カテゴリー「経済・政治・国際」の54件の記事

2008年7月 8日 (火)

怪獣よ、現れろ!

温室効果ガス、半減目標「合意」うたわず G8宣言案 (asahi.com)
http://www.asahi.com/politics/update/0708/TKY200807080214.html

 北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)で主要8カ国(G8)は8日、温室効果ガスの世界全体の排出量を「2050年までに半減する」との長期目標そのものには合意せず、「共有を目指す」との文言にとどめる首脳宣言案を固めた。新興国が参加しない目標設定に慎重な米国に配慮した。

 「配慮した」ってのは、じつに便利な表現ですなあ。まあ、日米レイムダック同士でなにを話し合ったとて、そんなもんみんな、あんたらの勝手な花道を演出するための政治ショーだとしか思っていない。あとの六か国は、レイムダック二巨頭のお祭りにつきあって、なんとか自分の国がちょっとでも有利になるようなツケコミどころがないかどうかを虎視眈々と狙っているだけだ。

 おれとしては、十年半前に書いた日記どおりのことを目の当たりにして、とくになんの感慨もない。強いて言えば、ああ、人類というのは、やっぱりなんともいとおしい種属だなあと思うだけである。おれもその人類の一員であり、まあ、しゃあないかなあという感じだ。現生人類というのは、そもそも、百年も二百年も先のことを考えて日々を生きるようにはできていない。“考える”ことはできる。だが、考えることができるだけであって、種属全体として合理的にふるまえるようにはできていない。これはもういたしかたないことだ。生物としての遺伝的限界である。

 だが、いよいよ二進も三進もいかないという段階になれば、そのときには、なんとか種属の一部を生き延びさせる程度の力は発揮するだろうと思う。尻に火が点けば、なんとかできる程度の種属ではあると思っている。そのときおれたちの世代は、「あのバカどもが……」と未来の世代に怨まれるだろうけどね。

 昨今の狂騒的なエコ・ファシズムの裏には、エコ利権の奪い合いが見え隠れして、なんだかなあとおれは思うのだが、つまるところ、百年も二百年も先のことを考えて行動できないホモ・サピエンスの遺伝的限界を見据えながら、短期的な動機で行動することが長期的合理性に繋がるようなシステムをなんとか模索してゆくしかないだろう。二百年後の人類がどうなっているかなどよりも、たいていの人にとっては、来月、来年、おのれが飯が食えているかどうかのほうが大事に決まっている。人類とはそういう生物だという厳然たる事実を認識し割り切ることが、ほんとうの長期的サバイバルの出発点なのではなかろうか。

 かくなるうえは、やっぱり、怪獣を作るしかないよなあ。そういう意味で、このタイミングでギララを復活させた河崎実の遊び心には、存外に深い風刺精神が内在されているのだろう……と思う。



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2008年5月21日 (水)

「光あれ」

ミサイル監視衛星も保有可能に 宇宙基本法が成立 (asahi.com)
http://www.asahi.com/politics/update/0521/TKY200805210132.html

 最初に聞いたときから思っていたんだが、それにしても「宇宙基本法」とは、どえらく大きく出たネーミングだなあ。

 きっと、「第一章 普遍定数 : 第一条 プランク定数、第二条 光速度、第三条 万有引力定数……」といった調子で、この宇宙のスペックがえんえんと“定めて”ある法律なのだろう。宇宙を作ってゆくときには、この法律に基いて設計せねばならないのだ。

 問題は財源だが、なんでも、空間税、時間税、質量(エネルギー)税などなどが裏でこっそりかかっていて、宇宙特定財源に充てられているという噂だ。どこの噂だ?



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2008年4月16日 (水)

♪あん、あん、あん、とっても似ているド○えもん~

世界ふしぎ発見! (いいことばかりじゃないけれど… 水野美紀 Official BLOG)
http://mizunomiki.at.webry.info/200804/article_4.html

マレーシアで売っていたお菓子。
似ている・・・・。
とってもにているぞ・・・・・。
あの、国民的キャラクターに・・・・。

 どわはははは、こりゃ怪しいなあ。怪しすぎる。“パチもん”という言葉を全身で体現したようなキャラクターだな。マレーシアでもこんなことしてるんだなあ。中国の国営遊園地が大量に輸入してたりしてな。

 それにしても、なんとなく『溜池Now』早乙女おろちを連想するのはなぜ? なんちゅうか、不測の事態に迫られ“テキトーに間に合わせた感”に通ずるものがあるのだろう。



 

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2008年4月10日 (木)

暴力反対は大いにけっこうですけどね……

高村外相「暴力には賛同しがたい」 聖火リレー妨害で (asahi.com)
http://www.asahi.com/politics/update/0408/TKY200804080146.html

 高村外相は8日、国会内で記者団に対し、北京五輪の聖火リレーが欧州各地で妨害を受けていることについて「どういう目的でも、リレーを暴力で頓挫させようとするのは賛同しがたい」と述べた。日本の調査捕鯨を妨害した反捕鯨団体を例に「オーストラリア政府は捕鯨反対だが非難している」と指摘し、「(チベット仏教の最高指導者)ダライ・ラマ14世も、そういうことはやめるように呼びかけている」と暴力を批判した。

 「どういう目的でも、リレーを暴力で頓挫させようとするのは賛同しがたい」というのには、おれも全面的に同意するが、じゃあ、日本政府は中国の非人道的暴挙に対して言論ではっきりと姿勢を示しているのか? そこんところをはっきりしてもらわないと、外務大臣がこういうことを言っても、なんの説得力もないわな。



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2008年4月 3日 (木)

