spiritual という英語には英語としてちゃんとした意味があるわけで、それはまあ、英語を真面目に勉強するつもりの奇特な若者とかにはラテン語の spirare あたりまで遡ってちゃんと学習していただきたいが、そんなもの好きな人はまちがったって多数派じゃないので、そこの純朴なお爺ちゃん、お婆ちゃんは、そこいらへんの広告やらテレビ番組やらでカタカナで「スピリチュアル」と書いてあったら、それすなわち「胡散臭い、詐欺、インチキ」と頭の中で自動的に翻訳してください。そう思っておいてまちがいありません。覚えましたか? いいですね? 「スピリチュアル」というカタカナ語を使ってくるやつは、あなたがたを騙そうと手ぐすねひいてやってくる胡散臭い連中だと断じてしまってかまいません。ええ、かまいませんとも。その言葉を使っている広告はみんな詐欺です。その言葉を使う企業は、みんな食わせものです。その言葉をラテ欄に書いているような放送局は、メディア人としての魂を失った阿呆が経営しています。できるだけ視聴しないでおきましょう。「マイナスイオン」という言葉もほぼ同じだと思っていただいてけっこうです。お爺ちゃん、お婆ちゃん、気をつけてくださいね。



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2007年12月20日 (木)

ご立派な“過失”ですこと

3児死亡で危険運転罪見送り 福岡地裁、業過致死適用か (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/1218/SEB200712180010.html

 福岡市東区で06年8月、幼児3人が死亡した飲酒運転事故で、危険運転致死傷などの罪に問われた元同市職員今林大(ふとし)被告(23)について、福岡地裁は18日、予備的訴因として業務上過失致死傷罪と道路交通法違反(酒気帯び運転)を追加するよう検察側に命じた。検察側は危険運転致死傷罪と道交法違反(ひき逃げ)の併合罪で最高刑の懲役25年を求刑していたが、地裁は危険運転致死傷罪の適用は困難と判断したとみられる。
 危険運転致死傷罪(最高刑懲役20年)とひき逃げとの併合罪は最高刑が懲役25年。これに対し、業務上過失致死傷(同5年)と酒気帯び運転、ひき逃げの併合罪は同7年6カ月(今年6月の法改正で15年に引き上げ)。適用できる最高刑に3倍以上の開きがある。
 変更命令について、検察側は「適切に対応したい」としているが、応じない場合、地裁は危険運転致死傷罪については無罪を言い渡すとみられる。検察側は予備的訴因の追加に応じるか、それとも危険運転致死傷罪について補充して立証できるかを検討する。

 先日のエントリーで、「酒飲んでクルマを運転してはいけない国で、近所の人が度重なる奇行を指摘している男に、散弾銃やら空気銃やらを合法的に所持させているというのは、いったい全体どうしたことか?」と書いたが、申しわけない、おれの認識に誤りがあった。この国では、酒を飲んでクルマを運転することは、酒に酔ってクルマを運転することに比べれば、さほど悪いことではない。この事例にかぎらず、危険運転致死傷罪なんてものは、いまのところ、適用が難しい事案のほうが圧倒的に多く、まあ、あってないようなもんだ。バカバカしい。“酒を飲んでクルマを運転する”という行為そのものに厳罰を科さなければ、あんな法律、なんの意味もない。おれだったら、焼酎お湯割りを二杯くらい飲んで運転しても、さほど問題ないわけだ。三杯くらいになると、ようやく罪が重くなるのかな? もっとも、おれはそもそも自動車の運転免許そのものを持ってないわけだが……。

 この伝でゆくと、おそらく、かなり頭のおかしなやつが合法的に銃を所持していることも、実際に人間に向けて発砲してみせないかぎりは、さほど問題のあることではないと推測される。

 まあ、なんといっても、日本は放置国家、もとい、法治国家だからね。司法は司法の行うべきことを、厳かに粛々と行なっているだけである。軽々に裁判所を批判すべきではない。おれたちにできるのは、せいぜい最高裁の裁判官をクビにすることと、立法に携わる連中をおれたちの意志で入れ替えることだけだ。文句があれば、選挙で表明するしかあるまい。まあ、ブログに書くというのも、数が集まれば、ゴマメの歯軋り程度の異議と認識はされるだろう。



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2007年12月17日 (月)

おれが「銃を持つ」と言い出したときのためのお願い

 酒飲んでクルマを運転してはいけない国で、近所の人が度重なる奇行を指摘している男に、散弾銃やら空気銃やらを合法的に所持させているというのは、いったい全体どうしたことか?

 そりゃ、狩猟を生業にしている人は商売道具として銃を持たなきゃならんだろうし、人にはスポーツとして射撃を楽しむ自由もあるだろう。しかし、狩猟で食っているわけでもなく、親の金と借金で遊び呆けていて、スポーツとしての射撃に打ち込んでいるわけでもないやつが銃を持っているという事実を、市民からの指摘があったにもかかわらず、警察は調べもしないでほったらかしていたんじゃないか。あまりにもヘンではないか。なーにが銃の所持に関して世界一厳しい国であるか。手続き自体がすっかり形骸化しているではないか。おれはもっと厳しいもんだと思っていたんだが、この程度だったら、おれですら銃が持ててしまうんじゃなかろうか? そう考えると、心底怖ろしくなってきた。

 おれが銃を持ててしまったら、きっとえらいことになるぞ。おれはあのような美しいものを手にして、なにもしないという自信がない。自分を抑える自信がない。もしおれが「よし、銃を持とう」などと言い出したら、ぜひ止めていただきたい。「あいつはふだんから奇行が目立つ。本人はそれをいっこうに奇行だと思っていないようだ。あいつのブログを読めば、あいつがまともな社会人でないことがわかるだろう。あんなやつに銃を持たせるくらいなら北朝鮮に核を持たせるほうがましだ。取り上げろ!」と警察にタレ込んでいただきたい。

 おれはいまこれを焼酎お湯割りを二杯ほど飲んでいる状態で書いているから、比較的まともな精神状態であると判断できる。まともなうちにみなさんに頼んでおきたいのである。おれが銃を持ちたいと言い出したら、もはやそのおれはいまのまともなおれではないので、もしそんなことになったらとにかくおれが銃を所持することを阻止してほしい。京都府警が長崎県警ほど怠慢でないことを祈るのみである。



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2007年11月27日 (火)

透明ボール

 強盗のニュースを観ていて、ふと“透明ボール”というやつを考えた。もちろん、“カラーボール”の逆(?)の機能を持っているのである。強盗に投げつけると、そいつはたちまち透明になってしまう。それでは逃走を幇助しているのではないか? いやいや、そうでもないぞ。なにしろ、そいつは一生透明なのである。せっかく金を盗んでも、それではあんまり生きている意味がない。“透明ボール”に封入されている薬剤は、その解毒剤(?)である“不透明化薬”と必ず対で生成され、その対関係を解明するには、巨大な数列をふたつの素数の積に因数分解しなければならない。透明ボールを投げつけられた犯人は、きわめて実用的な量子コンピュータでも発明しないかぎり、早晩、自首してくるという寸法である。なんか、ドラえもんチックなアイディアではあるな。



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2007年10月31日 (水)

ほんものの天皇の証人喚問は可能か?

 「防衛省の天皇」の異名を取ったという守屋・前事務次官をめぐるすったもんだを見ていてふと思ったのだが、はたして国会は、“ほんものの天皇”を証人として喚問することができるのだろうか? また、天皇が嘘の証言をした場合、天皇に偽証罪は適用できるのだろうか?

 天皇は刑事責任を負わないというのは通説だと思うのだが、証人喚問での偽証罪は、刑法じゃなくて議院証言法による偽証罪(中身は刑法と同じみたいだけど)なんだから、刑事訴追ではないという屁理屈も言えそうな気がする。

 法律に詳しい方、ご教示いただければさいわいです。いや、べつに知ったからといって、「へぇ」ボタンを叩くだけなんではありますが……。



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2007年10月21日 (日)

♪地鶏じゃないって~ 不適なことね~

 いや、もうね、タイトルが唄いたかっただけ。なに? 元歌がわからん? お父さんお母さん、お爺さんお婆さんに訊いてね。

比内地鶏の薫製を偽装 秋田の業者「10年前から」 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/1020/TKY200710200169.html

 秋田県の特産で、「日本三大地鶏」の一つとして知られる比内地鶏で、加工商品として出荷した薫製の肉や卵に、比内地鶏でない鶏を使用した疑いがあるとして、秋田県は20日、同県大館市の食肉加工会社「比内鶏」(藤原誠一社長)を景品表示法などに触れるとして立ち入り調査した。同社は偽装を認めているという。
 比内地鶏の県内の消費は全体の2割ほどで、8割は県外に出荷している。「比内鶏」社は通信販売で商品を出荷しており、全国の消費者に影響を及ぼしそうだ。
 県などによると今月15日、「薫製の卵に比内地鶏以外の鶏を使っている」との匿名の電話が県に寄せられたため調べた。藤原社長は県の調査に対して「自分が就任した約10年前からすでに偽装がされていた」と話しており、使用された肉は周辺の農家から仕入れたニワトリのものだという。

 それにしても、社長の言い種にびっくりだ。「自分が就任した約10年前からすでに偽装がされていた」って、なんじゃそら? それって、なにかの言いわけになるとでも思って言ってるわけ? 「以前からの悪しき慣習を、私が社長になったからにはきっぱりと改める」とでも言うならわかるけど、なんとも情けねえ社長ですなあ。こういう人が会社を率いるような地位に就いてはいけないね。社員がかわいそうだ。「せやけど、みなやってたやんか~」て、子供かあんたは?



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2007年10月20日 (土)

ニューディール商法?

