肴はあぶったイカでいい
いやあ、四十五の中年男がだね、夜中に独りでちびちびと酒を呑みながら初音ミクの「舟唄」を聴いていると、そのあまりに二十一世紀的なわびしさがなんだか無性に心地よくて癖になりそうだ。どう表現していいものか、生身の余人に真似のできない、ある種のしっとりとバカバカしさを伴った情感に溢れていて、不思議な感動を覚える。「ほのぼにょぉ~呑めばぁ~、ほのぼにょとお~ぉ~ぉ~、心が~すすり~泣いているぅ~ぅ~」なんてあたりは、なにやら妙にいとおしくて、実体のない歌い手を抱きしめたくなりそうなくらいだ。人類史において、こういう妙な感情を味わえているのは、たぶんおれたちが最初なのだと思うと、この時代に生まれてよかったなあと思うねえ。この星の「初音ミク」は……泣ける。
舟唄 歌/初音ミク
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コメント
この方面ならまかせておいてください。
演歌がお好きなら、これなどいかがでしょうか。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2290650
スターリングラード冬景色
完璧な3DCGとあいまって、20世紀の名作替え歌が21世紀に甦りました。
投稿: 野尻抱介 | 2008年2月14日 (木) 10時30分
うわ~、地球の言語が母国語じゃない人が歌ってるみたいですね~。
投稿: ふみお | 2008年2月14日 (木) 11時09分
私は「沖のかもめ~ぇに」のところで悶絶して椅子から落ちましたが、なんか「売れるかも?!」って思いました(笑)。舟唄って、やっぱり名曲
投稿: 湖蝶 | 2008年2月15日 (金) 20時47分
>野尻抱介さん
す、すばらしい。私は演歌はあんまり好きじゃないんですが、こういうのなら大歓迎です。雪だるまが哀しげでいいですねえ。
>ふみおさん
そのうち、こういう言語をしゃべるアンドロイドたちを街なかでふつうに見かけるような世の中になるでしょうから、いまのうちから慣れておいてほうがいいでしょう。
>湖蝶さん
くどいようですが、私は演歌が嫌いなのです。でも、「舟唄」は例外的に好きですねえ。名曲です。
投稿: 冬樹蛉 | 2008年2月21日 (木) 01時34分