不在の耐えられない軽さ

FRB議長「景気後退」初めて言及 (asahi.com)
http://www.asahi.com/business/update/0402/TKY200804020356.html

 【ワシントン=西崎香】米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は2日、低所得者向け(サブプライム)住宅ローン問題による経済危機を巡り、米議会で証言し、今年前半に米経済成長がマイナスに転じて景気後退を迎える可能性を初めて示した。金融不安による貸し渋りや住宅不況の長期化、失業増、所得の伸び悩みなどの影響を厳しく見ており、成長が勢いを戻すのは09年との認識を示した。

 すごいなあ。やっぱり、アメリカってのは侮れない国である。FRBには、少なくとも議長がいるんだから、じつにたいしたもんだ。



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2008年3月 8日 (土)

テロリストの羊飼い

今度は在英日本大使館に侵入 シー・シェパードの活動家 (MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/080306/erp0803062309008-n1.htm

 国際捕鯨委員会(IWC)の中間会合が始まったロンドンで6日朝、日本の調査捕鯨に反対するシー・シェパードの活動家とみられる男性が、在英日本大使館の外壁づたいに2階バルコニーによじ登り、「日本は調査捕鯨をやめよ」という横断幕を掲げた。男は約2時間後、警察官に逮捕された。この男性は1月にも同大使館のさくに鎖で体をつなごうとして逮捕されている。また、会合が開かれたヒースロー空港近くのホテルでも活動家4、5人が抗議活動を行った。(ロンドン 木村正人)

 前からいらいらしていたのだが、こいつら、ただのテロリストでしょうが。おのれの主義主張のためなら、なにをしてもいいと思っている時点で、完全なテロリストだ。テロとの戦いに熱心なブッシュ政権は、最後に派手なパフォーマンスをやったらどうだ? いい花道になると思うぞ。こいつらは民主主義の敵である。ブッシュ政権の思想を貫くのであれば、こいつらの本拠地にトマホークでもぶちこめ! バンカーバスターで粉砕しろ! ブッシュ大統領よ、こいつらはいまはクジラを捕っている国に“たまたま”矛先を向けているだけであって、ちょっと気が変わるだけで、ウシを食っている国にも同じ論理で矛先を向けてくるポテンシャルを持っているやつらだぞ。むかし、あんたらが子飼いにしていたビンラディンとかいうやつと、基本的になんら変わるところがない。そのまま放っておくと、た~いへんなことになりますよ~! ♪来る~、きっと来る~、きっと来る~……。



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2008年2月28日 (木)

おれのブログはいくら?

 「見つからないblogの価値、100万ドル以上!?」404 Blog Not Found)でネタになってるのを見て、おれもさっそく How Much is Your Blog Worth?Dane Carlson's Business Opportunities Weblog)で、このブログの価値を測定(?)してみた―― Your blog, ray-fuyuki.air-nifty.com/, is worth $0.00

 $0.00 てことは、えーと、現在の為替レートで日本円に換算してみると……〇円ということだな。いやまあ、そこいらへんだろうと思ってはいたが、せめて十円くらいはつけてくれよ。暇つぶしくらいの価値はあってほしいよなあ。

 もののついでに、できるだけ高値がつきそうなブログで試してみたところ、The Official Google Blog は、$5,008,598.88 を叩き出した。どんな計算をしているのか知らんが、なんだかすげー。脳内メーカー脳の中が全部「H」になったくらいの感動がある。もう少し頑張れば、スティーブ・オースティンが買えるぞ。いまのままでも、バイオニック・ジェミーくらいは買えるかもしれん(ジェミーはいくらかかってるんだっけ? なんとなく、目のほうが耳よりも高くつきそうに思うんだが……)。

 きっと、なんだかんだ言っても、英語サイトは有利なんだろうなあ。Steve RubelMicro Persuasion で試してみると、$1,537,806.96 と出た。うーむ、やっぱり技術系やマーケティング系は強い。

 『特殊清掃「戦う男たち」』$181,217.34 と大健闘。『岸部シローの四郎マンション』$114,037.08 !! えーと、今日は一ドル一〇六円として……ざっと千二百万円強か。うーむ、岸部シローさんにこの結果をお教えするべきかどうか悩みますなあ。あくまでこの概算システムの査定であって、ほんとにその値段で買う人がいるかどうかは別問題だし……。もし売ってしまったら、金の卵を産むガチョウを殺して腹を割くようなことになりかねない。やっぱり黙っておこう。



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2008年2月27日 (水)

一応、戦争を放棄しておいてよかったよね

防衛省、説明また訂正 「12分前」報告時期 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0226/TKY200802260481.html

 海上自衛隊のイージス艦「あたご」の見張り員が、漁船の清徳丸に気づいた時間を衝突の「2分前」から「12分前」に訂正した問題で、防衛省の豊田硬報道官は26日夕、石破防衛相への事故当日夜の報告は「12分前」ではなく、「2分前より以前に承知していた可能性がある」との趣旨だったことを明らかにし、これまでの説明を再び訂正した。

海保「事前連絡ない」 海自説明と食い違い 航海長聴取 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0227/TKY200802260500.html

 海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご」と漁船清徳丸の衝突事故で、防衛省が事故当日の19日午前、あたごの航海長をヘリコプターで同省内に呼んで事情聴取していた問題で、「海上保安庁側に事前に連絡した」とする防衛省の説明と、海保側の認識が食い違っていることが26日、わかった。第3管区海上保安本部は「事前連絡があったという確認はできず、19日午後に海保本庁に事後報告があった」「事前に連絡してほしかった」としている。

 あのー、さっきテレビでやってたニュースだと「九分前」とかいう話も出てきてるんだけど、いったいなにがどうしてどうなってるのか、わしゃさっぱりわからんよ。わが国は「世界最先端のIT国家」になっているはずだったんだが、こんなもん、現場の人間がちょいとキーのひとつでも叩きゃ、少なくとも「どえらいことが起こったから詳報を待て」くらいのことは、それを知るべき人々全員にたちどころに伝わるようにできんのか?

