カテゴリー「ウェブログ・ココログ関連」の43件の記事

2009年1月 9日 (金)

「関西縦断ブログ旅」の稲垣早希がゴールイン

 去年の夏休みに『溜池Now はミッドタウンにお引越ししました』(GyaO)を観ててハマった芸人、桜・稲垣早希がはじめた「関西縦断ブログ旅」『ロケみつ』/毎日放送)、先ほど、みごとにゴールインの回がオンエアされた。なんちゅうか、日常生活を挟みながら途切れとぎれに旅をしていることがわかってはいても、やっぱりロケ中は過酷なロケであろうし、おれとしたことが、もらい泣きするほど感動してしまったよ。早希ちゃん、お疲れさま。

 最後は、当然のことながら「おめでとう」「おめでとう」で締めるだろうなというのは予測の範囲内であったが、ほんまもんの宮村優子「餃子の王将」に呼びつけるという展開までは予測していなかった。豪華やなあ。

 というわけで、関西では大人気の「関西縦断ブログ旅」が終わっても、この番組『ロケみつ』がそう簡単に稲垣早希を手離すわけがない。なにしろ、この番組は、はっきり言って稲垣早希で保っているのは、誰の目にもあきらかである。前番組の『なまみつ』から“番組をまたがって”その一コーナーだけが続いておるという、異例の展開なのだからな。番組のブランド力よりも、その一コーナーのブランド力のほうが強いわけである。現在放映中の後継番組『ロケみつ』を Google で検索してごらんな、番組のトップページよりも「関西縦断ブログ旅」のほうが上位に来るくらいなのだ。群集の知恵は正直である。

 「関西縦断ブログ旅」に続く“次なる旅”がはじまっていることは、オンエアに先行している「関西縦断ブログ旅」の稲垣ブログでわかってはいたものの、なんと次は「四国一周ブログ旅」であることが、さっきの放送であきらかになった。むちゃしおるなあ、さしおるなあ。これもまた、たいへんそうだ。相方の増田倫子『クイズ!紳助くん』(朝日放送)の“なにわ突撃隊”だし、コンビ揃ってよくよく身体を張らされるロケものに縁があるようだ。若手芸人はたいへんや。

 いやしかし、最初はけっこうあざとい企画だなあとは思っていたが、稲垣早希ちゃん、じつにええコですなあ。そりゃまあ、テレビとネットでしか知らんけれども、それでも性格の素直さが滲み出ておる。毎週、稲垣早希を観るたびに、「こんなコを娘にしたいなあ」とマジで思う四十六歳の冬樹であった。「嫁」にしたいなあとは、なぜか微塵も思わんのである。なんかこう、このコに手をつけたら犯罪みたいな気がするのだ。テレビで観るたび、「ああ、娘にしたい」と、スミルノフ大佐『機動戦士ガンダム00』)のごとき心境になるおれなのであった。

 ま、四国一周もがんばってほしい。がんばれ、早希。お父さんがついているぞ!(気色わるぅ~)

 それにしても、今日の日記、関西圏外の人にはさっぱりわからんかもしれんなあ……。



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2008年8月25日 (月)

アスカ、来阪はいつか?

 おやおやおやおや、とうとう「稲垣早希」が、過去三十日間にこのブログへ検索エンジンからやってきた人々が検索に用いたキーワードのベスト10に入ってきてしまったぞ。まこと、テレビの威力はまだまだ侮れない。

 「関西縦断ブログ旅」のほうは、初回放送後、かなりたいへんなことになっている。正直、関西ローカルの番組で、これほどのコメントがつくとは、おれも予想していなかった。エヴァンゲリオンおそるべし。中には、カナダからコメントしている人さえいる。インターネットおそるべし。

 いやまあ、おれもなんとなく不憫になって、年甲斐もなく二回ほどコメントしたんだが……。だってまあ、とにかく可愛いじゃないか。稲垣早希は八十三円、じゃない、八十三年生まれだそうだから、おれが大学在学中に仕込んでいたとしたら、娘であっても不思議はない年ごろである。まあ、もしこんな娘がおったとしたら、「お父さんが悪かった、すまん」としか言いようがないが、父娘で酒飲んだら楽しいだろうなあ。「だからぁ、お父さんは内罰的すぎるのよ」「すまん」



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2008年8月14日 (木)

