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2009年4月13日 (月)

♪Radio, someone still loves you!

ラジオの電リク今や昔…メールに押され電話窓口次々廃止 (asahi.com)
http://www.asahi.com/culture/update/0411/OSK200904110015.html

 関西のラジオ番組でこの春、リスナー向けの電話窓口が相次いで廃止された。メールやファクスでのアクセスに押され、電話利用が減っていた事情もあって、番組改編や経費削減の波にのまれた。かつて隆盛を誇った音楽番組の電話リクエストも消えつつある。年配のファンからは、一時代の終わりを惜しむ声が絶えない。
 朝日放送(ABC、大阪市福島区)の看板番組「おはようパーソナリティ道上洋三です」(平日早朝)が、リスナー投稿用の電話窓口を廃止したのは今月3日。オペレーター10人が電話応対し、聞き取った内容をアシスタントディレクター(AD)が選んでプロデューサーに伝えていたが、メールなどに比べて手間がかかる、との理由だった。
 同局では、ほかの2番組の電話窓口も同時期にやめた。編成制作部の担当者は「ここ数年、通信手段の選択肢が増えて投稿数が伸びる半面、スタッフの数は減るばかり。番組進行の効率を考えた」。3月末に窓口廃止を告知した際、「寂しい」などの声が10件ほど寄せられたという。
 毎朝のように電話してきた高齢男性から「長い間いろんなこと言うて悪かったなあ。話を聞いてもらうのが楽しみやった」と言われ、涙が出た――。そんな話を電話窓口終了後、オペレーターの送別会で聞かされたという道上洋三・エグゼクティブ・アナウンサー(66)は「電話は多くの人の力を積み重ねてリスナーの思いを受け止めてきた」と振り返る。「かかった人の数だけ思いが詰め込まれ、マイクの前に届いていた。その思いを今後は少ない人間で感じていかなければならない」

(中略)

 そんな電リクも東京では健在だ。ニッポン放送(千代田区)は今月5日、「デジタルにはない臨場感がある」として、日曜朝の音楽番組で、長年途絶えていた電リクを復活させた。初回は電話が殺到したという。文化放送(港区)の編成部担当者は「電話はリスナーの生の声を聞ける重要なツール。ニーズはなくならない」。同局は音楽番組やトーク番組など複数の番組で電話窓口を維持している。(宮崎園子)

 うーむ。時代の流れと不況の波が重なった結果、いま、こういうことになったんだろうなあ。

 おれはラジオに葉書を書いていたころはあるが、電話をしたことはないもんだから、リスナーとオペレーターのコミュニケーションというのがどういうものなのかはいまひとつ実感を伴ってはわからないのだけれども、「長い間いろんなこと言うて悪かったなあ。話を聞いてもらうのが楽しみやった」というのは、ちょっと泣かせる話だよね。

 以前、職場で、電話通販でお茶を売っている会社のシステムを担当していたSEから聞いた話だが、お年寄りの客には、ほんとうにオペレーターとただただ話がしたくて電話をかけてくる人が少なからずいて、通販会社としては痛し痒しなのだという。ラジオの電話リクエスト窓口にかけてくる人にも、きっとそんな寂しいお年寄りがいて、孫のようなオペレーターに「いろんなこと言うて」やるのがじつは楽しみだったりしたんだろうな。

 電波のラジオというものを最近すっかり聴かなくなってしまい、ラジオは専らポッドキャストで配信されているものばかりを聴いているおれではあるが(そういう意味では、以前よりずっとラジオを聴くようになったくらいだ)、かつてのラジオ少年としては、たしかにまた一時代が終わったようで、そこはかとない寂しさを感じますなあ。その一時代を終わらせしめるほうの勢力に、おのれが紛れもなく加担しているとしてもだ。

 そうそう、ラジオといえば、前から気になっていたのだ。おれの小中学生、高校生のころは、ラジオに投稿するときの変名を、アナウンサーも番組パーソナリティーもリスナーたちも、みな「ペンネーム」と言っていたものであるが、いつのまにか、アレを「ラジオネーム」などと呼ぶのが一般的になってしまっている。おれがラジオを全然聴いていない時期に変化があったようなんだが、どうして変わったんだろうね? おれはどうも人間が古いのか、いまだに「ラジオネーム」って言葉にちょっと引っかかりを感じる。「ペンネーム」じゃいけない理由でも生じたんだろうか? べつに文筆活動じゃないからとかいう理由なんだろうか? そうかあ? そりゃ、一見さんならともかく、これには原稿料を出すべきだと思わせるような力作をしょっちゅうラジオに投稿している、投稿の鬼みたいな人とかもいるしなあ。

 かといって、テレビで匿名希望で変名を使っている葉書が読まれているときに、「テレビネーム」なんて言葉を使っているのは聞いたことないんだよな。げに不思議な言葉、「ラジオネーム」。



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コメント

|ほんとうにオペレーターとただただ話がしたくて電話をかけてくる人が少なからずいて

 これ、高齢者だけには限らないようですね。10年ほどまえに新聞で読んだ話ですが、若者で訪問販売などにひっかかる人の中には、商品の内容よりも「自分の話を聞いてくれたから」買ってしまうと言うケースも意外に多いらしいです。会話に飢えている人が多いのかもしれません。ふりこめ詐欺がどうしても根絶できない背景には、会話の有無があるのかもしれませんね。

投稿: 林 譲治 | 2009年4月14日 (火) 07時11分

電リク・・・有線放送に曲のリクエストで昔は電話したもんだったな~(´-ω-`)
有線の人の凄い所は題名が分らなくても鼻歌でも曲名を当ててくれるとこ!!!
( ゜Д゜)ハッ!私みたいに鼻歌でリクエストするようなのがラジオにもいるから廃止されたんか!!?

投稿: ちいこ | 2009年4月14日 (火) 12時52分

Queenのこの曲のPVは、ちよっとしんみりするステキな歌を台無しにするよーな、Queen全員女装のスゴイやつだった記憶が……

投稿: ふみお | 2009年4月15日 (水) 23時36分

>林譲治さん
>商品の内容よりも「自分の話を聞いてくれたから」買ってしまうと言うケースも意外に多いらしい

 ああ、それは私も聞いたことあります。でも、お年寄りならともかく、いい若いもんが「話を聞いてくれたから」もないもんだとズッコケます。「なんで見ず知らずのおれの話なんか、こんなに親身になって聞いてくれるんだろう?」と訝るのがフツーの感覚ではなかろうかと。


>ちいこさん
>有線の人の凄い所は題名が分らなくても鼻歌でも曲名を当ててくれるとこ!!!

 そうなんですか、そりゃ名人芸ですね。ひょっとしたら、いまはもう、そういう職人は減っていっているのかもしれませんよ。「チンパン探偵ムッシュバラバラ」とか、鼻歌でリクエストしてみたいかも。


>ふみおさん

 PVは観たことないなあ。この曲は大好きなので、今度探し出して観てみます。

投稿: 冬樹蛉 | 2009年4月16日 (木) 00時15分

>ふみおさん♪

QueenのPVは、この曲に限らずかなりやってくれちゃってます♪
確か「ボヘミアン・ラプソディ」だったか…それのPVの為にその時世界に一台しかなかったカメラを駆使してまでファンを翻弄してくれる映像を作ってくれちゃってましたよ♪
Queen・・・流石です♪

投稿: ちいこ | 2009年4月16日 (木) 13時17分

>ちいこさん

そうなんですよねえ、彼らは。それにしても、すでに世代ネタですよねぇ……Queen

投稿: ふみお | 2009年4月16日 (木) 23時21分

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