 そうじゃないかそうじゃないかとはかねがねうすうす思ってはいたのだが、おれは今度のことでようやく確信した。目下、憲法九条によって最も守られているのは、自衛隊であり防衛省である。だって、情報伝達すらおぼつかないこの調子じゃ、どこと戦争したって絶対負けるよなあ。イタリア抜きでやったとしてもだ。ただただハコモノだけは世界有数のものを持っているだけじゃないの? こんなことでは、末端でホントに身体張ってがんばってる人々がかわいそうだ。



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2008年2月12日 (火)

自分が高潔だからといって、他人が下賤なわけじゃないだろう

経産次官「デイトレーダーはバカで無責任」 講演で発言 (asahi.com)
http://www.asahi.com/business/update/0207/TKY200802070395.html

 経済産業省の北畑隆生事務次官が講演会で、インターネットなどで株売買を短期間に繰り返す個人投資家のデイトレーダーについて「最も堕落した株主」「バカで浮気で無責任」などと発言していたことが分かった。北畑氏は7日の記者会見で発言内容を認め、「申し訳ない」と陳謝した。

(中略)

 北畑氏はデイトレーダーについて「経営にまったく関心がない。本当は競輪場か競馬場に行っていた人が、パソコンを使って証券市場に来た。最も堕落した株主の典型だ。バカで浮気で無責任というやつですから、会社の重要な議決権を与える必要はない」と発言。デイトレーダーに適した株式として、配当を優遇する代わりに議決権のない「無議決権株式」を挙げ、上場解禁を唱えた。

 いやまあ、おれも個人的にはね、デイトレーダーってのは節操がないとは思うよ。なんかこう、自分で作ったコンテンツが一切ないブログでアフィリエイト収入やら広告収入やらを得ようとしているスパムブログみたいなものを連想する。ああいうブロガー(?)にとっては、ブログの中身はどうでもいいわけだしね。

 だが、プレイヤーの志が高かろうが低かろうが参入できる仕組みだからこそ、ウェブと同じく、株式市場ってのは健全なダイナミズムを保つものなんじゃないのかなあ。美学ってのはおのれが持つものであって、他人に持たせられるものではない。

 なんちゅうか、この事務次官の言い種には、いかにも官僚的なものの考えかたが如実に表れてますなあ。語るに落ちているというか。世の中、手前の美学を共有する人間だけでできてるわけではない。それはおれにとっては不愉快で忌々しいことではあるが、おれの美学を不愉快で忌々しいと思っている人もたくさんいるのが道理だから、お互いさまなのである。この“お互いさま”という発想・認識が完全に欠落しているあたりが、いかにも官僚的なのだ。デイトレーダーにはデイトレーダーの美学があるのかもしれんしね(おれ個人はそんなものを共有したくはないけれども)。おれ自身は株はやったことがないし、一切保有もしていないから(そもそもそんな余裕なんかねえよ)、この御仁の論理でゆけば、企業に投資するという形ではまったく社会貢献をしていないおれは「バカで無責任」以下ということになるのだろう、たぶん。

 たとえば、ある作家の書いた本がベストセラーになったとしようや。だが、どう考えても、百万も二百万もの人がその本をちゃんと“理解”して読んでくれているとは思えず、まあ、大半は“巷で話題になっているから買ってみた”という程度の読者だったとしようや。

 そのとき、「理解もできないくせに、ただ話題になっているというだけの理由でおれの本を買うようなやつは、最も堕落した読者であり、バカで浮気で無責任である」などとその作家がほざいたら、身のほど知らずを晒すだけだろう(そういうことを文学的営為として意図的・実験的に行う作家はいるけど、これはそういう話じゃない)。なぜなら、市場に出した時点で、その“作品”はすでに作家のものではないからである(著作権とか、そういう話じゃないよ)。完全にコントロールできるという意味では、作家の制御を離れている。その制御を万人に委ねるという行為こそが、出版する、作品を世に問うという意味にほかならない。作家が「最も堕落した読者」呼ばわりしている読者の中にも、必ずや作家の意図をはるかに超えた読みかたをする人がいるにちがいない。そのような読みかたをされることで、その作品は価値を増すのだ。読者がひとり残らず作家の意図どおりの読解をするのだとしたら、そんな作品にはたいした価値はないと思う。株式市場だって似たようなものだろう。企業の経営なんてどうでもよくて、単に株式市場という仕組みの中に生じる電位差から微弱な電流を掠め取ってただただ蓄電しようとするプレイヤーだって、そのことによっておのれの意図を超えた価値をどこかに作り出しているかもしれないのだ。

 この事務次官の発言におれが決定的な違和感を覚えるのは、おそらく“価値”というものの捉えかたが、この人とおれとではまったく異なっているからだろう。たぶん、この人とおれは、まったくちがう世界を見ている。こういう人とは、いくら話し合っても、永遠にすれちがうだろうと想像するんだなあ。おれの身のまわりには、こういう人はあんまりいてほしくないなあ。うざい。「それはちがう! これはこうあるべきであって、そう思わないおまえなど、最も堕落した無責任なバカだ」と、しょっちゅう断じられてしまいそうだ。



