カテゴリー「趣味」の7件の記事

2010年1月 7日 (木)

今年から煙草とひとまず別れて、愛人にすることにした

 四日の朝に吸った煙草を最後に、休煙期間に入っている。というか、早い話が、禁煙を試みている。なんか“禁煙”という言葉を使うと、まるで喫煙が悪いことででもあるかのような感じになってしまうので、さしあたり“休煙”と言うことにしているのだ。

 不思議なことに、三日も煙草を吸わないと、自分の吐く息が煙草臭いことがよくわかる。しばらくは煙草を吸わなくても、自分の体内から出てくる煙草の香りで楽しめそうだ。

 これで一週間くらい経ったころに一本吸ってみることにしよう。それはもう、めちゃめちゃうまいにちがいない。頭がクラクラクラ~と痺れるような“あの感覚”を、じっくりと味わえるにちがいない。

 で、その次には、二週間くらい我慢してみる。二週間吸わなかったところへ一本吸ってみろ、そりゃもう、ガツーンとくるにちがいない。そのガツーンは、しょっちゅう吸っていたのでは絶対に味わえない類のガツーンなのだ。

 これを繰り返してゆくと、禁煙をせずに、煙草を吸う本数を劇的に減らすことができるはずだ。禁断症状を積極的に楽しむのである。こういう楽しみかたは、麻薬や覚醒剤にはなかなかできまい。煙草程度だからこそ楽しめるのである。

 おれがちょっと怖れているのは、一週間、二週間と休煙したあとに吸った煙草が、「うえ、まずい」と思えてしまうことなのである。そうなると、もはや煙草を吸っている意味がない。こんなふうにはなりたくないのだ。煙草を味わう能力は維持したまま、ほんのたま~にしか吸わないようにしたいのである。

 最終的には、一箱五千円くらいの煙草を一年ほどかけてじっくり味わうってのが理想だなあ。とびきりいい酒を買うと、そんな感じじゃないか。

 おれは二十四歳から煙草を吸いはじめたので、やがて四十八歳を迎える予定の今年、煙草を吸っていなかった人生と煙草を吸っていた人生とがちょうど釣り合うくらいのタイミングなのだ。ここらで煙草とのつきあいかたを変えてみたい。四六時中義務のようにしてつきあうカミさんみたいな関係じゃなく、たま~に思いきりじっくり燃え上がる愛人みたいな関係を、煙草とのあいだに築いてゆきたいのである。



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2008年11月14日 (金)

検索語にウケた

 おなじみ、《ヘンな検索語》である。今日のは、わからない人にはさっぱりわからないぞ――

「冬樹 受」

 カタギの方々は、おれのペンネームを検索しようとした人が誤入力したのかな……などと思うだろうが、これは絶対そうではない。どこかの腐女子の方が、『ケロロ軍曹』にインスパイアされた“ある種の二次創作”を求めて検索しているのにちがいない。

 えーと、おれもそっち方面の人々と親交がないわけではないが、残念ながら、このブログにはその種のコンテンツはないのであります。



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2007年9月 8日 (土)

『今日の早川さん』(coco/早川書房)

 いや、なんちゅうか、早川書房さんが突然マンガをご恵贈くださったのでちょっと面食らったのだが、読んでみて、なーるほどこれはおれにご恵贈くださってもまったく不思議はないにちがいないと思い知った。本好きの女性たちの日常を描く人気のブログコミックを書籍化したものだそうだが、おれはブログでは読んだことがなかったもんで、たいへん新鮮……かつ、身につまされた。

 SF者の早川さん、ホラーマニアの帆掛さん、純文学読みの岩波さん、ライトノベルファンの富士見さん、レア本好きの国生さん……おれが女だったら、絶対この五人の女性のどれかになっているにちがいない(ってまあ、男でも似たようなものになってしまっているわけだが……)。やっぱり、いちばん近いのは早川さんだろうけどな。ま、カタギの人から見れば、これらはみんな目くそ鼻くそなんだが……。

 『住宅事情、将来的に実現可能な展望など一切考慮せずにせっせと本を買い込んでは居住スペースを圧迫し、「宝くじさえ当たれば」などとはかない夢を抱きつつ、「そのうち家が傾くね」なんて他人事のように呑気な言葉を口にしたり、最後には「地震がきて本に埋もれて死ぬのなら本望」と物騒な居直りをするので、家族の心配の種となっています』って、誰かおれんちに盗聴器を仕掛けマシタカ? カメラもか? 気色が悪いほどである。このような因果な人が女性にもたくさんいるのだとしたら、まことに、まことに心強いことだ。そうさ、日本沈没の際には、みんなで本に埋もれて死のう。♪もうひとりぼっちじゃない あなたがいるから~。

