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2009年3月 9日 (月)

きちがい博士

女優の「キチガイ」発言で謝罪 「放送禁止用語」とは何か (J-CASTニュース)
http://www.j-cast.com/2009/03/08037204.html

生放送の「笑っていいとも!」でゲストの女優が「キチガイ」と話したことに、番組アナウンサーが謝罪する事態があった。一般的に「放送禁止用語」とみられており、テレビ局でも不適切だと判断した。ただ、ネット上ではこの言葉がダメと初めて知ったとの声もみられるほか、識者からは「なぜ本人じゃなくアナが謝罪するのか」との疑問も出ている。
差別意識なしの日常的な誇張表現
バラエティ番組では、放送禁止用語が飛び出ると、「ピー」といった音などで発言が消されるのをよく目にする。しかし、こと生放送では、そうはいかない。
フジテレビ系で2009年3月4日に放送された長寿番組の「笑っていいとも!」。 この日のテレフォンショッキングでは、宝塚出身女優の毬谷友子さん(48)がゲストに呼ばれた。禁止用語が飛び出したのは、毬谷さんが5月からの舞台に備え4オクターブも出す発声練習の様子を披露したときだった。 「もう今、うちがキチガイみたいな…」
毬谷さんは、まずいと思ったのか、すぐに口を手でふさいで顔を下に。司会のタモリさんも、「ハハハ、そう、ハハハ。発声練習しているの」と話をそらした。ところが、さらに、タモリさんや会場から「若い!」と声が上がると、毬谷さんは「キチガイです」と言って、慌てて口に手を当てた。そして、コーナーが終わると、CMをはさんで、番組の加藤綾子アナが「不適切な発言がありました」として頭を下げた。
「キチガイ」は、新聞では、各社が独自に差別語や不快用語にしている。言い換えは、たいてい「精神障害者」だ。民放連やNHKによると、テレビでも、共通の「放送禁止用語」になっているわけではない。各局で独自に基準などを決めており、フジでは、この場面で「キチガイ」が不適切だったわけだ。

 まあ、世の中には“文脈”というものがまったくわからん人もおるから、放送局としては過敏にならざるを得ないのだろうが、あんまり出しゃばって過敏なのもどうかと思うねえ。

 おれは毬谷友子という女優に、まさにその“キチガイじみた”オーラを持つがゆえに、えも言われぬ魅力を感じているので、毬谷友子が自虐的に“キチガイ”と言うのだとしたら、それはかなり面白い状況だと思うんだよね。おれはそのシーンを観てないけども。いいよね、毬谷友子の、狂気を孕んだ妖しい雰囲気。

 だけどなあ、この場合、「精神障害者」などと言い換えたほうが、よっぽど病に冒されている人をバカにしているようなニュアンスが出てしまうと思うんだよなあ。そう思わんか?

 SFのほうだと、おれがいつも不思議に思うのは、「マッド・サイエンティスト」はよくて「きちがい博士(はかせ)」はダメ(らしい)ということである。なんちゅうか、「きちがい博士」という表現でしか伝えられないなにかがあるんだよね。「きちがい博士」という言葉が持つ、なにやらレトロな雰囲気がとてもいいんだよなあ。

 たとえば、とくに名を秘す某小林泰三という作家などは、会話ではなにやら一種の“愛”を込めて「きちがい博士」という言葉を平気で使うのだが、さすがに活字媒体で書いているのを見たことはない。彼が「きちがい博士」と口にするとき、そこには、そこはかとない“愛”があるのがおれにはわかるんだなあ。だけど、その感じが万人に共有されるものかどうかとなると、それは疑わしい。

 だけど、なんだかなあ……。「マッド・サイエンティスト」より「きちがい博士」のほうが親しみが持てるという感覚、ここを読んでるような人には、わかるよね? わかってね。