 ♪えっじゃないか えっじゃないか えっじゃないか
  “まき直し”てたって えっじゃないか
  伊勢の名物 赤福餅は「えっ!?」じゃないか


赤福を営業禁止処分 三重県、期限は設けず (CHUNICHI Web)
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2007101902057644.html

◇売れ残りを再販売
 和菓子の老舗「赤福」(三重県伊勢市)による赤福餅(もち)の製造日偽装問題で、三重県は十九日、同社が売れ残りの商品も冷解凍して再販売していたことを受け、食品衛生法違反で伊勢市朝熊町の本社工場を営業禁止処分にした。処分は期限を設けず、再発の恐れがないと確認できるまで営業できない。また、農林水産省と三重県、名古屋市などは、合同で本社工場や名古屋営業所(名古屋市中川区)などを立ち入り検査した。


「赤福餅」 - 詐欺商法を元従業員が告白


 なんだかなあ……。不二家の事件をどんなふうに見ていたんだろうね、赤福は。

 なんでも、この「まき直し」なる“残りものの偽装再販売”は、三十四年前からやっていたのだそうだ。待てよ、三十四年前? あっ。なんということだ。つまり、まさにおれが小学校の修学旅行で伊勢に行って、赤福餅を大量に持って帰って食ったころからやっているわけではないか。あのときおれが食ったやつも、売れ残りだったのかもしれんなあ……。大人なんて、大人なんて大っきらいだぁ~!

 それにしても、三百年の伝統もブランド力も、一週間もしないうちに地に堕ちるのだから、二十年や三十年やってる程度の会社の信用など、一夜にして吹けば飛ぶということがしみじみ実感できる。コンプライアンスというのは大事ですなあ。

 赤福がいつ営業を再開できるのかはわからないが(おれの母は赤福餅の大ファンである)、もう二度とは赤福餅をむかしのように見ることはできないだろう。

 赤福の経営陣には、ぜひこの本をじっくりと読んでもらい、人様からお金を頂戴する商売というものの根っこのところにある意味を、いま一度素朴に考え直してほしいぞ。



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2007年10月12日 (金)

盗っ人を刑事告発しない市長のつくりかた

 「市長、警察の方がお見えです」
 「お通ししなさい」
 「ああ、市長、先日この男を微罪で捕まえたところ、年金を着服していたことを自白しましてな――ほらっ、顔を上げんかっ! 盗んだ金は累計で三十万くらいになるそうです」
 「申しわけありません、市長。多かれ少なかれあちこちでやってるもんですから、つい出来心で……」
 「あなたはなにを言っているのですか? その年金はあなたに差し上げたものじゃありませんか」
 「え、ええっ!?」
 「そうそう、あなたは忘れものをなさってましたよ。よっこらしょっと……ほら、税金で買ったこのふたつの銀の燭台もあなたにあげたじゃありませんか。持っていってくださらないと困りますなあ」
 「いやしかし、市長、この男はたしかに――」
 「私があげたと言っているんだから、なにか問題でも? この人は罪人なんかじゃありません。さっさと手錠をはずしてあげなさい」


 市長の慈悲に打たれた男は心の底から悔い改め、まじめに働いて、ついに市長になった。


 「市長、警察の方がお見えです」
 「お通ししなさい」
 「ああ、市長、先日この男を微罪で捕まえたところ、年金を着服していたことを自白しましてな――ほらっ、顔を上げんかっ! 盗んだ金は累計で三百万くらいになるそうです」
 「申しわけありません、市長。多かれ少なかれあちこちでやってるもんですから、つい出来心で……」
 「あなたはなにを言っているのですか? その年金はあなたに差し上げたものじゃありませんか」
 「え、ええっ!?」
 「そうそう、あなたは忘れものをなさってましたよ。よっこらしょっと……ほら、税金で買ったこの二十個の銀の燭台もあなたにあげたじゃありませんか。持っていってくださらないと困りますなあ」
 「いやしかし、市長、この男はたしかに――」
 「私があげたと言っているんだから、なにか問題でも? この人は罪人なんかじゃありません。さっさと手錠をはずしてあげなさい」


 市長の慈悲に打たれた男は心の底から悔い改め、まじめに働いて、ついに市長になった。


 「市長、警察の方がお見えです」
 「(お、いよいよ来たな)お通ししなさい……」


 かくして、年金や税金は、慈悲深い立派な市長を要請するための経費として、有意義に流用されているのであった――なわけねーだろ!



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2007年9月19日 (水)

正直者

16歳の娘、斧で警察官の父を殺害容疑 「嫌いだった」 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0918/TKY200709180043.html

 18日午前4時40分ごろ、京都府京田辺市、京都府警南署交通課巡査部長(45)方から、妻(41)とみられる女性の声で「主人が斧(おの)で首を切って自殺した」と119番通報があった。消防隊員が駆けつけると、2階の寝室で巡査部長が首から血を流して倒れており、すでに死亡していた。田辺署員が返り血を浴びた専門学校生の次女(16)に事情を聴いたところ殺害を認めたため、殺人容疑で緊急逮捕した。
 捜査1課と田辺署の調べによると、巡査部長はランニングシャツとパンツの下着姿で、右首の数カ所に傷があり、体の左側を下にして倒れていた。争った形跡はなかったという。
 警察が到着した際、次女は1階の居間にいた。居間には、血が付いた刃渡り約11センチの小型の斧もあった。斧はこれまで自宅になかったものとみられ、府警は次女が事前に準備したとみている。次女は「私が斧で切りつけた。以前から父が嫌いだった」などと供述しており、府警は動機を調べている。

 いや、われながらえげつなく不謹慎だとは思うのだが、このニュースを読んでいる最中、おれの脳は、おれが静止する間もあらばこそ、娘の台詞を反射的に英訳してしまったのだった――

 

I cannot tell a lie. I did it with my little hatchet.



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2007年8月16日 (木)

『ボウリング・フォー・コロンバイン』を観る

 GyaO のタダ映画観まくり週間、第三夜は『ボウリング・フォー・コロンバイン』(監督:マイケル・ムーア/9月1日まで)。いやあ、はっきり言って、GyaO の配信映画の多くはB級、C級、Z級だが(おれは嫌いじゃないけど)、こういうメジャーな映画を配信してくれるとは思わなかった。

 通して観るのは初めてとはいえ、この映画のあっちゃこっちゃの断片はいろんなところで観ている。マイケル・ムーアというのは、まったくすごい男だ。これだけ深刻な問題を描きながら、ブラックなユーモア感覚を忘れない。自分もアメリカ人なのだということを常に忘れずに撮っている。そこが凡百のアメリカ批判と一線を画すところであり、ムーアの稀有な才能と言えるだろう。カート・ヴォネガットにも比肩する異才だと思う。

 おれもむかしアメリカの銃社会を茶化したことがあったが、マイケル・ムーアに比べればまだまだ浅い浅い。アメリカと同じように銃が簡単に手に入り、巷に銃が溢れているカナダでは、なぜかくも銃犯罪が少ないのかという指摘は、じつに面白い。“それで儲けてるやつが権力と通じているから”というのが一応納得のゆく答えではあるのだが、どうもおれはそれだけじゃないような気もするんだよなあ。はっきりとはわからないけどさ。

 マイケル・ムーアとハロルド・ピンターは気が合いそうだね。こういう人たちがもっともっと評価されるといいと思う。というか、世界はこういう人たちを評価してゆかねばいかん(ま、すでに充分評価されてるけど、批判されてるほうが聞く耳を持たないだけかもしれんが……)。アメリカ人だってバカじゃあない。むしろ、奇妙な強迫観念から解放されさえすれば、合理的で有能な人々である。なんだかんだ言って、おれはアメリカが好きだ。だけど、大嫌いだ。でもまあ、マイケル・ムーアのような人が殺されもせずに映画が作れる国なのだと思えば、まんざら捨てた国じゃないように思えるんだよ。

 What a wonderful world!



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2007年8月15日 (水)

『ザ・ハッカー』を観る

 またまた GyaO でやってた『ザ・ハッカー 』(監督:ジョー・チャペル)を観る。伝説のハッカー・ケヴィン・ミトニックと日本人科学者・下村努との対決を描く Takedown の映画化である。そのうちテレビかなんかでやるだろうと思っていたが、数年後にネットでタダで観られるようになるとは、テーマがテーマだけに、感慨無量ですな。

 あんまり期待してなかったんだけど、コンピュータにあまり詳しくない人でも充分楽しめる内容になっている。そもそも、ケヴィン・ミトニックが最も得意としたのは、システムの“人間系”の脆弱性を衝くいわゆる“ソーシャルエンジニアリング”なのであって(もちろん、テクニカルな面もすごいのだが)、これはコンピュータの知識のない人にでもちゃんと理解できるし警戒できる“詐欺”の一種なのである。この映画はそこのところをちゃんと描いている。セキュリティ関係者は一応必見かも。

 ミトニックを演じるスキート・ウールリッチもなかなかホンモノに似ているんだが、下村努役の(たぶん韓国の)俳優さんは妙に山下真司に似ていて、英語が流暢すぎてかっこよすぎ。まあ、ホンモノの下村努さんを知らないので、似てるかどうかはわかりませんが~。

 ご存じとは思うが、ミトニックは臭い飯を食ったあと、足を洗ってコンピュータセキュリティコンサルタントとして活躍している。米国の下院は、ミトニックを呼んでレクチャーまでしてもらっているのである。FBIが血眼になって追っかけていた元犯罪者にでも、必要とあらば教えを乞うというあたりがじつにアメリカ的であって、日本も見習うべき合理主義だ。ミトニックの言う "Companies spend millions of dollars on firewalls and secure access devices, and it's money wasted because none of these measures address the weakest link in the security chain: the people who use, administer and operate computer systems," というのは、企業のあらゆる危機管理担当者が肝に命ずるべきことだろう。

 おれは原書の The Art of Deception しか読んだことがないのだが、ミトニック自身が書いた『欺術(ぎじゅつ)―史上最強のハッカーが明かす禁断の技法』ってのは、なかなかの名著だと思う。つまるところ、ソーシャルエンジニアリングに対する完全な防御は、企業にとっては不可能に近いと言っているにすぎない本なのだけれども……。Good luck, 企業のみなさん。



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2007年8月 9日 (木)

そのホンモノが信用できないんだってば

Harigami01 団地の自治会が、掲示板にこんな貼り紙をしていた――「年金未払いの件で社会保険庁と名乗る人物が、各戸に、訪問しています。注意を、してください」

 なるほど、社会保険庁を騙った詐欺か、気をつけねばなあと思ったには思ったのだが、仮にホンモノの社会保険庁がやってきたとしても、詐欺かもしれない怪しさにはあんまり差がないのではなかろうか?