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2008年2月 6日 (水)

橋下知事のSPに最適の人材

橋下新知事にSP 石原都知事らに次ぎ3人目 (MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/080205/lcl0802052225005-n1.htm

 6日に府知事に就任する橋下徹氏(38)の警護に、府警警察官(SP)が就任日から付くことになった。府秘書課と府警が協議して決めた。府知事に警護が付くのは横山ノック氏(平成7~11年)以来で、現職知事では石原慎太郎東京都知事、堂本暁子千葉県知事についで3人目。
 SPは要人警護の訓練を受けた専門の警察官で皇族や閣僚、主要政党の幹部らに付いている。原則、自宅を出てから帰宅するまで警護し、必要に応じてプライベートの外出にも同行する。

 SPねえ……。なにしろ大阪だから、見るからにいかついおっさんが付いていても、そんなものは見慣れているから、なめられてしまうかもしれん。いっそ、意表を衝いて女子高生かなにかをSPに付けてはどうか? 「女子高生にできない仕事などない」とハインラインも言っていると野尻抱介も言っている。まさか女子高生がSPだとは暴漢も思わないだろうから、いかついおっさんよりも効果的だと思うのだ。

 橋下知事の身に危険が迫ると見るや、女子高生SPの手にはいつのまにか鎖が握られている。鎖の端には金属製の巨大なタコヤキ。青海苔や鰹節のささくれだったところとか、タコがはみ出ているようすまでちゃんと金属で象られており、当たったらいかにも痛そうだ。SPは巨大タコヤキをぶんぶん振り回しながら、暴漢を威嚇する。暴漢が複数であった場合、こういう振り回し系の武器のほうが容易に要人に近づくことができず効果的なのかもしれない。

 暴漢が意を決して橋下知事に飛びかかろうと身構えた刹那、巨大タコヤキがうなる。かろうじて跳び退いた暴漢がいまのいままで立っていた舗装路で巨大タコヤキが跳ね、アスファルトが深くえぐれる。女子高生SPは、妖しい光を湛えたヘビのような目で挑発するように暴漢を見据えながら恫喝する――「大阪が夕張市のようになってもいいのか!! 大阪が嫌なら夕張へ行け! 夕張へ行け!」

 ほどなく大阪の村人は、この女子高生SPを“ゴーゴー夕張”と呼んで怖れるようになったそうじゃあ。♪いいな、いい~な、にんげんっていいな~。



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2008年1月28日 (月)

肩書きの優先順位

大阪知事に橋下氏 38歳、現職で最年少 民主敗れる (asahi.com)
http://www.asahi.com/politics/update/0127/TKY200801270107.html

 大阪府知事選は27日投開票され、自民党府連推薦、公明党府本部支持のタレントで弁護士の橋下徹氏(38)が、民主、社民、国民新の3党推薦の元大阪大大学院教授の熊谷貞俊氏(63)、共産党推薦、新社会党支持の弁護士の梅田章二氏(57)らを破り、初当選した。38歳での知事就任は現職では全国最年少。33年ぶりに国政の与野党第1党の対決構図となった選挙戦は橋下氏が知名度の高さに加え、自民、公明両党の支援に支えられ、昨年の参院選と大阪市長選で勝利した民主党の攻勢を抑えた。投票率は48.95%で過去最低の前回40.49%を8.46ポイント上回った。

 あちこちのメディアがバラバラなんだが、橋下徹氏は「タレントで弁護士」なのか「弁護士でタレント」なのか、どっちだろう? おれは「弁護士でタレント」なんだろうと頭では一応思っていたんだが、たしかに印象としては「タレントで弁護士」のほうがしっくり来るなあ。

 肩書きがバラついている点が、いろいろな意味で象徴的な新知事ではある。



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2008年1月23日 (水)

財布がなかなか買えない

 いま使っている財布はあちこちが擦り切れてすっかりみすぼらしくなってしまっているので、新しいのを買わなくちゃと去年の秋ごろから思っているんだが、なかなか買えないでいる。

 財布売り場を通りがからなくもないんだけども、いざ見てみると、小銭入れの具合とかカードを入れる切り込みの具合とか、とにかくどこかしらがなんとなくしっくり来ない。いま使っている財布のほうが便利そうに見えてしまうのだ。べつにいまの財布がとびきりよくできているというわけでもないだろうし、単なる慣れの問題なのだとはわかっているのだが、ふんぎりがつかないのである。「まあ、まだ使えるからいいや」と思ってしまう。

 そもそも、なにが癪に障ると言って、金を入れるだけの用途しかない道具を金で買わねばならんというのが癪に障る。本末転倒(?)のような気がしてならない。そりゃ、なんだって金で買わなくちゃならんのだから、むちゃくちゃな理屈だとは自分でも思うのだけれども、理屈どおりいかないのが感情というものである。

 これではいつまで経っても新しい財布が買えない。かくなるうえは、一日百円ずつ貯金して、これを財布を買うためだけにしか使ってはならないことにしようか。そうすれば、いざそこそこの財布が見つかったときに、迷わず買うことができるだろう。いやしかし、その財布特定財源がある程度の額になってくると、「これだけ貯まったのだから……」と、財布ごときを買うのがにわかに惜しくなってきて、ほかの余計なものを衝動買いしてしまわないともかぎらない。あるいは、「これだけ貯まったのだから……」と、分不相応に高級な財布を買わねばならないような気になって実際に買ってしまい、立派な財布を持つには持ったが、中に入れるものが無駄に減ってしまうという事態も招きかねない。立派な空の財布を持つよりも、安物の財布にそこそこの金が入っているという状態のほうがよいに決まっている。ううむ、悩ましいなあ……。

 いや、あくまで財布の話ですよ、財布の。



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2007年12月21日 (金)

UFOは北から来るの?