 「うんうん、私も本に埋もれて死ぬのなら本望」と、なんの抵抗もなく頷いているそこのヘンなあなたならともかく、カタギの人にとってこのマンガがどのくらい面白いものなのか、おれには想像もつかない。というのは、このマンガ、全然フィクションの部分がない(ようにおれには思える)。日常そのもの、というか、人生そのものではないか。広義には、いわゆるエッセイマンガの範疇に入るのだろうが、『ちびまる子ちゃん』やら『あたしンち』やらをはるかに凌ぐリアリティーがある。えーと、「これのどこにリアリティーがあるの?」とおっしゃる方々は、無理にこちらへは誘いませんから、そっちで楽しく生きていってください。リアリティーとは相対的なものである。

 いやー、しかし、なぜかこういう可愛い女性たちには、おれの日常では全然遭遇しないのよなー。日本が一夫多妻制で、この五人の女性たちを全員妻にできたら、さぞや面白い人生が送れることであろう。週休二日でな。もっとも、家の中はぐちゃぐちゃになるにちがいない。ぐちゃぐちゃになったところで、おれも妻もそんなことはほとんど意に介さないであろうから、なんの問題もない。めでたし、めでたし。



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2007年6月 7日 (木)

やっぱり、ROTRING はいい!

Rotring02 まずマルチペンが登場する。彼は気がくるっていた。

 ……じゃなくて。

 いや、先日、ひさびさにまともなペンを買ったんだが、これがもう、太さといい長さといい重量バランスといい、ぴたりと指に吸いついてきて絶妙な書き心地。握ってるだけで快感なので、なにも書く用事がなくても知らずしらず弄んでしまうほどだ。「ROTRING エクステンションインプット」――お値段相当の優れものである。やっぱり、こういうメカニカルなペンは ROTRING にかぎるねえ。STAEDTLER も好きだけど、おれにはちょっとお洒落すぎるんだな。質実剛健、道具としてのレゾン・デートルを徹底追及した合理性と信頼性が醸し出す無骨な美に、おれはむしろエレガンスを感じる。まあ、G-SHOCK とかが好きな人は、たいてい ROTRING も好きなんではあるまいか。おれの偏見も多少あるかもしれんが、ドイツの文房具って、なんでこんなにいいんでしょうね。

 それはともかく、この「ROTRING エクステンションインプット」、黒ボールペン、蛍光オレンジボールペン、0.5mm シャープペンシル、PDAスタイラスが一本になってるんだが、おれが最もよく使うのは、スタイラスとしてなのである。PDAを使うから、近年、この手のマルチペンばっかり使っているんだけども、こいつのスタイラスとしての使い心地は群を抜いている(まあ、スタイラスとして考えると、お値段も群を抜いているが……)。もう、ほかのスタイラスは使えん。こいつとは長いつきあいになりそうだ。

Rotring01 長いつきあいといえば、中学生のときに買った「ROTRING メカニカルシャープペンシル600」ときたら、いまだに現役で快適に使える。これも無骨な六角柱の軸と重量感がいいのだよなあ。ほとんどモデルチェンジしてないのがすごい(おれの持ってるのはグリップも金属でヤスリ状になっていて、どんなに汗をかいても滑らないのだ)。あのですね、かれこれ三十年ですぜ。いろいろ浮気もしてきたが、ときどきこいつが無性に使いたくなる。むかし、「結局、ここに還ってくる」ってウィスキーのCMコピー(ホワイトホースだよな)があったけど、まさにそんな感じ。基本的には製図用のシャープペンシルだから、日本語の文字を大量に書くのには向かないのだが、絶対確実に安定的に動作すると絶大な信頼を寄せているので、試験とかを受けなくちゃならないときには、お守りのようにして持ってゆくことにしている(まず、本番では使わないのだが……)。

 かようにドイツ文具を愛する者として、ひとつ日本の文房具界の慣例表記に文句を言いたい。「ロットリング」「ステッドラー」などという表記が定着してしまっているのだが、そんなもん、英語読みしちゃったんでは、トホホな語感になってしまう。「アインスタイン」なんて物理学者がいたら、なんか頭悪そうじゃないか。いまからでも、「ロートリンク」か「ロートリング」、「シュテットラー」か「シュテートラー」くらいにならんもんかな。おれは口で言うときには、頑なに「ロートリンク」「シュテットラー」にしてるんだけどな。




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2007年3月24日 (土)

ロシアより萌えをこめて

声優を目指して日本へ - ロシアのオタク親善大使、ジェーニャ嬢 (MYCOMジャーナル)
http://journal.mycom.co.jp/articles/2007/03/19/jenya/

 おや、ひところネットで日本のオタクどもを驚愕の坩堝に叩き込んでいた、あの“いつき”ちゃんだよねえ。もう、こんなに活躍しているのか。おれもあのとき、オーチンハラショーな歌聴いてびっくりしたあるよ。「ワタシ、大学でカワバタの研究しましタ」みたいな人より、こういうコにずっと親近感を覚えてしまうのはなんなんだろうね? なんか、海の向こうでこういう人を作り出してしまっている日本の文化はスゴイと、妙な愛國心のようなものがめらめらと湧き起こってくるのは、われながら忌々しくも微笑ましい。♪カミカゼ スキヤキ ゲイシャ~、ハラキリ テンプラ フジヤマ~、おれ~たちの日の~丸が燃えている~!

