サザエさんはなぜ街までゆけたのか?
どうして四十年近くも考えてみようともしなかったのだろう? 日曜夕刻に流れるあの歌に関する第一の疑問は、子供のころから抱いていたというのに。
そうだ、そうにちがいない。サザエさんは小銭入れと財布を別々に持っているか、バスや電車に乗るときには回数券を使っているかのいずれかだ。
♪買い物しようと 街まで出かけたが
財布を忘れて 愉快なサザエさん
……ってことは、サザエさんは街までは現金を使わずに行けたわけだ。また、ここで言う「買い物」とは、近所にダイコンを買いにゆくとかいった日常的な買いもののことではない。なにか高価なものや小さな店では揃えていないようなものを買いにいったのだろう。とすると、歩いてゆけるようなところではないと考えられる。昭和四十年代の「街まで出かける」という言いまわしには、そういう暗黙の了解があった。
とすると、サザエさんが「財布」を見ずに街までゆけたのは、小銭入れを別に持ち、日常的にはそれを使っていたか、交通機関の回数券を利用していたからだと考えるのが妥当だろう。
もしかすると、いまの世には、サザエさんがなぜ街までゆけたのかを、まったく不思議に思わない子供さえ少なからずいそうだ。もう少し先には、そんな子供ばかりになるだろう。ケータイさえあれば、乗りものにも乗れるし、買いものもできてしまう。むしろ、サザエさんが財布を忘れたことがなぜ「愉快」なのかがさっぱりわからないなんてことになるのかもな。「財布は忘れたけど、ケータイは持っていったんでしょ?」とか言いそうだ。
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コメント
車で行ったのでは?
コンビニへ行って、”あ、忘れた”は何度かありますw
投稿: securityblanket | 2008年8月25日 (月) 01時51分
私のようにバスもまともに通っていない田舎に住んでいる者は「街まで出る」には車があたりまえ。
なのでちっとも謎に感じませんでした。
JAのマイカーローンのCMでサザエさんが車を買うためローンを使うってのを聞いて初めて「あ、そうか あの家には車が無かったなぁ」と思っちゃっいました。
じゃあね
投稿: こり | 2008年8月25日 (月) 21時25分
地方都市の住人だったので「街」へはいつも歩いて出てましたのですが、何か?
投稿: 村上 | 2008年8月25日 (月) 22時25分
茨城基準では「街」は商店街です。数十メートル離れれば「街じゃないところ」です。
投稿: ふみお | 2008年8月26日 (火) 14時47分
バスや電車の中に財布を忘れたのかも。
#サザエさんの脳裏から一瞬にして財布という記憶が消滅した可能性もあるけど。
投稿: 林 譲治 | 2008年8月26日 (火) 16時40分
東京西部基準でも「街」は商店街です。
なにか高価なものや小さな店では揃えていないようなものを買いに行くところは、「しんじゅく」、「しぶや」、「いけぶくろ」と呼びます。
投稿: バラライカ宮崎 | 2008年8月26日 (火) 23時43分