せめて、人間らしく

 先日にわかにハマった桜・稲垣早希が、テレビ番組の企画で「関西縦断ブログ旅」なるものをはじめているのを発見……ってこれ毎日放送じゃねーかよ。関西に住んでいながら、『なまみつ』なんて番組、一回も観たことないなあ。あ、裏は筒井先生か。この時間にリアルタイムでテレビを観ているときには、そっちを観てるなあ。どうも、ハードディスクレコーダを使いはじめてからというもの、CMをあまり観なくなり、録り貯めた決まった番組ばかりをひたすら消化してゆくというテレビの視聴パターンが身についてしまい、知らん番組は徹底的に知らんってことになってしまっている。たまにはリアルタイムでテレビを観て、あちこちの局をザッピングしてみんといかんな。世間が狭くなる。

 「一部のマニアに大人気!? エヴァンゲリオン・アスカのモノマネで人気急上昇中の桜・稲垣早希がブログを使った旅企画に挑戦します!」……た、たしかに「一部のマニアに大人気!?」なんだろうなあ。というか、わからん人には徹底的にわからへんわい。なんでも、「関西縦断ブログ旅」に寄せられるコメント数に応じて稲垣に旅の資金が支給され(一コメント一円らしい)、このルールでもって関西最南端の和歌山・潮岬から関西最北端の京都・経ヶ岬まで旅をするという、かなりバクチな企画のようだ。全然コメント付かなかったらどうするのよ。いくらテレビ放送という武器があっても、せめて一コメント百円くらいにしないときついと思うがなあ。

 それにしても、こんなカッコしたコがそこいらへんを歩いてたら、なにごとかと思いますわな、カタギの人は……。「おかあちゃん、あのおねえちゃん、なに?」「しっ、見たげたらあかん」みたいなことになりそうな。もっとも、来週の二十三日・二十四日にうまく岸和田市あたりを通過するような旅程を組めば、たまたま日本中から集結している大勢の「一部のマニア」たちが大歓迎してくれるにちがいないぞ。おれは行かないけどさ。

 京都では苦戦しそうだな。なにしろ、京都でテレビ大阪が映らない地域に住んでる人は、テレビ東京の『新世紀エヴァンゲリオン』を放送では観たことがないはずなのである。かく言うおれもそうだ。まあ、逆に考えると、京都というアニメ後進府にいながらエヴァを観ている人には、その後なんらかの媒体・方法で金を払って観ている人が多いわけであって、モチヴェーション(?)は高いかもしれん。

 というわけで(どういうわけだ?)、全国の「一部のマニア」の人は応援してあげよう。毎日放送が観られないような田舎に住んでいる人も日本にはけっこういるわけだが、ウェブの場合はそれは障害にならない。「おけいはん」だって、全国にファンがいるのである。

 ところで、稲垣早希って、コスプレしてないとめちゃめちゃ可愛いな。いやまあ、アスカはアスカでいいのだが、それは特殊なテイストだし、おれはやっぱりレイ派だからな。しかし、これくらいベースが可愛いのなら、ごくふつうの女のコとしてごくふつうの暮らしができたであろうに、ヘンなアニメにハマってしまったばっかりに冥府魔道に生きる羽目になるとは、エヴァンゲリオンも罪作りな作品である。多感な時期にアレの直撃を受けた世代には、いろんな冥府魔道に入っていったやつがいるんだろうなあ。おめでとう、おめでとう。



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2008年7月25日 (金)

「教育委員は誰か辞めてはいないんですか?」

 高校一年生の姪が、おれの姪にしては英語が苦手なもんだから(まあ、あんまり血縁は関係ないわな)、少し前に、中学の基礎の復習もしっかりできるような高校生向けのよさげな参考書がないかとネットでいろいろ漁ったところ、英語教育の玄人筋にたいへん評判のよい『高校これでわかる基礎英語―基礎からのシグマベスト』(組田幸一郎・宮腰愛美・佐野正之/文英堂)ってのを見つけ、姪に勝手に送りつけて押しつけた。姪は迷惑しているだろうが、おれの気がすまん。おれは英語がそこそこできるが、英語教育に関しては素人である。NHKの講座なんかの最近の教えかたを観ては、「おれたちが学生のころに比べて、ずいぶん進んだなあ」と、いまだに蒙を啓かれたりしているくらいだ。とはいえ、おれがなんだかんだで影響を受けた英語の先生三巨頭(國弘正雄倉谷直臣松本道弘)のうちのひとり、國弘先生ご推薦の本であるからして、とんちんかんな参考書では絶対にあるまい。さすが、漢文ならぬ英文の“只管朗読”を推奨なさる國弘先生お薦めだけあって、「声に出して読ませる」「書かせる」に力を入れているのは、学習参考書として絶対に正しいとおれも思う。

