ポジティブと糞とビデオテープ
▼「半分空っぽのコップ」を「半分水が入ったコップ」に見せるテクニック (Life is beautiful)
http://satoshi.blogs.com/life/2007/03/post_11.html
VHSテープ全盛の時代の米国のレンタルビデオ店での話。「見終わったあとはテープ巻き戻してから返却してください」とシールを貼っておいても、巻き戻さずに返却する人が多く、店としては頭を抱えていた。そのまま次の客に貸してしまうと次の客の気分が悪くなるし、店でいちいち巻き戻していては手間がかかって仕方がない。
これを「マナーの問題」としてしまうと、ほぼ解決不可能な難問になってしまうが、この店では思い切ってルールを変更してしまうことにより、この問題をみごとに解決したのだ。VHSテープに貼り付けるシールの文言を「このテープは一度最初まで巻き戻してからご覧ください。返却時は巻き戻さなくても結構です」に変更しただけだ。
そうかー、おれもポジティブに考えてさえいれば、もう少し楽しく生きてこられたのかー! もちろん、以前に「ウンコをするのはおまえだけではない!」や「哀川翔、えらいっ!」で書いた、トイレットペーパーの話である。
なるほど、公衆トイレのトイレットペーパーは、そもそもホルダーに取り付けられていないものなのだと発想を切り替えれば、「自分が使い切ったら、あとの人のために取り付けておけ」などと憤らなくてもすむ。もし取り付けてあったら、「世の中には常軌を逸して親切な人がいるものなのだなあ。よくもまあ、ウンよくそんな人のあとに入ったものだ」などと、とても得をしたような気になり、人生なんぼか楽しくなることだろう……。
……って、そんなことあるかー! やっぱり、ビデオテープとトイレットペーパーとはちがうのだ。早くビデオテープを巻き戻さないとどえらいことになる、ズボンを下ろすのももどかしい――などという切羽詰った状況は考えにくい。トイレットペーパーの場合は、そういうことがあるのである。というか、なんとか危機を回避し、ほっとわれに返ったとき、それがホルダーに取り付けられていないことにようやく気づくのだ。
上に紹介したエントリーを読んで、ふーむ、なるほどと感心し、このビデオテープの話を公衆トイレのトイレットペーパーに応用したりしないように。
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コメント
今回のエントリーのタイトルは、映画『セックスと嘘とビデオテープ』のもじりですね。
あの映画が話題になった当時は、ソダーバーグ監督が『ソラリス』を撮るとは想像もできませんでした。
投稿: 湯川@SFスキャナー | 2007年3月23日 (金) 22時37分
>湯川@SFスキャナーさん
いやあ、私だって、八○年代当時には、石原真理子監督が『ふぞろいな秘密』を撮るとは想像もできませんでした。
投稿: 冬樹蛉 | 2007年3月24日 (土) 04時20分