核兵器の唯一の使いみち
▼地球への天体衝突、監視できない…NASA、予算不足で (asahi.com)
http://www.asahi.com/science/update/0815/TKY200908150103.html
【ワシントン=勝田敏彦】米航空宇宙局(NASA)が行っている地球に接近する小惑星や彗星(すいせい)を監視する活動は、予算不足で目標達成が不可能になっていることが、米科学アカデミーの委員会の調査でわかった。同アカデミーが12日、暫定報告書を公表した。
NASAは2020年までに、地球の軌道近くを通過する140メートル以上の大きさの天体の9割以上を検出できる体制を整備することが、05年の法律で義務づけられている。また、十分な体制を作れば目標達成が可能であることもNASAの研究でわかっている。
報告書によると、97年にNASAの天体監視の予算は年間約100万ドル(9500万円)あった。しかし、99年に160万ドル(約1億5千万円)の予算が計上されたのを最後に、その後の予算がなくなった。現在はほかの予算からの流用が続いている状況で、必要な数の望遠鏡を整備できないため、この目標の達成は不可能と結論づけた。
また報告書は、こうした監視活動を政府レベルで行っているのは米国だけで、カナダとドイツが組み立て中の衛星も、地上からの観測と同程度の性能しか出ないとしている。
小惑星などの天体衝突は、約6500万年前の恐竜絶滅の引き金になったとの説が有力。 米プリンストン大が01年に発表した研究によると、地球の文明が破壊されるほどの天体衝突が今後100年間に起きる確率は5千分の1とされている。
おれが核兵器の廃絶に反対する唯一の理由がこれである。充分な知能を備えた種属であれば、核兵器を同胞に対して用いるなど論外であって、そんな用途を心配する必要などないはずだ。核兵器の打ち合いをして滅びてしまうような種属であれば、そりゃその程度の種属であったということにすぎず、むしろ滅びるのが理にかなったことであろう。
しかし、自然災害に対して自分たちを守る強力な武器としては、高級な種属でも核兵器は持っているべきである。「地球の文明が破壊されるほどの天体衝突が今後100年間に起きる確率は5千分の1」だということだが、だとすると、国のひとつやふたつが壊滅する程度の衝突が起きる確率はもっとずっと高いわけである。故アーサー・C・クラークは、この問題について真剣に憂えていた。まことクラークらしく、じつに合理的である。同じ種属同士で核兵器を突きつけ合って脅し合っているというのに、宇宙からの充分に確率の高い脅威に対して無防備であるというのは、まことに情けないことだ。クラークの『神の鉄槌』や、映画の『ディープ・インパクト』
のようなことは、いまから百年間にあなたが宝くじで一億円当てるよりもずっと高い確率で起こるのだぜ。
まあ、適当な大きさの小惑星なり隕石なりが、北朝鮮にピンポイントで落ちてくれんかなとちょっと思ったりもするのだが、おれがそんなことを思っていること自体、おれの属する種属はたいした種属ではないのだろうなとも思うのよな。「あの阿呆どもは、仲間同士で核兵器を突きつけ合っていたくせに、たかだか小石のひとつも迎撃できずにあっさり滅びました」と、『宇宙もの笑い列伝』に記録されないことを祈るばかりだ。
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コメント
「えっ、君たちは自分の惑星の軌道も変えられないのか」なんてことを、ペガッサ市民に言われたときは、子供心にかなりショックでしたね。
投稿: 北野勇作 | 2009年8月18日 (火) 12時31分
「神の鉄槌」確か核兵器は忘れられたテクノロジーになってましたよね
地球の軌道を変えること-太陽の寿命が尽きる頃にはできるようになると信じたいです(何年先?)
投稿: 村上 | 2009年8月18日 (火) 13時58分
核兵器技術と天体観測技術とどちらが失われた技術になる可能性が高いだろう。
投稿: 林 譲治 | 2009年8月18日 (火) 17時12分
でも自分達の惑星の軌道も変えられない程度の低い文明レベルの人類ごときにペガッサ市を破壊することなんて出来る訳が無い、と高をくくっていたらあっさり破壊されてしまうわけですね。
とか言っても恐らく小惑星の破壊なら「ツァーリボンバ」以上のクラスが必要だろうと思うけど、今やそんな高威力の核兵器は何処も持って無いんだよな。
投稿: 超時空漫才 | 2009年8月19日 (水) 02時19分