 まあ、姪はそもそも英語という言語そのものが生理的に嫌いなようなので、有効利用するとはとても思えないのだが、おれ自身の経験に照らすと、良書というものは、とにかく当座読もうが読むまいが、“それが手元にある”ということが非常に大事である。ふとしたタイミングで、汗を大量にかいたときに塩気のものが欲しくなるかのごとく、魔法のようにぱらぱらとめくってしまい、その真価に吸い寄せられるように気づくということがあるのである。不思議だが、ほんとうだ。こういう経験のある本読みは、当面読めないだろうなと思いつつも、本能が命じた本をとにかく買って手元に置いておきたがる。

 で、なんの話かというと、姪が英語が苦手なおかげで、おれは情報収集の過程でこの参考書を書いた先生、組田幸一郎氏のブログ「英語教育にもの申す」を発見し、しばしば覗かせてもらっている。学校英語教育の現場の方の声としてたいへん読み応えのある内容で、非常に勉強になる。まったく、姪のおかげだ。

 現時点での最新エントリー「この国は弱いものいじめが通るのか?」には、たいへん感銘を受けた。これは、安全圏からコメンテーターがほざいている台詞ではない。現職の教師が風当たりを承知で投げかけている勇気ある言葉なのだ――

 その一方で、教育長が辞職をしないのはどうして? 県の教育のトップが、「知らなかった」だけで、その職にとどまるのでしょうか。武士としての志が全く感じられない。そんな人間が、教育畑で偉くなっていくのって、ホントに良いんですか。
 教育委員は誰か辞めてはいないんですか? 
 秘書が口利きをしたといわれている議員が辞職しないのはどうして? 報道で名前が出てこなければ良いんですか? 結局は、秘書が行ったこと、自分は知らなかったで通すつもりなのだろうか。日本の政治って、所詮はこんなもんなんでしょうか。
 だいたい、今回の件は大分だけなのかい? そして、教員だけなのかい? 地方自治体の公務員にコネってないのかい? これについて、どうしようもないほどの、腹立たしさがあるけれど、あえて言うまい。
 しかし、組織的な矛盾について、若い教師が辞めることで、一件落着にしてはいけないだろう。

 いやあ、おれはこの先生、ますます好きになっちゃったよ。武士(もののふ)だね。「生涯一教諭のススメ」ってエントリーもしびれるぞ。なんか、これ読むと、教師の業界って、ソフトウェア業界にちょっと似てるな。

 もはや制度的にはぐちゃぐちゃと言ってもよいわが国の教育であるが、この先生みたいな方々が、上向きでも内向きでもなく、子供のほうだけを向いていらっしゃるかぎり、まだまだ日本も捨てたもんじゃないと、ちょっと安心するのである。痴漢とか盗撮とかで捕まってるバカも少なからずいるけどね。



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2008年7月16日 (水)

コンピューターおばあちゃんの死

'World's oldest blogger' dies at 108 (CNN.com)
http://edition.cnn.com/2008/WORLD/europe/07/14/oldest.blogger/index.html

(CNN) -- An Australian woman often described as the world's oldest blogger has died at the age of 108 after posting a final message about her ailing health but how she sang "a happy song, as I do every day."
Olive Riley died Saturday at a nursing home in New South Wales.
Riley posted more than 70 entries on her blog -- or "blob" as she jokingly called it -- since February 2007.
On the site, The Life of Riley, and in a series of videos post on YouTube, Riley mused on her day-to-day life. She also recounted living through two world wars and raising three children on her own while working as a cook and a bar maid.

(中略)

Riley was born in 1899 and would have turned 109 on October 20. She took up blogging at the suggestion of Mike Rubbo, who filmed a documentary on her life four years ago.
"First of all, I had to explain to her what a blog was and that took some doing," Rubbo said. "Then I got across the idea it was sort of a diary that she would share with the world.
"The reason for its popularity is that she was such a standout talent -- just so touching and funny and such a great story teller."

