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2008年5月20日 (火)

力は六千六百倍?

 ……ってとこまではいかず(いったら危ないわい)、二十倍くらいらしい(そもそもタイトルのネタが古すぎる)。

Robotic suit amplifies human strength (CNN.com)
http://www.cnn.com/2008/TECH/05/15/robotic.soldier.ap/index.html

Much as the brain sends signals to tendons to get muscles to move, the computer sends instructions to hydraulic valves. The valves mimic tendons by driving the suit's mechanical limbs, replicating and amplifying the wearer's movements almost instantly.
"With all the previous attempts at this technology, there has been a slight lag time between the intent of the human, and the actual movement of the machine," Obusek said.
In the demonstration, the bulky suit slowed Jameson a bit, but he could move almost normally.
When a soccer ball was thrown at him, he bounced it back off his helmeted head. He repeatedly struck a punching bag and, slowly but surely, he climbed stairs in the suit's clunky aluminum boots, which made him look like a Frankenstein monster.
"It feels less agile than it is," Jameson said. "Because of the way the control laws work, it's ever so slightly slower than I am. And because we are so in tune with our bodies' responses, this tiny delay initially made me tense."
Now, he's used to it.
"I can regain my balance naturally after stumbling -- something I discovered completely by accident."
Learning was easy, he said.
"It takes no special training, beyond learning to relax and trust the robot," he said.

 どうもアメリカ人というのは、こういう技術の話になると、すぐ兵士が着るだの、身体障害者自身が着るだのと、貧困な発想を露呈するなあ。だいたい、アメリカ人というのは“攻めてゆく”とか“自分で守る”とか“自立する”とかいった、強迫的に“個”に囚われた発想をしすぎる。基本的におれ自身は indivisualist ではあるし、アメリカ的発想もわからんでもないんだが、こういう技術を話題にするのなら、“弱い人を助ける”とか“互いに助け合う”といった発想にはならんのか、アメリカ人よ。こういうの見ると、真っ先に災害救助用に役立ちそうだと思うわな、日本人は。

 この種の研究だと、日本で有名なのは、神奈川工科大学山本圭治郎教授らによる「介護用パワーアシストスーツ」だろう。日常生活で力を二十倍にもする必要なんかあるもんか。山本教授らの研究は、その発想に於いて、世界に誇るべきものがあると思うのだがどうか。介護師や介護する家族がパワードスーツを着るなんて発想は、アメリカ人にとっては、あっと驚く盲点にちがいない。

 まあ、アメリカでも、ボランティア団体が傷痍軍人にセグウェイを寄贈したりしているようで、テクノロジーのそのような使いかたにはたしかに見るべきものがある。だけどな、そもそも、国家の名の下に国民がこういう目に会ったりしないような政治をしろよ、ブッシュ。それから、ブッシュ、セグウェイは電源入れてから乗るようにな。

Donated Segways may help disabled vets get back on feet (USA TODAY)
http://www.usatoday.com/news/nation/2007-12-04-Segway_soldiers_N.htm

Wounded Arizona Veteran to Receive Segway to Improve Mobility (EVliving.com)
http://www.evliving.com/cities_news.php?action=fullnews&id=9854



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コメント

この手のネタで真っ先に思い出すのはやはり筑波大のHAL( http://www.cyberdyne.jp/ )でしょうね。パワーを抑えて小型化しているようですが。
先月、生産工場の建設を始めており、10月には量産を始めるようです。
すでに障害者を背負ってアルプス登山をしたりとか運用実績を積んできているので実用化ノウハウは相当進んでいるのでしょう。

アメリカの軍事技術者などから見ると先端技術の無駄遣いにも見えるのでしょうが、そんな技術の使い方が出来るのは贅沢な事だと思います。
軍事技術を民間転用して先端技術を維持しているアメリカと違って、軍事転用可能な最先端技術を普通の民生用に開発する日本が世界的には異端だとは思いますが。

