育児グループウェア
▼The cell phone as baby monitor (CNN Money.com)
http://thebrowser.blogs.fortune.com/2007/07/06/the-cell-phone-as-baby-monitor/
A few years ago, when the price of wireless airtime plummeted, wireless executives sometimes talked about customers who used pairs of mobile phones as baby monitors. (The Browser suspects this is the stuff of urban legend, but a few websites do explain to the technically impaired how to perform this trick.)
Now along comes Babble Soft, an upstart that can turn a number of so-called “smartphones” into a different sort of baby monitor. (Company founder Aruni Gunasegaram, a mother of two, prefers the term “baby manager.”) Gunasegaram has created a web-based application that helps new parents keep track of feedings, sleep schedules and other newborn activities and milestones that pediatricians often ask moms and dads to track. A mobile version of the application, available for many smartphones, such as the Treo, allows users to access their baby data on the go. (Think Google Calendar for the diaperpail set.)
山村美紗が、幼いころの娘(山村紅葉)にワイヤレスマイクを付けてモニタしながら仕事をしていたという、合理的なミステリ作家らしい逸話は人口に膾炙しているが、この記事が紹介している“赤ちゃんモニタ”はそういうものではない(前振りで触れているのは、ケータイを山村美沙方式で使う方法だけど)。
Babble Soft のサイトに行っていただければ、どういうものか詳しくわかると思うけど、端的に言えば、乳幼児のケアを夫婦の共同作業と捉えたグループウェアの一種である。以前は、PDAにダウンロードして使うものだったのを、スマートフォン向けに完全にウェブアプリケーションとして提供しはじめたというわけだ。グループウェアっちゃグループウェアなのだが、夫婦だけ(欧米なら、ベビーシッターも加わるだろうけど)で使うことになるのだろう。いつミルクをやったか、いつオムツを替えたか、いつ薬を飲ませたかといった記録を赤ちゃんのケアをする者同士で共有し、共働き夫婦(最近では“片働き”のほうがむしろ少数派なわけだが)の育児コラボレーションを効率化しようという次第である。欧米のエグゼクティブのあいだでは、ブラックベリーはほぼ必需品状態だそうだから、こういうビジネスもイケそうな感じはしますねえ。
日本でも、ITリテラシーの高い共働き夫婦の一部ではこうしたニーズも顕在化してくるかもしれないから、この企業の日本進出、あるいは、同様のサービスを提供する日本企業の出現も、そう遠い日のことではないような気がするが、文化的に日本に欧米ほどの市場が育つかどうかは、ちょっと不安ではあるよね。つまり、育児をコラボレーションと捉えないと、そもそもグループウェアの必要性なんかないわけだから。
Hasta la vista, baby!
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コメント
これをさらに進めると、地域の大人が地域の子供の面倒を見るという、昔は珍しくなかった地域と子供の関係が、テクノロジーのスパイラルによってもう一度復活することになりそうですね。
一つ間違えれば相互監視にも継りかねませんが、他者に対するプライバシー侵害も(可能性として)監視できうる環境が(抑止力として)プライバシーを守る方向で実装できるかもしれませんね。
投稿: 林 譲治 | 2007年7月 9日 (月) 07時58分
本筋ではない方の話になりますが、同級生・利重剛クンのお母さん小山内美江子さんは、確か息子が赤ん坊の時には子供に紐を付けて、端っこを自分の腰に巻いて原稿を書いていた、と言っていた気がします(笑)。
投稿: TOMTOM | 2007年7月10日 (火) 14時12分
>林譲治さん
>地域の大人が地域の子供の面倒を見るという、昔は珍しくなかった地域と子供の関係が、テクノロジーのスパイラルによってもう一度復活する
あるいは、そういったローカルなもの、ヴァナキュラーなものは、ロジカルな関係性として仮想世界の中に復活するのかもしれません。virtual locality, virtual vernacularity なんてのは(いま作ったのですが)、なかなか魅力的な概念だと思うのです。セカンドライフの中で“近所”のおじさん・おばさんたちから、少年少女が人生の大切なことを学ぶとかね。もっとも、近所のおじさん・おばさんたちは、北海道とか鳥取とか奄美大島とかノルウェーとかマダガスカルとかに住んでるわけですが……。
>TOMTOMさん
子供がたくさんいたら、鵜飼いみたいですね(^_^;)。
投稿: 冬樹蛉 | 2007年7月12日 (木) 02時45分
|少年少女が人生の大切なことを学ぶとかね。
本当はどんな人なんだろうと、海を越えてジンバブエかどこかに行ってみたら、自分より2才年下だったとか。人生経験は実年齢じゃない〜♪
投稿: 林 譲治 | 2007年7月12日 (木) 07時57分