 おれはこの“世界最高齢ブロガー”のライリーおばあちゃん、この記事を読むまで知らなかったんだけど、いやあ、いいねえ。おれもこういうふうに死にたいもんだ。

 彼女がブログを書いていたのは、ほんの一年半足らず、わずか七十四エントリーを記しただけだ。それでも、彼女にとって、人生の最後に、世界中のいろんな人とこういう形で交流ができたことは、どんなにか新鮮な驚きだったことだろう。

 なにしろ、ライリーおばあちゃんは一八九九年に生まれているのだ。アインシュタインが特殊相対性理論を世に問うたのは、彼女が十六歳のときだということになる。そう考えるだけでも、彼女が経験してきたであろうことどもは、おれたちの想像を絶する。ライリーおばあちゃんは、おれたちには信じられないような、さまざまなものを見てきたにちがいない。Attack ships on fire off the shoulder of Orion. ...とかはさすがに見てないと思うが、それに相当するようなワンダーを経験してきていたのだろう。

 そんな彼女にとっても、百歳を超えた自分が個人用のコンピュータなどというものを使って世界中の人に向けて日記を書くと、見も知らぬ外国の人々が温かいコメントを寄せてくれるなどという出来事は、まるでむかし子供たちが読んでいた Amazing StoriesAstounding Science Fiction の中にいるかのようであったろう。ワンダーは未来の話にのみあるわけではもちろんない。こんなおばあちゃんの人生は、それそのものがワンダーの塊なのである。

 All those moments will be lost in time, like tears in rain. コンピューターおばあちゃん、バンザイ!



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2008年4月18日 (金)

お役に立てたかな?

 ひさびさに《ヘンな検索語》シリーズである。今回は、ヘンというより、ちょっと喜ばしい。

「花の木登り協会」

 年配の方はご存じであろうが、『花の木登り協会』というのは、三十年以上もむかしに出たイーデス・ハンソンの風刺小説。なるほど、「花の木登り協会」で Google 検索すると、このブログのエントリーもヒットするな。

 近年は本の shelf life (日本語で正しくどう呼ぶのか知らん)が極端に短い。つまり、新刊として棚に並んでいる時間が短い。極端な場合は、書店に並んだ次の日に返本されてしまうそうだ。そんな時代に、三十年以上前の本について手軽に調べられ、また、そんなものについてもの好きにも書いているやつ(というのは手前のことだが)がすぐ見つかる手段があるというのは、まことに喜ばしいことである。

 そんなむかしの本についてたまたま調べた人の役に、少しは立てたのだろうか。おじさん・おばさん、爺さん・婆さんは、新しいことについて書くのもいいが、生きているうちに、古いことを書いてウェブに公開しておくのも、総体としてのウェブの価値を高めるのではないかと思う。そりゃ、アクセスは少ないだろうけどさ、いつかどこかの誰かの役には立つわけだよ。「ホワイト・ノイズの中から意味を汲み出す個別の利用者を想定したとき、はじめて個別に価値が生じる」のだ。

 アクセス数獲得に死ぬほど血道を上げるというのもひとつだろうけどさ、「いつかどこかの誰かの役には立つ」と信じて、気長にのんびりまったりとむかし話を遺しておくのも、またブログのひとつのありかただろうと思うわけなのよのさ(なぜピノコ語)。



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2008年4月16日 (水)

生きた、書いた、死んだ

米国で著名ブロガー死亡相次ぐ 日本でも「ドクターストップ」発生 (J-CASTニュース)
http://www.j-cast.com/2008/04/10018844.html

「ドクターストップ」がかかった著名ブロガーが国内にもいた。自身のブログのページビューが年間950万ほどにまで成長した経済学者の池田信夫さんは、
「プレッシャーはありますよ。月間100万アクセスを超えた辺りから、寝られない日が続き、医者にブログをやめろと言われて…。もう、どうしようもないコメントやスパムとかノイズが凄く飛んでくるんですよ。私はこういったものについて気にしない方なんですが、さすがにストレスになってきています」
と明かす。池田さんは、ストレスを抱えながらも、雑誌に掲載されるよりも社会的に影響力のある情報をいち早く掲載できるメリットがあるとして、ブログの運営は続けていく意向だ。

 うわあ、たいへんだなあ。まあ、池田氏は、アメリカの専業ブロガーとはちがって、学者としての情報発信に貴重な媒体だと意義を感じて運営なさっているんだろうから、ただただスクープを競ってブログで食っている人たちとはまたストレスの質がちがうだろうとは思うが、それでもたいへんだろうなあ。

