百貫目のサル
▼エサもらい放題…気がつけばメタボ猿 「虐待」の声も (asahi.com)
http://www.asahi.com/life/update/0412/OSK200804120060.html
大阪府堺市が管理する大浜公園(同市堺区)の猿山に住むアカゲザルが、集団肥満に陥っている。常駐する管理人も金網もないため、見物客から餌をもらい放題になっているのが原因らしい。おなかはだらんと垂れ下がり、ついたあだ名は「メタボ猿」。市大浜公園事務所は昨年からダイエット食に変えたが、焼け石に水だ。専門家からは「劣悪な管理が原因で、虐待だ」との指摘もある。
「デブざるだ。乳牛みたい」「おなかに赤ちゃんがいるのかな」。子どもたちが歓声をあげる中、猿たちは膨らんだおなかを揺らしながらのっしのっしと歩く。10年以上世話を続けている職員は、「妊娠ではありません」。
だがダイエットは思うように進まない。猿山の周りには「害になる食べ物を与えないこと」と書かれた看板が四つあるが、毎日10~20人がパンや菓子を投げ与えている。近所の女性は、朝食の残飯やバナナ、かりん糖、ピーナツなどをやるのが日課という。「大きな猿に餌を取られる小さな猿がかわいそうで」
日本モンキーセンター(愛知県)の加藤章園長によると、10年ほど前から猿山の周囲を透明なプラスチック製の壁で覆って餌を投げ込めないようにしたり、専用の餌を限定販売したりと見物客の餌やり対策が進んだ。「まだそんな管理をしている公園があったとは。無制限に食べ物が与えられる状況を放置しているのは明らかな虐待。早く手を打つべきだ」と忠告する。
ひええ、こっ、こりゃすごいな……。それにしても、サルが肥ると不格好だねえ。
サルにラッキョウの皮を剥かせるとなんとやらとか、オナニーを教えるとなんとやらとかいった話は俗によく語られるのだが、人間の食いものを際限なく与えるというのも同じような話なんだろう。こりゃたしかに管理も悪いが、「かわいそう」だとかなんとか言って餌を与える見物客のマナーも悪いよ。見物客というものはいくら注意しても理解できない阿呆であるということを前提にして管理するのがプロの管理というものなのかもしれないが、むかしから驚異的な識字率を誇るわが国で、それもなんだか悲しい話である。
そもそも、記事のとおりだとすると、その看板って、日本語おかしいだろ。「害になる食べ物を与えないこと」って、いったいどういう意味だ? 農薬の入ったギョーザとかを与えるなという意味なのだろうか? だいたい“害になる食べもの”をわざわざ持ち歩いている見物客なんているんだろうか? 飼育係以外が勝手に食べものを与えることが害になるからやめてくれと伝えたいのであれば、単に「食べものを与えないでください」と書けばいいだけの話ではなかろうか? 不可解なこと、このうえない。「誰でもいいから皆殺し」に匹敵する奇ッ怪な日本語表現である。
まあ、近年、ここのサルみたいな人間の幼児をしばしば見かけるよなあ。子供がうまそうにものを食っているところを眺めるとたしかに癒されるし、子供が欲しいと泣けば食わせたくなる気持ちもわからんではない。が、そりゃ大人側の都合だ。子供はまだ十全に“人間”ではないのだから、食いものの質や量を親が管理してやるしかない。ギャル曽根みたいな特殊な体質の人ばかりではないのだ。この公園のサルが“虐待”されているのだとしたら、どう見ても虐待されているとしか思えないほど肥っている幼児の親も、然るべき筋が指導すべきだと思うぞ。例のメタボ検診とやらいう大きなお世話の制度は、むしろ子供に適用すべきだ。大人は、なんだかんだ言っても、つまるところ自分の意志で肥ったり痩せたりしているわけであって、むしろ自分でコントロールできない子供こそ、バカ親の虐待(?)から護ってやるべきではなかろうか?
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コメント
> 「害になる食べ物を与えないこと」
看板自体の写真がないのではっきりしませんが、この文章は朝日新聞記者のセンスで元の文章を書き直した可能性もあるのではないでしょうか?
投稿: 小林泰三 | 2008年4月13日 (日) 22時02分
「害になる 食べ物を与えないこと」ならば分からないでもないですが。
投稿: ROCKY 江藤 | 2008年4月14日 (月) 01時32分
|人間の食いものを際限なく与えるというのも同じような話なんだろう。
ガソリン税がなくなると財政に穴が開くと言っている人たちは、このメタボ猿を笑えないような気が。
投稿: 林 譲治 | 2008年4月14日 (月) 07時03分
冬樹蛉 様
「食べ残しがなかったので餌の量や内容は適切だと思っていた」というコメントが、いい味を出しているように思います。三田佳子の息子とか、予算を目一杯使い切る人とか、この事務所長とか、皆この「くいだおれ猿」もみたいなもんでしょうか。
えと、それからウィキペディアにも「週刊テレビ広辞苑」とありますが、いまたまたまとっておいた総集編のビデオを見ると「週刊TV広辞苑」のタイトルになっております。お知らせまで。
投稿: いぎたなし | 2008年4月14日 (月) 22時49分
>小林泰三さん
もしそうだとしたら、新聞記者の日本語力も落ちたもんですね。
>ROCKY 江藤さん
それならまだましなんですが、まわりくどいですねえ。もっとひとめでわかるようなシンプルなものにしなくては。
倉谷直臣さんの『新・英会話上達法』( http://www.amazon.co.jp/dp/4903738116?tag=arayofhope-22&camp=243&creative=1615&linkCode=as1&creativeASIN=4903738116&adid=05TACHCT044PS5K09XZ9& )にも出てくる仁鶴師匠のネタですが、上野動物園のライオンの檻には、子供が読めないような漢字で「危険ですから、近寄らないように気を付けてください」などと書いてあるそうで、これが天王寺動物園だと、たったひとこと「かみます」と書いてある――ってのがあります。実際にそうかどうかはわからないんですが、できすぎなくらいよくできた、東京と大阪の文化のちがいを如実に示すネタですねえ。
>林譲治さん
見物客たちも、あくまで暫定的に餌を与えているだけかもしれませんし……。
>いぎたなしさん
>三田佳子の息子
どわはははは、うまいなあ(^_^;)。最近では、大空真弓も加わったみたいです。
>「週刊TV広辞苑」
私も先日のDVD発売記念の特番放映は録画したんですが、たしかに「週刊TV広辞苑」が正式表記みたいですね。羽野晶紀の復帰は喜ばしいことです。やっぱり、亀井静香と顔つき合わしてるのはきついですよねえ。
投稿: 冬樹蛉 | 2008年4月15日 (火) 01時56分