 もっとも、自分たちの不手際を、当の被害者に立証させようとしていたような連中が、自分の腰を上げてわざわざこっちにやってくるはずがないということは、日本国民であれば誰にでも容易に推測がつくので、あんまり効果的な詐欺だとは思えない。騙りというのは、本来信頼できるはずの人や組織の名を騙るからこその騙りなのであって、詐欺師を騙って詐欺を働こうとすること自体に、構造的な無理がある。「年金未払いの件で社会保険庁が各戸を訪問しています。注意をしてください」という貼り紙であったとしても、なんの違和感もないのである。ちゅうか、詐欺師がやってくるよりも、そっちのほうがよっぽど怪しいぞ。



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2007年7月 7日 (土)

いつも青春は時をかける

 芳山和子が目を覚ましてテレビを点けると、立派な身なりの紳士に報道陣がむらがってマイクを突きつけていた。どうやら何大臣だかがなにかしら不正に関わっていると疑惑を持たれているらしい。

 和子がダイニングキッチンでトーストをかじりながらテレビを観ていると、今度は総理大臣に報道陣がむらがってボイスレコーダを突きつけていた。

 「しっかりと説明されたと聞いている」
 「野党から辞任という声も出ていますが……?」
 「そういう問題じゃない」

 放課後の理科室。ラベンダーの香り。

 芳山和子が目を覚ましてテレビを点けると、立派な身なりの紳士に報道陣がむらがってマイクを突きつけていた。どうやら何大臣だかがなにかしら不正に関わっていると疑惑を持たれているらしい。

 和子がダイニングキッチンでトーストをかじりながらテレビを観ていると、今度は総理大臣に報道陣がむらがってボイスレコーダを突きつけていた。

 「しっかりと説明されたと聞いている」
 「野党から辞任という声も出ていますが……?」
 「そういう問題じゃない」

 放課後の理科室。ラベンダーの香り。

 芳山和子が目を覚ましてテレビを点けると、立派な身なりの紳士に報道陣がむらがってマイクを突きつけていた。どうやら何大臣だかがなにかしら不正に関わっていると疑惑を持たれているらしい。

 和子がダイニングキッチンでトーストをかじりながらテレビを観ていると、今度は総理大臣に報道陣がむらがってボイスレコーダを突きつけていた。

 「しっかりと説明されたと聞いている」
 「野党から辞任という声も出ていますが……?」
 「そういう問題じゃない」

 放課後の理科室。ラベンダーの香り。

 芳山和子が目を覚ましてテレビを点けると……。



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2007年7月 1日 (日)

今月の言葉

ドラえもん のび太の新魔界大冒険
~21人の法使い~

 説明は不要だと思うが、[『死刑廃止大作戦』 第24話「幼稚人間」]をご参照のこと。

 弁護士にだって、自分の思想信条・主義主張があろう。だがな、そういうものの表明はよそでやれ法廷でやるな。事件を、被告を利用してやるな。ある意味、あの光市の母子殺害事件の被告は、すでに死刑を執行されていると言ってよい。この二十一人の恥知らずな弁護士どもに、おのれの命を売りわたしてしまっているのだ。

 被告の“元少年”よ。おまえはもう少年ではない。ドラえもんがどうしたという話はどうでもよい。被害者に、おれたちに、おまえ自身の主張を聞かせろ。万一、死刑を免れるようなことがあったとしてだ。その“儲けた”人生はおまえにとってなんだというのだ? まあ、ここに書いても詮ないことではあるな。おまえがこれを読むようなことは、まずないだろう。だが、言わずにはいられない。いずれ絞首台に赴くとしてもだ、あいつらにおまえの人生をすべて任せたままでよいのか? よいのだと言うのなら、おまえは理解されることを拒んで純然たる悪人として死んだ宅間守にも数段劣る虫けらだ。



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2007年6月28日 (木)

『死刑廃止大作戦』 第24話「幼稚人間」

「ドラえもんが何とかしてくれる」母子殺害公判で元少年 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0627/OSK200706270110.html

 山口県光市で99年4月に会社員本村洋さん(31)の妻弥生さん(当時23)と長女夕夏ちゃん(同11カ月)を殺害したとして殺人と強姦(ごうかん)致死、窃盗の罪に問われている当時18歳の元少年(26)の差し戻し控訴審の第3回公判が27日、広島高裁であった。前日に続き弁護側の被告人質問があり、元少年はひもで夕夏ちゃんの首を絞めた認識について「ありません」と答え、夕夏ちゃんへの殺意も否認した。
 元少年は前日の公判で弥生さんへの殺意や強姦目的を否認。この日は弥生さんが死亡した後の行動について質問された。
 元少年は、夕夏ちゃんが泣きやまないので、「お母さんをあやめた自責の行為」として、ズボンのポケットにあった「剣道の小手のひも」を使って自らの左手を締めたと語り、夕夏ちゃんの首を絞めた認識はなかったとした。亡くなった夕夏ちゃんを押し入れの天袋に入れた理由は「4次元ポケットでドラえもんが何とかしてくれると思った」と話した。
 元少年は一・二審で2人への殺意を認めていた。検察側が反対尋問で、供述が変化している点について聞くと「記憶を精査した」と述べた。
 被告人質問はこの日で終了し、午後には、弁護側の依頼で元少年の犯罪心理鑑定をした加藤幸雄・日本福祉大教授(臨床心理学)の証人尋問が始まった。加藤教授は、元少年と実母は父親から暴力を受け、それぞれを必要とする「共依存の関係」にあったと指摘。元少年は中学1年の時に母を自殺で亡くし、親子、友人関係のバランスをとりながら自立する機会を失い、「内面の成熟が遅れた」と分析した。

 「ドラえもんが何とかしてくれる」ときたか。いや、こりゃすごいね。まるで「内面の成熟が遅れた」というオチに持ってゆくために、どこかの創造力のない大人どもが無理やりひねり出したかのような陳腐な臭いがする名台詞である。いや、べつに他意はない。おれにはそう聞こえてしかたがないという、個人的な印象だ。

 社会保険庁ミートホープの社長も、これはぜひ参考にすべきだ。「なぜこんなことをしたのか?」と詰問されたら、とりあえず、「ドラえもんが何とかしてくれると思った」と言っておけば、みんな「ああ、内面の成熟が遅れているのか」と好意的に解釈してくれるにちがいないぞ。べつにドラえもんを引き合いに出さなくとも、そんなことは誰もが知ってはいるけれども、ダメ押しだ、ダメ押し。言っておくに越したことはないぞ。減るもんじゃなし。

 いや、まったくこれはよいことを聞いた。明日さっそくそこいらを歩いている若い女を捕まえては「ハグしちゃお」と宣言しつつ次々と押し倒して、「ドラえもんが何とかしてくれる、ドラえもんが何とかしてくれる。アン、アン、アン、アン、アンっ、アンっ、アぁんっ、アぁんっ――とっても大好きドラえもぉぉぉんっ!!」と強姦しまくり殺しまくり、キャーキャー電車の中で騒ぐので前からうるさいと思っていたガキどもを片っ端から捕まえて、「ドラえもんが何とかしてくれるっ、ドラえもんが何とかしてくれるっ! ドラえもんがっ! 何とかっ! してくれるっ!」と壁やら床やらに叩きつけて殺してまわることにしよう。いやあ、なにしろおれときたら、書いたものを読めばわかるように、内面の成熟が遅れているもんでな。

 強姦と子供殺しに飽きたら、仕上げに適当な旅客機をハイジャックして、「ドラえもんが何とかしてくれるーーーっ! 」と叫びながら、国会議事堂か首相官邸か皇居にでも突っ込むことにするか。ドラえもん、バンザイ!

 あ、そうか。殺人事件の裁判を、これさいわいと手前の主義主張の政治的宣伝活動に利用し恬として恥じない弁護士などいうものがもし万が一どこかにおるのだとしたら、なにもまわりくどくてしらじらしい破廉恥な策を弄さずとも、ドラえもんに頼めば、死刑でもなんでもすぐ廃止してくれると思うぞ。♪チャッチャカチャッチャッ、チャーチャーチャーっ――「死刑廃止スプレ~!」



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2007年6月26日 (火)

肉屋のポリシー

 ♪どんなミンチのときも 絶対牛入れない
  そうよ それが 破廉恥肉屋のポリシー
  たまに ちょびっと入れる 大事な牛の代わり
  豚を入れて 二度挽いてゆくの
  プンと臭う 口の中で
  脂滴るわ
  怖いものなんかないよね
  なぜだか量が増えるね
  羊もたまにあるよね
  だから もっとみみちく
  もっとたいへんなもの 絶対放り込んでる
  きっと それは BSEのチャンス
  みんな 廃棄のときは とっても惜しくなるから
  自信持って 不二家してゆくの
  今は黙る 従業員も
  いつか口割るわ
  売りたい肉にするよね
  表示は常に牛よね
  自分じゃ食べられないよね
  だけど あとは野となれ
  怖いものなんかないよね
  なぜだか量が増えるね
  羊もたまにあるよね
  だから もっとみみちく


 ……いや、ちょっと唄ってみたかっただけ。



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2007年6月14日 (木)

これがホントのスーパーノヴァ

NOVA、虚偽説明・誇大広告も 違法18種類 (asahi.com)
http://www.asahi.com/special/070614/TKY200706130425.html

 経済産業省は13日、英会話学校最大手「NOVA」(統括本部・大阪市)に複数の特定商取引法違反(不実告知など)にあたる行為があったと認定し、業務の一部を6カ月間停止するよう命令した。違法行為は、勧誘時にうその説明をする「不実告知」のほか、「書類の記載不備」「誇大広告」など6項目の条文にわたり、18種類の行為に及んだ。業務停止は、1年または70時間を超える長期の新規契約が対象で、同社は14日から勧誘、受け付け、締結ができなくなる。

 2003年5月に「今月の言葉」にした「一回聴けて、一回しゃべれる」ってのは、どうやらかなり当たっていたみたいだなあ。

 まあ、このままNOVAは雲散霧消しちゃうのかもね。



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2007年5月28日 (月)

ある行政機関での会話

全日空にシステム障害 130便欠航、7万人に影響 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0527/TKY200705270039.html

 27日未明、全日空(ANA)の国内線予約・発券システムに障害が発生し、同日午後9時半現在で羽田、大阪(伊丹)空港の発着便を中心に130便が欠航し、306便に1時間以上の遅れが出た。欠航・遅延便は、全日空のこの日の国内便(818便)全体の半数以上で、計約6万9300人に影響が出た。同社によると、同日未明からシステムが不調だったため、点検・修復作業を行っていた。同社で原因を調べている。

