いちいち社会に認めてもらおうと思うな
▼人間の女性には興味がない!? 「キャラクターと結婚認めて」署名活動 (J-CASTニュース)
http://www.j-cast.com/2008/11/08029977.html
アニメやゲームの「二次元キャラクター」との結婚を法的に認めて欲しい――。そんな署名活動がネットで始まっている。好きなキャラクターを「オレの嫁」と表現するファンがいるが、それどころか今度は実際に結婚してしまおうというものだ。もちろん実際の結婚とは別物だが、「法律ができたとしてもキャラの作者が結婚を許可するのか」などという問題や、「オレの嫁に手出すんじゃねーぞ」といった「奪い合い」がネット上で激しくなるのでは、といった話題で盛り上がっている。
「まともに話してくれそうな女の子と言ったら二次元」
この署名活動はオンライン署名サイト「署名TV」で2008年10月22日から始まった。企画者は100万人の署名を集めて、日本政府に認めさせたいとしている。書名を呼び掛ける文には、
「もはや、僕たちは三次元 (人間の女性)には興味がない」
と書かれている。しかし二次元の世界の住人になるのは無理なため、
「せめて二次元キャラとの結婚を法的に認めてもらうことはできないでしょうか?」
となっている。この法案が実現したらならば、企画者は人気アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」に登場するキャラ「朝比奈みくる」と結婚する予定なのだそうだ。
うう~む。いやまあ、おれもまんざら二次元は嫌いじゃないし、二次元の女性にリアルな性的欲望を感じることもないではないのだが、二次元キャラと“結婚”したいと言っている連中がなにを考えているのか、まったく理解できないよ。
そもそも自分の性向があんまり社会的じゃない場合(“反社会的”というのとはちがうのだ)、べつに社会から認めてもらう必要なんてないじゃないか。密かに楽しめばよいだけ、あるいは、迫害されても堂々とわが道をゆけばよいだけの話である。たとえば、しゃもじが好きで好きでたまらず、中でも、この特定のしゃもじがないとおれは生きてゆけない――からといって、しゃもじとの結婚を社会に認めさせる必要などないのではなかろうか?
だいたい、“結婚”ってのは社会的な行為だ。あんまり社会と関わりたくない人、自分の社会的な位置づけなどまったく気にならない人たちは、三次元の異性あるいは同性とであっても、結婚などというまどろこしい手続きを取る必要などない。ただ、一緒に暮らしはじめればよいだけの話である。“結婚”したいなどと言っている時点で、たまたま社会的でないおのれの性向を社会に認めてもらいたいと思っているわけで、潔くない。甘ったれている。「おれはしゃもじが好きなんだ~!」と叫んで、狭量な社会からヘンな目で見られることを甘んじて受け容れればよいだけの話である。
二次元キャラとの結婚を認めてほしいなどと運動をするのは、時間の無駄以外のなにものでもあるまい。勝手に結婚して、恬としていればよろしい。なにをわざわざ社会などという狭量なものに“認めて”もらう必要があるか。たまたまメジャーではない性向を持ってしまった自分の運命に対する覚悟が足りん。
「おれは大多数の人とは異なる性向を持っている。それがおれなのだから、おれがおれであるためには、性向を偽ることなどできん。また、大多数の人に理解してもらおうなどとも思わん。なぜなら、おれもまた、大多数の人が理解できないし、したいとも思わんのだから。しかし、おれは、おれがおれであるためのこの性向に、なんら恥じるところなどないし、それがゆえに被る不利益があるとすれば、従容として受けよう。おれがおれであるために」と、堂々と誇り高くマイノリティーの道を突き進んでもらいたいね、こういう人たちには。がんばれ。というか、ヘンな方向にがんばるな。
社会全般に認めてもらおうなどと甘えるな。それは媚びだ。キミを認めてくれる“社会”を、小さくはあっても、キミが探し、それがなければキミが作ってゆけばよいだけの話だ。キミのための名言を挙げておこう――
I don't want to belong to any club that will accept me as a member. (ぼくを入れてくれるようなクラブには入りたくない)
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