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2008年12月28日 (日)

「クルトガ」を買ってみた

 年末年始は映画などを撮りまくることになるから、DVDの収納ケースを買っておこうと、おとといの仕事納めの帰りに文房具のディスカウントショップに寄ったところ、「クルトガ」三菱鉛筆)が目に入った。

 今年のヒット商品としてあちこちのメディアで紹介されていたから存在を知ってはいたので、文房具屋に行くたびに、「あ、そういえば、アレはあるかな」とついでに探してみてはいたのだが、いままで実物があったためしがない。ヒット商品というだけあって品薄なのだろう。わざわざ取り寄せてまで欲しいというものでもないので、そのうちおれがふだん行く文房具屋にも出まわってくるだろうと、さほど気にも留めずにいたのである。それがごくふつうに売られていたものだから、ものは試しとこの機に買ってみた。

 字を書いている際に、芯を紙に着けたり離したりたびに少しずつ芯が回転する機構になっているため、芯が偏減りせず、字の太さが変わらないというのが主なウリだ。まあ、おれはほとんどシャープペンシルを使わないので、実用に関するニーズが薄い消費者なのであるが、そういう画期的な機構とはいかなるものか、書き味を体験してみずばなるまいとは思っていたのだ。

 さっそく適当に文字を書いてみると、な~るほど、たしかに文字の太さが変わらない。とくに、再生紙のメモ用紙などに書くときに、滑らかさを感じる。紙の繊維が粗い場合、偏減りした芯はよく引っかかる。円錐状に芯が減るクルトガには、それがないのだ。これは面白いなあ。

 むかし、たしか片岡義男だったかと記憶しているが、芯を出し入れするたびに芯が三分の一周ずつ回転する機構のボールペンをエッセイで絶賛していた。ボールペンにも偏減りというのはあるのである。だが、ボールペンの偏減りが気になるような人は、作家のように“マイ・ボールペン”でよっぽど字を大量に書く人であって(しかも、パソコン派でない手書き派の文筆業者の中でも、ボールペン派の人は万年筆派や鉛筆派よりも少ないのではなかろうか)、わかる人にはわかるという、ヘビーユーザに向けたこだわりの設計にすぎない。芯を回転させるというアイディアが一般ユーザの利用シーンで真に活きるのは、シャープペンシルだったのだ。

 このクルトガ、ニクいのは、芯が回っているということがちゃんとわかるようにしてある点である。ウリの機構を内蔵した部分の軸がスケルトンになっていて、芯を把持しているギアがたしかに回っているのが目で見てわかる。おれは、これもヒットに繋がった大きな要因だと思うな。せっかく“ほかのシャープペンシルがやっていない芸当”をやっているわけだから、それをユーザに実感させるようにするのも大切な“機能”と言えよう。要するに、手打ちうどんの店で、麺を打っているところを見せるようなものである。食う人が食えば手打ちかどうかなんてことはすぐわかるのだから、なにも作業場を店頭に設置してショーケースのように見せなくても、できあがってくる麺の質は変わらない。実用上はなんの問題もない。だが、麺を打つところを見せることで、手打ちうどんであることがどんな客にも一目瞭然にわかり、しかも、いかにもうまそうに見える。こういう“見せる化”ってのは、コンシューマー向け商品では大事ですなあ。

 ああ、そうだ。このクルトガ、論述式の試験なんかには持ってこいかもな。制限時間内にシャープペンシルで大量の文字を書かされる利用シーンの最たるものだろう。次にそういうのを受けるときには、試してみるとしよう。



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