 「コンピュータの不調だってよ」
 「よくあることだな」
 「七万人に影響が出たそうだ」
 「な、七万人ぽっちでこんなに大騒ぎしているのか!?」
 「そうらしいな」
 「民間は神経質だなあ」
 「ほんとになあ。ウチなんか、アテにならんコンピュータのデータが五千万件やそこらあっても、誰の首が跳ぶというわけでもないのになあ」
 「まあ、九千万件くらいあるというのなら、さすがに少しは気にかけんといかんかもしれんが」
 「まったく民間のやつらはケツの穴が小さいな」
 「そんなにケツの穴が小さくては、美しい国への道は遠いなあ」
 「あんなもの、気の長い宝くじくらいに思っていてくれないと、困るよなあ。人間がやってるんだから、まちがいもあるわさ」
 「そうだよなあ」
 「常識だよなあ」
 「おれはちゃんともらえるけどな」
 「おれもちゃんともらえるけどな」
 「どわはははははははは」
 「どわはははははははは」



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2007年5月 6日 (日)

ジェットコースターの失敗学

コースター脱輪、女性死亡19人けが 大阪・万博公園 (asahi.com)
http://www.asahi.com/special/070505/OSK200705050005.html

 5日午後0時50分ごろ、大阪府吹田市千里万博公園の遊園地「エキスポランド」で、ジェットコースター「風神雷神(ふうじんらいじん)2」(6両編成)が脱線し、2両目にいた女性客が車両とレール左側の手すりに挟まれて死亡、他の乗客19人が重軽傷を負った。大阪府警は、車軸の一部が折れて車輪が脱落し、車両が左側に傾いたとみて、業務上過失致死傷の疑いで吹田署に捜査本部を設置し、6日にもエキスポランド社(山田三郎社長)など数カ所を家宅捜索する方針。

 ひええ、おっとろしー。オーソドックスな「ダイダラザウルス」のほうは、子供のころから何度か乗ったことがあるけど、あの新型の立ち乗りジェットコースターが事故を起こしたとは、想像するだに背筋が寒くなる。

 こういう事故に共通した原因は、ふたつに大別されるだろう。ひとつには、国や自治体が定めた基準そのものが甘く、実態に合っていない。もうひとつは、基準が適切でも、それが形骸化しており、きちんとチェックしているかをチェックするシステムがない。おれはジェットコースターのプロじゃないから、今回の事故(あるいは、事件)の原因がなんなのかはよくわからない。それを調べるのは警察の仕事だろう。

 ただ、この手の事故を激減させるための、きわめて効果的な安全管理上の方策は知っている。じつに簡単なことなのである。不二家の工場で働いていたパートのおばさんたちの証言がヒントだ。自分たちが作ったお菓子を「自分たちは絶対買わない」と言ってたよね、あのおばさんたちは。

 そう、保守担当作業者やその責任者を、自分が保守しているジェットコースターに毎日乗せることである。できれば、遊園地の経営者にも月に一回くらいは乗ってもらいたいものだ。経営者が老齢でジェットコースターなんかには乗れないというのなら、その子や孫に自主的に乗らせる。

 ホント、ただそれだけのことで、こんな事故は簡単に防げただろうと思うんだが、どうだろう? 国や自治体が決めた基準なんぞは、顧客視点からはレベルが低すぎると考えて相手にせず、自分たちが作った、より厳しい基準やルールに則って経営する遊園地というものがあったとすれば、おれはその会社の株を買いたいと思うね。もっとも、生活するのに精一杯で、株買う金なんてないけどね。そんな遊園地があったら、投資家のみなさんは、株買ってやっておくれよ。



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2007年4月21日 (土)

彼女も今年四十五歳か……

 若者による銃の乱射事件が起こるたび、ほとんど反射的におれの脳裏をよぎるのは、「ああ、ブレンダ・スペンサーはおれと同い年だったな」ということである。ちゅうことは、彼女も、もうええおばはんなわけだ。

 ブレンダ・スペンサーのことを思い出すと、いつもおれは胸を撫で下ろす。もしおれが、手軽に銃が手に入るような環境下に生まれていたとしたら(なにしろ、ブレンダはあのライフルを、クリスマスに父親からプレゼントされたのだ)、おれも彼女のようになっていた可能性はあるだろうと思うからである。理由は、むかし『迷子から二番目の真実[27] ~ 銃 ~』というエッセイに書いたとおりだ。

 ひさびさに自分の書いたものを読み返してみて、「美と道徳とはまったくの別物である」「そして、美というものの恐ろしさに耐性がない人間が、いつのまにか銃に引鉄を引かされてしまうのだ」というくだりに、昨今の日本の状況が重なって、ちょっと背筋が寒くなった。そうだったのか。おれが安倍晋三という人物に感じる気色悪さの正体が、ちょっと垣間見えたような気がする。

 美しい国と道徳的な国というのは、たぶんまったくの別物なのだ。



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2007年3月 4日 (日)

カフカ都市

金属盗、滑り台まで 北京五輪「特需」で高騰か? (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0302/TKY200703020338.html

 今年に入り、全国各地でステンレスや銅などの金属泥棒が急増している。火の見やぐらの半鐘、公衆トイレの屋根、滑り台や墓地の線香皿……。あきれるほど多彩だ。一体だれが、どうやって、何のために。背景を探ると、「五輪景気」にわく中国各地の建設ラッシュや、それをあてこんでの投機による金属相場の「高騰」にいき着いた。

 ある朝、グレゴール・ザムザがなにか気がかりな夢から目を覚ますと、東京ビッグサイトの屋根がまるごとなくなっているのを発見した。

 ……なーんてことにならないか心配だ。最近の建物には、ステンレスを使った部分が多いからなあ。ほかにステンレスがたくさん使われているところといえば、どこかなあ……。

 あっ。

 福井県の方、とくに気をつけていただきたい。

 え? 眼鏡フレームの話じゃないってば! 朝起きたら、原発がバラバラにされてそこいらに転がっているかもしれない。すべり台みたいに。



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2007年2月24日 (土)

SETI@home がついに見つけた

SETI Finally Finds Something (Slashdot)
http://science.slashdot.org/article.pl?sid=07/02/21/2326240

 ――って見出しを、RSSリーダがパソコン画面の隅に知らせてきたので、「ええっ!?」と思って即クリックしたら……そ、そういうことか。まあ、たしかに“見つけた”にはちがいない。

 上記エントリからリンクされている詳しい記事 Missing laptop found in ET hunt によれば、ミネソタ在住のプログラマの奥さんがノートパソコンを盗まれたのだが、奥さんのパソコンでも SETI@home の解析用クライアントソフトを走らせていたのが幸いし、パソコンを取り戻すことに成功したということだ。

 この geek なダンナは、バークレイの SETI@home 総本山のデータベースをモニタして、奥さんの SETI@home アカウントで解析済みのワークユニットを自動的に送信してくる IP アドレスを掴みミネアポリス市警に通報、市警はプロバイダに協力させて盗品パソコンの“リアルな”所在を掴んだという顚末。ダンナの執念もたいしたもんだが、動いてくれた市警がえらいな。それとも、こういう捜査はアメリカならふつうにやってくれるんだろうか? そのへんの事情がいまいちわからん。日本なら、駆け込み先によって大きな差が出そうな気がするよなあ。地方警察がサイバー捜査なんたらというような専門部署を持っているところなら、捜査権限なしで掴める証拠を揃えてそこに直接通報すれば、広域性のある組織犯罪である可能性も考慮して動いてくれるのかもしれないが、多くの一般ユーザは、このプログラマのダンナみたいには証拠を揃えられないし、そもそも適切な駆け込み先がわからないはずだ。そのへんの交番で相談しても、「IP アドレスってなに?」と言われて、自転車の盗難と同じように扱われちゃうのがオチだろう。

 理屈のうえではあたりまえとはいえ、SETI@home にこんな“利用法”があったとはね。SETI@home のサイトでも、ちゃっかり Yet another reason to run SETI@home (SETI@home する理由がまたひとつ)などと報じている。

 だけど、それこそ理屈のうえでは、決まったサーバと自動的にデータのやりとりをする常駐ソフトがパソコンに入っていれば、SETI@home でなくたって、今回のような奪還劇は可能なはずだ。シマンテックでもマカフィーでもマイクロソフト(笑)でも、正規ユーザのアカウントで張られたセッションの生アクセスログを、きちんと本人確認した正規ユーザの求めに応じて提供するといったサービスをはじめてくれれば、奥さんのパソコンを取り戻してやれるダンナの数はいくらか増えるだろうが、まあ、そんなサービスを公式にメニューに入れたって、いまはペイせんでしょうなあ。

 しかし、そのうち、アプリケーションのアカウントと通信インフラ利用のためのアカウントが分離している機器であれば、こうしたサービスの利用価値と需要は大きくなってくるはずだ。高機能化したケータイと IP ネットワークが統合されてくる過程で、利用シーンによっては切実な需要が出てくるかもしれん。いわゆるユビキタス社会とやらになってくると、サービスレイヤー間でアクセス情報・利用情報を照合して“通常では考えにくい利用シーン”を自動的に検知し、それを正規ユーザの正常利用ではない可能性が高い状況の発生として、とくに挙動をマークするなどといったインテリジェントなユーザ保護サービス(あるいは、捜査手法)が出てくるかもしれないなあ。もっとも、そこまでやるなら、情報機器すべてに生体認証機能を搭載したほうが、社会全体でのコストは安く上がるかもしれないが……。

 パソコンが戻ってきた奥さんによれば、「geek はダンナにするにはいい」のだそうだが、otaku はどうだろうなあ? フツー人が geek を配偶者にするとなにかと便利かもしれないが、otaku の場合は夫婦揃って otaku じゃないと、あんまり旨みはないような気がする。



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2007年2月 1日 (木)

「元職員」とはなにごとだ

アニータさん、チリから来日 受刑中の夫と離婚協議へ (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0131/TKY200701310377.html

 青森県住宅供給公社から14億円余りを着服し懲役14年の実刑判決を受けた元職員のチリ人の妻アニータ・アルバラードさん(34)が31日に来日した。受刑中の元職員と離婚に向けて話し合うのが目的という。
 チリでアニータさんの弁護士を務めるアルド・デューク氏が朝日新聞記者に語った。デューク氏によると、アニータさんは現地時間29日にチリの空港を出発、フランクフルト経由で成田空港に到着した。チリでは、離婚には相手側の承諾のサインが必要。アニータさんは技師のチリ人男性と結婚を考えており、元職員に直接会い、離婚の意思を確認する必要があるという。
 デューク氏によると、チリのテレビ局が、アニータさんの日本での体験を再現するドラマを企画しているという。
 公社の横領事件では元職員が横領金のうち8億円以上をアニータさんに送金し、アニータさんがチリに豪邸を建てるなどして話題になった。

 はて、この報道のしかたはなんだろう? 気になる。件の横領事件で最も悪いことをしたのは、ほかならぬこの「元職員」千田郁司受刑者である。アニータさんはフルネームで報道されるのに、なんで千田受刑者はひたすら「元職員」なのだ? 服役中の受刑者は名前を出してはいかんことにでもなっているのか? そんなことはないだろう。受刑者どころか、まだ有罪と確定してもいない被告がフルネームで報道されているのなんて、いくらでも目にするぞ。こんな首尾一貫しない報道をしているのは、朝日新聞だけなのだろうか?

