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2009年6月15日 (月)

これって便利なの?

画面にタッチで写真撮影 富士フイルムが新デジカメ (MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/release/electric/090611/elc0906111718000-n1.htm

 富士フイルムは、液晶画面で一番ピント合わせたいところにタッチするだけで撮影できるコンパクトデジタルカメラ「ファインピックスZ300」を20日発売する。
 画面の手前の花など、ピントを合わせたいポイントを指で触れるだけで撮影できる「タッチショット」機能を世界で初めて搭載。シャッターを半押ししながらピント合わせをするわずらわしさがなくなった。料理などを接写するときに最適な発光量に調整し、自然な明るさで撮影できる「スーパーiフラッシュ」も備えている。
 有効画素数は1000万画素で、市場想定価格は4万円前後。

 はあ? 記事を読んだだけではどういう機能なのか、いまひとつよくわからんな。「シャッターを半押ししながらピント合わせをするわずらわしさがなくなった」って言うけどさ、カメラをしっかり把持している左手をわざわざ離して、液晶画面にタッチするほうがよっぽどわずらわしいようにおれは思うのだが……。それに、右手だけで把持しているカメラの液晶画面に左手でタッチしたりしたら、手ブレを起こさないのだろうか? そこいらへんはちゃんと工夫をされているのかもしれないが、記事を読めば読むほど、このカメラでどこがどう便利になったのか、さっぱりわからん。

 「シャッターを半押ししながらピント合わせをする」ってのは、わずらわしいどころか、左右いずれの手もできるだけ動かさなくてすむ、充分に練られた“枯れた”ユーザインタフェースだとおれは思うんだがなあ。記事を読むかぎりでは、全然便利そうに見えないところが不可思議である。ピントを合わせるときに、左手をいちいちカメラから離して液晶画面に触れ、ピントが合ったところで、もう一度両手でしっかりとカメラを両手で把持して写せということなのだろうか? よっぽど右手がしっかりした人でもないかぎり、かえって写しにくいように思うんだけどなあ。

 まあ、どっかで実機を見たら、試してみよう。おれは買う気はないけどね。これもコンデジのコモディティー化の一方向なのかもしれないが、カメラ本来の機能を使いやすくする方向へじゃなくて、おせっかいにもほどがある“見せびらかし”インタフェースを派手にする方向へ進んでいっているような気がしてならない。

 リコーには、こういうおもちゃじみたプレゼンテーションになどには目もくれずに、ひたすら“人が頭と手を使って自分の道具として操れる手応えのあるカメラ”の路線を突き進んでほしい。ユーザに“上達する喜び”というものを与えてくれる道具にこそ、ほんとうの愛着が湧くというものだ。



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コメント

タッチしたところにピントを合わせてシャッターまで切ってくれるのではないでしょうか。
タイムラグと手ぶれが気になるところですが、動作とシャッター速度の高速化と手ぶれ防止でなんとか・・なるものなのかな?
それよりフラッシュの発光量の調整がうらやましい。私のR8は光量が2段階でちょっと不便なときがあるので。

投稿: すがぬま | 2009年6月15日 (月) 09時23分

>すがぬまさん

 R8は二段階だったんですね。R10から急に十二段階になったのか(^_^;)。

投稿: 冬樹蛉 | 2009年6月15日 (月) 20時17分

同感です。
高機能になって,カメラもパソコンもあんまり面白くなくなりました。
で,アナログ楽器の練習はやっぱり楽しいんですよ。まだ上達する喜びが味わえる分野です。
将来脳が電子化されたら「昔のアナログ脳は良かったなぁ,勉強する喜びがあって」となるんでしょうか...

投稿: ソウヘイ | 2009年6月15日 (月) 22時34分

>ソウヘイさん

 “高機能”であるのは差し支えないのですが、“おせっかい”な機械はちょっとカチンと来ますよね。機械を使っているのであって、機械に使われているのではないのだと実感できる機械が私は好きです。これは機械を下に見ているのではなくて、自分と機械が“人機一体”となって協同作業しているのだと感じる瞬間が好きなのです。

 ソウヘイさんのコメントを読んだら、むかし書いたコマ回しの話( http://web.kyoto-inet.or.jp/people/ray_fyk/diary/dr0101_1.htm#010103 )を思い出しました。

>将来脳が電子化されたら「昔のアナログ脳は良かったなぁ,勉強する喜びがあって」となるんでしょうか...

 すでに、インターネットの普及によって、“記憶する喜び”なんて必要なくなってきているような気もしますね(^_^;)。「細かいことは調べりゃなんだっていつでもわかる」のもたしかに便利なんですが、とりあえずなんであれ一度は頭にぶち込んでおかないと(すぐ忘れることを覚悟で)、思いがけないひらめきみたいなものもやってこないんじゃないかと思うのですね。

投稿: 冬樹蛉 | 2009年6月16日 (火) 00時29分

昔から「ピントを合わせたいものを真ん中にして半押し、そのあと撮りたい構図にずらして全押し」というやり方で撮影してますが、周囲にそこまでやってる人はほとんど居ません。半押しの概念を知らない人も居ますし。そういった人には、直感的で分かりやすい、のかもしれませんねぇ。うーん。

あと、この「タッチしてピント合わせ」って、新型のiPhoneにも搭載されてる機能ですね。
さすがアップル、変わったことするなーと思いましたが、デジカメのほうが先に実現するとは。

投稿: yom | 2009年6月17日 (水) 17時40分

>yomさん
>さすがアップル、変わったことするなーと思いましたが、デジカメのほうが先に実現するとは。

 いやあ、たぶんそういう情報は噂の段階からデジカメのメーカーもキャッチしていて、ケータイごときに先を越されてなるものかと、急いで搭載したのかもしれませんよ。

投稿: 冬樹蛉 | 2009年6月17日 (水) 23時29分

半押しがうまくできない-不器用な上に視力が悪いせいか液晶画面でピントを合わせられない-人種にはありがたい機能かと・・・トラバさせていただきましたのでよろしく

投稿: 村上 | 2009年6月18日 (木) 01時36分

>村上さん
>液晶画面でピントを合わせられない

 これはたしかにマニュアルフォーカスにすると感じますね。「ここがベスト!」って確信がなかなか得られないので、「まあ、ここらでいいか」みたいな感じになっちゃいます。

投稿: 冬樹蛉 | 2009年6月19日 (金) 01時54分

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