サンマを食った夜の『サイエンスZERO』
今夜の『サイエンスZERO』(NHK教育)、「食卓から魚が消える?」は、じつに勉強になったなあ。いや、なにしろ、つい数時間前にサンマの塩焼きを二匹食いながら、辛口の熱燗を二合ほど飲んだのである。先週の土曜日も晩飯にはサンマの塩焼きを二匹食った。四日にも昼に一匹食った。今月になってから、サンマの塩焼きを計五匹食っている。塩焼き以外のサンマなど、おれには考えられない。
近年、クジラ(はまあ魚じゃないにしても)といいウナギといいマグロといい、どうも日本は外交下手のために政治的にハメられているのではないかと思わされるくらい、日本人の好きな漁業資源の獲得が制限を受けるようになっている。魚を食べると頭がよくなるかどうかはともかくとして、そう信じる外国の連中が組織する“死ね死ね団”かなにかが、日本人をアホにしようとして魚を食わさないように陰謀をめぐらせているのではあるまいか。
それはともかく、政治的な事情とは別に、純粋に科学的に見ても、漁業資源は相当な危殆に瀕していることはたしかなようである。おれは、個人的には、動物性蛋白源のほとんどをニワトリと魚とオーストラリア産のウシに依存している。朝には生卵を二個ロッキーのように飲み、魚肉ソーセージを一本食う。昼にはマクドナルドのハンバーガーを一個食う。夜には、切り身の焼き魚が入っていることの多いコンビニ弁当を食う。植物性蛋白の大部分は納豆に依存している。月曜から金曜までは、規則正しくこれの繰り返しである。土日の夜だけは、多少食いものらしいものを買ってきて食う。生の素材を自宅で調理して食うなどという、しち面倒くさく時間が無駄になるようなことは、まずめったにしない。このようなじつに健康的な食生活のおかげで、メタボリック症候群にはほど遠い体組成を維持している。これで酒と煙草がやめられれば抜群に健康的なのだが、食に楽しみを求めないぶん、酒と煙草を嗜んでいるので、まあよかろう。
一週間に二回しか食事をしない(あとのは単なる“栄養補給”であって、味とかいった些末なことはどうでもよい)おれですら、食卓から魚がなくなると非常に困る。魚肉ソーセージはおれの重要な蛋白源であるし、秋のサンマは生きている楽しみのひとつである。まあ、サンマの場合、サンマそのものよりも、どちらかというと熱燗のほうを重点的に楽しんでいるわけではあるが、サンマがある熱燗とサンマがない熱燗とは、まったく別のものなのである。それほど、熱燗にとってサンマは重要である。なにを言っているのかよくわからなくなってきたが、まあ、とにかく“持続可能な漁業”というコンセプトは大事だ。
いやしかし、サンマが、食ったものをわずか三十分で排泄してしまうというのは、今夜の『サイエンスZERO』で初めて知った。だからワタに臭みがなくて、好む人が多いと考えられるのだという。なるほどねえ。まるで熱燗のために存在しているかのような生きものであるなあ。サンマのほうはそんなことはつゆ知らんだろうけど。サンマがなぜそんなに慌しい消化器官を持っているのかは、まだよくわかっていないそうだ。まあ、よくわからんでもうまいものはうまいからいいのだが、理由も知りたいところだ。今後の研究に期待したい。
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