 ……それはともかく。

 妙齢のロシア美女が「私はショタです」と日本語で言っているかぎり、まあ、国同士のゴタゴタはいろいろあろうが、やっぱりホモ・サピエンス同士だわと長期的には楽観的になれる。プーチンとか見てると、まだまだおれたち人類はサピエンスに欠けていると短期的には暗い気持ちになるのだけれど。



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2007年2月 4日 (日)

トバしまくる『溜池Now』

 ををを。

 一週間遅れで『全国的ローカル情報番組 溜池Now』「アニソン 溜池ベスト10 前編」を観たら、なにやらどこかで会ったことがあるような人が中川翔子と並んで座っている。まさかとは思ったが、それは何度見ても「アニメソング研究家」という肩書きでご出演の日下三蔵さんなのだった。し、しかも、しょこたんとアニソン唄ってるし……。う、羨ましい。なにごとも一藝を極めると、このような役得が降ってくるのだろう。だけど、知らん人が見たら、この人はほんとうにアニソン研究だけで食っているヘンな人なのかと思うよなー。

 おまけに、ほんものの○○○○が出てきて「わぴこ元気予報!」を唄う! いやあ、懐かしいなあ、毎週欠かさず観てたよ、『きんぎょ注意報!』。なんか、妙に好きだったな、あれ。コミックスも買ったよ。UFOキャッチャーでぎょぴちゃんのぬいぐるみをいっぱい取ったよ。なにもかもみな懐かしい。いや、「わぴこ元気予報!」はアニソンとして楽しく美しい名曲ですな。そりゃまあ、小坂明子作曲ですから。

 それにしても、なんて豪華な番組なんだ! 豪華である方向が微妙に歪んでいるような気もするが、こういうのはウェブならではだなあ。同人誌みたいだ。

 うわ、後編の予告編には、しょこたんと「太陽戦隊サンバルカン」を唄う男性歌手の姿が――!



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2006年3月26日 (日)

カエルの声で遊ぶ

 ぼーっと考えごとをしたりするときなどに愛聴している『「声の図鑑」蛙の合唱 山渓CDブックス[6]』(録音・蒲谷鶴彦・前田憲男/写真・前田憲男/山と渓谷社)付属のCD(といっても、iTunesにぶちこんである)なんだが、今日聴いていて、ひとつ遊びを開発した。

 カエルの声なんだから、なんの加工もせずに聴くのが本筋であろうという狭量な決めつけを、おれはいままでほとんど意識することもなくしていたのだけれども、どのみちCDになっている時点で、“ナマの自然の音”なんてものではあり得ないわけだ。じゃあ、というわけで、戯れに iTunes のプリセットイコライザをカエルの声にかけてみたら、これがけっこう面白いことに気づいた。Acoustic をかけると、渓流で聴いているような臨場感が出る。とくに、複数の種類のカエルがいっせいに鳴いている野外録りなどでは、なかなかいい感じだ。Vocal Booster をかけると、粒立ちがよく、目の前でカエルが鳴いているかのような声になる。一匹一匹、一種一種の声を楽しむのに向いている。そりゃまあ、一応ヴォーカルといえばヴォーカルだしなあ。

 カエルの種類によっても、合うイコライザ設定と合わない設定とがある。カジカガエルニホンカジカガエルモリアオガエルニホンアカガエルなどには、Treble Booster が効果的で、じつに美しい。ウシガエルには、むろん Bass Booster がよく、重低音がたまらない。トノサマガエルトウキョウダルマガエルには Pop が合うのに、なぜかダルマガエルには R&B が合うように感じられる。ツチガエルには Hip-Hop が、ニホンアマガエルには Classical が合う。発声時間が短いため、はっきりとしたちがいは聴き取りにくいのだが、ちょっと変わりダネのオットンガエルには、Electronic が適しているような気がする。

 加工したほうが、より“自然らしさ”が出るってのも、人間の認識という営為について考えさせられ、なかなかに興味深いものである。カエラーの方は、ぜひ一度お試しあれ。

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