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2012年4月 8日 (日)

ノンアルコールビール補完計画

 酒飲みのおれは、ノンアルコールビールなどというものの存在意義がいまひとつよくわからなかったのだが、先日、たまたまアサヒのドライゼロというのを飲んでみて、「なるほど、これは悪くない。酒とは異なる、なにかさわやかな飲みものだ」と、いささか認識を改めた。

 で、ときどきドライゼロを買うのだが、さっき冷蔵庫に一本残っていたドライゼロの缶がふと目に入ったとき、おれの中にひとつの根源的な問いが生まれた。

 「こいつはたしかにうまい。しかし、こいつには、なにかが足りない……」

 しばし考えたおれは、答えに到達し、膝を叩いた。

 「……そうだ、アルコールだ!」

 そこでおれは愛用の焼酎カップを取り出した。こいつは、カップの中がふたつに分かれていて、焼酎6:お湯4のお湯割りが簡単に作れるスグレモノである。

 おれはまず、ノンアルコールのドライゼロをカップに注ぎ、そこに芋焼酎を注ぎ足した。芋焼酎6:ノンアルコールビール4というベスト(?)な比率だ。

 ここに、ノンアルコールビールの大きな欠点であるところの「アルコールが入っていない」ということをみごとに焼酎がカバーしてくれる理想的(??)なカクテルが誕生したのである。なんと名づけたものだろう? ま、テキトーに「ノンアルビルチュー」とでも呼んでおこう。

 このノンアルビルチュー、どんな味かというと、ほんのり芋の香りのするビール(あたりまえだ)といった感じだ。なにやら、おれは非常に遠回りなことをしているような気もしないではない。それはたとえば、最新のお掃除ロボットが発売されるというので商品発表会へ出かけてみたら、竹箒を持ったASIMOがレレレのおじさんのように床を掃いていたのを見たかのような徒労感にも通じる感慨なのだが、なあに、人間、なにごともまずやってみることが大切だ。

 ま、とにもかくにも、これから、いろいろな酒をノンアルコールビールで割ってみるという楽しみができたわい。かつて、バービカンという最初のノンアルコールビールが出たときに試しに飲んでみたところ、そのあまりのまずさに驚愕したものだが、昨今のノンアルコールビールは、なかなかバカにできない味なのである。ノンアルコールビールという、ちゃんと飲める飲料の一ジャンルを確立しつつある。であれば、ノンアルコールビールでさまざまなドリンクを割ってみるというのは、やってみる価値のあることだ。

 さしあたり、ノンアルコールビールで芋焼酎を割るというのはやってみたが、次は、ノンアルコールビールでレッドアイを作ってみたい。つまり、ノンアルコールビールのトマトジュース割りである。それだけではアルコールがまったくないので、ノンアルコールビールのトマトジュース割りに芋焼酎でも足してみるか? ともかく、人類にはまだまだ未知の酒の飲みかたが残されている。

 ちなみに、ビールのトマトジュース割りであるレッドアイなるカクテルは、どうやらカナダ発祥らしいのだが、吉行淳之介が非常に好んでいた飲みかたである。彼はこれを「アンネカクテル」などと呼び(作ってみればわかる)顰蹙を買っていたそうであるが、おれは吉行淳之介にいいものを教えてもらったと、いまだに感謝している。レッドアイは、ビールの苦味を消し、トマトジュースの青臭さを消す。つまり、ビールもトマトジュースも苦手な人でも、レッドアイなら飲めるという奇妙なカクテルなのである。

 これに類することって、きっといろいろあるんだろうなと思いつつ、おれはいつもレッドアイを飲んでいる。SFは嫌いだし、純文学も嫌いだけど、神林長平や円城塔は好きだとか、そういう人がいそうな気もするんだねー。

Dryzerochu_2


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