そのホンモノが信用できないんだってば
団地の自治会が、掲示板にこんな貼り紙をしていた――「年金未払いの件で社会保険庁と名乗る人物が、各戸に、訪問しています。注意を、してください」
なるほど、社会保険庁を騙った詐欺か、気をつけねばなあと思ったには思ったのだが、仮にホンモノの社会保険庁がやってきたとしても、詐欺かもしれない怪しさにはあんまり差がないのではなかろうか?
もっとも、自分たちの不手際を、当の被害者に立証させようとしていたような連中が、自分の腰を上げてわざわざこっちにやってくるはずがないということは、日本国民であれば誰にでも容易に推測がつくので、あんまり効果的な詐欺だとは思えない。騙りというのは、本来信頼できるはずの人や組織の名を騙るからこその騙りなのであって、詐欺師を騙って詐欺を働こうとすること自体に、構造的な無理がある。「年金未払いの件で社会保険庁が各戸を訪問しています。注意をしてください」という貼り紙であったとしても、なんの違和感もないのである。ちゅうか、詐欺師がやってくるよりも、そっちのほうがよっぽど怪しいぞ。
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