UFO襲来への対応「個人で考える」 石破防衛相 (asahi.com)
http://www.asahi.com/politics/update/1220/JJT200712200003.html

 「災害派遣が使えるのか。領空侵犯でもなさそうだ。防衛出動なのか」。石破茂防衛相は20日午前の閣議後の記者会見で、未確認飛行物体(UFO)が日本を襲来した場合、自衛隊がどう対応するかについて「防衛省として取り組むことはないが、わたし自身としてどうなるのかは考えたい」と大まじめに語り、法制面の研究に個人的に取り組む考えを明らかにした。
 UFOをめぐっては、政府が「存在を確認していない」との答弁書を決定したばかり。石破氏は「存在しないと断定できる根拠はない」と異を唱えた上で、「いろいろな攻撃を仕掛けるのなら防衛出動だが、『地球の皆さん仲良くしよう』と言えば急迫不正の武力攻撃ではない」と指摘。脱線気味に「ゴジラがやってきたら、(破壊行為をしても)天変地異のたぐいだから災害派遣だ。モスラも大体同様だ」と独自の見解を披露する場面もあった。(時事)

 なにやら先日から、UFOについて政府が公式見解を出したり、それに対して町村官房長官が個人的に異を唱えたりと、ケッサクな話が続いているが(そもそも「UFO」という言葉の使いかたがおかしいだろう)、とうとうこの問題まで出てきたか。奇しくも、『パンドラ 4』(谷甲州/ハヤカワ文庫JA)の文庫解説でおれが枕に用いたネタそのものである――

 ある日、絵に描いたように凶悪な宇宙からの侵略者が、なぜかたまたま最初に日本を標的として攻撃を仕掛けてきたら、はたして自衛隊は出動できるのか――という、半ば本気、半ば冗談の問いがある。
 これに対する、やはり本気とも冗談ともつかない答えは、「災害出動できる」というものだ。つまり、日本の現行法では(宇宙人が攻めてくることを想定した法を持つ国があるかどうか知らないが)、地球外からやってきた飛行物体が発した未知の光線が国会議事堂を瞬時に蒸発させたとしても、それは“自然災害”としか解釈しようがないだろう。よって自衛隊は、地震や台風に対するのとまったく同じように宇宙からの侵略者に立ち向かうことになる……はずだ?
――『パンドラ 4』解説:冬樹蛉「“異”なればこその希望」

 いやあ、まさかこんなことを内閣やら総理大臣やら官房長官やら防衛大臣やらが大真面目に論じる日が来ようとは思わなかった。SFみたいじゃん(しつこいようだが「UFO」という言葉の使いかたがおかしいけど)。石破防衛相の個人的研究の成果は、ぜひ公開してほしいものだ。おれもこういう事態の法解釈には、大いに興味がある。

 そうそう、やっぱりここはひとつ、みんなが期待しているだろうが、麻生閣下のご意見をぜひとも賜りたいものである。


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2007年12月20日 (木)

ご立派な“過失”ですこと

3児死亡で危険運転罪見送り 福岡地裁、業過致死適用か (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/1218/SEB200712180010.html

 福岡市東区で06年8月、幼児3人が死亡した飲酒運転事故で、危険運転致死傷などの罪に問われた元同市職員今林大(ふとし)被告(23)について、福岡地裁は18日、予備的訴因として業務上過失致死傷罪と道路交通法違反(酒気帯び運転)を追加するよう検察側に命じた。検察側は危険運転致死傷罪と道交法違反(ひき逃げ)の併合罪で最高刑の懲役25年を求刑していたが、地裁は危険運転致死傷罪の適用は困難と判断したとみられる。
 危険運転致死傷罪(最高刑懲役20年)とひき逃げとの併合罪は最高刑が懲役25年。これに対し、業務上過失致死傷(同5年)と酒気帯び運転、ひき逃げの併合罪は同7年6カ月(今年6月の法改正で15年に引き上げ)。適用できる最高刑に3倍以上の開きがある。
 変更命令について、検察側は「適切に対応したい」としているが、応じない場合、地裁は危険運転致死傷罪については無罪を言い渡すとみられる。検察側は予備的訴因の追加に応じるか、それとも危険運転致死傷罪について補充して立証できるかを検討する。

 先日のエントリーで、「酒飲んでクルマを運転してはいけない国で、近所の人が度重なる奇行を指摘している男に、散弾銃やら空気銃やらを合法的に所持させているというのは、いったい全体どうしたことか?」と書いたが、申しわけない、おれの認識に誤りがあった。この国では、酒を飲んでクルマを運転することは、酒に酔ってクルマを運転することに比べれば、さほど悪いことではない。この事例にかぎらず、危険運転致死傷罪なんてものは、いまのところ、適用が難しい事案のほうが圧倒的に多く、まあ、あってないようなもんだ。バカバカしい。“酒を飲んでクルマを運転する”という行為そのものに厳罰を科さなければ、あんな法律、なんの意味もない。おれだったら、焼酎お湯割りを二杯くらい飲んで運転しても、さほど問題ないわけだ。三杯くらいになると、ようやく罪が重くなるのかな? もっとも、おれはそもそも自動車の運転免許そのものを持ってないわけだが……。

 この伝でゆくと、おそらく、かなり頭のおかしなやつが合法的に銃を所持していることも、実際に人間に向けて発砲してみせないかぎりは、さほど問題のあることではないと推測される。

 まあ、なんといっても、日本は放置国家、もとい、法治国家だからね。司法は司法の行うべきことを、厳かに粛々と行なっているだけである。軽々に裁判所を批判すべきではない。おれたちにできるのは、せいぜい最高裁の裁判官をクビにすることと、立法に携わる連中をおれたちの意志で入れ替えることだけだ。文句があれば、選挙で表明するしかあるまい。まあ、ブログに書くというのも、数が集まれば、ゴマメの歯軋り程度の異議と認識はされるだろう。



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2007年10月31日 (水)

ほんものの天皇の証人喚問は可能か?

