『英会話上達法』ふたたび
ずいぶん前になるが、おれが高校生のころに影響を受けた名著『英会話上達法』(倉谷直臣/講談社現代新書)を日記に取り上げたことがある。その後、それを発見なさった倉谷先生ご本人からメールを頂戴して驚いたりしたこともあった。
最近はどんな活動をしてらっしゃるのだろうと、ひさびさに検索してみたら、倉谷先生、この春から「NK @ Global Village」というブログをはじめていらして、こいつが滅法面白い。『このブログは、私の「新・英会話上達法」です』とおっしゃっているとおり、あの『英会話上達法』の倉谷先生そのままの、反骨と諧謔に溢れた斬れ味のよい文章が楽しめる名ブログである。
「学校英語をナメてはいかんぞ! (01-15) 」なんてエントリーは、痛快きわまりない。『「ネイティブも知らないような」という前に、ネイティブは知らないことをまず恥じなさい!』なんて啖呵は、不良ガイジンを奉ってチーチーパッパをやってるだけの薄っぺらな英語教師には、なかなか切れるもんじゃありませんぞ。考えてもみればよい。あなたが、外国人にわかりやすいように、本質を論理的に剔抉した視点で、正しい日本語を教えられるかを……。そんなことは、おれにはとてもできん。おれ以上に日本語に詳しい外国人になら、素直に教えを乞いたいと思う。そういうことなのだ。
このブログ、なんでももうじき本になるとのことで、じつに楽しみだ。もう、デフォルトで買いだな。子供たちを、母国語も満足に操れないうえに似非英語を刷り込まれただけの根無し草にしようとする風潮に一石を投じる快著になることだろう。
| 固定リンク
コメント
Extraordinary Parkingで爆笑しました♪
投稿: 湖蝶 | 2007年9月18日 (火) 09時08分
>湖蝶さん
アメリカ人風の言葉遣いだと、「めちゃめちゃイケてる駐車場」とも取れますね。
投稿: 冬樹蛉 | 2007年9月19日 (水) 02時46分
本になるみたいですね。楽しみです。
写真サイトもきれいでびっくり。
ところで、いま某ハリポタ7巻を娘にせがまれて翻訳しているのですが、これがもう楽しくって!
この文脈でこのセンテンスを使うイギリス人の感覚は、日本語に直すとどうなるのかなど、考え出すと止まりません。
英語道(?)にますますはまりそうです。
投稿: 修理屋ア | 2007年9月19日 (水) 19時49分
>修理屋アさん
お父さんがハリポタを翻訳しながら娘に読ませるなんて、なんと国際的なご家庭でありましょう。羨ましいかぎりです。
ハリポタなら、私も以前、一行だけ訳したことがありますよ。
Expecto patronum!(我、パトロンを期待する)
私ゃどうも、骨の髄から翻訳家には向いてないようで……。
投稿: 冬樹蛉 | 2007年9月20日 (木) 02時28分
刷り見本も上がってきて、間もなくジョウスイ(こんな言葉もすんなりと変換しないIMEきらいですぅ)の運びです。このようなイスタブリッシュしたブログで言及していただいたこと、とても光栄です。
本の形に仕上がってから、さて、このブログどうすればいいのか、どうするのがモラルか、など、悩んでいます。
写真関係だけのブログは順調にスタートしました。お暇な折に、みなさん訪れてくだされば幸甚です。
http://nkdps.blog119.fc2.com/
投稿: NK | 2007年9月30日 (日) 07時54分
>NKさん
これはこれは、このようなガチャガチャしたところにようこそお越しくださいました。
「上梓」は最近ではすっかり「ジョウシ」が多数派ですし、よほどできた日本語システムでなければ、一発では出ないでしょう。
>本の形に仕上がってから、さて、このブログどうすればいいのか、どうするのがモラルか、など、悩んでいます
そのままウェブに置いておいて、なんの問題もないかと思います。出版社には仁義を切っておいたほうがいいでしょうけれども。過去にもそんな例はたくさんあります。むしろ、ウェブに置いておいたほうが書籍版の売れ行きもよくなるといった例も少なくないようです。
投稿: 冬樹蛉 | 2007年10月 1日 (月) 03時02分