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2007年10月31日 (水)

ほんものの天皇の証人喚問は可能か?

 「防衛省の天皇」の異名を取ったという守屋・前事務次官をめぐるすったもんだを見ていてふと思ったのだが、はたして国会は、“ほんものの天皇”を証人として喚問することができるのだろうか? また、天皇が嘘の証言をした場合、天皇に偽証罪は適用できるのだろうか?

 天皇は刑事責任を負わないというのは通説だと思うのだが、証人喚問での偽証罪は、刑法じゃなくて議院証言法による偽証罪(中身は刑法と同じみたいだけど)なんだから、刑事訴追ではないという屁理屈も言えそうな気がする。

 法律に詳しい方、ご教示いただければさいわいです。いや、べつに知ったからといって、「へぇ」ボタンを叩くだけなんではありますが……。



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コメント

 そういう国会なら、天皇が国会を召集しないかも。

投稿: 林 譲治 | 2007年10月31日 (水) 07時56分

素人ですが,面白い話題だったので Google 先生に問い合わせてみました.

「議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律」によれば,

第一条 各議院から、議案その他の審査又は国政に関する調査のため、証
人として出頭及び証言又は書類の提出を求められたときは、この法律に別
段の定めのある場合を除いて、何人でも、これに応じなければならない。

というわけで,とりあえず「誰でも」証人喚問できる,ということらしいです.

ただし,平成元年(行ツ)126号損害賠償請求事件 東京高裁判決 民集43巻10号1167頁によると,

「天皇といえども日本国籍を有する自然人一人であって、日常生活におい
て、司法上の行為をなすことがあり、その効力は民法その他の実態私法の
定めるところに従うことになるが、このことから直ちに、天皇も民事裁判
権に服すると解することはできない。仮に、天皇に対しても民事裁判権が
及ぶとするなら民事及び行政の訴訟において、天皇といえども、被告適格
を有し、また証人となる義務を負担することになるが、このようなことは、
日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であるという、天皇の憲法上の地
位とは全くそぐわないものである。そしてこのように解することが天皇は
刑事訴訟において訴追されることはないし、また、公職選挙法上選挙権及
び被選挙権を有しないと、一般的に理解されていることと、整合する。

ということになっていまして,これを援用すると「証人となる義務を負わない」と解することができるのかも知れません.

投稿: 通りすがり | 2007年10月31日 (水) 13時29分

>林譲治さん

 たしかに形式的には天皇が召集しているわけですが(^_^;)。権能は関係ないでしょうから、天皇に楯突いてもかまわないですよね。天皇にあるのは、あくまで「召集力」(「しょうしゅうりき」と読む)だけでしょう。


>通りすがりさん

 私も検索してそれを見つけたんですが、こういうのは専門家のあいだでも往々にして解釈が割れるものなので、その記事を鵜呑みにはできないと思います。私はその記事の論理も充分納得してるんですが。

投稿: 冬樹蛉 | 2007年11月 6日 (火) 00時33分

天皇の不訴追について、天皇には明文規定がありませんが、摂政及び天皇権能代行者には明文規定があります。
皇室典範
(訴追の制限)
第二十一条
 摂政は、その在任中、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。

国事行為の臨時代行に関する法律
(訴追の制限)
第六条
 第二条の規定による委任を受けた皇族は、その委任がされている間、訴追されない。ただし、このため、訴追の権利は、害されない。

 法は、天皇が訴追されない存在であることを当然の前提としているが、代行については、当然ではないため明文規定を設けたものと解されます。

 なお、天皇が生物学上のヒトであることは疑いもありませんが、法律学上では、日本国憲法第三章にいう国民であるかについては学説が分かれており、
A:国民である
 明治憲法と違って、日本国憲法は皇族と臣民を分けていない。
B:国民でない
あらゆる政治的対立を超越した国民の象徴であるため。(数学的表現をすれば、全体集合の名称であって、部分集合には属さない、というべきか)
C:日本国を構成する、国民以外の何か
「門地」によって国民と区別された特別な存在であって、基本的人権の享有主体ではない。

 さて、法学部ジョークというのがあります。
憲法第14条に定める法の下の平等は、合理的理由があるときのみ差別が許されるのが通説判例ですが、天皇に対する基本的人権の制限は、合理的差別論を超えており、天皇には信教の自由、表現の自由、集会、結社の自由、居住、移転の自由、外国移住、国籍離脱の自由、職業選択の自由がありません。財産権は、著しく制限されており、参政権はない。

 生まれながらの平等をうたう近代法にあって、基本的人権を全部ではないにしろ否定されており、裁判によって救済を求めることもできません。
 基本的人権を享有できない自然人、というのは近代法ではあり得ないことになっているので、天皇は、生物学的には人間かもしれないが、法律上では、人間以外の何か、つまり神なので人間の法の保護外にある、というジョーク。

投稿: デモステネス | 2007年11月 8日 (木) 22時26分

>デモステネスさん

 これはこれは、専門的な解説をありがとうございます。天皇というのは、じつに不可思議な存在ですねえ。

> 法は、天皇が訴追されない存在であることを当然の前提としているが、代行については、当然ではないため明文規定を設けたものと解されます。

 うーむ、なーるほど。なんとなく私には、摂政について明文規定があるので、天皇が訴追されない存在であることが当然の前提とされていることが推測される――というほうが納得いきます。どっちでも同じじゃないかと言われそうですが、ビミョーにちがいますよね。

 「天皇については明文規定はないけど、摂政についてはあるんだって」
 「そんな摂政な」(お約束)

 なんか、これをネタに手塚治虫の『バンパイヤ』みたいな『マクベス』の翻案ものが書けそうですね。

 「国民はおまえを傷つけることはできないよ。国民でないものもおまえを殺せないよ」
 「わっはっは、それではおれは無敵ではないか!」

 で、マクベス役の主人公を倒す男はじつは天皇だったという……(なんでやねん)。

投稿: 冬樹蛉 | 2007年11月 9日 (金) 01時51分

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