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2009年8月26日 (水)

聴きたかったなあ、細田幹事長の話

 おれはポッドキャストで愛聴している『大竹まこと ゴールデンラジオ』(文化放送)だが、このところなにやら寂しい。ポッドキャストで配信されているのは「オープニング」「大竹メインディッシュ」「大竹紳士交遊録」の三コーナーだが、その名のとおり“メインディッシュ”のコーナーが、このところ配信されず“歯抜け”になっていることが多い。

 理由はあきらかで、政治家が来てしゃべる日の「大竹メインディッシュ」は、公示から投票日までのあいだ、リアルタイムで電波に乗せて放送できるというのに、ポッドキャストでは配信できないからだろう。というか、ポッドキャストで配信していいとも悪いとも公職選挙法には書いてないわけだから、やってみたってよさそうなもんだが、大事を取って誰も最初に氷を割ろうとしない。そもそも五十九年もむかしにできた法律に、そんなことが想定されているはずがない。なんでこんなのをずっと放っておくんだろうね? そういえば、先日、社民党の保坂展人が、テレビ出演を機に公職選挙法を改めて調べていて、そのあまりにもシュールな規定に驚いていたっけな。政治家だって、なんとなく慣習的にこれはやってもいい、これはいけないといった経験則を踏襲しているだけの人が多いようで、いまこの時代に改めて条文を読むと、あまりの奇ッ怪さに仰天するようだ。

つまりは、「連呼行為」は禁止だけれど、例外規定として走行中の自動車の車中では許されていると書いてあり、逆に「政策を訴える」などの演説などは停車中にのみ認められていたのだ。
「選挙運動のために使用される自動車の上において」「選挙運動をすることが出来ない」というのは、日本語として成立していないようにも思えるがどういうことだろうか。一方で、連呼は禁止のはずだったが、公職選挙法をみるとOKになっている。これは、法律が時代錯誤的かつナンセンスな選挙運動を枠づけているのと同じだ。
私が知らなかっただけではなく、番組に出演した政治家全員が「ホントなのそれ?」と首を傾げた。私たちは、公選法が「連呼を禁止している」と錯覚して、連呼をしないように心がけてきたのであった。
 こんなに時代錯誤でメチャクチャな法律を変えることが出来ない国会とは情けない限り。

 まったく情けないかぎりだと思うが、国会議員たち(とくに、とても長いあいだ与党であった政党の議員たち)が、ほかならぬ自分たちの活動を規定する法律を六十年近くもほったらかしにしてきたのは、いまこのネット時代になってみると、自業自得と言えば言える。

 先日、『大竹まこと ゴールデンラジオ』に自民党の細田幹事長が出演したらしいことは、ポッドキャストで配信されてきた「オープニング」を聴いてわかっていて、これはぜひ、落ち目の政党の大番頭の主張を聴いてみたいものだと期待したのだが、細田幹事長が熱弁をふるっているはずの肝心の「大竹メインディッシュ」は、公職選挙法に鑑み(?)配信されてこないのである。その滑稽な事態そのものが、大時代な公職選挙法を放置してきた自民党への天罰のように思われ、はなはだ痛快であった。空中に消えてゆくリアルタイムのラジオ放送じゃなく、いつでもどこでも聴けるポッドキャストで通勤時間に歩きながら政治の話を聴くような人々にこそ、自民党はいまいちばん話を聴いてほしいはずだと思うんだが、残念でしたー。そりゃ、あんたたちが長年の怠慢のしっぺ返しを受けているだけだよ。

 えっと、細田幹事長、ポッドキャストって、そもそもなにかご存じ? そのむかし、イラン革命を起こした大きな力のひとつと技術史に語り継がれる、ホメイニ師によるカセットテープの“配信”を、いまはインターネット上で誰もが電磁的音声データで手軽に行う方法が確立しているのですわ。細田幹事長、あなたが出演した文化放送は、とくに積極的にポッドキャストで番組を全世界に配信している。こういう話は自民党のご老体たちにはちんぷんかんぷんかな? 民主党の若手にしたほうが、ずっと通じるかもね。

 いやあ、しかし聴きたかったなあ、細田幹事長の話。選挙が終わってからでいいから配信してくれよ、文化放送さん。そのとき聴くと、またいっそう味わいのあるお話かもしれないし。



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