 2002年8月7日の日記でも、この事件に関する偏向報道について書いたが、四年以上経っても、まだ腑に落ちない。マスコミはアニータさんになんか恨みでもあるのか? そりゃまあ、アニータさんは、品のかけらも、恥も外聞もない、おれは個人的には絶対にお近づきになりたくないタイプの女性ではある。だが、この事件に関するかぎり、誰が犯罪者なのかはあきらかだ。なぜそんなに千田受刑者を庇う? なぜもっと青森県住宅供給公社の呆れるばかりの杜撰さを嗤わない? おれには、どう考えても、不公平に思えるよ。そもそも、女性の新聞記者はなにをしている? こんな偏向報道を許しておいていいのか?



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2007年1月14日 (日)

木を隠すなら森の中

 このところあちこちでバラバラ事件が頻発していて、朝から晩までバラバラの話ばかり見聞きさせられるせいか、家事をしている最中など、なんの気なしに「♪My baby, baby, バラバラ」だとか「♪その名もたーかきチンパン探偵、ムッシュバラバラバーラバラ」などと唄っているおのれに気づき、不謹慎なことであるなあ、おれに子供がいなくてよかったなあとちょっと反省し、また唄い続ける。案外、おれと同年輩の方々は、同じように鼻歌を唄っているのではないかとも思うのだが……。

 こういう物騒な事件の多いときに、同系列の愉快犯が現れるとしたらどうだろう? ただただウケたいというだけの動機で、なんともない自分の腕やら脚やらを切断して、そこいらのゴミ箱やら公園やらにビニール袋に包んで捨てるのである。とにかく、それくらいウケたいという異常なやつなのだ。捨てるとき、ちょっと中身が覗く程度に袋を裂いておくのがポイントだ。発見者も警察も、まさかこれらの腕や脚の主が生きているとは思わないだろう。ほんもののバラバラ殺人事件と愉快犯のバラバラ(じゃないのだが)四肢遺棄事件が合わせて二十件くらい起こると、警察の捜査が大混乱すること請け合いである(請け合うなー!)。まあ、いまはDNA鑑定ができるから、結局はちゃんと分類できるのだが、初動捜査は大いにややこしくなる。よい子のみんなは真似しちゃだめだよ!

 むろん、これは不謹慎なネタであって、現在実行するやつがいるとは、ちょっと考えにくい(絶対ないとは言えないが……)。だが、近い将来、再生医療の研究が進み、腕や脚を単独で発生させたりすることができる技術が確立すれば、こんな愉快犯が出現する可能性は大いにある。そんな時代になれば、そこいらに腕やら脚やらが落ちていた場合、警察はまず、その主がひとりの人間として出生届けが出ている人なのかどうか、そもそも殺人事件があったのか、単なる窃盗や愉快犯なのではないかといったことから捜査しなくてはならない。テクノロジーは世の中を便利にもするが、ややこしくもするのである。



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2006年11月 4日 (土)

Web 2.0 的ビジネスモデルの祖先

 いわゆる“サラミ法”を合法的にやれば、それは現代では“Web 2.0 的ビジネス”と呼ばれるのである。

 そう考えると、散在している細切れの価値を集積・可視化して金にするというビジネスモデルの遠い祖先は、一九六○年代にすでに出現していたと言って言えないこともないだろう。ちょっと強引だけど。



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2006年10月28日 (土)

病は国のまほろば?

開業医「言いなりに診断書」 奈良市の長期病欠職員 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/1027/OSK200610270044.html

 42歳職員の他の病名は市への提出順に、右ひざ関節炎、一過性脳虚血発作、多発性神経痛、左ひざ関節炎、椎間板(ついかんばん)ヘルニア、背部神経痛、左座骨神経痛、右座骨神経痛、左ひざ内側の側副靭帯(じんたい)損傷など。開業医を含む4病院が診断書を作成。職員は04年以降、三つの病名を交互に繰り返していた。

 そ、それはたいへんだ! 絶対、悪い電磁波で攻撃を受けてるよ。早く白装束に着替えなさい!



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ここはひとつ、世界史的に書いてみたりして

履修不足:「逸脱」の手段さまざま 学校側なりふり構わず (MSN毎日インタラクティブ)
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20061027k0000e040074000c.html

 栃木県の県立宇都宮女子高では「世界史的に地理を学んでいた」として異なる2科目を一体化させて教えることで2科目とも履修とした。県立大田原女子高でも理系の3年生80人が「地理の授業で世界史もまとめて学んだ」として地理Bと世界史Aを履修したことにしていた。

 いやあ、「世界史的に地理を学んでいた」かあ。これは今年のヒット作だね。どこかに「世界史的かつ情報的かつ家庭的かつ芸術的に地理を学んでいた」とか言う校長はおらんか? そういう授業があったら、おれもぜひ受けてみたい。

 おれは学習指導要領というやつが大嫌いだし、“ゆとり教育”など笑止だと思っているが、だからといって、こうした“履修させ漏らし”をやっている学校は、やることがあまりにも姑息だ。“嘘だろうがなんだろうがカタチだけやって報告書が書ければよい”という腐れ公務員のごとき思考回路が見えみえで、顧客視点、というか、生徒視点などどこにもない。生徒が望んだなどと言いながら、そのじつ、学校の評判とやらが最優先になっているだけではないか。

 これだけの時間でこれだけの必修科目をやるのは無理だ――と判断したのなら、なぜ教育委員会に、文部科学省に逆らわない? マスコミの取材に答えて、生徒のせいだ、親のせいだと言わんばかりのそこの校長、そこの校長、そこの校長、あんたたちに言ってるんだよ。全国でこれだけ続々と出てくるんだったら、保護者の署名を集め、マスコミに実態を暴露し、みなで社会に訴えれば、大きな力になるだろうに。本当に無茶な学習指導要領なんだったら、そういうものの背後にいる議員たちを選挙で落とすこともできるのだぞと示せるはずだ。しかも、この人たちは知識や頭脳という力を持たない人たちではない。人から“先生”と呼ばれる知識労働者なのである。自分たちがプロの見識で“理不尽”だと判断したものに、なぜ逆らわない?

 解決の見えないこすっからいごまかしを続けてゆけば、現場の先生たちにかかる負担はたいへんなものになるとわかっていただろう。ごまかしが発覚したら、生徒たちにかかる負担もたいへんなものになるとわかっていただろう。ごまかしを続けていっても、それが発覚しても、よく考えると、いちばん困らないのは校長なのである。バレなきゃもちろんいいし、もしバレても、「みんなやってる」「生徒が望んだ」と謝るだけですむのが校長なのである。

 まあ、見ててごらんな。そのうち、全国津々浦々で、この大事な時期のゴタゴタで受験に失敗させられたとして、学校を相手取った集団訴訟が起こるだろう。予備校に行くのも、独学で再挑戦に備えるのも、タダではない。最低その費用は欲しいわな。精神的苦痛に対する慰謝料も上乗せしてほしいわな。損害賠償は誰が払うんだろう? 公立高校だったら、たどってゆけば税金で払うことになるのかい? おいおいおいおい。大混乱になるぞ。

 それにしても、ずーっとあたりまえのように続いていたことが、いま急に発覚したというのもクサいよなあ。現行の教育制度をいったん根底からぶち壊してしまったほうが、思惑どおりの制度を敷きやすいと判断した安倍内閣の工作なんじゃないの? なんにせよ、いちばんバカを見ているのは、生徒たちだよなあ。

 あれ、結局、ちっとも世界史的に書けなかったぞ。



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2006年10月27日 (金)

「履修漏れ」「履修不足」ってのは、言葉がヘンじゃろう?

 先のエントリーで書いた高校卒業生偽装問題であるが、あちこちのマスコミが「履修漏れ」だの「履修不足」だのと言っているのは、どう考えても日本語としておかしいと思う。「履修」している主体は生徒である。これだと、まるで生徒が悪いみたいではないか。正確には「履修させ漏らし」「履修させ不足」と言うべきではないかと思うのだがどうか。学校が教育委員会に虚偽(あるいはまったくの架空)の報告をしているのは、ふつう公文書の偽造、あるいは、不実記載と認識されるべきなのではないのか。立派な犯罪である。

 この問題は結局、“いじめが原因の自殺はゼロである”と報告している、というか、並外れて骨のある人間以外はそう報告せざるを得ない状況を作り出しているシステムの欠陥が、異なる現象として噴出しているということなのではないのか?

 こんなこと、民間の企業だったら、粉飾決算にも相当する重大な犯罪である。これらの学校の校長には、国が国なら、懲役二十四年の判決を食らうほどのことをしたのだという意識はあるのだろうか?



