やっぱり、ROTRING はいい!
……じゃなくて。
いや、先日、ひさびさにまともなペンを買ったんだが、これがもう、太さといい長さといい重量バランスといい、ぴたりと指に吸いついてきて絶妙な書き心地。握ってるだけで快感なので、なにも書く用事がなくても知らずしらず弄んでしまうほどだ。「ROTRING エクステンションインプット」――お値段相当の優れものである。やっぱり、こういうメカニカルなペンは ROTRING にかぎるねえ。STAEDTLER も好きだけど、おれにはちょっとお洒落すぎるんだな。質実剛健、道具としてのレゾン・デートルを徹底追及した合理性と信頼性が醸し出す無骨な美に、おれはむしろエレガンスを感じる。まあ、G-SHOCK とかが好きな人は、たいてい ROTRING も好きなんではあるまいか。おれの偏見も多少あるかもしれんが、ドイツの文房具って、なんでこんなにいいんでしょうね。
それはともかく、この「ROTRING エクステンションインプット」、黒ボールペン、蛍光オレンジボールペン、0.5mm シャープペンシル、PDAスタイラスが一本になってるんだが、おれが最もよく使うのは、スタイラスとしてなのである。PDAを使うから、近年、この手のマルチペンばっかり使っているんだけども、こいつのスタイラスとしての使い心地は群を抜いている(まあ、スタイラスとして考えると、お値段も群を抜いているが……)。もう、ほかのスタイラスは使えん。こいつとは長いつきあいになりそうだ。
長いつきあいといえば、中学生のときに買った「ROTRING メカニカルシャープペンシル600」ときたら、いまだに現役で快適に使える。これも無骨な六角柱の軸と重量感がいいのだよなあ。ほとんどモデルチェンジしてないのがすごい(おれの持ってるのはグリップも金属でヤスリ状になっていて、どんなに汗をかいても滑らないのだ)。あのですね、かれこれ三十年ですぜ。いろいろ浮気もしてきたが、ときどきこいつが無性に使いたくなる。むかし、「結局、ここに還ってくる」ってウィスキーのCMコピー(ホワイトホースだよな)があったけど、まさにそんな感じ。基本的には製図用のシャープペンシルだから、日本語の文字を大量に書くのには向かないのだが、絶対確実に安定的に動作すると絶大な信頼を寄せているので、試験とかを受けなくちゃならないときには、お守りのようにして持ってゆくことにしている(まず、本番では使わないのだが……)。
かようにドイツ文具を愛する者として、ひとつ日本の文房具界の慣例表記に文句を言いたい。「ロットリング」「ステッドラー」などという表記が定着してしまっているのだが、そんなもん、英語読みしちゃったんでは、トホホな語感になってしまう。「アインスタイン」なんて物理学者がいたら、なんか頭悪そうじゃないか。いまからでも、「ロートリンク」か「ロートリング」、「シュテットラー」か「シュテートラー」くらいにならんもんかな。おれは口で言うときには、頑なに「ロートリンク」「シュテットラー」にしてるんだけどな。
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コメント
>「ROTRING メカニカルシャープペンシル600」
うおお、私も持ってます♪
でも私も長い時間書くとペンだこが痛いので、どっちかというと「考えるときに回す用」(笑)。
投稿: 湖蝶 | 2007年6月 7日 (木) 15時35分
>湖蝶さん
おおお、嬉しいですねえ、ここにもファンがひとり。
「考えるときに回す用」ってのはわかります。ちょうどいい重さなんすよねえ。それに、頑丈だから、ちょっとやそっと取り落としたって壊れないし。
なんかこう、ROTRING のペンは、握ってるだけでどんどん頭がよくなってゆくような気さえしますね。むろん、多分に錯覚なんですが。
投稿: 冬樹蛉 | 2007年6月 8日 (金) 01時05分
ロートリンク・・・
ハプスブルク-ロートリンゲン(女帝マリア・テレジアの旦那様)ですか?見当ハズレだったら申し訳ない、RとLが全く区別できないので。
投稿: 村上 | 2007年6月 8日 (金) 21時56分
>村上さん
そっち方面とは関係ないですね(^_^;)。こっちはただの“赤輪”です。
投稿: 冬樹蛉 | 2007年6月10日 (日) 11時01分