 「防衛省の天皇」の異名を取ったという守屋・前事務次官をめぐるすったもんだを見ていてふと思ったのだが、はたして国会は、“ほんものの天皇”を証人として喚問することができるのだろうか? また、天皇が嘘の証言をした場合、天皇に偽証罪は適用できるのだろうか?

 天皇は刑事責任を負わないというのは通説だと思うのだが、証人喚問での偽証罪は、刑法じゃなくて議院証言法による偽証罪(中身は刑法と同じみたいだけど)なんだから、刑事訴追ではないという屁理屈も言えそうな気がする。

 法律に詳しい方、ご教示いただければさいわいです。いや、べつに知ったからといって、「へぇ」ボタンを叩くだけなんではありますが……。



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2007年10月 6日 (土)

ラーーーリホーーーーー!

 風呂の中で鼻歌を唄っていたら、いまさらのような替え歌がいきなりでけた。全部が一瞬にして降りてきて、モーツァルトの気持ちがちょっとわかったかも?


  ♪シャホチョー シャホチョー アキレルノン
    シャホチョー シャホチョー アキレルノン

    組織はでぶっちょ ボヨヨンのヨン
    お金をかすめて スイ スイ スイ
    納めた記録は バラッ バラッ バラッ

    年金食いは 国家公務員
    保身のためなら エンヤトットドッコイショ

    シャホチョー シャホチョー アキレルノン
    シャホチョー-ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
            (シャホチョーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー)
                  (シャホチョーーーーーーーーーーーーーーー)
                          (シャホチョーーーーーーーーー)


 えーと、この日記読んでるような方には、元歌書かなくていいですよね?



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2007年9月30日 (日)

しあわせですかあなた今

沖縄、11万人が訴え 教科書検定「撤回を」 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0929/SEB200709290015.html

 沖縄戦で日本軍が住民に「集団自決」を強制したとの記述が教科書検定で削除された問題で、検定意見の撤回を求める超党派の沖縄県民大会が29日、宜野湾市の海浜公園で開かれた。参加者は主催者発表で11万人。米兵による少女暴行事件を機に8万5000人が基地の整理・縮小などを訴えた95年10月の大会を大きく上回る「島ぐるみ」の集会となった。参加者は検定意見の撤回と記述の回復を求める決議を採択した。
 大会は県議会各派や県PTA連合会など22団体で作る実行委員会が主催。壇上には、独自に大会を開いた先島諸島の自治体を除く全36市町村の首長や議長らが並んだ。
 沖縄戦体験者で実行委員長を務める仲里利信・県議会議長は「歴史的事実がねじ曲げられることは絶対に許すことはできない。県民大会は、住民を巻き込んだ悲惨な地上戦の惨禍に見舞われた沖縄が全国に発信する警鐘だ」とあいさつ。仲井真弘多知事も「文部科学省は県民の度重なる要請行動を真摯(しんし)に受け止めることなく、撤回要求に応じていない。強く抗議し、遺憾の意を表明する」と述べた。

(中略)

 文科省はこの教科書検定問題について「専門的な調査審議に基づいて実施された」として、検定意見は変更しないとの立場を貫いている。しかし、複数の教科書執筆者から訂正申請をめざす動きが出始めている。

 文部科学省の役人風情が自分たちを何様だと思っているのか知らないが、おおかた、こっちが思っているほどには頭を使わず気楽にやったんだろうよ。きっと、気楽にやったやつは、いまごろ予想外の(予想しろよ)反応にビビって、キンタマ縮み上がらせているだろうよ。「どうしようどうしよう、そんなつもりじゃなかったんだ」と布団かぶって震えてるよ、そいつらは。選挙で選ばれたわけでもない、ただのちょっと頭がよいにすぎない国民の下僕どもが、ちょっとつけあがっただけなのさ。

 沖縄の人たちよ、それほど心配する必要はないと思う。もはや、いまの情報化社会で、賢い子供たちは教科書なんぞ屁とも思っていないぜ。知りたいことがあれば、ウェブで調べるさ。右から左まで、いろんな言説を読み比べて、自分の頭で考えるさ。そのために彼らは日本語を習っているし、英語を習っているのだ。そりゃ、試験のときには、国が教えていることを、心の中で反吐を吐きながら要領よく書くかもしれないけどね。そんなことは、単なる世渡りのノウハウである。だいだい、いまの時代、誰が教科書なんぞを情報源にしているというのだ。

 それより、沖縄在住のブロガーよ、あなたたちの出番だ。あなたたちが、祖母や祖父から、母や父から聴いたことどもを、それぞれに発信してくれ。あなたたちは、本土のボンクラたちよりもかなり英語も得意だろう。海外に向けても発信してくれ。外圧がかかれば、役人どもなど、尻尾を股のあいだに挟んで、キャンキャン鳴きながら小便ちびって引き下がるさ。立ち上がれ、沖縄! おれは応援しているぞ。この時代、教科書の一行よりも、真摯なブログの一行のほうがずっと力がある。役人どもなんぞ、頭がよいから便利に使える国民の下僕にすぎないのだと、身のほどを思い知らせてやれ!