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2006年10月25日 (水)

県立ヒューザー高等学校

単位不足:10県65校、生徒数は1万1000人に (MSN毎日インタラクティブ)
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20061026k0000m040090000c.html

 富山県立高岡南高校で発覚した履修単位不足問題で、新たに青森、岩手、山形、福島、石川、福井、愛媛、広島、栃木の各県の公私立高校でも必修科目を履修せず同様の単位不足になっていることが分かった。単位不足はこれで10県65校、生徒数は約1万1000人に上った。各県教委や学校は単位不足の3年生が卒業できなくなるおそれもあるとして、3年生への補習授業を検討するなど対応に追われ、文部科学省も全国調査を行う。
 履修漏れによる単位不足が25日午後9時半現在までに判明したのは▽岩手30校▽山形12校▽福島10校▽福井5校▽青森、栃木2校▽石川、愛媛、広島、富山各1校の計65校。
 岩手県教委によると、発覚した県立盛岡一高側は「必修科目の授業時間数が足りず、教科書の全範囲が終わらなかった。このため、受験科目に絞って授業をした」と説明したという。県教委に提出するカリキュラムや指導要録には必修科目を履修していたように虚偽の記載をしていたという。

(中略)

 文科省教育課程課は「必履修教科・科目が履修されていると思っていた。ありえない話だ。学習指導要領を守らなければ、理科でも同様の問題が起きる可能性もある」と話している。

 えーと、これって要するに、“高等学校卒業生偽装事件”なわけですよね? 少なからぬ高校はヒューザーみたいなところで、少なからぬ先生たちは姉歯・元一級建築士みたいな立場で、少なからぬ教育委員会はイーホームズで、少なからぬ卒業証書は耐震強度偽装マンションみたいなもので、結局、いちばんの被害者は生徒というマンション住民だということですよね? なにか構造の把握におかしいところはありましょうか? まあ、現場の(権限のない)先生たちは、ベンツとBMWを乗りまわしていないとしたら、生徒の次にかわいそうだとは思うけどね。

 「学習指導要領を守らなければ、理科でも同様の問題が起きる可能性もある」なんて呑気なこと言ってるみたいだけど、ホントに社会科と理科だけ? 『教科「情報」のはずの時間に数学をやるのも同罪か』なんてことをおっしゃってる大学の先生もいらっしゃるんですけどー?



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2006年10月19日 (木)

これは“ひとり”だからね

京都市職員、覚せい剤使用容疑 府警が再逮捕 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/1019/OSK200610190037.html

 京都府警は19日、道路交通法違反(無免許運転)容疑で逮捕していた京都市立砂川保育所の作業員、松本志津子容疑者(36)=京都市北区出雲路神楽町=を覚せい剤取締法違反(使用)容疑で再逮捕した。松本容疑者は「薬を飲んだが、覚せい剤の成分が入っているとは知らなかった」と容疑を否認しているという。

 前のエントリーで書いた女が再逮捕されてしまったのだが、これは“ひとり”と数えることにしよう。だから、ノルマ達成まで、今月はやっぱりあとひとりだ。再逮捕なんてずるい手で点を稼ごうとしちゃダメだぞ。



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よし、今月はあとひとりだ!

京都市職員13人目の逮捕者 無免許、覚せい剤反応も (asahi.com)
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200610170079.html

 京都府警山科署は17日、無免許運転をしたとして、京都市立砂川保育所の作業員、松本志津子容疑者(36)=京都市北区出雲路神楽町=を道路交通法違反容疑で逮捕した。松本容疑者の尿から覚せい剤反応が出たため、府警は覚せい剤取締法違反(使用)容疑でも捜査を進める。京都市職員の逮捕者は4月以降で13人目。
 調べでは、松本容疑者は8月9日夕、同市山科区小山中ノ川町の国道1号で、無免許のまま乗用車を運転した疑い。「通勤やレジャーなど日常的に車を使っていた」と供述しているという。覚せい剤の入手ルートなども調べる。
 京都市保育課によると、松本容疑者は98年4月に採用され、04年5月から同保育所で勤務している。

 以前に絶賛したように、京都市の人員削減計画は着々と進んでいるようだ。月に平均二人は逮捕されるようにしなければならないという厳しいノルマを、いまのところ順調に達成している。今月はあと十日あまりだが、たぶんもうひとりくらいはちゃんと逮捕されることだろう。

 来年の三月末までに二十四人逮捕されれば、年度目標達成である。がんばれ、京都市職員! いやあ、ホントに京都市民として税金の払い甲斐があるなあ。愚にもつかない無駄遣いを湯水のようにしながら人の血を吸って生きている社会保険庁やら雇用・能力開発機構やらは、京都市の涙ぐましい経費節減努力を見習ってほしい。



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『クロサギ(7)・(8)』(黒丸・[原案]夏原武/ヤングサンデーコミックス)

 おれはマンガを読むのにけっこう時間がかかるので、ちびちびと息抜きに読んできて、ようやく八巻。あと二巻で最新の巻に追いつくな。

 七巻・八巻は、安定した面白さ。七巻の「ネット詐欺」だが、雑誌掲載時期を考えると、フィッシングはともかく、ファーミングなんてのは、最新のネタだったはずである。『ゴルゴ13』とかでもときどき思うんだが、マンガのためのリサーチもたいへんですなあ。『クロサギ』読んでて、「IPアドレス」だの「hostsファイル」だのという言葉に遭遇するとは思わなかった。せっかくマンガ読んでるのに、ちっとも息抜きになっとらん(?)。ま、面白かったけどさ。

 八巻のメインは、テレビドラマでも厚めに使っていた「不動産詐欺」。黒崎のライバル、大企業専門詐欺師の白石の過去があきらかになる。ネタ的には、姉歯・元一級建築士らによる耐震強度偽装事件を予見していたかのような形になるのだが、巻末の「シロサギ・データ・ファイル8」によれば、作中のマンション崩落事件は、夏原武が過去に取材していた建設現場で得た素材だそうだ。要するに、姉歯事件がいつどこで起こっても不思議ではないとクリエイターに思わせるような実態が、さほど珍しくもなくあったということなのだろう。必然として、予見した形になってしまったわけだ。

 七巻は、「絵画販売詐欺」「ネット詐欺」「内職詐欺」、八巻は、「身分詐称詐欺」「不動産詐欺」「出張ホスト詐欺」を所収。



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2006年9月14日 (木)

よく見たら

 昨日じゃなくて、今日書いたばかりじゃないか。



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だから、昨日書いたばかりじゃないか

 「痴漢は犯罪!」って、植草センセー



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飲酒運転は犯罪であり、人として恥ずべき行為です

 むかし「痴漢は犯罪!」という車内吊り広告を初めて見たときには仰天したものだが、かくなるうえは、改めてみんなで言っておいたほうがいいと思うのだな。いや、絶対知らない人が多いんだってば。学校で習わないんだろうし。

「飲酒運転は犯罪!」

 とはいうものの、なにやら最近、にわかに飲酒運転による事故が(とくに公務員による事故が)増えたような印象を受けるけれども、例の福岡の悲惨な事故をきっかけに、これでもかこれでもかと“報道が増えている”だけのような気がしてならない。そんなもん、急に増えたり減ったりするかよ。飲酒運転による事故なんて、ずっと同じように起こっているし、その中には公務員の起こした事故もずっと同じようにたくさんあったんだろうよ。福岡の事故が起きるまで、ひとえに“画(え)的に、ストーリー的に面白くなかったから”マスコミが報道しなかっただけでしょ? あまりにありきたりの事故すぎて。そう考えると、飲酒運転は犯罪であり、犯罪であろうがなかろうが、自分自身はもちろん、いろんな人を不幸にするだけのとんでもない行為であるという単純な事実を、これでもかこれでもかと刷り込んでこなかったマスコミも怠慢だったのではないのかいなと思えてきますな。

 マスコミに於かれては、「喫煙は身体に害があり、吸わない人まで巻き込んでしまうけしからん悪習である」と大衆に刷り込んだのと同じくらいの熱心さでもって、「飲酒運転は犯罪である」ということを繰り返しくりかえし人々に訴えてほしいものである。いやね、ほんとに知らない人がたくさんいるにちがいないんだってば。おれはもはや日本の公教育をまるで信じていないので、この日記を読んでいる人でブログを持っている人は、「飲酒運転は犯罪であり、人として恥ずべき行為です」というタイトルのエントリーをひとつは入れて、あまりにも基本的なことを学び損ねて運転免許が取れる歳まで育ってしまった気の毒な人々のために、この貴重な知識を広めていっていただきたい。

 なにが迷惑ってね、おれはいままさに、今夜二杯めの芋焼酎お湯割りをアタリメ肴に飲みつつ、マイルドセブンエクストラライツをパカパカ吸いながらこれを書いているわけであって、酒や煙草がほんとうに好きで人生のささやかな楽しみとしている者にとっては、ごく一部の不届き者の行為は、同好の士として大迷惑なのである。この調子で社会からの風当たりが強くなり、やがては法規制もずっと厳しくなって、会社の帰りにコンビニで手軽に酒や煙草が買えなくなったらどうしてくれる! 酒も煙草もSFもやめて、百まで生きたバカがいる――って言うでしょ? 言わないか。



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2006年5月13日 (土)

ほんとにロボットだとしか思えない

男児投げ落とし、「自殺できず死刑になるため」と供述 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0511/TKY200605110423.html

 川崎市多摩区のマンション15階から小3男児(当時9)を投げ落としたとして殺人容疑で再逮捕された同市麻生区、無職今井健詞容疑者(41)=清掃作業員の女性に対する殺人未遂罪で起訴=が神奈川県警の調べに対し「死にたかったが、自殺できなかった。人を殺して死刑になりたかった」と供述していることがわかった。県警は今井容疑者が確実に死ぬための手段として一連の事件を起こしたとみている。

 以前にこの男について書いたエントリーへのコメントで、この男はロボット工学三原則がねじれてしまったロボットなのではないかといった戯言を交わしていたのだが、ほんとにそうだったとは……。上の記事のとおりだとしたら、やっぱり、第三原則(自己を護らなければならない)が第一原則(人間に危害を加えてはならない)に優先しているのである。となると、この男に襲われそうになったときには、どう対処すべきか? 第二原則(人間の命令に従わなくてはならない)がうまく利用できそうだが……。

 いろいろ試してみないと、このロボット男の三原則の“壊れかた”が完全にはわからないので、あくまでこれは賭けだが、この男に襲われそうになったら、「おれを羽交い絞めにしたままビルから飛び降りて、おれを殺せ!」と命令してみるといいかもしれない。おれの命令にしたがっておれを殺すことに関しては、第二原則が第一原則に優先するのでなんの問題もないが、第一原則に優先する第二原則に従って命令を実行しようとすると第三原則に抵触するため、“命令の一部だけを実行するのは命令を遂行していないのと等価である”といった、いかにも機械らしいフリップフロップ思考を取るとすれば、この男の思考回路は論理のロックによって停止するのではあるまいか?