 その点、ウチなんかは気楽なもんである。年間100万アクセスなんてのは夢の夢だ。せいぜい多いときで月間3万くらいだから、浮き沈みを考えると、ざっくり年間30万くらいか。楽しみでやっているものがストレスになってはたまらん。なんであれ、仕事にしちゃうとたいへんなのだ。

 ま、「人生の意味」を検索してやってくる人に、それは「42」だと答えているようでは、まちがったって年間100万アクセスにはならんと思うから、その点では安心だ。



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2008年3月 8日 (土)

CGMの資産価値

 昨日ネタにした mixi の規約改定騒ぎだが、おれはたぶん mixi の法務担当者がとんでもなく顧客視点を欠いたアホか、そもそも法務担当がいないのであろうと推測している。つまり、mixi の今回の大ボケは、mixi がいよいよ肥らせたユーザを取って食おうと、かねてから周到に研いでいた邪悪な牙を剥いたなどという上等な事件ではなく、単に mixi が上場企業としては信じられないレベルの幼稚な体制しか持っていない(下手すると、笠原社長は新規約を見てもいない)といった程度の、“はらほろひれはれ”なポカミスなのではないかと疑っているのだ。新規約とやらは、若造が適当にコピペして作ったのではないかとすら思っている。

 でも、もしそうではなく、一応ちゃんと考えて作って発表したのだとしたら、mixi はいわゆるCGM(Consumer-Generated Media ……って言葉は英語圏ではあんまり使われていないみたいなんだが)というものをまったく理解せずにそう呼ばれるサービスをうっかり提供してしまっているのではないかと思われる。

 今回の事件を機に、CGMなるものの資産価値は那辺にあるのかを、改めて考えさせられた。ユーザが作ったコンテンツに資産としての価値があるのか? いや、ちがうちがう。そう勘ちがいしがちだが、そうではない。コンテンツは、CGMの副産物あるいは老廃物にすぎないのではあるまいか――そう考えてゆくと、CGMの本質は、昨年のベストセラーにちゃんと書いてあった。なにしろベストセラーであるから、相当多くの人がすでに読んでいるはずなのだ。ちょっと長くなるが、あえて引用しよう。これこそ、CGMの本質、CGMの価値である。

 さらにシェーンハイマーは、投与された重窒素アミノ酸が、身体のタンパク質中の同一種のアミノ酸と入れ替わったのかどうかを確かめてみた。つまりロイシンはロイシンと置き換わったかどうかを調べたのである。
 ネズミの組織のタンパク質を回収し、それを加水分解してバラバラのアミノ酸にする。二十種のアミノ酸をその性質の差によってさらに分別する。そして各アミノ酸について、重窒素が含まれているかどうかを質量分析計にかけて解析した。確かに実験後、ネズミのロイシンには重窒素が含まれていた。しかし、重窒素を含んでいるのはロイシンだけではなかった。他のアミノ酸、すなわち、グリシンにもチロシンにもグルタミン酸などにも重窒素が含まれていた。
 体内に取り込まれたアミノ酸(この場合はロイシン)は、さらに細かく分断されて、あらためて再分配され、各アミノ酸を再構成していたのだ。それがいちいちタンパク質に組み上げられる。つまり、絶え間なく分解されて入れ替わっているのはアミノ酸よりもさらに下位の分子レベルということになる。これはまったく驚くべきことだった。
 外から来た重窒素アミノ酸は分解されつつ再構成されて、ネズミの身体の中をまさにくまなく通り過ぎていったのである。しかし、通り過ぎたという表現は正確ではない。なぜなら、そこには物質が「通り過ぎる」べき入れ物があったわけではなく、ここで入れ物と呼んでいるもの自体を、通り過ぎつつある物質が、一時、形作っていたにすぎないからである。
 つまりここにあるのは、流れそのものでしかない。

―― 『生物と無生物のあいだ』(福岡伸一/講談社現代新書)

 ユーザが作ったコンテンツがCGMの資産価値だと思うのは、アミノ酸やタンパク質やDNAに蓄えられている情報が生命の本質だと思い込むようなものだ。ちゃうちゃう。そこにある“流れそのもの”がCGMの資産価値なのである。

 CGM(って言葉自体、おれはあんまり好きじゃないけど)を“マネタイズ”したいと考える企業家たちは、基礎教養として生物学を学ぶべきではないかとすら、おれは本気で思う。うまくすれば、大腸菌に人間にとって有益な物質を作り続けさせたり、DNAに演算をさせたりするようなことが、CGMを利用したビジネスモデルにも可能であるかもしれないじゃないか。



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2008年2月28日 (木)

おれのブログはいくら?