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2007年9月27日 (木)

議員さまは18歳

英・労働党、女子高生を擁立 次期総選挙で (asahi.com)
http://www.asahi.com/international/update/0926/TKY200709260374.html

 英与党の労働党は、17歳の女子高校生を次の総選挙の候補者に決めた。英国は昨年、若者に政治への関心を持ってもらうため、立候補できる年齢を21歳から18歳に下げたばかり。英史上最年少の国会議員が誕生するのでは、と話題を呼んでいる。
 候補者はエミリー・ベンさん。10月4日、18歳になる。今月24日の党大会で、党首のブラウン首相に「誕生日が来るまで選挙は待って」と話し、拍手喝采を浴びた。

 チィ坊~~! ――ってそれは番組がちがう番組が(古すぎてすまん)。

 いやしかし、こりゃなんとも大胆だなあ。《ロケットガール》もびっくりだ。日本だったら、たちまちファンクラブができるだろう(イギリスでもできてるのかもしれないが……)。

 日本でも選挙権・被選挙権の引き下げが議論されているが、こういう女子高生が出てくれば、若者の政治への関心度がちょ~向上すること確実だ。スキンタイト議員服(?)とか開発すれば、世間の男どもはみな国会中継に釘付けである。少なくとも、ソラマメが眼鏡をかけたようなおっさんが出てくるよりは、なんぼかましだろう。麻生氏なら本気で考えるかもしれんなあ。



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2007年8月31日 (金)

米国マーチ

 昨日のネタの影響もあって、風呂で鼻歌を唄っていたら、なんとはなしにできてしまった。葉巻をどこに置こうか悩んでいるダース・ベイダーがセグウェイに乗って現れるところでも想像しながら唄うと吉だ。

   ♪米国は~とてもずるい~
     兵隊は~とても若い~
     大統領は鈍い!
     研修生はエロい!
     執務室まるい~~



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2007年8月19日 (日)

『華氏911』を観る

 『ボウリング・フォー・コロンバイン』を観たからには、やはり勢いでこれも観なくてならないだろう。というわけで、SFには非常に関連のあるタイトルの『華氏911』(監督:マイケル・ムーア/9月30日正午まで)をとうとう GyaO で観た。

 いくらなんでも恣意的な悪意がこもっているのではないかと思う点もないではなかったが、恣意的に悪意をこめたい政権なのだからいたしかたない。おれ的には拍手喝采である。「自分の子供をイラクへ送ってはどうか」というムーアの提案(というか、いやがらせというか)に対する議員たちの反応がケッサク。これが戦争というものなのだよな。

 ムーアがキレているのは、イラク侵略は“必要な戦争”(そういうものがあるかどうかはべつにして)ですらないのに、利権を手にした連中が、貧困層の青年たちを戦場に送り込んでは無駄死にさせているからだ。アメリカ国民たちのナイーヴな愛国心を利用しているからだ。『ボウリング・フォー・コロンバイン』と同じく、人々に必要以上の“恐怖”を注ぎ込んで支配する権力者たちの姿が、いささかブラックすぎるくらいに描かれている。この作品は、二十一世紀の『地獄の黙示録』なのだ。The horror... the horror...

 現代に生きるおれたちが、他人に操られないようするために求められているのは、“正しく怖がる”ということだ。それはとても難しいことだ。詐欺の手口のたぶん半分は、正しく怖がることができない人々に必要以上の恐怖を注入するところからはじまる(あとの半分は、正しく欲しがることができない人に必要以上の欲望を注入するところからはじまるのだろう)。どちらにも引っかからないようにするには、正しく怖がり、正しく欲しがる術を身につけるしかない。これはじつに難しい。しかし、おのれを見失わずに現代を生きるための必須のスキルなのだろう。



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2007年8月17日 (金)

こういうテロリストは大歓迎だよ

 “エロテロリスト”のインリン・オブ・ジョイトイが、「頑張れ!日本」とブログで檄を飛ばしている。芸能人だって商売だから、こういう発言をしては一部の商売がしにくくなるだろうし、ましてや外国人なのだから、いろいろ攻撃もされるだろうに、たいしたものである。芸能人であるということはそれだけで相当なパワーなのだから、それをおのれの信条に則って有効に使おうというスタンスには、敬意を表する。

 狂人が仕切っている国がすぐ隣にあるという点では、それなりの備えをせねばならんとおれは思うが、インリンの意見にはおれも賛同する部分が多い。おれは日本国憲法第九条を“怪我の功名”だと思っていて、現生人類にはあまりにも未来的すぎる傑作だと思っている。押し付けなのはたしかだが、あんなすごい条文、よその国に押し付けるのでもなければ、どこの現生人類が自国の憲法として自分で起草するか? それが現生人類の限界なのである。願わくば、怪我の功名で奇跡的に手にした宝として、第九条の精神は守ってゆきたいものだ。現生人類がいっぺん滅びなければ無理な相談なのだとしても……。いずれにせよ、アメリカと、いや、いまのアメリカ政府と同じ土俵に乗っても、日本は世界から尊敬される“美しい国”にはちっともならないぞ。世界から軽蔑されるプチアメリカになるだけだ。どうも、いまの日本は、近い将来そんなしょうもないプチアメリカになるために、“いま日本が世界から羨まれ、尊敬されている部分”を削ぎ落としていっているように思えてならないのだが……。インリンの言うように、日本の立場、日本の力でしかできないことがあるはずだ。