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2006年5月10日 (水)

水底二万ヤード

池に落ちたゴルフボール、潜水服着て盗む 容疑の男逮捕 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0509/SEB200605090001.html

 山口県警美祢署は9日、ウエットスーツと空気ボンベを身につけてゴルフ場の池に潜りゴルフボールを盗んだとして、同県下関市豊浦町室津下の靴販売業広田才麿容疑者(51)を窃盗の疑いで逮捕した。容疑を認めているという。
 調べでは、広田容疑者は9日午前0時半ごろ、同県美祢市於福町上のゴルフ場に侵入し、コース内の池(深さ1~2メートル)に潜り、ゴルフボール計651個(時価3万2550円相当)を盗んだ疑い。付近を巡回中の署員がゴルフ場から車で出てきた広田容疑者に職務質問し、車内に大量のゴルフボールがあるのを見つけた。「自分が使うつもりだった」と供述しているという。同署では転売する目的があったとみている。
 池に落ちて拾われなかったボールの所有権はプレーヤーが放棄したとみなされ、ゴルフ場に移る。

 ご苦労さまと言おうかなんと言おうか、こんなマンガみたいなことを実行するやつがいるんだねえ。犯罪は犯罪なのだろうけど、なんか努力を買いたい気もするよな。

 考えれば考えるほど、謎が多い。まず、この男は潜水用具を最初から持っていたんでしょうな? この犯行のためにわざわざ道具を揃えたんだったら、元が取れるとは思えない。池の底に沈んでいるたくさんの五十円玉を、これだけの手間をかけて拾い集めたのと同じってことだよねえ。何時間くらいかかったのだろう? 小さな池の底にびっしりと沈んでいるのなら、あんまり探す手間は要らないとは思うが、一分に十個拾ったとしても、一時間はかかるわなあ。ましてや水中でのことだ。想像以上の重労働なんじゃなかろうか? この六百五十一個のボールは、今回の犯行一回で拾い集めたのだろうか? 何度も通ってきて、車の中に溜めておいたのだろうか? 一回でこれだけの収獲があったとしたら、時給三万二千五百五十円だ。そう考えれば、ワリのいいバイトではある。

 これだけの根性と技術があるのなら、忍び込んで盗むなんてことをしないで、ゴルフ場と正式に契約し、一個二十五円でゴルフ場に買い取ってもらう商売としてやればいいのに。一時間に一万六千二百七十五円が堂々ともらえるうえ、また池の底にボールが溜まったら、その都度継続的に収入になる。こんなもの好きもあんまりいないだろうから、商売敵もそう簡単には出現しないだろう。有名プレーヤーの銘の入ったボールなら、オークションなどで売ってもいいだろう。もっとも、六百個ほどもボールが溜まるのに何日くらいかかるかが問題だが……。乱獲(?)すると、ボールがすぐ絶滅危惧状態になってしまう。

 「深さ1~2メートル」の池ってのも腑に落ちない。だったら、空気ボンベなどというたいそうなギアを用意しなくても、シュノーケルと水中眼鏡だけでも充分ボールを集められそうなものだ。少し時間はかかるかもしれないが、原価が安上がりである。深夜とはいえ、万一、人がやって来たときに潜ってやりすごそうと思っていたのかな。

 なんにせよ、あちこちで模倣犯が出ないか、ちょっと興味がある。アホらしくて模倣したくないって? だよなあ、おれも模倣したくない。模倣犯を防ぐには、ゴルフ場の池をうーんと深くしておけばよい。水深一万メートルくらいあったら、意外性があって面白いだろう。潜れども潜れどもボールが現れない。深く潜りすぎると、帰路の空気がなくなって、途中で溺れ死ぬ。これは効果的な防犯にちがいない。

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2006年5月 7日 (日)

『クロサギ(4)~(6)』(黒丸・[原案]夏原武/ヤングサンデーコミックス)

 三巻ずつまとめ読みしているのだが、四巻の「共済組合詐欺」あたりから俄然面白くなってきた。エンタテインメント性の高い大がかりな詐欺をネタに一本のドラマを組み上げるには、連載四、五回を費やす分量が必要なようだ。二巻あたりからはじまった“小ネタ(連載三回)二本で大ネタ(連載四、五回)一本を挟むのを繰り返す”というパターンの調子が掴めてきたのだろう。四巻では、黒崎を執拗に追うキャリア刑事・神志名の過去があきらかになる。どうやら、『クロサギ』の主要キャラクターはみな、人生のどこかで詐欺というものに大きな影響を受けているという点で共通しており、詐欺に対峙するカタチがそれぞれ異なるためにすれちがうという構造が見えてきた。

 五巻のほぼ半分を占める「ODA還流資金詐欺」などは、じつに大がかりで面白かった。丸々一巻ぶん充ててもよかったくらいだ。黒崎のライバルである大企業専門詐欺師・白石も絡んできて、いかにもドラマ向きである。テレビドラマがどういうふうに料理するのか楽しみだ。これは、山崎努クラスの大物俳優を数人は配して、二時間くらいのスペシャルにしてほしいなあ。六巻の「フランチャイズ・チェーン開業詐欺」は、黒崎の父親を破滅させ家庭を崩壊させた詐欺であり、黒崎は今回の事件を通じて親の仇の当の詐欺師・御木本へと通じる糸をたどり、幹となる物語が大きく展開する。

 以前、『クロサギ』と手塚治虫の『七色いんこ』との類似点を挙げたが、どうも六巻あたりまで読んでくると、平成の『銭ゲバ』(ジョージ秋山)という感じも受けないではない。黒崎は何十億という金を平気で騙し取る(騙し取り返す)くせに、金そのものへの執着はまったくといっていいほどないのが蒲郡風太郎と大きくちがうところだが、憎んでいる対象がじつは“銭”ではないというところには、共通した匂いがある。もしかすると『クロサギ』は、“この社会そのものが、合法的な巨大詐欺システムである”というところにまで斬り込んでゆこうとしているのかもしれない。

 六巻には、黒崎があのボロアパートの大家になるに至った小エピソード(むろん、詐欺絡みだ)が外伝として収められており、巻末の「シロサギ・データ・ファイル」では特別編として「おれおれ詐欺」を取り上げている。おれおれ詐欺を本篇で取り上げないのは、「詐欺としてはあまりにも最低の詐欺であり、黒崎が喰うに値しない詐欺である」からなのだそうだ。まあ、そうだよなあ、みみっちすぎて、マンガとしてのエンタテインメント性に欠けるもんな。






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2006年5月 4日 (木)

静かな勝利

阪神支局襲撃19年 礼拝所に市民ら340人 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0503/OSK200605030041.html

 記者2人が殺傷された朝日新聞阪神支局襲撃事件から19年たった3日、兵庫県西宮市の旧局舎跡地に新築された阪神支局1階に故・小尻知博記者(当時29)をしのぶ拝礼所が設けられ、市民ら約340人が手を合わせた。

 四年前、この事件の時効が成立する直前、おれは、「もし殺された小尻記者が、よくも悪くも増殖してゆくいまのウェブページの隆盛、インターネットの繁茂を知ることができたなら、きっと声高らかに笑って大いに喜んだにちがいない。小尻記者は勝ったのだ」と書いた。いまもその考えは変わらない。その後に登場したブログというものが、赤報隊とやらのアホさ加減をよりいっそう浮き彫りにしている。おまえらを非難、批判しているブログの主を、ひとり残らず殺してまわれるものならやってみるがいい。

 いま一度、おれは同じ言葉をここに捧げたい――「小尻記者は勝ったのだ」と。小尻記者が新聞記者として現役であったころに比べて、世の中は悪くもなったし、よくもなった。少なくとも、言論の自由に関してだけは――その技術的基盤に関してだけは、世界はかなり前に進んだと思う。いまは小学生でも自分の意見を世界に向けて発信できるのだ、それは誰にも止められないのだと、小尻記者に教えてあげたいものだ。“群集の叡智(the wisdom of crowds)”を信じない人が、新聞記者になろうと思うはずがないのだし、また、なってはならないのだから。

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2006年4月15日 (土)

『クロサギ(1)~(3)』(黒丸・[原案]夏原武/ヤングサンデーコミックス)

 父親が詐欺に引っかかって一家心中した家族でただひとり生き残った息子が、数年ののち、詐欺師たちに噂される存在となっていた。詐欺師のみをターゲットにする詐欺師――人呼んで“クロサギ”として。

 この春からテレビドラマになるというので、先日最初の三巻を読んでみたのだが、なるほど、こりゃドラマ向きだ。この設定を得ただけで、もう半分勝ってますわな。詐欺師を騙す詐欺師の話というだけで買ってみるおれみたいなのがいるわけだから。いやおれ、詐欺師ものって好きなのよな。

 三巻まででは、まあ、かなり一般的というか古典的というか、オーソドックスな詐欺が取り上げられている。新聞の社会面的な話題に疎い幸福な方が詐欺のお勉強をするには持ってこいである。現在九巻まで出ているが、詐欺ったって、エンタテインメント性の高い手口がそうそうたくさんあるわけもなく、おおまかにパターン分けできてしまうはずであって、話が進むにしたがってシンプルなネタが枯渇し、徐々に複雑な手口のものもネタになってゆくのだろうな。

 主人公の“クロサギ”こと黒崎は、表向きは喫茶店「桂」のマスターをしている“フィクサー”と呼ばれる老人・桂木から、カモにするためのふつうの詐欺師“シロサギ”の情報を買っている。桂木は桂木で、黒崎の敵でも味方でもなく、独自の不可解な興味だか規範だかに基いて、黒崎を掌の上で遊ばせるようにして商売をしている(実際、人相の悪いお釈迦様みたいな顔をしているのだ)。じつは黒崎の父親が一家心中を図るにいたった詐欺事件のプランを立てた詐欺師はこの桂木であって、黒崎もそのことを知っているし、黒崎が知っていることを桂木も知っている。なんとも奇妙な関係なのである。この奇妙な二人の周囲に、検事をめざしている大学生のヒロイン・氷柱(つらら)、黒崎の逮捕に執念を燃やすキャリアの刑事・神志名らが絡み、詐欺師対決を横糸、人間模様を縦糸に物語が織られてゆく。

