『もうひとつの未来 ~ starry spirits ~』(森口博子/キングレコード)
すばらしい。森口博子ここにありである。ただただ、すばらしい。ゲームのテレビCMで「おおお!」と思い、ウェブでPVを観て鳥肌が立ち、あわててCDを注文した。
ゲームソフト「SDガンダム Gジェネレーションスピリッツ」(PS2)のテーマソングなわけだが、おれはゲームにもガンダムにもあんまり思い入れはない。だが、実力のわりにメディアでの露出が少なく、あまりに過小評価されている歌手・森口博子には思い入れがあるのである。個人的に顔やキャラが好みであるという点はこの際置いておくとしてもだ、この「もうひとつの未来 ~ starry spirits ~」はすばらしい。元祖バラドルとしてのイメージしかない人々、アニソン歌手として一段下に見ている人々、とんでもない、こいつを聴いて、水をぶっかけられていただきたい。すごいポピュラーシンガーがここにいるのですぜ。
森口博子の不幸は、そのストレートな天性の歌唱力にあるだろう。つまり、むかしは歳のわりにあまりに巧すぎたのだ。巧いことは文句なく巧いのだが、なんとなく、こましゃくれた(って言葉を大人に使うのも妙だが)感じがした。また、頭がよすぎるため、歌手としての才能以外の部分が評価されすぎた。レコード会社の力があんまりないうえに、宣伝が下手ということもあるだろう。ここへ来てようやく、年齢による蓄積が生まれ持った抜群の歌唱力に追いついてきたという感じだ。才能と技巧と表現力が絶妙のバランスを見せるところにきた森口博子は、これからがすごいぞ。アニソンという“ジャンル歌謡”を歌手としてどこまでも誠実に唄うことに誇りを持った森口博子は、それがゆえにこの曲でアニソンの枠を突き破って普遍に至った。ゲームもアニメもガンダムもまったく知らない人がこの曲を聴いても、「いい歌だなあ、巧い歌手だなあ」と思うはずである。そういう人がもしあなたのまわりにいたら、森口博子だということを伏せてこいつを聴かせてあげていただきたい。「ええーっ! 森口博子ってすごいんだー」と認識を改めるはずである。
四十代、五十代の森口博子は、根強いファンが根強く支持する大御所として日本の歌謡界に君臨することになるのではあるまいか。そうだなあ、おれたちの若いころで言えば、伊東ゆかりみたいな存在になるんじゃないかなあ。
▼森口博子:ガンダムソングで歌手復活 「もうひとつの未来」で12年ぶりオリコン30位入り (毎日.jp)
http://mainichi.jp/enta/mantan/news/20071205mog00m200064000c.html
▼「SDガンダム ジージェネレーション スピリッツ」主題歌「もうひとつの未来 ~starry spirits~」を唄う森口博子さんにインタビュー (GAME Watch)
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20070924/mori.htm
森口博子PV もうひとつの未来 ~ starry spirits ~
森口博子アニメメドレー/キューティーハニー/エースをねらえ/ははうえさま/草原のマルコ/ETERNAL WIND ~ ほほえみは光る風の中 ~
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