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コメント

「きちがい博士」・・・なんとなく星新一作品辺りには出てきてもおかしくないと感じる言葉。
私もそこはかとなく好きですけどね~。何でダメなんだろ?
そう遠くない前、アニメの「未来少年コナン」が日テレで再放送された時、「クルクルパーか」と言う台詞が音声のみ消されていた事があり、NGワードなんだと再認識。
そう考えると日本語は何気にNGワードが多い気がしてくるから不思議。
「ぎっちょ」「びっこ」「てて(父)無し子」・・・てて無し子はあくまで私見。時代劇以外では許されないんじゃないかとね。
「はげ」でセクシーな人も居るし「チビ」でダンディな人も居るし「デブ」でスマートな人も居る。
これじゃダメなのかしら?
昔の本なんて差別用語のオンパレードじゃないか!だから復刻版には米印で注釈付き捲り。読み辛い事この上なし。
この際NGワードは鬘を被ってる人の前で鬘の話をするのは辞めようって事でいいんじゃないかと。
本人も隠してる訳だから。
あ、でも鬘を被ってる人の前で鬘の話をするのは辞めようって説明するのもNGになっちゃう。
う~ん、日本語って難しいです。日本人だけども。

投稿: ちいこ | 2009年3月 9日 (月) 08時33分

とりあえず、「釣りキチ三平」の映画化(進行中のはず)のときに、誰かいわないかニヤニヤして待つことにします(笑)

投稿: MATUKEN | 2009年3月 9日 (月) 18時03分

そんなこんなで、「読むのさえためらわれるような猟奇的な事件は起こっても、差別用語を口にする人間がいない」ヘンな世界を描かざるを得ない小説が巷に。

投稿: ふみお | 2009年3月 9日 (月) 21時27分

 最近は、古い探偵小説なんかを読んでいるので、その中に「きちがい」という言葉が出ると、なんか、ほっとします。
 「きちがい」という言葉は「マニア」とか「天才と紙一重」とか言う意味があるので、他の言葉とはうまく置き換えられない場合がありますよね。
 実際、「天才と紙一重」としか思われないようなSFを書かれる方もおられますし(^-^;
 

投稿: いぎたなし | 2009年3月 9日 (月) 22時11分

 「魔女っ子は放送禁止用語らしい。」( http://d.hatena.ne.jp/GilCrows/20080221/p1 )ってのは、さすがに目が点になりました。もっとも、これは差別用語云々というよりも、商標絡みみたいですが。

投稿: 冬樹蛉 | 2009年3月 9日 (月) 22時31分

 「魔女」は会社やらスポンサーやらの偉い人が「縁起が悪い」と嫌うのも大きいらしいです。「墓場」を嫌って『ゲゲゲの鬼太郎』になったってのは有名ですが、『魔法使いサリー』ももともとは『魔女』だったといいます。
 ただ、「魔女」の場合は関係者の好き嫌いで判断にムラがあるらしいですね。


 (ふと)幽霊少女は脇役にはいますが、主役にすえたので有名作品はないですよね。だれか、やらないかなぁ。

投稿: 東部戦線 | 2009年3月10日 (火) 16時15分

http://jikenkisya.blog.ocn.ne.jp/keiatjiken/2009/03/post_1252.html
長くなったので自分のページに書いてみました、完全に独断と偏見ですが・・・・

投稿: 村上 | 2009年3月11日 (水) 11時01分

 私はやっぱり「マッドサイエンティスト=(ピー)博士」だと思いますねぇ……

投稿: 東部戦線 | 2009年3月11日 (水) 19時57分

「ねえ、おじいちゃん、マッド・サイエンティストときちがい博士のちがいってなに?」
「永久機関を作るかどうか」

「ねえ、おじいちゃん、怪獣とモンスターのちがいってなに?」
「火を吐くかどうか」

投稿: アダチ@初音ミク中毒 | 2009年3月12日 (木) 00時24分

「マッド・サイエンティストと気狂い博士の違いって何?」
「世界征服を企むかどうか」

投稿: 村上 | 2009年3月12日 (木) 10時19分

季違いじゃが仕方がない

投稿: koga | 2009年3月12日 (木) 21時14分

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