 どうもおれには、この『クロサギ』、手塚治虫の『七色いんこ』に影響を受けているように思えてならない。まあ、おれには、なんでもかんでも手塚作品の影響下にあるように見えてしまう悪い癖があるのだけれども、構造的によく似ていることはたしかなのである。七色いんこ・鍬方陽介は、財界の黒幕でさんざん悪事を働いてきた自分の父親と戦うわけだが、自身は天才的な役者であると同時に神出鬼没の大泥棒でもある。世間的な規範では、どっちも悪人といえば悪人なのだ。『クロサギ』では、いんこの父親の役回りが、桂木と部分的に重なってくる。いんこを愛しつつも職業上対決もせねばならない千里万里子刑事は、『クロサギ』では、むろん氷柱に重なる。泥棒:刑事=詐欺師:検事志望学生となっているわけだ。

 七色いんこが真に憎むものは、自分の父親個人のみというわけではなく、父親に象徴的に代表される、弱者の人生を虫けらのように踏みにじってゆく権力者の巨悪の論理であり、国家のエゴである。黒崎が憎むものも、じつは個々のシロサギではなく、弱者を食いものにする論理がまかり通る現実というものの忌々しいありかたそのものなのだろう。ゆえに『クロサギ』では、「人を食いモノにして潰していくような腐った大企業しか狙わない」詐欺師を黒崎のライバルとして登場させ、多くを語らない黒崎との共通点を際立たせることで、黒崎のキャラクター造形に深みを加えている。『七色いんこ』の想定読者層がもう少し高く、もっと長期の連載が可能であったなら、手塚治虫も遅かれ早かれ、七色いんこに同じようなライバルをぶつけてきたかもしれない。

 と、三巻まで読んでそこそこ面白かったものだから、テレビドラマも初回を観てみたんだが、主人公のイメージはだいぶちがうなあ。あそこまでイケメンじゃ具合悪いでしょ(イケメンじゃなきゃいけない大人の事情はわかります、ハイ)。ま、“フィクサー”が山崎努という秀逸なキャスティング(よく出てくれたなあ)に免じて、すべて許す。山崎努を観るためだけにでも、努めて観るようにしようっと。



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2006年4月 4日 (火)

法のココロはのどけからまし

花見の場所1000円で売り御用
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2006/04/02/06.html

 花見の場所は売ってはいけません!花見客でにぎわう東京都台東区・上野公園で、現金を受け取り花見の場所取りをしたとして、上野署は住所不定、無職福田廣實容疑者(55)を東京都迷惑防止条例違反(座席等の不当な供与行為)の現行犯で1日までに逮捕した。
 調べによると、福田容疑者は3月29日午前10時ごろ、上野公園内で、約13平方メートルの路上の一角をホームレスの仲間と酒を飲みながら占有。訪れた花見客に1000円で譲った疑い。調べに対し、福田容疑者は「花見の宴会をやりたい人から場所を取ってほしいと頼まれた」と話している。同署などによると、花見の場所取りで逮捕されるのは珍しい。

 うーむ、なんだか、わかったようなわからんような……。ホームレスの人に現金を渡して花見の場所取りをしてもらうと、迷惑防止条例に引っかかって、花見の場所を不正に供与したホームレスのほうが罪になるらしい。公共の場所を占拠して不当な“ショバ代”を取ったのと同じという解釈になるのだろう。

 だけど、ちょっと待てよ。下っ端のサラリーマンが勤務時間中に花見の場所取りをさせられるという話はよく聞く(さいわい、おれはやったことないし、やらせたこともない。そもそも職場にそういう慣習がない)。その場合、会社は、場所取りをする社員に拘束時間応分の報酬を支払っているわけだから、その社員は不当に占拠した公共の場所を会社に売っていることになり、このホームレスのおっちゃんと本質的に同じことをしているということにはならんのだろうか? あるいは、この業務命令自体に違法性があるわけだから、業務命令は業務命令として無効と解釈され、場所取りをする社員が早退や有休を申請していないことのほうが咎められるのか?? だとしたら、場所取りの社員は踏んだり蹴ったりだよな。

 考えれば考えるほど、なんだかよくわからん。法律に詳しい人、どう思います?

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2006年3月16日 (木)

漏れているのでないのなら 漏らしているのだろうさ

政府のウィニー対策 打つ手なく「使うな」と呼びかけ(asahi.com)
http://www.asahi.com/politics/update/0315/012.html

Winnyを介して感染するコンピュータウイルスによる情報流出対策について(内閣官房情報セキュリティセンター)
http://www.bits.go.jp/press/inf_msrk.html

情報漏えいは止まるのか?「Winnyウイルス」総まとめ 〜Winnyウイルスの経緯と対策〜(ITpro)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060315/232612/

 おやまあ。「覆水盆に帰らず増殖する」現象は、とうとう官房長官が異例の呼びかけを行うところまで悪化してしまった。政府が特定のソフトウェアを「使うな」とまで言うことに対しての批判や反発はあろうし、asahi.comの記事は見出しそのものが政府の対応に批判的であるが、緊急避難としては至極もっともな対応だとおれは思うけどね。即効性のある抜本的対策などない類の問題だ。こういうふうに書いてる朝日新聞だって、明日にも情報漏洩事故を起こさないともかぎらない状況にあることは、ほかの企業・団体・官公庁といささかも変わらない。誰がどう考えたって、この局面では、「使わないようにする」というのが最も合理的な結論であろう。

 それにしても、ほんの半月ほど前のエントリー「ポリティカル・デジタル・ディバイド」で、「そのうち自民党も民主党の永田議員らを笑えないような事案に遭遇することになると思うんだけどなあ」なんて書いてたのが、早くもそうなってしまったわけなのよなあ。因果は巡る糸車、わ〜れ〜こそ〜は〜玉梓が〜怨霊ぉ〜。ふるっ。

 まあ、ものごとは明るい面を見ようじゃないか。考えてみれば、“情報が漏れていることがこんなにもわかっている”というだけで、ずいぶんとラッキーなことなのではあるまいか。

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2006年3月 1日 (水)

ポリティカル・デジタル・ディバイド

HP解禁、メールはダメ ネット選挙で自民が中間報告
http://www.asahi.com/politics/update/0301/002.html

 自民党はインターネットによる選挙運動の解禁に向けて検討を進めているが、その中間報告案が1日、明らかになった。ホームページ(HP)の利用を解禁する一方で、電子メールについては、他人になりすましてのメール送信などを防ぐため引き続き禁止としている。近く党選挙制度調査会で報告し、党内の意見集約を図る方針だ。
 中間報告案では、解禁の対象は国政選挙だけでなく地方選挙も含めた。HPはポスターや政見放送など音声や動画も利用できるようにする。

 RSSはどうなんだろう? ポッドキャスティングは?

 メールが「他人になりすましてのメール送信などを防ぐため」ダメだというのなら、ウェブサイトだって、そのドメインとサーバの実在と真正性を第三者に証明してもらわなければならないから、全ページをSSLで送信するようにしなければならないよな。いやいや、昨今、それでも油断ならないぞ。「“本物”のSSL証明書を持つフィッシング・サイト出現」なんてことが話題になっているくらいだ。「正規の証明書を持っているサイトも信用するな」とフィッシングの研究者が警告したりもしている。

 結局のところ、公職選挙法も政治家も、ずいぶんと時代に置いていかれてますなあ。べつに政治家がITの専門家になる必要はないけれども、そういう中間報告案とやらを出すんなら、いっぺん岡村久道とか牧野二郎とか、そういう人たちに見てもらってから出したほうがいいんじゃなかろうか。でないと、そのうち自民党も民主党の永田議員らを笑えないような事案に遭遇することになると思うんだけどなあ。

 ちょうど経営とITが切り離せなくなってしまったように(というか、ITは財務会計やマーケティングと同等の経営リテラシーの一部になってしまったように)、すでに政治にもITは不可欠なものに、いや、政治とITは不可分なものにすらなってしまった。政治家には必ずしもITの専門知識は必要でないが、ITリテラシーは当然のものとして要求されるようになっていると言えるだろう。今回の“堀江メール”事件は、そういう時代の到来をも象徴的に示していると政治家さんたちは読み取るべきだと思うのだよな。

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2006年1月12日 (木)

電脳リフォーム詐欺?

今思い返すと、あれはつまり詐欺師か何かだったのだろうか (「不倒城」 2005年12月23日)

 会社で読んでいて、噴き出しそうになった。こういう手合いがいるんだねえ。「通りがかりにお見受けしたところ、お宅は床下の換気が悪い。このままでは床や柱が腐って、たいへんなことになりますよ」の電脳版といったようなもんである。悪辣というよりは、あまりにもまぬけな手口がいっそ微笑ましいほどだ。

 論理的にヘンなのは、こんな手に引っかかる会社だったとしたら、そもそも自社でウェブサーバを立てたりしていないだろう。コンテンツの簡単な更新くらいはできる程度に社員の誰かを教育して、インフラまわりは外部委託するはずである。自社でサーバを立てているなら、ping の何たるかを知っている社員がいないはずはない。休日を狙ってきているのは、そういう社員が出社している確率が少しでも低いだろうと考えているのかもしれないが、サーバやネットワークの管理者が休日に出勤している可能性は、全社平均よりも確実に高いはずだ。第一、社長であろうが専務であろうが、自分が基礎知識も持たない分野のことに関して、ふらりと現れた馬の骨と勝手に即日契約して金を払うなんてことをするはずがない。「わかる者が出てくる日に出直してきてくれ」となるだろう。

 それにしても、このようなアプローチ(というか、詐欺未遂というか)をするのなら、もう少し素人目にも“見栄え”のするコマンドにすればいいのに。せめて、traceroute にするとか(って、そういう問題か)。

 そのうち、自分で立てたエロサイトかなにかのアクセスログを印刷して持ってきて、「ここを見ていただきたい。ほら、おたくの会社から、あきらかにおたくの勤務時間中に不正アクセスを受けている。公表したらたいへんなことになりますよ」などと強請りにくるやつも現れるかもなあ。そういうのは“不適切アクセス”ではあるかもしれないが、不正アクセスじゃないってば。

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