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2007年3月15日 (木)

六○兆件以上の個人情報が漏洩!

 ある団体が、六○兆六○億件の個人情報を漏洩させてしまった。この団体、もともと六○億件の個人データを保有しており、そのデータを基に、レコード一件から一万件の架空データを同一のフォーマットで生成して、いろいろなシステムのテストに使っていたのだが、管理が杜撰だったので、すべてのデータが漏れてしまったのだ。どれがオリジナルのデータだったのか、もはやこの団体にすらわからない。

 迷惑したのは、個人情報を闇で取り引きする業者たちだった。大金を支払って闇データを買っても、使えるデータはごくわずか、こんなに品質の悪いデータでは元が取れないという詐欺グループや悪徳業者からの苦情が個人情報の闇ブローカーに殺到し、個人情報の闇単価は大幅に下落した。

 そのうち、漏洩した個人情報はネットで誰にでも無料で入手できる状態になってしまい、そうした個人情報から無数の“テストデータ”を自動生成し、ネットに自動的に流通させるプログラムを面白がって作るやつが現れた。そのプログラムはスクリーンセーバーになっていて、個人のパソコンの余力を利用してニセ個人情報を大量に生成し、ポピュラーなファイル交換ソフトのネットワークを通じて、勝手にばらまくのだ。「田中一郎」からは、「田中二郎」「田中三郎」「田中四郎」「田中五郎」……が生成され、住所の番地やアパートの部屋番号、電話番号やクレジットカード番号などなどからは、いかにも実在しそうな架空の番号が巧妙に生成され、さらに複数のレコード間で項目がシャフルされた。そんなデタラメ個人データが、日夜、数億台のパソコンによってせっせせっせと生成され、ネットにばらまかれた。やがて、インターネットのトラフィックの九○パーセント強を、そんなニセ個人情報の自動的な流通が占めるようになった。

 ……なーんて想像をさ、ちょっとしてみただけなのよ。



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コメント

 DNAの塩基配列の情報かと思いました。>究極の個人情報

投稿: 林 譲治 | 2007年3月15日 (木) 08時04分

>林譲治さん

 DNAの塩基配列は究極の個人情報ではありますが、個人が特定できる究極の情報というわけではないのがややこしいかも。

 突き詰めて考えると、社会性がまったく付与され得ない情報は、それがいかに個人に関する詳細な情報であっても、じつは“個人情報”ですらないのかもしれませんね。むろん、法的定義とは別問題の、根源的な話ですが。

投稿: 冬樹蛉 | 2007年3月16日 (金) 01時34分

 こういう、取り締まりが困難なデータ流出・違法コピー問題の一番ハッピーな解決は「コピーされたってどうでもよくなる世界にする」だと思います。
 どうやって、と訊かれると答えられませんけど。

投稿: 野尻抱介 | 2007年3月17日 (土) 02時07分

>野尻抱介さん
>どうやって、と訊かれると答えられませんけど。

 そりゃ、やっぱり、みんなでどろどろに融け合って肉の雪崩みたいになるとか(^_^;)。「個人ってなに?」みたいな。

 わたしゃ、厭ですけども。

投稿: 冬樹蛉 | 2007年3月17日 (土) 06時56分

正解は。
豆腐になる、でした。
しかくでまるい。

投稿: ひめのちゃん。 | 2007年3月17日 (土) 07時24分

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