旅の恥は書き捨て?
▼イタリアの大聖堂に落書き 岐阜の短大生、名前や校名 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0625/TKY200806240365.html
岐阜市立女子短大の学生6人が、世界遺産登録されているイタリア・フィレンツェ歴史地区のサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂に落書きをしたとして、大学から厳重注意処分を受けた。見晴らし台にある大理石の壁に、黒油性ペンで全員の名前と日付、ハートマーク、大学の略称「岐女短」と書き添えていたことで発覚した。
大学側が24日、発表した。6人は2月、学生36人でイタリアに研修旅行をした際に大聖堂を訪問。3月に現地を訪れた日本人からA4判ほどの広さに書かれた落書きを撮った写真が大学側に届いた。
大学側によると、大聖堂には各国の言葉で多くの落書きがあり、6人は「高揚してしまった」と反省しているという。大聖堂側に英語で書いた謝罪文を送って許しを請い、大学も謝罪したところ、「修復の費用負担は不要」との返事があったという。
「修復の費用負担は不要」というのは、たぶん「バカにはこれ以上できるだけ関わりあいになりたくない」という意味のイタリア語なのだろう。
それにしても、自分らの名前と大学名までご丁寧に書くという、あまりにぶっとんだ悪気のなさが、かえってしみじみと不気味である。「イタリアに研修旅行」とあるが、いったい行く前になにを教えておるのやら。
慈悲深い大聖堂さん側が呆れかえってくれるだけだったからまだよかったものの、あんたら、落書きする場所と内容をちょっとまちがえたら、サルマン・ラシュディ並みの目に会わんともかぎらんぞ。
この時代、本で読み、ビデオで観りゃすむところを、わざわざ現地まで行くという研修の意味はだな、つまるところ、端的に、ひとことで言えば、「外国は日本とはちがうのだ」ということを学びにゆくわけだろう? いやまあ、日本でだってこんなことはやっちゃいかんのは当然だが、なにも高い旅費を払って、海外にまで恥をさらしに行かんでよろしい。「岐女短」てあのなあ……。そういうときは、せめて“Gijotan was here.”とでも書くくらいのユーモアがないか。いや、もちろんそれだって書いちゃいかんぞ。ちゃんと言っとかんと、洒落というものがわからんやつがおるからな。
大学もえらい迷惑やな。まあ、どこかの精肉会社の社長みたいに、「大学は知らん。学生が勝手にやった」などと言わず、ちゃんと大学からも謝罪するのは、あたりまえのこととはいえ、このご時世、珍しくまともな尻拭いだとは思う。欲を言えば、その六人を大学の費用でもう一度大聖堂に行かせ、修道衣に身を包み雪の中で(雪が降るまで待て!)幾晩も立ち尽くして許しを請わせるくらいのことをすれば、いろいろな意味で教育にもなっていいと思う。
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コメント
で、九十九日目の晩に力尽きてしまう、と。
日本の古典の勉強にもなるわけですな。
投稿: いしー | 2008年6月25日 (水) 21時28分
「各国の言葉で落書き」-他には何が書いてあったのか気になる。
修復の費用負担は不用って、大聖堂はどんな落書きも消す気はないということだろか?もしそうだったらうれしいのかうれしくないのかよくわからん岐阜県人であった・・・
投稿: 村上 | 2008年6月26日 (木) 00時17分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080701-00000158-mai-soci
やっぱし・・・イタリア人は落書き好き。
大聖堂は岐女短がどの落書きのことを謝ってるのかわからなかったのじゃあるまいか?
投稿: 村上 | 2008年7月 2日 (水) 10時50分
>いしーさん
あるいは、九百九十九夜めに牛若丸が現れるとか。
>村上さん
なんだかこのところ、岐阜はいろんなことで踏んだり蹴ったりですね。
>大聖堂は岐女短がどの落書きのことを謝ってるのかわからなかったのじゃあるまいか?
あ、それは絶対そうだと思います。写真でも送ったんなら別ですけど。
投稿: 冬樹蛉 | 2008年7月 8日 (火) 01時20分
さらに後日談
http://www.asahi.com/national/update/0710/NGY200807100015.html?ref=goo
大聖堂様、消してくださってありがとうございます。何も残さないでいただけるともっとありがたいのですが。
投稿: 村上 | 2008年7月11日 (金) 08時32分
>村上さん
なんか、怪我の功名的な展開になってますねえ。銘板なんか残されたら、それこそカッコ悪いという日本人の美意識を伝えるべきではないかと思うのですが(^_^;)。
投稿: 冬樹蛉 | 2008年7月15日 (火) 00時45分