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2009年5月29日 (金)

noblesse oblige

「下々の者どもは、一万二千円ぽっちを配っておけば、それなりに喜んどるようだな」
「さもしいのう……」
「一段落したところで、われわれがほんとうの給付金をいただく番だな」
「そりゃそうよ。難しい試験に受かって、国家のために尽くすという建前の仕事をしてきたわれわれは、民草どもとは次元のちがう人種なのだ」
「なんだかんだで、十四兆ほどはわれわれに入ってくる計算になるのかな」
「まあ、適当に作った基金に放り込んで、使いみちはあとでゆっくり考えればいい」
「どうせ、この借金を払うのは、一万二千円もらって喜んでる阿呆どもの子や孫や曾孫だからな」
「どうせ、われわれはそのころにはいない。畳の上で大往生したあとの話だ」
「しかし、新型インフルエンザは気になるな。毒性の強いものに変異して大流行したりせんだろうな。阿呆どもにはできるだけ長く働いてもらって、われわれを潤してもらわねばならん」
「なあに、わしらが死んだあとは、野となれ山となれだ」
「リーマンには感謝せんとなあ」
「じつにタイミングがよかったな」
「麻生はまだ使えるか?」
「そろそろ潮時だが、まだ利用価値はあるな」
「次の目くらましはどうしよう?」
「そうたびたび人気スターが公園で裸で騒いではくれないしなあ。ま、そのうち使える事件が起こるだろう」
「テレビ局も新聞社も経営が苦しいから、なんにでも食いついてきてくれるわいな」
「そうだな。アホな些末事を目の前に吊るせば、いくらでも針小棒大に取り上げおるわい」
「それにしても、今回の十四兆の給付金、なんに使う?」
「そうだなあ……三洋電機でも買おうか」
「エコポイントはつくのかな?」
「どうだろうなあ。つくことにさせようか?」
「GMを買うのはさすがにまずいかな」
「外資だからなあ。いくらなんでも、エコポイントはつけにくいんじゃないか」
「使いみちに困るなあ。わはははははは」
「ほんに。わはははははははははは」



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コメント

「貴方が今後とも救世主たらん事を♪」

投稿: ちいこ | 2009年5月30日 (土) 15時39分

 よく言われますが、ヨーロッパなどでは「社会のエリート階層」に「高等教育を施す」ために大学などが「作られ」た。
 しかし、遅れた近代国家日本の場合、大学などの「高等教育を施す」ことで「社会のエリート階層」が「作られ」た、という構造になっているようです。
 でも、よく考えれば社会のエリート階層と高等教育の必要・十分条件の関係がヨーロッパなどとは逆なのね。だからヨーロッパ的な観点に立てば、高等教育が施された人間は、学識経験者かもしれないが、それだけで社会階層とは無関係なんだよね。

 noblesse oblige という言葉にしても、あちらさんの国ではエリートにとって当たり前の話でことさら口にする必要はなかった。
 対して日本の場合、たとえばエリート教育施設で有名な一高なんかで noblesse oblige を連呼しなければならなかった。連呼しなければならない現実があったわけですね。

投稿: 林 譲治 | 2009年6月 1日 (月) 17時35分

>ちいこさん

 ジェームズ・ディーン? ちがうかー!?


>林譲治さん
>社会のエリート階層と高等教育の必要・十分条件の関係がヨーロッパなどとは逆なのね

 これは鋭いご指摘だと思います。ヨーロッパなどではエリートは“階層”であって、日本だと“地位”みたいな感じですね。たとえばノーベル賞の益川先生は、ヨーロッパ的感覚では、“頭のいい砂糖問屋のこせがれ”であって、どこまでいっても“エリート”じゃない。日本だと、“エリートの地位を才能と努力で勝ち取っていった人”という見かたになる。これはもう、全然受け止めかたがちがいますよね。

 C・P・スノーの“ふたつの文化”論は、この文脈でも解釈しなくちゃならないものだと思います。日本でいう“理科系と文科系の隔絶”というナイーブな話じゃなくて、ヨーロッパだと“科学だの技術だのといった手を汚す仕事は、そもそもエリートのするこっちゃない”という前提があるわけで、スノーの“ふたつの文化”は、あちらでは階層的なものが根底に流れている。

