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2008年6月23日 (月)

『親愛なる君へ』(柴田淳/ビクターエンタテインメント)

 『月夜の雨』から一年以上を経た待望のニューアルバム。柴田淳のような人は、一年に一アルバムくらいのペースがちょうどいいと思うね。粗製濫造してほしくない。あいかわらず、押しつけがましくない、身体にすっと入ってくる心地よい声である。ジャケット(って言うのは年寄りか。最近は“カバーアート”って言うのかな?)写真の腕が怖ろしくきれいだ。いやまあ、ルックスと音楽は切り離して考えねばならないが、そりゃまあ、きれいに越したことはない。ええ、どうせおれはオヤジですよ。

 全体的な印象を言うと、柴田淳的“安全牌”の曲が多いように思う。“いつものしばじゅん”を楽しむぶんにはなんの文句もない。それどころか、あの絶妙にかすれた儚げなファルセットを“聴かせびらかして”くれるような曲が多いくらいであり、「今回は、サービスはしてくれたが、あまり冒険はしなかったな」という感じ。固定ファン層を磐石にしようという製作意図なんだろう。そういう意味で、おれにはちょっともの足りない感じがした。柴田淳ほどの才能と声の持ち主であれば、もっと冒険してもいいのではないか。おれが今回のアルバムでいちばん気に入ったのは、もろにジャジーな曲に挑戦した「メロディ」なのである。“いつものしばじゅん”も聴きたいが、新しい面も見せてほしい。ファンとは貪欲なものなのだ。

 おれ的には、このアルバムのベストは、上述の「メロディ」、映画『おろち』の主題歌に決定した「愛をする人」、シングルカットされている「カラフル」、ピアノに合うしばじゅんの持ち味を活かした「小鳥と風」、堂々たるいつものしばじゅん節「君へ」といったところか。

 次回のアルバムでは、もっと冒険して、びっくり仰天させてほしいな。ジャズ路線というのはとてもいいと思うので、ジャズ・スタンダードとかにも挑んでほしい。《つまおうじ》シリーズ的なコミカルな実力派路線でアニソンなんかもやってほしいなあ。映画主題歌のオファーがあるくらいなんだから、アニメ製作者ももっとしばじゅんのあけっぴろげでコミカルな面に注目すべきだと思う。『ときめきトゥナイト』並みのアニソンの名曲が、しばじゅんになら楽勝で作れるし、唄えるだろうと想像するんだがなあ。

【収録曲】カラフル/椿/愛をする人/メロディ/38.0℃ ~piano solo~/君へ/十数えて/ふたり/泣いていい日まで/小鳥と風



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» 柴田淳「君へ」歌詞レビュー [ゴルゴ40の、ただの日記じゃねえか、こんなもん]
「君へ」 この空を見上げるのは あとどのくらいだろう 見上げる君に手を振って 笑う日はいつの日か 君と過ごした記憶が 僕の全てになる 君ともっと生きたかった 君を支えたかった 一緒に秘密を抱えてくれた君を 僕は忘れない 何を知ろうと変わらぬまま そこにいて..... [続きを読む]

受信: 2008年7月 5日 (土) 08時58分

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