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2008年11月18日 (火)

あたしだけ~?

 最近、『七瀬ふたたび』がまたドラマ化されているので、やっぱり観てしまうおれなのであった。七瀬役の蓮佛美沙子は若いころの知世ちゃんみたいで非常にいいのだが、あまりにあまりな低予算にはらほろひれはれとなることもしばしばである。

 それはそうと、『七瀬ふたたび』のせいで、近ごろ、SFファンには基本中の基本、誰もが少年少女時代に思いを馳せたテレパスというものについて、なにやらよしなしごとを考えてみたりしているわけだ。初心に還るとでも申しましょうか。

 思い返してみると、若いころには、マジで、じつは自分以外はみんなテレパスなんじゃないかという妄想に捉われることがあった。なんか、自分だけが、世間の人がそれに従って動いている暗黙の規範が理解できない異人であるかのように感じられることがしばしばあり、ひょっとしたら、世間の人はみんなテレパシーで会話しているんじゃないか、そうだ、そうにちがいない――みたいな荒唐無稽な実感が、ふと真実であるかのように思われることが少なからずあったのである。たぶん、こんな日記をご愛読くださっているみなさんの中には、そういう人も多いと思う(どういう読者層を想定してるんだよ?)。要はまあ、それが若いということのすばらしさでもあり、滑稽さでもあったのだろうけれども。

 しかし、考えてみれば、世間の人がみなテレパスであった場合、それはおれだけが『サトラレ』であるのと同じなのではあるまいか。というか、そもそも『サトラレ』の着想自体が、若いころのおれが抱いていたような妄想から得られたものなのではないかと思うのだよな。

 だが、世間の人がみなテレパスである場合と、おれだけがサトラレである場合とでは、同じように見えて、微妙にちがう。世間の人がみなテレパスであった場合は、世間の人同士で心内会話が可能なのに対し、おれだけがサトラレであった場合は、世間の人はおれ“だけ”の心が読めるのであって、世間の人同士でテレパシーで会話したりはできないのだ。これって、どっちが悲惨かなあ? やっぱり世間の人がみなテレパスである場合のほうが、疎外感が大きいような気はするな。

 ここまで読んだあなたにお願いなのだが、もし、ほんとうにおれ以外の人は全員テレパスなのだとしたら、ほんとうのことをおれには教えないでほしい。あなたたちだけで楽しんでいただくのはいっこうにかまわないが、おれにだけは真実を明かさないでいただきたい。「ひょっとしたら……」と思っていることが、ホントにほんとうだったときのショックは大きいのだ。



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コメント

いや。真実を知った時のショックを和らげようとして、「七瀬」とか、「サトラレ」とかを苦労してつくったんですよ、我々は。因みに、あなた以外全員テレパシーの他に予知能力と時間遡行能力があって知能指数は1300なんですけどね。

投稿: 小林泰三 | 2008年11月18日 (火) 07時55分

実におもしろい考え方だったのでついコメントしてしまいました.
トラックバックさせてください.

投稿: 通りすがり | 2008年11月18日 (火) 10時02分

それどころか我々は猫や犬とも通信しております。当然、カエルも。地球外の仲間たちの意見では……あ、いえ、何でもありません。失礼いたしました。

投稿: ふみお | 2008年11月19日 (水) 19時34分

ただ、冬樹さんが何を考えているのか、それだけは誰にもわからないんですよ。人類の謎です。

投稿: 林 譲治 | 2008年11月19日 (水) 21時37分

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