Missing K's
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先日の『小島慶子 キラ☆キラ』で、映画評論家の町山智浩氏がアメリカで上映中の Fair Game という映画を紹介していた。(映画公式サイトはこちら)
この原作本は、元CIAの女性秘密工作員が書いたもので、CIAの検閲によって「むかしの日本の終戦直後の教科書みたい」((C)町山智浩)なありさまになっており、あちこち黒塗りだらけというすさまじいものらしい。裏返すと、「書いてもいい」とCIAが許してくれた部分だけが堂々と出版されているわけで、CIA公認の暴露本と考えてもよいのだ。
面白そうなので、先日 kindle
を買ったのをよいことに、さっそく原作の kindle 版を買ってみた。安いなあ。個人の消費者にとっては、円高万々歳である。
紙版は墨塗り教科書みたいだということだが、電子書籍はどうなのかとパラパラ見てみると、こんな感じ――
[Text has been redacted here.] but I thought if it didn't pan out, I could find something on Capitol Hill or in the Peace Corps. In the meantime, I found a job as a management trainee with a [Text has been redacted here.] Washington department store [Text has been redacted here.].
なにやら朝比奈みくるが書いたかのような独特の味わいが捨て難い。紙では出せない電子書籍の味とでも申しましょうか。丸谷才一の「年の残り」のようでもあり、筒井康隆の「弁天さま」のようでもある(そうかぁ?)。まあ、電子書籍でも■■■■■■■■■■■■■■とでもすれば、それなりに紙の黒塗りの真似はできるだろうけどなあ。
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むかーしむかし、おれが子供のころ、トイレには花子さんもいなければ、それはそれはきれいな女神様もいなかった。汲み取り式だったアパートの一階のトイレには、べつのものがいたのだ。
カマドウマである。いや、「カマドウマ」などというのは、あとから図鑑で知った“よそゆき”の呼称であって、関西の人間はみな、日常的にはアレを「便所コオロギ」と呼び慣わしていた。そう呼ばれるほど、汲み取り式の便所の周辺には、決まって見かけたものだった。
それにしても、カマドウマのほうにしてみれば、いい迷惑である。公式に呼ばれたとしても、馬でもないのに「竈馬」と呼ばれ、俗に呼ばれたとしても、コオロギでもないのに「便所コオロギ」と呼ばれる。常に、自分はなにかの“パチもん”であるかのように呼ばれるのだ。
まあ、たしかに昆虫のくせに翅が全然ないところが、ゴキブリの幼虫のでかいやつのような印象を与え、遭遇するとかなり不気味ではあるが、人間に実害がさほどあるわけでもない。なのに、まるで害虫であるかのように、駆除の対象になったりする。じつに気の毒なやつらではある。
カマドウマを自宅のトイレ付近に見かけたような世代は、たぶん都市部なら四十代以上、田舎なら三十代以上くらいじゃないかと思うが、植村花菜がカマドウマをトイレで見たことがあるかどうかはさだかでない。でも、彼女もベタベタの関西だし、年齢的にはギリギリ「便所コオロギ」って言いかたが通じるんじゃないかなあ。
植村花菜が『大竹まこと ゴールデンラジオ』にゲスト出演したとき、「最近、いちばん嬉しかったことはなんだったか?」と問われて、「『探偵!ナイトスクープ』に出られたこと」と答えていたのは、じつに微笑ましかった。「ああ、このコは、ほんまに関西のコぉや」と、ポッドキャストで聴きながら大笑いしそうになった。
ひょっとしたら、植村花菜は、紅白歌合戦に出られることよりも、『探偵!ナイトスクープ』に出られたことのほうが、じつは内心嬉しいんじゃないかと思ったりする。きっと、彼女のお婆ちゃんも、生きていたらそう思うんじゃなかろうか。
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先日ツイートしたんだが、やはり我ながら名作だと思うものはブログにも記録しておかねばなるまい。「○○と××くらいちがう」シリーズである――
一時期は毎週六車奈々の声を聴いていたというのに、なぜこれを思いつかなかったのだろう。関西人として申しわけない。
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▼「内部告発はマスコミ使って」 朝日記者ツイートに異論続々 (J-CASTニュース)
http://www.j-cast.com/2010/11/12080758.html
尖閣ビデオのネット流出に危機感を持ったという朝日新聞の記者が、ツイッターで、内部告発のマスコミ利用を呼びかけている。「ネットを使うと足が付いてしまう」と主張する一方で、マスコミはネタ元保護にノウハウがある、などのメリットを挙げている。しかし、ネット上では、異論が相次いでいる。
いやもう、このところ、どんなお笑い番組以上に、この記事には大爆笑してしまったよ。朝日新聞の記者ってのは、どこまでおめでたいんだろうね。お坊ちゃんとしか、言いようがないよね。いわゆる“記者クラブメディア”が、国民にそこまで信用されているとでも思っているんだろうか? 先日、古舘伊知郎が、尖閣映像がまずネットに流れたことに「くやしい」とか言ってたときにも、おれはテレビを観ながら、転げまわってケタケタ笑っていたんだが、古舘にしろこの記者にしろ、なんなんだよ、この“上から目線”はよ?
