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2009年9月26日 (土)

職業病

 「いたたたた」
 「ああ、これは凝ってますねえ。ふんっ! ひどく凝ってるなあ。なにか非常に緊張を強いられるお仕事なんですか?」
 「え、ええ、秒単位で」
 「それはたいへんですねえ……おや、背骨も頸椎もかなり歪んでますね。妙に左にずれてるな」
 「そ、そうですか」
 「頸がとくにヘンだな……左上のほうをしょっちゅう見上げてでてもいないと、こんなふうにはならないはずなんだが」
 「え、ええ、そういう仕事でした。それも今日まででしたんで、肩の荷が下りた気持ちです」
 「そうですか、お疲れさまでした」
 「あ、そこ、いいです。痛いけどいいです」
 「ちょっと歪みを直しておきましょう――ふんっ!」
 「あぎっ!」
 「……ほら、まっすぐになりました」 
 「あ、なんか軽くなったような……ありがとうございます」
 「あと二、三回通ってください。貼り薬を出しておきますね」


 「えーと、この湿布薬は、と……。滝川さ~ん、滝川クリステルさ~ん」



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