投稿: 超時空漫才 | 2008年5月20日 (火) 07時51分

セグウェイ、何か危なそう
車で動くものの弱点は段差です。これでは地下鉄もバスも乗れません。エスカレーターもむつかしそう、特に下りは・・・

投稿: 村上 | 2008年5月20日 (火) 09時11分

セグウェイ、一度だけアムステルダムで実際に使用している人を見たことがあります。そっか、オランダでは公道で乗ってもいいのね(いや実はダメであの後捕まったとかいうオチだったりしないとは限らないけど)。

あの石畳、歪んだ坂道、手すりのない運河、段差ありありの街で乗っていたということは、実は案外実用的なのかもしれません(いや実はダメであの後自爆したとかいうオチだったりしないとは限らないけど)。

投稿: ふみお | 2008年5月21日 (水) 00時06分

>超時空漫才さん

 実際どっちが先なのかよく知らないのですが、私は神奈川工科大のほうを先に知ったもんで(^_^;)。筑波大のはテレビの露出が多いうえに、“製品”としてのお化粧もカッコいいので、やっぱり多くの人がピンとくるのはHALなのかなあ。

>軍事転用可能な最先端技術を普通の民生用に開発する日本が世界的には異端

 そこが日本のすばらしいところだと思います。もう十数年前になるでしょうか、NHK特集でやってた話をいまだに象徴的に思い出します。そこいらへんでふつうに売っている家庭用のVHSビデオデッキに使われているベアリングがどのくらい真球に近いか調べてみたところが、トマホーク巡航ミサイルのジャイロに使われているベアリングと遜色ない精度だったという……。こりゃ有名な話ですよね。

>村上さん、ふみおさん

 まあ、段差とかいう話になると、ふつうの車椅子とかでも障害にはなるわけで。実際、最近電動車椅子の事故が多いことが取り沙汰されてますね。セグウェイだと電動車椅子よりスピードが出るだろうから、その点ではより危険かもしれませんが……。滑らかな舗装道路なら、下手すると、セグウェイのほうが健常者より速く移動できるんじゃないでしょうか。

 むろんセグウェイをこういう用途に使うことには、さまざまなデメリットが伴うのでしょうけれども、こういう発想自体はいいと思いますね。先日見かけた MSNBC のニュースクリップでは、義足であれ立位姿勢を取れることそのものが健康にいいといったことをお医者さんがコメントしてました。たしかにそうかもしれません。

投稿: 冬樹蛉 | 2008年5月21日 (水) 01時08分

そういや義足のアスリートは健常者のランナーと一緒の競技には出られないそうですね。

理由は「競技に有利な補助具を使っているから」。

実際、スポーツ用義足ってスゴイらしいです。「オレも片足じゃなくて両足とも義足だったらもっと記録出るのに」とかいう発言に至っては呆然です……

投稿: ふみお | 2008年5月21日 (水) 17時57分

>ふみおさん

 コンピュータ制御のやつとかすごいですもんね。

 近い将来、機械の脚のほうが圧倒的に優れているという状況になったら、スポーツを極めようとする人の中から、自前の脚をすすんで機械と入れ替えるといった選択をする人が現れるかもしれません。望まずして自前の脚を失った人は複雑な気持ちになることでしょうが、技術がその段階までくると、身体障害者に対する偏見などは、いまよりずっと軽くなるかもしれません。逆に、「身体のパーツが全部自前だなんて、なにかよほどの事情があるのだろう。気の毒に」などといった新種の差別感情すら出てくるかも。

投稿: 冬樹蛉 | 2008年5月22日 (木) 01時18分

そして999に乗って機械の身体をもらいにゆくんですねー(どうせこの世代の行き着くネタはそこじゃ(笑))。

投稿: ふみお | 2008年5月22日 (木) 18時42分

>ふみおさん

 万感の想いを込めて(笑)、そこいらへんで落としますね、おじさん・おばさんは(^_^;)。

投稿: 冬樹蛉 | 2008年5月22日 (木) 22時11分

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