« いまいち魂に響いてこない「月華-tsukihana-」 | トップページ | 茶番は茶番で面白いが、それどころではない人もたくさんいるんですがね »

2008年12月18日 (木)

たとえあなたが忘れても、おれたちは忘れない

ピーター・フォークさん、「アルツハイマー」と家族が申し立て (MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/081217/amr0812171122008-n1.htm

 【ロサンゼルス=松尾理也】米テレビドラマ「刑事コロンボ」シリーズで知られる俳優、ピーター・フォークさん(81)がアルツハイマー病のため周囲を認識できない状態に陥っているとして、家族がこのほど、法的な保護を求める申し立てをロサンゼルス郡地裁に行った。ロイター通信が報じた。
 申立書によると、フォークさんは家族の顔の識別も困難な状態で、「容易に財産をだまし取られかねない」ため、家族を法的な後見人に指定するとともに、フォークさんが勝手に契約などを結べないようにするなど保護下に置くよう求めた。
 申し立ての是非をめぐる審理は来月に開かれる。
 フォークさんは、1968年から中断をはさみながら2003年まで製作が続けられた「刑事コロンボ」で主役を演じ、日本でも人気を博した。
 昨年まで映画出演を続けていたが、今年初めには、自宅近くのビバリーヒルズの路上で徘徊しているのがみつかり、警察に通報される騒ぎとなっていた。

「刑事コロンボ」主演のフォーク氏、アルツハイマー病に (asahi.com)
http://www.asahi.com/showbiz/tv_radio/TKY200812170312.html

 【ロサンゼルス=堀内隆】テレビシリーズ「刑事コロンボ」で知られる米俳優のピーター・フォーク氏(81)がアルツハイマー病にかかっていることがわかった。AP通信が16日報じた。娘のキャサリンさんがこの日、フォーク氏の後見人となることをロサンゼルス郡地裁に申し立て、その申請書面の中で父の病を明らかにした。
 フォーク氏はさえないいでたちのロサンゼルス市警警部補が鋭い推理で難事件を解決していく「刑事コロンボ」が当たり役で、同シリーズでエミー賞を4度受賞した。

 ほお、朝日の記事を書いてる人は、たぶんほんとにファンだな。ちゃんと「警部補」って書いてるし。NHKの最初の訳を踏襲(「ふしゅう」ではない)して、コロンボの役職のテレビ的定訳は「警部」ということになっているが、アメリカの警察の lieutenant だから、正しくは「警部補」なのだ。むろん、三谷幸喜もちゃんと知っているから、最初は『警部補 古畑任三郎』だったわけである。

 小池朝雄が亡くなったときにも、なんだかとても寂しかったけれども、とうとうピーター・フォーク本人がこういう病に冒されることになるとはなあ。頭脳明晰なコロンボ役のイメージが強いだけに、アルツハイマー病とは、じつに運命の皮肉を感じる。まあ、もう八十一歳でらっしゃるのだから、アルツハイマーにならなくとも、ふつうにボケても不思議ではない。

 コロンボファンはおそらくみんな、どうしても『刑事コロンボ』の名作のひとつ「忘れられたスター」(二見書房のノベライゼーションでは「忘れられた女」と改題)を連想しちゃうでしょうなあ。あれは、ミステリとしてはともかく、ドラマとしては「別れのワイン」にも匹敵する渋い作品だ。

 残念なことに、そのうちフォーク氏も、自分が頭脳明晰で人間味溢れるヒーローを演じていた映像を観ても、自分だとわからなくなってしまうのかもしれない。哀しいなあ。でもまあ、こうやって護ってくれる娘さんがいるのだから、しあわせなお年寄りではあろう。

 いや、ひょっとしたら、フォーク氏の役者人生に於いて、『刑事コロンボ』は最も時間と労力を傾注した特別なものなのだから、やはり最後の最後まで、かすかにであっても、彼の記憶に留まり続けるのかもしれない。

 Yes. Yes, it might.




|

« いまいち魂に響いてこない「月華-tsukihana-」 | トップページ | 茶番は茶番で面白いが、それどころではない人もたくさんいるんですがね »

コメント

こんにちは。
来年の1/3からコロンボの再放送がBS2で始まると
楽しみにしていたのでこのニュースにはちょっとショックでした。
もう新作は決して見ることはできないのでしょうが、
ありがたいことに私は最初のNHKでの放送を見て
いないのでまだまだたっぷり楽しめそうです。

じゃあね 

投稿: こり | 2008年12月18日 (木) 22時39分

>こりさん

 NHKで放映されたシリーズを今から初めて観るですって~!?

 ああ、あなたはなんとしあわせな人でありましょう!!

 いやもうそりゃもうね、セカンドシーズンあたりが最高なのですよ。奇跡的に最高です。テレビドラマにもやっぱり旬というものがありましてですね。セカンドシーズンに比べれば、『新・刑事コロンボ』など屁のようなものです。

 ああ、羨ましいなあ。

投稿: 冬樹蛉 | 2008年12月19日 (金) 02時54分

でしよー 私って幸せ者!
あ、ひとつ訂正です。
BS2ではなくてBShiでした。
絶対1話も見逃さないようにしなくっちゃ!

じゃあね

投稿: こり | 2008年12月20日 (土) 15時49分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/161330/43451477

この記事へのトラックバック一覧です: たとえあなたが忘れても、おれたちは忘れない:

« いまいち魂に響いてこない「月華-tsukihana-」 | トップページ | 茶番は茶番で面白いが、それどころではない人もたくさんいるんですがね »