 とはいえ、おれは改憲論者である。“論者”というほどの教養はないから、改憲賛成派とでもしておこうか。前から言ってるように、第一章、あれは邪魔だ。そのうち取っ払ってほしい。

 ともあれ、日本で生まれ育った日本人の芸能人のみなさんも、せっかくブログを立ててるなら、インリンくらいはっきりとしたもの言いをしてほしいものである。そりゃまあ、あなたがたも商売でしょうけど、幸か不幸かせっかく与えられている強大なパワーを、少しは世の中を自分の主義主張に近づけるべく利用してはどうか? With great power comes great responsibility. その主義主張がどんなものであれ、だ。おれはインリンの主張に全面的に賛成ではないが、彼女のスタンスはすばらしいと思うぞ。まあ、卑しくも他国の首相をその国の言語で書くブログで呼び捨てにするのはいかがなものかと思うし、その点で必要以上に損していると思うが、まあ、おれだって、ブッシュやブレアをしょっちゅう呼び捨てにしているしな。おれが連中の大統領を茶化しているこういうものを読んで怒り狂うアメリカ人もいるだろうし、拍手喝采するアメリカ人もいるだろう。まあ、いまとなっては、拍手喝采するほうが多いだろうとは思うが……。

 おれは、たとえば、生き馬の目を抜く厳しい国際社会の中での日本人のお人よしぶり、ノーテンキぶりに水をぶっかける金美齢のような人が言うこともかなりもっともだと思うし、インリンの言うこともよくわかる。結論としてはまるで対立するように見えるけれども、たぶん、彼女らはそれぞれのやりかたで祖国も愛しているし、日本も愛してくれていると思う。ベースはそんなにちがわないような気がするのだ。金美齢とインリンの対談とか、どこか企画しないだろうか? ぜひ読みたいよ、それは。



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2007年8月 9日 (木)

そのホンモノが信用できないんだってば

Harigami01 団地の自治会が、掲示板にこんな貼り紙をしていた――「年金未払いの件で社会保険庁と名乗る人物が、各戸に、訪問しています。注意を、してください」

 なるほど、社会保険庁を騙った詐欺か、気をつけねばなあと思ったには思ったのだが、仮にホンモノの社会保険庁がやってきたとしても、詐欺かもしれない怪しさにはあんまり差がないのではなかろうか?

 もっとも、自分たちの不手際を、当の被害者に立証させようとしていたような連中が、自分の腰を上げてわざわざこっちにやってくるはずがないということは、日本国民であれば誰にでも容易に推測がつくので、あんまり効果的な詐欺だとは思えない。騙りというのは、本来信頼できるはずの人や組織の名を騙るからこその騙りなのであって、詐欺師を騙って詐欺を働こうとすること自体に、構造的な無理がある。「年金未払いの件で社会保険庁が各戸を訪問しています。注意をしてください」という貼り紙であったとしても、なんの違和感もないのである。ちゅうか、詐欺師がやってくるよりも、そっちのほうがよっぽど怪しいぞ。



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2007年8月 5日 (日)

広報の倫理と限界

「美しい国」私も言えませんでした 世耕補佐官も苦言 (asahi.com)
http://www2.asahi.com/senkyo2007/news/TKY200708020393.html

 「街頭では、とても『美しい国』なんて言えませんでした」。参院和歌山選挙区で当選し、1日から官邸での業務を再開した世耕弘成首相補佐官(広報担当)は、復帰早々に安倍首相に苦言を呈した。世耕氏は「美しい国づくり」国民運動の担当でもあるが、苦しい選挙戦を経て軌道修正を迫ったものだ。
 首相は、地方遊説のたびに「美しい国」をアピールし、「地域の活力なくして国の活力なし」と訴えた。だが、自民党は1人区で6勝23敗と惨敗。あまりの逆風に世耕氏は当選確定後に万歳をせず、「安倍内閣への逆風を真っ正面から受けた。有権者の声を首相にじっくり伝えたい」と語り、笑顔も見せなかった。
 世耕氏は、首相に「生活に密着した政策を打ち出し、憲法改正などとバランスを取るべきです」と進言。神妙に聴き入ったという首相は、参院選後は「美しい国」という言葉を口にしていない。

 ああ、やっぱりね。おれは自民党は好きじゃないが、実効的な戦術を伴った世耕氏の戦略的PR能力には端倪すべからざるものがあり、おれも一サラリーマンとしては、じつに学ぶべきところが多いと思っていた。さすが、民間で鍛えられた人はちがう。ところが、安倍内閣は、まるで広報担当が替わったかのようにPR下手になってしまい、いったいどうなっているんだろうと不思議に思っていたのだ。

 つまるところ、広報というのは、手持ちの駒の打ちかたをマネジする活動なのであって、持ち駒の器以上のことはできるわけがない。そこを広報マンとしての倫理を超えて背伸びすると、それはもはや広報ではなく、プロパガンダになってしまう。そんな状況下で、広報マンとしての一線を踏み越えずに“ちゃんと負けた”(ご本人は当選したけど)のだから、おれは世耕氏にはかなり好印象を抱いているのだった。この人はプロとして骨のある人だ。事実と哲学を伴わない浅薄な宣伝であれば、いくらでもできただろうに、実態を伴わない小賢しいことはしなかった。民主党にこういう人がいれば、とっくに政権を取っていることだろう。

 でもそうかあ、とうとうご本人も苦言を呈したかあ。まあ、こういう世耕氏の状況というのは、関西人にとってはとても馴染み深いものだ。「ベンチがアホやから選挙がでけん」というわけですわな。いや、まったくお気の毒。いまの自民党の広報担当にだけはなりたくないもんである。