カテゴリー「心と体」の3件の記事

2007年10月12日 (金)

まぼろしのメールフレンド?

Is that your phone or your imagination? (Yahoo! News)
http://news.yahoo.com/s/ap/20071010/ap_on_hi_te/phantom_vibrations

Many mobile phone addicts and BlackBerry junkies report feeling vibrations when there are none, or feeling as if they're wearing a cell phone when they're not.

 ケータイ猿の多くの人々が、ケータイを携行してもいないのに着信のバイブレーションを感じるといった現象を体験しているという。あるあるあるあるあるある! なんだ、やっぱりみんなそうだったのか。“幻肢”に倣うとするなら、“幻着信”とでも呼ぶべき現象である。Phantom vibrations ねえ。あなたもきっと体験したことがあるにちがいない。

 まあ、単に腹が鳴っているのを勘ちがいするときもあるけどな。



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2006年11月 5日 (日)

ウンコ宣言

 おれは母親と二人暮しであるが、わが家では、おれが大便をしにトイレに入る前には、「ウンコするで~!」と宣言してから入ることになっている。いまからウンコをするということを言挙げする、declare するわけである。

 なぜかというと、年寄りは尿意でも便意でも、とにかく突然催す。さっきまでしたくなかったのに、したくなったとなったら、とにかく我慢できないらしい。おれが大便をしている最中に母がにわかに小便がしたくなり、おれは尻を拭くのもそこそこに、尻に紙を挟んでズボンを上げ、急遽交替したということが何度かあった。

 年寄りの尿意や便意というのは妙なもので、それまでは忘れていたくせに、そこに意識が向くと俄然したくなるものらしい。たっぷり餌を与えたニワトリを腹を空かせたニワトリの群れに放ち餌を与えると、そいつは腹一杯のくせに、なにごともなかったかのようにほかのニワトリと一緒に餌を食いはじめるのだそうだが、まあ、それに似た現象が年寄りの尿意や便意にはある。

 おれとしても大便を中断されるのは非常に気持ちが悪いので、ニワトリの実験を参考にして(母には言わずに)、自分が大便をしようとする前には、母に「ウンコするで~!」と宣言することにしたわけである。

 「ウンコするで~!」
 「ええで」
 「ほんまに大丈夫やな?」
 「うん」
 「ほんまやな?」
 「……ちょ、ちょっと待って、やっぱりおしっこしとくわ」

 といったやりとりが、わが家では日常茶飯に交わされている。おれんちにはめったに客が来ることはないが、もし客がおってこうしたやりとりを聞いておったら仰天すると思う。今年四十四歳になろうかという息子がトイレのほうから突如大声で呼ばわるのだ――「ウンコするで~!」

 合理性を追求すると、なりふりなどかまっていられないということはあるものなのである。



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2006年4月 2日 (日)

論理的な男

女性を殺人未遂容疑、出頭の男逮捕 川崎・小3転落死
http://www.asahi.com/national/update/0401/TKY200604010237.html

 「新聞を見て、捕まると思った」……妥当な推論だ。
 「殺したかったから投げ落とした」……妥当な推論だ。
 「最上階の15階から人を落とせば殺せると思って行った」……妥当な推論だ。
 (2人の被害者には)「申し訳なかった」……妥当な反応だ。

 この男は、なにもおかしなことを言ってはいない。おれたちSFファンにとっては、この男の反応は、じつに馴染み深いものである。ステロタイプの人工知能の受け答えにそっくりだ。推論自体はまちがっていないのだ。唯一、おれたちと前提条件を共有していないだけである。動機については、本人が「私もよく分からない」と話しているそうだが、あんたにわからんものはおれたちにもわからないよ。

 おれは、生物というものを、人間も含めて、とてもよくできた貴重な機械だと思っているが、この男は、日常会話に於ける慣用表現的な意味で、まるで機械のようだ。お粗末な機械である。どういうプログラミングを施されるとこういうふうになるのか、非常に興味が湧く。

 息子を機械に殺された両親は、こうした供述(というか、音声出力)を聞いて、どんな思いをしていることであろうか? いまこうしているあいだにも、こんなプログラムを内蔵したロボットたちがどこかで大量に生産され、ザッザッザッと足並みを揃えておれたちの社会へ続々と“出荷”されている不気味な光景が、とてもリアルに浮かばないか?

 もっとも、おれ自身がそうしたロボットたちの一体であることが、おれにはわかっていないだけなのかもしれないのだが……。

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