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2009年5月19日 (火)

なんでみんながみんなマスクしてるの?

 電車の中や駅でえらく大勢の人がマスクをしているので、ちょっとびっくり。インフルエンザに罹っている人や、その疑いのある人がマスクをするのはわかるが、いまのところそういう人はまだ少数派であって、なんでまたこんなにも大勢の人がマスクをしているのか、理解に苦しむ。おまじないみたいなもんか。

 インフルエンザウイルスの大きさは、だいたい100ナノメートルでこぼこだ。煙草の煙の粒子はでかいやつで1マイクロメートルくらいだそうだ。あなたが煙草の煙のでかいやつだとしたら、インフルエンザウイルスはだいたい十六、七センチの球だということになる。そこいらのコンビニやら薬局やらで手ごろな値段で売ってる“キャシャーンマスク”をしていれば、傍らで煙草を吸われても、まったく臭いもなにも感じませんか? そんなことあるか。予防という意味では、そこらの安いマスクなど、気休めにすぎない。そもそも、いくら立体的な成型をされているからといって、あんなものをナノメートル単位の隙間で顔面に密着させることなど不可能である。すでにインフルエンザに罹っている人がマスクをするのは、飛沫感染の確率を下げるという意味で大きな意味があるけれども、そのへんの手ごろなマスクでインフルエンザウイルスを漉し取ろうなどと考えるのは、サッカーゴールでビー玉を止めようとしているようなものである。本格的な医療用マスク(SARSのときに取り合いになったN95とかね)ででもないかぎり、あくまで気休めだ。まあ、電車の中とかの空気を直接吸い込みたくないという心理はわかるけどもねえ。

 猫も杓子もマスクをしている不気味な光景を見ていたら、ふとケッタイな考えが浮かんだ。サングラスをかけていればいくらかは防げるという感染症が流行ったら面白いだろうな、と。駅のホームで電車を待っているあなたがふとあたりを見まわすと、み~んながサングラスをかけているのである。想像するだに、かなり不気味な光景だ。

 若い女性だけに感染し、下半身裸でTフロントを履いていれば防げる怖ろしい病気とかが蔓延しないかなあ。



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コメント

 ネクタイと同じだと思います。マスクは同調のシンボル。

投稿: 林 譲治 | 2009年5月19日 (火) 08時41分

ではサングラスはタモさんのシンボルって事でいいかな~!「いいとも~!」と同調。
Tフロントの下着については生憎同調出来ず。
だって若くたって「ぅワッ!!!」な人はいるし、「ギョえっ!!!」な人もいるから…。
あ~…カッコイイ細マッチョな若い男性が上半身裸になると防げる病気が蔓延しないかな~…♪
そしたらラッシュ時の山手線をバターになるまで回り続けてもいいんだけどな~…(*´ェ`*)♪

投稿: ちいこ | 2009年5月19日 (火) 09時01分

新型インフルエンザもきっと流行りモノなので、乗り遅れるワケにはいかないのです。

>ちいこさん
女性専用車両に乗ってください

投稿: そふ | 2009年5月19日 (火) 09時05分

マスクは、ちゃんと付けたときの口元の湿気でインフルエンザウイルスをちょっとだけ足止めする・・・って「もやしもん」で言ってました。

投稿: すがぬま | 2009年5月19日 (火) 09時37分

野暮を承知でマジレスすると、
マスクで物理的にウィルスを防ぐことはできませんが、喉の乾燥を防ぐことで、生体バリアーを形成すると言われています。(ウィルスは湿気が嫌い)
完全じゃないけど、やらないよりマシみたいな程度の防御策にはなります。

ただ乾燥した冬の場合ならいざ知らず、梅雨だとどうなのかな、ってことになりますけどね。

後は、インフルエンザを保菌していなくても、現状ではくしゃみや咳すると白い目で見られるので、マスクしといたほうがいいかな。きっと。精神的なイミで。

投稿: 久枝アリア | 2009年5月19日 (火) 09時43分

素人考えなので分からないけど飛沫感染という事は
ウィルス単体じゃなくて水と一緒に飛散するのでは?
ならマスクでキャッチ出来ると思うのだけど。

投稿: lba | 2009年5月19日 (火) 15時00分

マスクに一定のインフルエンザ予防効果があるという報告もあるようですよ。

【学会トピックス】/マスクに一定のインフルエンザ予防効果を確認
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/flu2007/pickup/200801/505340.html

投稿: 小林泰三 | 2009年5月19日 (火) 21時07分

「もやしもん」という漫画が元ネタですが、
インフルエンザウィルスは湿気が苦手であり、マスクをすることによって、
口や鼻のまわりが、湿気が多い状態を作り出すことができ、それが防波堤に
なる効果がある、となっておりました。

投稿: 猛牛軍団 | 2009年5月19日 (火) 22時04分

> サッカーゴールでビー玉を止めようとしているようなもの

ローマ法王ベネディクト16世が「避妊具ではHIVは防げない」と主張した時も似た比喩を使っていたような記憶が(^-^;

投稿: やまかし村のパルクール | 2009年5月19日 (火) 22時28分

マスクに関してはこういう見解が
http://nxc.jp/tarunai/index.php?action=pages_view_main&page_id=74

ついでに
http://kmf.yjn.ath.cx/wiki/index.cgi?H1N1%2fWHOFAQ%2fWhat

マスクで高い湿度の層がウイルスを予防するというのは、どこまで期待できるんだろう。マスクの薄い空気層でウイルスが予防できるなら、口腔から喉の粘膜までの高温多湿の空気層でも予防できるのではないかな。

投稿: 林 譲治 | 2009年5月19日 (火) 22時59分

>そふさん
女性専用車両……隔離的な使い道があったとは( ̄○ ̄;)!