 日本では、エリートとは、あ~ら不思議、ある程度“がんばればなれる”というものであったわけですねえ。ある意味、それが日本のいいところでもあったわけですが、近年、日本でもすっかりエリートが“階層化”しつつありますね。階層化の歴史が長いと、それはそれでエリートも、一朝事あらば身を投げ出して共同体を導くという宿命を叩き込まれて育つんでしょうが、悲しいかな、日本ではそういう意味での“よいエリート意識”は、階層の基本哲学としては根づいていない。あくまで、個々人の“心構え”のレベルでしょう。

 哲学、いやむしろ、存在のありかたとしての noblesse oblige を欠いた“エリート”が階層化してしまうと、これはじつにろくでもないことになるでしょう。もう、なってるかな。どうも、日本は、どんどんヨーロッパやアメリカの“悪いとこ取り”をして、本来、日本が持っていたいいところを捨てていっているような気がします。中途半端やなあ。

投稿: 冬樹蛉 | 2009年6月 7日 (日) 18時21分

内側はこんな感じでした.

(1)3月頃,補正予算のネタはないか?という問い合わせが本省からあった.書いた資料は100文字〜300文字程度の概要と金額のみ.
(2)4月末,補正予算の政府案に入ったから,追加書類を提出せよ,との指示があった.今度はもう少し分量が多くて,概要と必要性を1,000字くらい書いた.
(3)6月,X億円の予算が通ってしまった.

投稿: 通りすがり | 2009年6月 7日 (日) 22時40分

>通りすがりさん

 これはこれは、なんとも生々しい話をありがとうございます。野党の議員たちも、同じような話を官僚からのリークとして公表したりしていますが、なんともナニでアレですねえ……。

 これってもしかすると、逆少子化対策だったりします? これから生まれる子供たちは、おぎゃあと生まれた瞬間から、どえらい借金を抱えているわけですよねえ。We came crying hither.

投稿: 冬樹蛉 | 2009年6月 8日 (月) 01時06分

(7) 8月,民主党が圧勝
(8) 9月,執行停止?

いやまあ,こんな感じで決まってしまって良いのかなあとは思っていたのですが‥‥.

しかし,6月に決まって3月までに執行しろという無茶なスケジュール(この額の調達は,政府調達になってしまうために手続きが非常に面倒で,通常ならば,1年以上前から調達準備が始まるのが普通)に間に合わせるために,休日出勤と徹夜を繰り返していた身としては,脱力してしまって燃え尽き症候群になりそうです.

投稿: 通りすがり | 2009年9月18日 (金) 13時55分

>「次の目くらましはどうしよう?」
>「そうたびたび人気スターが公園で裸で騒いではくれないしなあ。ま、そのうち使える事件が起こるだろう」
>「テレビ局も新聞社も経営が苦しいから、なんにでも食いついてきてくれるわいな」
>「そうだな。アホな些末事を目の前に吊るせば、いくらでも針小棒大に取り上げおるわい」

 これ、その後実現しちゃったんで笑っちゃいますね。シャブ中のタレントが保釈される程度のことで、いちいち特番まで組まんでええわい、マスコミ。


>通りすがりさん

 実際、役所の現場の方々はたいへんだと思いますが、基本、トップが変わることで振りまわされるのは民間でもしばしばあることです。モチベーションを保つのはたいへんでありましょうが、政権をサポートするのが役人という職業の本来の役目ですから、そこはそれ、いたしかたないことでしょう。むろん、個人的には、たいへんやなあと惻隠の情を覚えますが。

 たぶん、そこいらへんのもどかしさに耐えられなくなった役人の方々が、しばしば政治家に商売変えなさるのでしょうね。「おまえらボンクラにこの国を任しておけん」と思うんでしょうね。そういう役人の方々が政治家になるのは大歓迎です。役人とのあいだのよい橋渡しになれそうな気がします(癒着してもらっちゃ困るんですが)。

投稿: 冬樹蛉 | 2009年9月22日 (火) 02時22分

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