脱力系企業テーマソングの傑作
有名な社歌といえば、「日本ブレイク工業社歌」にとどめを刺すだろう。本格的な特撮ヒーローテーマソング風のビートとシャウトは、一世を風靡したものだ。その後、会社のほうはえらいことになったみたいだが、この社歌だけは、いまだに日本でいちばん有名な社歌だろうと思う。
その後、日本ブレイク工業社歌ほどにおれの心を掴んだ社歌はなかったが(そもそも、社歌なんてほとんど聴かんわい、ふつー)、このところ、おれのハマっている社歌(?)がある。厳密には社歌というよりは「テーマソング」なのだが、たぶん関西の人しか知らないと思うので、ご紹介しよう。日光ホームという会社の「テーマソング」である。
このCMは少し古いものなのだが、最近またこの歌を使った最新版「クルーザー航海編」が流れており、その脱力感に一段と磨きがかかっているのにおれは驚嘆した。同社のウェブサイトにある「日光ホームテーマソング」のフルバージョンをじっくり聴くにいたっては、心底、仰天した。
ズレている。なにかがズレている。だが、そのズレかたは、これ以上巧くてもいけないし、これ以上下手でもいけない、綱渡り的な絶妙なズレかたなのだ。まさかこれ、女性社員が唄ってるんじゃないよねえ? だとしたら、ズレかたが天才的すぎる。ベッツィ&クリスとかシモンズとかあみんとかやなわらばーとか由紀さおり・安田祥子とかには、真似しようとしてもけっして真似のできない、超絶技巧の歌唱である。
歌唱ばかりではない。曲もすごい。なんだこれは。ヨドバシカメラのテーマソングは、おそらく著作権やらなにやらややこしいことを気にしなくてすむように非常に有名なあの歌の替え歌なわけだが、日光ホームも同じ手法(?)を用いていて、これはもう、エジソンが世界で初めて“録音”したあの曲に大いにインスパイアされているとしか言いようがない。それでいて、なぜかオリジナリティー溢れる印象を受ける。受けないって? まあ、気にするな。
これはCD出すべきだよなあ。
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