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2007年2月 1日 (木)

「元職員」とはなにごとだ

アニータさん、チリから来日 受刑中の夫と離婚協議へ (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0131/TKY200701310377.html

 青森県住宅供給公社から14億円余りを着服し懲役14年の実刑判決を受けた元職員のチリ人の妻アニータ・アルバラードさん(34)が31日に来日した。受刑中の元職員と離婚に向けて話し合うのが目的という。
 チリでアニータさんの弁護士を務めるアルド・デューク氏が朝日新聞記者に語った。デューク氏によると、アニータさんは現地時間29日にチリの空港を出発、フランクフルト経由で成田空港に到着した。チリでは、離婚には相手側の承諾のサインが必要。アニータさんは技師のチリ人男性と結婚を考えており、元職員に直接会い、離婚の意思を確認する必要があるという。
 デューク氏によると、チリのテレビ局が、アニータさんの日本での体験を再現するドラマを企画しているという。
 公社の横領事件では元職員が横領金のうち8億円以上をアニータさんに送金し、アニータさんがチリに豪邸を建てるなどして話題になった。

 はて、この報道のしかたはなんだろう? 気になる。件の横領事件で最も悪いことをしたのは、ほかならぬこの「元職員」千田郁司受刑者である。アニータさんはフルネームで報道されるのに、なんで千田受刑者はひたすら「元職員」なのだ? 服役中の受刑者は名前を出してはいかんことにでもなっているのか? そんなことはないだろう。受刑者どころか、まだ有罪と確定してもいない被告がフルネームで報道されているのなんて、いくらでも目にするぞ。こんな首尾一貫しない報道をしているのは、朝日新聞だけなのだろうか?

 2002年8月7日の日記でも、この事件に関する偏向報道について書いたが、四年以上経っても、まだ腑に落ちない。マスコミはアニータさんになんか恨みでもあるのか? そりゃまあ、アニータさんは、品のかけらも、恥も外聞もない、おれは個人的には絶対にお近づきになりたくないタイプの女性ではある。だが、この事件に関するかぎり、誰が犯罪者なのかはあきらかだ。なぜそんなに千田受刑者を庇う? なぜもっと青森県住宅供給公社の呆れるばかりの杜撰さを嗤わない? おれには、どう考えても、不公平に思えるよ。そもそも、女性の新聞記者はなにをしている? こんな偏向報道を許しておいていいのか?



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コメント

>小林泰三さん

 おお、すばらしい。お手数をかけました。なるほど、この件に関しては、朝日がちょっと変わった価値観を持っているということらしいですね。

投稿: 冬樹蛉 | 2007年2月 2日 (金) 02時00分

毎日新聞の、そこ拾うか、って感じの視点が好きです。

投稿: TORI | 2007年2月 2日 (金) 14時12分

すご。きっちりウラはとった。ってか。
朝日新聞、すきです。笑
若き日々、ずっと朝日でした。朝日新聞と中小企業の社長さんが必ずご愛読の月刊誌文藝春秋とをずうっと読んでたら、正反対はおなじものってことがよくわかった。いまでも朝日の記事で何が一番印象に残ったか思い出せば、最晩年の山本夏彦がある日の夕刊のコラムに書いた朝日批判。あれは実によかった。自虐史観が大嫌い、というような内容でしたが、おのれの身内をおのれがかばわず、誰がかばうか、というもの。まさに目からうろこだった。親鸞の言葉にあるでしょう。まづは有縁を度すべきなり、と。あれと微妙に重なったなあ。私もそうおもう。
こんどのあほ大臣の失言問題でも、あべちゃんはかばったよね。あれは実によかった。男だぜってかんじで。それにひきかえ、野党のにぎわい方は、まるでおまつりみたいで、いうことも予定調和。もっと目のさめるようなことゆうてみ。

投稿: ひめの | 2007年2月 2日 (金) 22時27分

>TORIさん

 ああ、それはなんとなくわかります(^_^;)。ちょっとヒネてますよね。「ここ拾ってるぞ~」って見せびらかしてるような(笑)ところが嫌いじゃないです。

>ひめのさん

 安倍ちゃんがアレを庇ったのは、安倍ちゃんにとっては後々とてもまずいような気はしますね。あそこでばっさりやれば、小泉さんみたいに大衆ウケしたのに。

投稿: 冬樹蛉 | 2007年2月 3日 (土) 03時51分

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