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2007年5月 3日 (木)

♪人生、悪ありゃ、蜘蛛あるさ~

 尻から糸を出すスパイダーマンというのがあってもいいはずだ。

 そもそもね、手首から出すなんて、あまりにもご都合主義だと思うんだよ。やはり、ハードSF的には尻から出すべきだ。だとすると、あのコスチュームは、尻のところを丸く切り取っておかねばならない。クレヨンしんちゃんじゃあるまいし、糸を出すたびにズボンを下ろして尻を剥き出しにするわけにもいかないだろう。

 “尻から出す”といっても、リアリズムを追求するなら、肛門から出すわけではない。ほんもののクモは、三対の出糸突起(糸疣)なる器官から出すのだそうだ。ということは、ピーター・パーカーには疣痔になってもらわねばなるまい。

 遺伝子操作を施されたスーパーグモに噛まれたピーターは、高熱を発して気を失う。目を覚ますと、全身が毛深くなっている。腕や脚は以前にも増してひょろひょろになっており、腹だけが餓鬼のように膨らんでいる。尻が痛いので鏡に映して見てみると、肛門の周辺に大きな疣が六つもできている。驚いたピーターが思わず腹に力を入れると、尻の疣から「ぶちゅっ」とねばねばした糸が飛び出すのだった……みたいな描写を、現代の映像技術の粋を凝らして実現してほしいものだ。

 タイトルは、そうだな、『真スパイダーマン』がいいだろう。糸を飛ばす練習をするシーンなんか、とくに凝った見せ場にしてほしいなあ。力の入れ具合がうまく掴めず、うっかり屁が出たり身が出たりしてしまい、挫けそうになるピーター。そんなことで挫けていてはいけない。大いなる力には大いなる責任が伴うのである。尻を剥き出しにしたスパイダーマンが高層ビルの谷間を颯爽と渡ってゆき、星条旗のポールにぴたりと留まってポーズを決める――なんてカットも欲しいな。



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コメント

 質量保存則から言えば……「糸を出してどんどん痩せる!スパイダーマンダイエット!」でしょうか。

投稿: 林 譲治 | 2007年5月 3日 (木) 18時07分

>林譲治さん

 あの糸の原料は空気中の塵かなにかなのでしょう。ラムジェットのように、ビル渡りをしながら体表から吸い込んでいるにちがいない。それでも質量が釣り合わんような気もしますが、足らなければ空気中の元素を固定して補っているのかもしれません。

投稿: 冬樹蛉 | 2007年5月 4日 (金) 02時43分

山本貴嗣氏の「最終教師」だったと思いますが、尻から糸を出すスパイダーマンというのが出てきました。しかもそいつは、腕が六本(足二本とあわせて八本)ありました。「六本腕の骨格を考えるのが大変で、よっぽど外骨格にしてしまおうかと思ったが、そうするとただのスパイダーで、どこもマンではなくなってしまうのだ」という作者のコメントを、どっかで読んだような気がします。

投稿: クレイン | 2007年5月 5日 (土) 18時56分

>クレインさん

 うむむ、さすがプロ、私が思いつく程度のことは、すでに作品化しているんですね。

>そうするとただのスパイダーで、どこもマンではなくなってしまう

 ああ、「半魚人の倍ほども魚人」である「全魚人」( http://web.kyoto-inet.or.jp/people/ray_fyk/diary/dr0406_3.htm#040621 )と同じ感じですね。

投稿: 冬樹蛉 | 2007年5月 6日 (日) 05時18分

|足らなければ空気中の元素を固定して補っているのかもしれません。

 私が個人の嗜好をとやかく言うつもりはないのですが、そういう能力があれば、何にでも変身できる美女になればいいのにと思います。

投稿: 林 譲治 | 2007年5月 6日 (日) 21時51分

>林譲治さん

 あの、なんにでも変身できる美女は美女で、あまりにも能力を控えめに使いすぎだと思うのです。なにしろ、なんにでもなれるんですから、

「あるときは片目のスパイダーマン、あるときはインドの山奥で修行したレインボーマン、あるときは芝刈りハニー、またあるときはロボット刑事K、しかしてその実体は……愛の特命係長・只野仁!」

 ……くらいのバリエーションがあってもよさそうなものです。

投稿: 冬樹蛉 | 2007年5月 7日 (月) 00時06分

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