投稿: ちいこ | 2009年5月20日 (水) 08時56分

> 湿気が苦手

湿気が苦手というよりは、鼻から喉にかけての粘膜を湿潤状態にして、繊毛を活発化させる効果では?

投稿: 小林泰三 | 2009年5月21日 (木) 00時33分

>林譲治さん
>ネクタイと同じだと思います。マスクは同調のシンボル。

 つまるところそうなんだろうと私も感じています。してる人だって、ほんとは気休めだと思っている人が大多数でしょう。なんか、してないと石投げられそうな気がする“空気を読んでいる”んでしょう。だもんだから、私みたいな性格の人間は、必要以上にその雰囲気を警戒して抵抗してしまうのです(^_^;)。


>ちいこさん
>あ~…カッコイイ細マッチョな若い男性が上半身裸になると防げる病気が蔓延しないかな~…♪

 私は若くはありませんが、歳のわりにはそこそこ細マッチョ“系”でございます。東山紀之とかには到底かないませんが……。体脂肪率16~7パーセントくらいをキープしてます。


>そふさん
>新型インフルエンザもきっと流行りモノなので、乗り遅れるワケにはいかないのです。

 ある意味、穿ったご意見かも(^_^;)。ほとんどの人がインフルエンザに罹りはじめたら、罹ってないのが負い目みたいに感じるのが日本人ですもんねえ。


>すがぬまさん、久枝アリアさん、猛牛軍団さん

 私もその説は聞いたことがあるのですが、いまいち眉唾な気がしてならんのですよね。「ただ乾燥した冬の場合ならいざ知らず、梅雨だとどうなのかな、ってことになりますけどね」とおっしゃっているように、今回のやつは、なぜか湿度が高いいまの季節にこれほどの感染力を発揮しているわけで、“インフルエンザウイルスは湿気に弱い”という説自体、私は全面的に信じているわけではないのです。


>lbaさん

 飛沫を直接浴びるよりも、その飛沫が付着したところを触ったりすることによるほうが感染リスクは大きいようです。すでに罹患した人がマスクをするのは、大いに意味のあることだと思いますが、マスクしてるからといって感染を防げると考えるのは楽観的すぎるということだと思いますよ。


>小林泰三さん

 この記事からだけではいまひとつはっきりしたことがわからないですよねえ。装用グループと非装用グループには、他の要素が紛れ込まなかったのか(たとえば、同じ塾に通っている子が多いとか少ないとか)といったことが不明瞭です。ちゃんとした対照群になっているとはとても思えません。本気でマスクの効果を in vivo で確認するには、社会工学的な動線分析が必須だと思えるんですけど。「一定の効果」ってビミョーな言いまわしも気になります。そもそも、マスクのメーカが絡んでる“報告”なわけですし、なんだかすっきりしません。


>やまかし村のパルクールさん

 百パーセントは防げないという点ではローマ法王の言うことは事実ではありましょうが、この場合は大幅にパーセンテージを下げることはできるので、彼の発言自体、多分に宗教的信念によってバイアスのかかった意図があると判断せざるを得ません。じゃあ、神に祈ったら防げるのかよ>ベネディクト16世


 いずれにしても、“インフルエンザウイルスに対するマスクの効果”などという一事を取っても、各国、各保健機関等々でこれほど見解に幅があるというのは、じつに興味深いことだと思います。倫理的に対照実験をきっちりするわけにはいかないテーマに関しては、科学もその方法論の威力をなかなか発揮できないということがあるわけで。案外、この問題は、今後も信じられないくらい長くさまざまな見解が飛び交い続けるんじゃなかという気がします。

 物理的に、百パーセント、ウイルスをシャットアウトできるマスクを全員が使ったとしても、それを着脱するときの感染リスクをゼロにすることは、ふつうの家庭では到底できそうにありません。また、どんなマスクでも、それを何日も装着して、マスクを手でべたべた触ったりしては元も子もありません。つまるところ、感染予防という観点からすると、やっぱり気休めという気がしてなりませんね、私は。むろん、「あ、私は怪しい」と思った人は、すぐマスクをすべきだと思います。

投稿: 冬樹蛉 | 2009年5月26日 (火) 01時59分

体脂肪率16~17パーセントとは羨ましい限りですな~♪
因みに私の体脂肪率は体重計に乗って体脂肪率が出た瞬間「あれ?いきなり20キロ位痩せた?」って勘違い出来るほどの量。ま、自分の体重見落としてたと言うか、所謂現実逃避。
東山紀之、彼の体脂肪は聞くところによると3パーセントだそう。
因みにハンマー投げの室伏選手も体脂肪3パーセント。
あんなにガタイが違うのに、どちらもプールに投げ込んだら沈んでしまう体。
果たして死海には浮くんだろうか???

投稿: ちいこ | 2009年5月27日 (水) 09時22分

>ちいこさん

 ヒガシはたしか十パーセントじゃなかったでしたっけ? 三パーセントなんてのは、職業的アスリートの“職業病”ですよ。絶対、不健康です。

投稿: 冬樹蛉 | 2009年5月29日 (金) 02時30分

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