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2008年3月15日 (土)

大人になった日

「大人」は18歳?世界では主流だけど… (asahi.com)
http://www.asahi.com/life/update/0314/TKY200803130442.html

 大人になるのは20歳のままがいいのか、18歳に引き下げた方がいいのか。社会で独り立ちが認められる成人年齢を20歳と定めた民法を変えるかどうかの議論が11日、法相の諮問機関「法制審議会」で始まった。「最近の若者は……」という年長者の嘆き節は古来変わらないが、いまどきの若者は成熟しているのか、いないのか。

 「成熟しているのか、いないのか」などと問われると、おれ自身、成熟している自信はないなあ。ずっと気分は十六歳だ。いや、十二歳かもしれん。

 そもそも、こんなに個人差の激しいものを、一律に年齢でどうこうしようという発想自体が、現実離れしているのかもしれん。そりゃまあ、そうしなきゃならない実務上の事情はわかるが……。

 いっそ、自己申告、というか、申請して認められたら大人になれるということにしてはどうか。もちろん、本人が厭ならいつまでも申請しなくてよい。その代わり、成人にならないとできないことは永遠にできないという不利を被るわけである。どっちが快適かは、それこそ本人次第ということになる。

 日本の多くの企業などでは、いまだに“結婚してないと一人前ではない”という価値観がまかり通っているわけだから、それを考えると、成人の申請制度は、けっこう現行の日本社会に馴染むような気もするぞ。

 酒とか煙草とかを成人にのみ認めるというのも、考えてみれば奇妙だ。べつにバラバラでもいいじゃないか。酒や煙草は肉体的に一定の年齢に達すれば認めるが、それは成人申請が受理されていようがいまいが関係ないということにしよう。だから、当然“成人映画”といった表現はなくなる。“R-20”とか“R-18”の映画を四十五の“未成年”が観てもいいわけなのである。

 ただ、この制度だと、未成年のまま年金を受け取ることも可能なわけで、そこまで極端だと、ちょっと醜悪な感じもしますなあ。四十五で“ココロは十六”とか言い張ってるやつも充分醜悪にはちがいないのだが……。

 あなた、いつ“大人になった”と自覚しましたか? どうもおれには、何年何月何日を以てとか、これこれこういうイベントを以て、これこれこういう体験を以て、といった区切りが、いまだにはっきりしないのである。いったいおれは、いつ大人になったのだろうなあ? というか、おそらくおれは大人なんだろうとは自分では思っているんだが……。

 この歳になって思うんだが、「あっ、自分は明日死んでもまったく不思議ではないのだ」と実感できたときが大人になった瞬間だったような気がする。つまり、自分の生きざまに自分で納得できたときなんじゃないかな。自分が遺す成果とか生きた証とか、そういうものに納得できる人はごくごく少数だと思うのだが、「いま突然死んでも、自分らしく死ねるように生きている」という“微分的”な生きざまに納得できる人はかなりたくさんいると思う。それはつまり、大人だということだと考えてもよいのではなかろうか。レイ・ブラッドベリFahrenheit 451 に、“Live as if you'd drop dead in ten seconds.”という名言が出てくるけど、その意味がほんとうにわかった瞬間が“大人”なんだろうとおれは勝手に思っている。

 おれの場合、そう思えたのがいくつだったのかはさだかではないのだが、少なくとも、十八歳や二十歳ではなかったように思うなあ。



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コメント

 大人になったという自覚はなかなかないわけですが、「アイドルタレント平成2年生まれ18才」なんてのをみると、歳をとったと実感します。

投稿: 林 譲治 | 2008年3月15日 (土) 11時24分

はじめまして。
視点のユニークさに、日々刺激を受けております。
エントリーを読んで、勇気を示して(バンジーで)成人を認められる部族を連想しました。

投稿: njin | 2008年3月15日 (土) 12時07分

>林譲治さん

 岡田有希子が生きていたら、もう四十ですからねえ……。


>njinさん

 ああいうわかりやすい成人の儀式がある部族は、あんまりややこしいことに悩まなくてもいいかもしれませんね。もっとも、私があの部族の人だったら、大人になんかなれなくてもいいから免除してくれと逃げまわるような気がします(^_^;)。

投稿: 冬樹蛉 | 2008年3月16日 (日) 01時06分

酒、タバコ、成人映画はともかく、やはり選挙権が与えられるのは、志願兵として兵役を終えて、市民権を手に入れた男女に限られるべきです。

投稿: いかなご太郎 | 2008年3月16日 (日) 20時57分

と、オチを思いつかずに書き込んでしまいましたが、日本でそんなことをする
と、後方部隊で石を投げると、議員の息子やら娘やらにあたる、ということに
なるんでしょうね。
ブッシュ大統領が昔、ベトナム行きを逃れるために州軍に潜りこんだように。

投稿: いかなご太郎 | 2008年3月16日 (日) 21時28分

>いかなご太郎さん

 議員の息子やら娘やらが後方部隊にもぐりこんでへータイごっこしている傍ら、格差社会の進行と公立学校の質の低下で高等教育が受けられなくなった階層の若者は、「にーちゃん、自衛隊に入ったら資格取れるで」と甘い言葉で誘われて、わけのわからないおつきあい戦争かなにかのどことも知れぬ前線に死ににゆかされる……という具合になると、立派なアメリカン・グローバル・スタンダードの定着ですね(^_^;)。ニッポン、バンザイ! アメリカ、バンザイ!

投稿: 冬樹蛉 | 2008年3月16日 (日) 21時40分

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