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2008年8月15日 (金)

ラベンダーで時をかける

 ラベンダーの入浴剤というやつを風呂に入れてみたところ、おれの脳裡に小学生のころの思い出が走馬灯のように甦った。

 放課後の理科室とか、そういうやつではない。入浴剤を入れたとたんに、風呂の湯が一瞬にしてうがい薬になってしまったのであった。

 おれが小学生のころは、給食の前などに日直がやかんに入った紫色のうがい薬を取りにいかされ、おれたちは各自持参したコップにそのアメフラシの体液のような液体を日直に恭しく注いでもらって、ガラガラとうがいをさせられたものであった。あの味はその後も味わったことのないケッタイな味であったが、紫色の液体を見ると、なんとも不可思議な懐かしさを伴って、あの味が口の中に甦ってくる。

 ラベンダーの入浴剤は、香りはいいのだが、なんだかうがい薬に浸かっているような気分になる。まあ、こういう奇妙な条件反射を持っているのは、四十代後半以上の人だけでしょうなあ。



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コメント

 NHK少年ドラマシリーズのせいで、僕はいい加減な年齢になるまで、ラベンダーからは最低でも3mは安全距離をおくように過ごしてきました。いまだにラベンダーの香りには身構えてしまいます。

投稿: 林 譲治 | 2008年8月15日 (金) 07時38分

 ラベンダーで時をかけるという
のは実際にそういうところからの
発想かもしれませんね。
 香りが、記憶の中にあるのに
うまく言語化できないあの感じ、
みたいなものを引っ張り出すんで
しょうね。
 私の場合は、コリアンダーの香
りがベトナムを旅行しているとき
の記憶とかなり強く結びついてい
て、「あ、今、ベトナムの市場に
跳んでた」とか思うことがありま
す。

投稿: 北野勇作 | 2008年8月15日 (金) 10時57分

記憶が曖昧なのですが、筒井氏はあの小説を書いた時にはラベンダーの香りを知らなかったとかいう話を聞いたような聞かなかったような。

投稿: 小林泰三 | 2008年8月15日 (金) 12時04分

 そうだったはずです。
 どんなものか知らないまま、い
かにもそれらしい花の名前をつか
って書いたというのはエッセイに
あったと思います。
 たしかにあの頃の小学生にとっ
ては、ラベンダーというのは時を
かけるのにふさわしい夢のような
響きの言葉でしたよ。
 

投稿: 北野勇作 | 2008年8月15日 (金) 14時00分

 立証しようもありませんが、実際、ラベンダーの普及に『時をかける少女』は相当貢献しているようではありますよ。たしかに、むかしはめちゃめちゃ“ハイカラ”(いつの言葉や?)な語感がありましたよねえ。なるほど、シクラメンではあかんけど、ラベンダーやったらタイムリープくらいできそうな感じというか……。

 「ケン・ソゴル」なんてのも、抜群に秀逸な語感ですよね。なんか、その後の未来人の名前は、みんなケン・ソゴルの影響を受けていると言っても過言ではないような気さえします。

投稿: 冬樹蛉 | 2008年8月16日 (土) 04時24分

フレグランスを使っていた人の立場からいうと
ラベンダーと言えば比較的安い香水の代名詞で
当時、トイレの芳香剤でタイムリープか
さすがは、筒井だなあと思ったおぼえがあります
違うのか

投稿: kaoru | 2008年8月16日 (土) 10時11分

>kaoruさん

 ひいいー。当時ませた女の子はそんなことを考えていたのか(^_^;)。

投稿: 冬樹蛉 | 2008年8月17日 (日) 16時32分

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