こういうテロリストは大歓迎だよ
“エロテロリスト”のインリン・オブ・ジョイトイが、「頑張れ!日本」とブログで檄を飛ばしている。芸能人だって商売だから、こういう発言をしては一部の商売がしにくくなるだろうし、ましてや外国人なのだから、いろいろ攻撃もされるだろうに、たいしたものである。芸能人であるということはそれだけで相当なパワーなのだから、それをおのれの信条に則って有効に使おうというスタンスには、敬意を表する。
狂人が仕切っている国がすぐ隣にあるという点では、それなりの備えをせねばならんとおれは思うが、インリンの意見にはおれも賛同する部分が多い。おれは日本国憲法第九条を“怪我の功名”だと思っていて、現生人類にはあまりにも未来的すぎる傑作だと思っている。押し付けなのはたしかだが、あんなすごい条文、よその国に押し付けるのでもなければ、どこの現生人類が自国の憲法として自分で起草するか? それが現生人類の限界なのである。願わくば、怪我の功名で奇跡的に手にした宝として、第九条の精神は守ってゆきたいものだ。現生人類がいっぺん滅びなければ無理な相談なのだとしても……。いずれにせよ、アメリカと、いや、いまのアメリカ政府と同じ土俵に乗っても、日本は世界から尊敬される“美しい国”にはちっともならないぞ。世界から軽蔑されるプチアメリカになるだけだ。どうも、いまの日本は、近い将来そんなしょうもないプチアメリカになるために、“いま日本が世界から羨まれ、尊敬されている部分”を削ぎ落としていっているように思えてならないのだが……。インリンの言うように、日本の立場、日本の力でしかできないことがあるはずだ。
とはいえ、おれは改憲論者である。“論者”というほどの教養はないから、改憲賛成派とでもしておこうか。前から言ってるように、第一章、あれは邪魔だ。そのうち取っ払ってほしい。
ともあれ、日本で生まれ育った日本人の芸能人のみなさんも、せっかくブログを立ててるなら、インリンくらいはっきりとしたもの言いをしてほしいものである。そりゃまあ、あなたがたも商売でしょうけど、幸か不幸かせっかく与えられている強大なパワーを、少しは世の中を自分の主義主張に近づけるべく利用してはどうか? With great power comes great responsibility. その主義主張がどんなものであれ、だ。おれはインリンの主張に全面的に賛成ではないが、彼女のスタンスはすばらしいと思うぞ。まあ、卑しくも他国の首相をその国の言語で書くブログで呼び捨てにするのはいかがなものかと思うし、その点で必要以上に損していると思うが、まあ、おれだって、ブッシュやブレアをしょっちゅう呼び捨てにしているしな。おれが連中の大統領を茶化しているこういうものを読んで怒り狂うアメリカ人もいるだろうし、拍手喝采するアメリカ人もいるだろう。まあ、いまとなっては、拍手喝采するほうが多いだろうとは思うが……。
おれは、たとえば、生き馬の目を抜く厳しい国際社会の中での日本人のお人よしぶり、ノーテンキぶりに水をぶっかける金美齢のような人が言うこともかなりもっともだと思うし、インリンの言うこともよくわかる。結論としてはまるで対立するように見えるけれども、たぶん、彼女らはそれぞれのやりかたで祖国も愛しているし、日本も愛してくれていると思う。ベースはそんなにちがわないような気がするのだ。金美齢とインリンの対談とか、どこか企画しないだろうか? ぜひ読みたいよ、それは。
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コメント
日本の芸能人はこういう部分は大人しいですね。そういう意味でも太田光は貴重な存在だと思う。もっとすごいのは太田の相方が勤まる田中かもしれないけど。
投稿: 林 譲治 | 2007年8月17日 (金) 10時54分
>林譲治さん
そうです、太田光は貴重です。よく干されないものだと思いますね。おっしゃるとおり、田中がいてこそ、あれだけの“芸人”ができるのだろうと思います。やすし・きよしを連想させますね。
投稿: 冬樹蛉 | 2007年8月19日 (日) 05時46分