グラビアアイドルと国会議員との奇妙な関係
奇妙な“クン付け”の習慣があるわけだ。
青年誌のグラビアに出てくるアイドルは、少なくとも、おれが若いころはみんなキャプションでは“クン付け”だったと記憶している。「斉藤慶子クン」とか「小森愛クン」とか「小川菜摘クン」(爆)とか、そういうやつ(ふる~)。いまでもやってるんだろうか? アレはいったいなんなんだろうね? よくよく考えてみると、天才的なコピーライティングセンスだと思うのだよな。その後のフォーマットを決定したくらいに天才的だ。つまり、グラビアアイドルを「○○ちゃん」などと呼ぶとすると、彼女は“女のコの側”にいる誰かさんなのであって、その水着姿だの裸身だのを一人じっくり鑑賞するのには、なーんとなく罪悪感のようなものが出てくる。ところが、「○○クン」であれば、彼女は若い男のコたちにとって“こちら側に新たに登場した誰かさん”になってしまうのだ。つまり、彼女と読者とのあいだに、ある種の共犯者関係のようなものが暗示される。これ考えたやつはすごいと思うね。たぶん〈週刊プレイボーイ〉あたりの記者だろうと推測するのだが、確かなことはわからない。
もうひとつ、奇妙な“クン付け”がある。国会だ。「麻生太郎クン」とか言ってますわな。おれは国会のアレを聞くと、閣僚やら国会議員やらが、まるでグラビアアイドルであるかのような妖しい想像を反射的にしてしまうのである。
サァ、今週は秋葉原で活躍中の麻生太郎クンが、本誌だけのために、そのセクシーバディーを惜しげもなくさらしてくれた。
ポップな毒舌とニヒルにゆがんだ口元がボクらのハートをワシヅカミだ!
……みたいなキャプションを、アレを聞くと考えちゃうんだよな。おれだけかもしれないけどさ。
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