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2008年8月21日 (木)

♪胸の回路に指令が走る~

 ♪俺の 俺の使命 俺の宿命~~~ (わからん人は、オタクなおじさん・おばさんに訊いてね)


ネズミの「脳」内蔵ロボ、障害物記憶し回避 英大学開発 (asahi.com)
http://www.asahi.com/science/update/0818/TKY200808180058.html

 【ワシントン=勝田敏彦】コンピューターではなく、生物の「脳」の判断で障害物を避けて動くロボットを開発したと、英レディング大の研究チームが発表した。
 チームは、ネズミの胎児から取り出した脳を酵素で処理し、神経細胞30万個がバラバラになったものを作った。これに約60本の電極をつなぎ、動き回るロボットの障害物センサーから出る電気信号で、神経細胞が刺激されるようにした。
 このロボットを繰り返し動かしたところ、障害物を避けるようになった。障害物センサーからの刺激でネズミの神経細胞に新たなネットワークができて、ロボットの動きを制御したと見られる。センサーの情報で、ネズミの「脳」が学習したことになる。
 チームのベン・ウェイリー博士は「一つひとつの神経細胞が、複雑な生物行動をどのように制御しているのかはわかっていない。実験はこの問題の理解に役立つのではないか」と話している。

Rise of the rat-brained robots (New Scientist Tech)
http://technology.newscientist.com/channel/tech/mg19926696.100-rise-of-the-ratbrained-robots.html

After the selected stimuli have been applied a few times, certain behaviours become embedded in the culture for some hours. In other words, the culture has been taught what to do. "It's like training an animal to do something by gradual increments," Potter says.
The Reading team are now planning to study whether particular parts of the culture, rather than all of it, can be more useful for performing certain tasks. They also plan to study whether the culture should be embodied in a robot early on. At the moment, they wait three to five weeks until a culture is mature before applying any sensory input. This might amount to trying to get a sensory-deprived "insane" culture to learn, says Whalley.
This work will hopefully contribute to our knowledge of how brains work, but its potential should not be exaggerated, says Potter. "This system is a model. Everything it does is merely similar to what goes on in a brain, it's not really the same thing. We can learn about the brain - but it may mislead us."
Warwick agrees, but believes it will be useful. "If this kind of work can make a 1 per cent difference to the life of an Alzheimer's patient it will be worth it," he says.

 生きた脳細胞で機械を制御するというのは、そりゃあもう、SFでは定番中の定番と言ってよい(ゲップが出るほどありがちな)アイディアではあるが、こうして実際に作られると、なんとも言えない感慨がありますなあ。二十一世紀やなあ……。

 こういう記事を読みビデオを見ると、当然、“人間の脳細胞でもできるはずだ”と思うのが人情である。ちょっと前までであれば、堕胎した胎児の脳細胞を培養し……みたいな話になって、倫理的には到底実現不可能、もしもやったらマッドサイエンティストの烙印を捺されること必至だったろうが、おれたちはいまやiPS細胞を手にしている。人間の脳細胞だけを大量生産できるようになれば、こんな実験はやり放題だろう。再生医療が目的であれば、発癌性やらなにやら遺伝子操作の弊害を徹底的に調べ安全性を担保せねばならないが、ロボット工学に使うぶんには、多少の遺伝子の瑕疵は問題にならない。それが人間の脳細胞であれ、単なる生体素子にすぎないわけだ。iPS細胞は、再生医療の分野への実用よりも早く、案外、ロボット工学や情報工学に貢献する日が近いのではあるまいか。

 「おお、キミが生体脳を搭載したネズミロボット第一号か。おれたちのころは、迷路を走らされたもんだがなあ。生きた脳細胞で障害物を回避するとはたいしたもんだ」
 「畏れ入ります。これも先人、いや、先鼠の方々の業績あってのことです、あ、アルジャーノン先生」
 「そんなに固くならなくてもいいよ、先輩でいい」
 「は、ハイ、先輩っ!」
 「♪ぽっぽぽぽぽぽ、ぽっぽー ぽぽぽぽぽ、ぽっぽっぽっぽっぽー……」
 「……さては、それが唄いたかっただけやな」



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