 「見つからないblogの価値、100万ドル以上!?」404 Blog Not Found)でネタになってるのを見て、おれもさっそく How Much is Your Blog Worth?Dane Carlson's Business Opportunities Weblog)で、このブログの価値を測定(?)してみた―― Your blog, ray-fuyuki.air-nifty.com/, is worth $0.00

 $0.00 てことは、えーと、現在の為替レートで日本円に換算してみると……〇円ということだな。いやまあ、そこいらへんだろうと思ってはいたが、せめて十円くらいはつけてくれよ。暇つぶしくらいの価値はあってほしいよなあ。

 もののついでに、できるだけ高値がつきそうなブログで試してみたところ、The Official Google Blog は、$5,008,598.88 を叩き出した。どんな計算をしているのか知らんが、なんだかすげー。脳内メーカー脳の中が全部「H」になったくらいの感動がある。もう少し頑張れば、スティーブ・オースティンが買えるぞ。いまのままでも、バイオニック・ジェミーくらいは買えるかもしれん(ジェミーはいくらかかってるんだっけ? なんとなく、目のほうが耳よりも高くつきそうに思うんだが……)。

 きっと、なんだかんだ言っても、英語サイトは有利なんだろうなあ。Steve RubelMicro Persuasion で試してみると、$1,537,806.96 と出た。うーむ、やっぱり技術系やマーケティング系は強い。

 『特殊清掃「戦う男たち」』$181,217.34 と大健闘。『岸部シローの四郎マンション』$114,037.08 !! えーと、今日は一ドル一〇六円として……ざっと千二百万円強か。うーむ、岸部シローさんにこの結果をお教えするべきかどうか悩みますなあ。あくまでこの概算システムの査定であって、ほんとにその値段で買う人がいるかどうかは別問題だし……。もし売ってしまったら、金の卵を産むガチョウを殺して腹を割くようなことになりかねない。やっぱり黙っておこう。



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2008年1月25日 (金)

機械時蝿は電気矢を好むか?

 このブログへのアクセスをチェックしていると、なんとも不可解なところからのアクセスが見つかった。ここなんだが、つまり、このブログを自動翻訳サービスでわざわざ英語に訳して読んでくれた方がいらっしゃるわけである。常連読者に海外在住の日本人の方がけっこういらっしゃるのはメールやコメントを頂戴したりするので把握しているんだが、その方々は当然日本語が読める。一日に数千、数万のアクセスがあるような人気ブログでもなし、海外でも名が知られているような有名人がやってるわけでもなし、英語のコンテンツがあるわけでもなし(本拠地のほうにひとつだけあるけど)、いったいなにを求めて英語しか読めないらしい方がこんなものをわざわざ英語に訳して読んでくださっているのか、よくわからない。ありがたいといえばまことにありがたいのだが、なんとも不可思議である。

 またこの自動翻訳サービスの性能がすさまじいんだなあ。なにを話題にしているのかがおぼろげながら掴める程度で、噴き出してしまうような怪訳に仕上がっている。「(月)」だの「(火)」だのといった表記は、近辺に日付けがあるんだから、曜日を指していると解釈するようなアルゴリズムは簡単に組めそうなものだ。「(month)」「(fire)」ってなんだよ、そりゃ。「The male be completed the book」って?? ああ、そうか、「おす」「すめ」「本」か。辞書が貧弱という以前に、形態素解析がむちゃくちゃである。

 「winter tree 蛉」ってのは、まあ人名としては使用頻度の高い漢字じゃないからいたしかたないとしても、コメントをくださっている「ふ fairway」さんとか「forest 譲」さんって誰? そうか、な、なるほど、「ふ 澪」「林 譲」か。どこで切っとるんじゃ。そもそも、「治」はどこへ行った、「治」は? まあ、「forest 譲」って、ちょっとかっこいいかも?

 なんといっても、最高傑作は「Oven person Hiroshi」だなあ。「かま」「やつ」「ひろし」か。なんだかゲルショッカー系の怪人みたいだ。

 機械翻訳は難しい。ともあれ、翻訳してまで読んでくださった方、ありがとうございます。



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