あのなー、あんたらのメディアのほうが、もはや凋落しつつあるのだよ。そんなこともわからんのか? あんたらのメディアのいまのエライさんたちは、官房機密費もらって、ジャーナリストのふりして、ずっと政府の犬として情報操作してた人たちなんじゃないの? なにをいまさら、バカなことを言ってるんだ、神田大介さん。そんな、まるでジャーナリストみたいな問題意識があるんなら、とっとと朝日新聞なんか辞めて、フリーとして活動しなさいよ。
百歩譲って、どうしても新聞にタレ込むとしたら、おれなら、ちゃんとしたジャーナリズムを叩き込まれている The New York Times とか、アメリカの新聞にタレ込むよ。常識だろ、そんなの、神田さん。日本の大新聞にタレ込んでも、そんなの、政府にタレ込んでるのと一緒だよ、神田さん。握り潰されちゃうよ。
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▼ビデオ流出 「逮捕しないで」海保に電話やメール相次ぐ (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/1110/OSK201011100082.html
ビデオ映像の流出問題をめぐり、第5管区海上保安本部には10日、午後2時までに約300件の電話やメールが届いた。神戸海上保安部にも同日午後7時までに約120件の電話と約240通のメールがあったという。
5管と神戸海保の関係者によると、「(流出への関与を告白した海上保安官は)間違ったことはしていない」「逮捕はしないでほしい」「(流出行為の)犯人捜しをやめてほしい」といった保安官を激励する内容がほとんどで、批判や抗議は少ないという。
おれもいままでこのブログで、自分のことを棚にあげてずいぶんと世の嘆かわしきことどもについてぼやいてきたが、これはもう、近来稀に見る嘆かわしさである。というか、このところ起きたどんな事件よりも、「日本という国は、ほんとうにやばいのではないか」と背筋が寒くなった報道である。
「間違ったことはしていない」――って、しとるわい! 海上保安官は国家公務員じゃ! 職務上知り得た秘密を勝手に公開していいはずがなかろう。明々白々たる国家公務員法違反だ。それは、阿呆な政府が最初から公開すべきものを秘密にしたということとは、まったく関係がない大罪である。これがどれくらい度し難い犯罪かというと、国民が選挙で選んだ人々よりも、たかが試験に受かっただけの公僕風情のほうが、より本質的に“正義”を行う能力があるし、そうしてもよいのだと勘ちがいしている点において、民主主義をその根幹から否定する大罪である。
「逮捕はしないでほしい」――って、アホか、犯罪者なのだから、逮捕されてもしかたがない。ましてや当該の犯罪者は、国家公務員の職務上の権限で知り得た、ほかのどんな秘密をさらに公開するかわかったものではない状況である。それはあなたの個人情報であるかもしれないし、国益を著しく損じる防衛上の機密かもしれん。“おれの正義”がなにものにも優先するという思想の持ち主であることは容易に推測されるからには、一刻も早く身柄を拘束すべきだ。
「犯人捜しをやめてほしい」――めでたいやつだ。将来、おれがあんたの大事な人を殺したり、財産を奪ったりしたときにも、同じように警察に嘆願してもらいたいものである。
そりゃあ、国家公務員が、そのときどきの阿呆な政府のやることに不満を抱くこともあろう。だが、それは国家公務員という職業に当然伴なう不満である。それが厭なら、国家公務員になどならねばいいだけの話だ。国家公務員として禄を食み、その名誉に浴して生きてきたのであれば、その不満を抱えつつも、公僕としてあるべき行動を取るのが当然のことである。
おれがもし、なにかのまちがいで国家公務員であって、今回のいわゆる“尖閣映像”を入手できる立場にあったとしたら、おれはきっと以下のように行動する。
(1)実名と職業・立場をあきらかにし YouTube に投稿する。
(2)投稿した旨を Twitter でツイートする。
(3)映像の情報が充分にゆきわたり、まず隠蔽が不可能な状態になったことを確認してから、職場への辞表を投函する。
(4)最寄の警察署に出頭し自首、自分のしたことをつぶさに包み隠さず報告し、捜査の手間を省く。
(5)予定どおり辞表は受理されず、自分が懲戒免職になることを従容として受け止め、懲戒免職してくれたことに「ありがとうございました」と頭を下げる。
これが、おのれの信ずる義によって法を冒そうとする国家公務員の正しい行動だろう。国家公務員の身分であることで得られるおいしいとこ取りをしつつ、正義の味方ごっこをしようとするのは、ただ意地汚いだけであり、義士の行動ではない。国家公務員が義憤によってその身分にあるまじきことを行なおうとする場合は、叛逆者、国賊のそしりをあまんじて、否、すすんで受けてこそ、その行動には価値があると言えよう。
今回情報を漏洩した主任航海士はきちんと逮捕し、懲戒免職にすべきである。こうした思想の持ち主を、二度と国家公務員にしてはならない。かえすがえすも残念なのは、この主任航海士が、みずからの職を賭して最初から堂々と実名で犯罪を行わなかったことである。おれはやはり、田母神俊雄元航空幕僚長を批判したのとまったく同じ考えかたで、この主任航海士を批判せざるを得ない――「しかし、田母神氏もあんまり褒められたもんじゃない。そんなふうに思いつつ面従腹背を続け空自のトップにまで昇りつめるというのは、サムライとして潔くないのではないか? 退職金が欲しかったからだとしか思われない。あなたがほんとうのサムライならば、とっとと自衛隊を辞めて、そのような言論活動を以て、世間に自分の思想をぶつけるのが本筋であったはずだ。退職ギリギリになって、鬱憤を晴らすかのように開き直るのは、サムライらしくない。あんたも卑しい」
でもまあ、いつかどこかで、罪を償って社会復帰したこの元主任航海士に会うようなことがあれば、おれはひとこと言ってやりたいな――「あのときは、よくやってくれた」
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