“引きずり箱車”の流行
そう言えば、このあいだ大竹まこともラジオでぼやいていたが(おれはポッドキャストで聴いてるんだが)、最近、駅やらでスチュワーデスちゅうかフライトアテンダントちゅうか、そういう人々が引っぱって歩いてるようなアレを引っぱって歩いてる人をやたら見かけるようになった。アレはなんと言うのだ、アレは? カートかな? まあ、いいや、仮に“引きずり箱車”とでも呼んでおこう。
“引きずり箱車”は邪魔だ。著しく邪魔だ。歩いているときの一人あたりの占有空間が、ふつうの鞄に比べて広い。人ごみで犬を連れて歩いているくらい広い。おまけに“引きずり箱車”は、カーブするときに駆動者(?)の動きに遅れてついてゆき、しかも内輪差(?)を生じる。人間(じんかん)距離を取ってうしろを歩いている者にとっては、カンが狂うことおびただしい。危うく“引きずり箱車”に蹴つまずいてしまいそうになる。
そりゃまあ、常に大量の重い荷物を持ち歩かねばならぬ商売の人がああいうものを利用しているのであればしかたがない。だが、そうでもないようなんだな。階段やなんかでは、ひょいと片手で持ち上げて、さほど重そうでもないやつがいる。重くないんなら、いちいちそんなかさばる道具で通勤時間に運ぶなと言いたくなる。ふつうの鞄を敢然と重力と闘いつつ雄々しく(あ、政治的に正しくない言葉かな)持ち歩け。腕の鍛錬になってよいではないか。なに、私は女だから腕が太くなったらイヤだ? そんなことあるか。ぶよぶよした二の腕の下に脂肪がぶらぶら垂れていて『アリーmyラブ』のリチャードが喜びそうなたるたるの女性の腕は、細くてもあまり美しくないぞ。水野裕子の腕なんか、きりりと締まった筋肉のカットが浮いてカッコよくセクシーだぞ。キャメロン・ディアスの腕なんかも、じつにメリハリがあって美しい(まあ、なんでもアレは『チャーリーズ・エンジェル』以降、鍛えるのが病みつきになったおかげらしいんだが……)。心配せんでも女性はよっぽど不自然なことでもせんかぎり、シュワルツェネッガーみたいにはならんて(あそこまでは男性でもならんか)。鍛えればむしろ、女性として美しいラインが出るとおれは思うのだがどうか。
重い荷物を常に持ち歩かねばならん人が、俄然、にわかに、めきめき増えたとは考えにくいので、最近“引きずり箱車”をやたら目にする現象は、一時的に流行しているファッションなのだろう。そのうち止むとは思うんだが、とりあえず、不要不急の“引きずり箱車”反対! むろん、ホントに必要な人は、ご苦労さまです。身体壊さんようにしてください。
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