« 2012年3月 | トップページ | 2012年5月 »

2012年4月の3件の記事

2012年4月23日 (月)

怒りのあまり暴徒と化した場合の心がけ

 おれは、まず脱原発をゴールとしっかり決定し、それが完了するまでのあいだは、危険性の少ない炉から博打を打って再稼働しろ(どのみち、動いていようが止まっていようが、廃炉を完了しないかぎり、危険性は大きくは変わらない)という考えだが、今回の大飯再稼働の政府の手順はあまりにもむちゃくちゃで、たいへん心配している。

 なにを心配しているかというと、もし大飯でまた福島に匹敵するようなことが起こったら、さすがにおとなしい日本人も黙っていないだろうということだ。そらみたことかという怒りのあまりに感情の箍が外れた一部の人々が暴徒と化し、今回むちゃくちゃな手順で再稼働を推し進めた政治家どもを吊るしにかかるだろう。事故の翌朝には、野田仙谷枝野細野はズタボロの肉塊と化し、ムッソリーニのように永田町の路傍に逆さ吊りにされていることだろう。道行く人はその肉塊に石ころや人糞を投げつけてゆくかもしれない。

 まあ、不誠実な嘘つき政治家どもはべつに吊るされてもいいのだが、おれがほんとうに心配しているのは、原子力関係の科学者や技術者たちである。民衆が怒りにまかせて彼らまで吊るしてしまったら、直近の事故に対処できる人材が減るし、廃炉のために働いてもらわねばならない人材も減る。そうなったら、もうどうしようもない。

 だから、これからもし、政治家がめちゃくちゃな手順で強引に再稼働した炉になにかあっても、そりゃまあ、お怒りになるのはごもっともだが、科学者や技術者は軽々に吊るしたりしないでほしい。その怒りは、政治家や官僚に向けてほしい。腹立たしいことではあるが、学者や技術者たちには、ケツを拭いてもらわなくてはならない。何十年かかるかわからないが、きちんと全炉を廃炉にするには、たとえこれから原発事故が何回か起こったあとであっても、ちゃんと原子力分野の学者や技術者を新たに養成してゆかねばならないのだ。現状レベルの政治家の代わりなんていくらでもいるが、社会から白い目で見られながら、終わってゆく分野に一生を捧げようと研究・研鑽してくれる科学者や技術者は、今後はそうそう出てこない。かけがえのない存在だ。

 というわけで、もしあなたが暴徒と化した場合でも、たまたま目に入った科学者や技術者の脳天をかち割ろうと振りかぶったゲバ棒(いつの言葉だよ)をぐっとこらえて、嘘つき政治家や自己保身官僚のほうに振り下ろしていただきたい。


| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年4月 8日 (日)

ノンアルコールビール補完計画

 酒飲みのおれは、ノンアルコールビールなどというものの存在意義がいまひとつよくわからなかったのだが、先日、たまたまアサヒのドライゼロというのを飲んでみて、「なるほど、これは悪くない。酒とは異なる、なにかさわやかな飲みものだ」と、いささか認識を改めた。

 で、ときどきドライゼロを買うのだが、さっき冷蔵庫に一本残っていたドライゼロの缶がふと目に入ったとき、おれの中にひとつの根源的な問いが生まれた。

 「こいつはたしかにうまい。しかし、こいつには、なにかが足りない……」

 しばし考えたおれは、答えに到達し、膝を叩いた。

 「……そうだ、アルコールだ!」

 そこでおれは愛用の焼酎カップを取り出した。こいつは、カップの中がふたつに分かれていて、焼酎6:お湯4のお湯割りが簡単に作れるスグレモノである。

 おれはまず、ノンアルコールのドライゼロをカップに注ぎ、そこに芋焼酎を注ぎ足した。芋焼酎6:ノンアルコールビール4というベスト(?)な比率だ。

 ここに、ノンアルコールビールの大きな欠点であるところの「アルコールが入っていない」ということをみごとに焼酎がカバーしてくれる理想的(??)なカクテルが誕生したのである。なんと名づけたものだろう? ま、テキトーに「ノンアルビルチュー」とでも呼んでおこう。

 このノンアルビルチュー、どんな味かというと、ほんのり芋の香りのするビール(あたりまえだ)といった感じだ。なにやら、おれは非常に遠回りなことをしているような気もしないではない。それはたとえば、最新のお掃除ロボットが発売されるというので商品発表会へ出かけてみたら、竹箒を持ったASIMOがレレレのおじさんのように床を掃いていたのを見たかのような徒労感にも通じる感慨なのだが、なあに、人間、なにごともまずやってみることが大切だ。

 ま、とにもかくにも、これから、いろいろな酒をノンアルコールビールで割ってみるという楽しみができたわい。かつて、バービカンという最初のノンアルコールビールが出たときに試しに飲んでみたところ、そのあまりのまずさに驚愕したものだが、昨今のノンアルコールビールは、なかなかバカにできない味なのである。ノンアルコールビールという、ちゃんと飲める飲料の一ジャンルを確立しつつある。であれば、ノンアルコールビールでさまざまなドリンクを割ってみるというのは、やってみる価値のあることだ。

 さしあたり、ノンアルコールビールで芋焼酎を割るというのはやってみたが、次は、ノンアルコールビールでレッドアイを作ってみたい。つまり、ノンアルコールビールのトマトジュース割りである。それだけではアルコールがまったくないので、ノンアルコールビールのトマトジュース割りに芋焼酎でも足してみるか? ともかく、人類にはまだまだ未知の酒の飲みかたが残されている。

 ちなみに、ビールのトマトジュース割りであるレッドアイなるカクテルは、どうやらカナダ発祥らしいのだが、吉行淳之介が非常に好んでいた飲みかたである。彼はこれを「アンネカクテル」などと呼び(作ってみればわかる)顰蹙を買っていたそうであるが、おれは吉行淳之介にいいものを教えてもらったと、いまだに感謝している。レッドアイは、ビールの苦味を消し、トマトジュースの青臭さを消す。つまり、ビールもトマトジュースも苦手な人でも、レッドアイなら飲めるという奇妙なカクテルなのである。

 これに類することって、きっといろいろあるんだろうなと思いつつ、おれはいつもレッドアイを飲んでいる。SFは嫌いだし、純文学も嫌いだけど、神林長平や円城塔は好きだとか、そういう人がいそうな気もするんだねー。

Dryzerochu_2


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年4月 3日 (火)

今月の言葉

枯SANSUI

 山水電気は四月二日、東京地方裁判所に民事再生手続開始の申し立てを行ない、同日に受理されたと発表。

 SANSUIっつったら、まず手の出ない高級オーディオ機器(とくにアンプ)というイメージだったよなあ。

 ♪山川草木 敵味方~ 栄枯盛衰 夢の間も~


| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年3月 | トップページ | 2012年5月 »