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2008年12月 3日 (水)

背に腹は代えられぬ進化

カメの甲羅、起源はろっ骨? 中国で最古の化石 (asahi.com)
http://www.asahi.com/science/update/1201/TKY200812010059.html

 【広州=小林哲】中国貴州省の2億2千万年前の地層から、腹側だけが甲羅で覆われた原始的なカメの化石が見つかった。全身が甲羅で覆われる進化の途上にある個体とみられ、甲羅の起源は硬くなった皮膚ではなく、発達した肋骨(ろっこつ)とする説を裏付ける有力な証拠となる。中国とカナダ、米国の研究チームが英科学誌ネイチャーに発表した。
 化石は全長約40センチ。欧州で見つかった最古のカメ化石より1千万年ほど古い。腹側の甲羅は、現代のカメと似た構造を持っているが、背中には、甲羅ができる前段階とみられる発達した肋骨などがあった。口には歯があり、背中側からみるとまるでトカゲのようだった。
 甲羅の起源には、皮膚が硬くなり骨と融合してできたとする説もあった。今回の化石の背中にはそれを裏付ける痕跡がなく、肋骨や背骨が発達して背中を覆ったとするもう一方の説が有力になった。
 化石のあった場所は、地層から海域だったことがわかっている。カナダ自然博物館の呉肖春研究員は「カメの祖先は海で進化し、泳ぐ際に下から襲われるのを防ぐため、まず腹側から甲羅が発達した」とみている。
 化石は、ラテン語で甲羅に半分覆われた歯のあるカメという意味の「オドントチェリス・セミテスタセア」と名付けられた。

 いいですなあ、「腹側だけが甲羅で覆われた原始的なカメ」かあ。なんかこう、不思議な萌え要素がある。こちらのツボを突いてくる。ぬいぐるみがあったら、かなり欲しいよな。新井素子だったら自作しそうだ。

 「カメの祖先は海で進化し、泳ぐ際に下から襲われるのを防ぐため、まず腹側から甲羅が発達した」というのは、まあ、ちょっと聞くと納得できる話ではある。つまり、最初のころは浅くしか潜れなかったんだろうな。だものだから、上から獰猛な敵が来る可能性は低く、まず腹側に盾ができた。徐々に深く潜れるようになると、上から襲われる可能性も無視できないものになり、背中側にも盾を発達させていった、という考えかたなのだろう。

 だけど、待てよ。いまのカメは、背中側の甲羅のほうが、ずっと丈夫そうではないか。それはなぜなんだろう? また、腹側にしか甲羅のない原始的なカメだって、爬虫類であるからには、海面に出て呼吸する必要がむかしからあったろう。空からの敵も大きな脅威であったはずだ。あ、そうか――2億2千万年前あたりなら、まだ翼竜も出現していない。海上に脅威になるほどの昆虫が飛んでいたとも考えにくい。空からの攻撃を想定する(って、進化に意志があるように言うのは不適切だが)必要がなかったのだ。とすると、原始的なカメは、上記記事の想像図にあるように、浅く潜って生活するということすらしていなかった可能性も残る。ことによると、荒削りな泳ぎかたで、水面に浮かんでいたのかもしれない。また、カメが背中側にも甲羅を発達させなければならなくなった主たる理由は、海中深く潜るようになったからではなく、ほんとうに翼竜が出現したからだったのかもしれない。まだまだ想像を膨らませる余地はあるなあ。

 たとえば、主に浅く潜って生活するカメの祖先は腹側から甲羅を発達させ、たまたまかなり深く潜れる能力を身につけていた別のカメの祖先は、背中側から甲羅を発達させた。あるとき両者が出会って共生をはじめ、そのうち身体を融合させていった――なーんてのは、いくらなんでもありそうにないか……。



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コメント

 うーん、言われてみると、たしかに背中側は爪みたいに
皮膚が変化してできた感じがするのですが、腹は一枚板で、
どうも皮膚っぽくないです。
 しかし腹側だけが板状になっている亀というのは、亀と
いうよりほとんど生きた蒲鉾ですね。

投稿: 北野勇作 | 2008年12月 3日 (水) 21時16分

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