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2007年2月の19件の記事

2007年2月28日 (水)

テレビっ子

大阪府立大院生が論文データを捏造 理想的な数値1千個 (asahi.com)
http://www.asahi.com/science/news/OSK200702270094.html

 大阪府立大は27日、大学院工学研究科の男子大学院生(修士2年)が、応用物理学会英文誌に発表した半導体に関する論文のデータを捏造(ねつぞう)したと発表した。同学会に謝罪するとともに、論文の取り下げと、学会の奨励賞の返上を申請した。学内に調査委員会を設置し、担当教授らの指導など研究体制のあり方などについても調べる。
 論文は、同学会の06年12月15日付の英文誌に掲載された薄膜トランジスタについての研究。論文の中核をなす実験は、同院生が単独で実施し、所属研究室の藤村紀文教授らと共著論文として投稿していた。また、院生は05年9月の同学会で前段となる論文を発表し、奨励賞を受賞していた。
 問題となった論文は、チタン酸鉛などを使い、大電流にも耐えられるトランジスタの開発をめざしたもの。
 今月21日に府立大で開かれた修士論文発表会で院生が同じ発表をしたところ、トランジスタの特性を示す二つのグラフのデータのとり方の不自然さに助手らが気づいた。院生がパソコンやノートなどに残したデータを調べると、実験をした証拠がないことがわかった。
 院生に問いただすと、「実験はせず、グラフは自分でつくった」と捏造を認めた。
 藤村教授によると、院生は、理想的な特性を表す数値を約1000個捏造し、入力していた。「実験は彼に任せていた。きれいなデータで全く疑わなかった。管理者としての私の責任」と語った。
 奥野武俊・工学研究科長は「あってはならないことが起き、申し訳ない。調査委員会を設置し、処分や体制づくりを検討する」と話している。

 どうせやるなら、「朝晩二回、チタン酸鉛を食うと痩せる」くらいの大胆な結論を導き出して、学会の度肝を抜いてほしかったもんだ。

 それにしても不思議でしようがないのは、この論文が誰にもヘンだと見破られずに、まんまとそのまま既成事実として通ってしまったとしたら、いったいこの院生は、そのあとどうするつもりだったんだろうという点である。この論文の成果(?)を基にさらなる研究を積み上げようとする人やら、実際にその「大電流にも耐えられるトランジスタ」とやらの開発に取り組んだりする人やらの膨大な労力と時間を奪うことになるかもしれないという想像力がないんだろうか、この院生には?

 大方、こういう輩は、自分だけの力で大学院にまで行って先端の研究をしているくらいに思っているのだろうが、先人たちが血と汗と涙でコツコツと積み上げた業績という大きな大きな下駄を履いて、その下駄をほんの少しだけ高くする仕事を人類全体に託されているのだという、いい意味でのエリート意識はキミにはないのか? たまたま生まれた場所が悪かったために食うのに精一杯で学校にも行けないようなキミよりずっと頭のいい子供の代わりに、キミはラッキーにもそこに立っているのだと想像したことはないか?

 ま、ないんだろうけどさ。あの納豆ダイエット番組の人たちに、電波帯という有限の資源を国のお墨付きをもらって使っている特権的な立場のエリートなのだという意識がなかったのと同じようにさ。

 おれは“エリート”って言葉があんまり好きじゃないけどさ、エリート意識がなさすぎるのもいかがなものか。キミが頭がよく生まれたのは単にラッキーだったからであって、努力できたのは努力できる環境にラッキーにも生まれたからである。そうした幸運を与えられた人間としての、noblesse oblige というか、サムライ精神というか、感謝の心というか、そういうものを含んだ、いい意味でのエリート意識は、真のエリートなら持ってもらったほうがいいとおれは思うのよな。妙な言いかただが、真のエリート意識もないようなやつがエリートとして通るような世の中はまちがっていると思うわけよ。ま、おれが言っても、あんまり説得力ないけどね。



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2007年2月24日 (土)

SETI@home がついに見つけた

SETI Finally Finds Something (Slashdot)
http://science.slashdot.org/article.pl?sid=07/02/21/2326240

 ――って見出しを、RSSリーダがパソコン画面の隅に知らせてきたので、「ええっ!?」と思って即クリックしたら……そ、そういうことか。まあ、たしかに“見つけた”にはちがいない。

 上記エントリからリンクされている詳しい記事 Missing laptop found in ET hunt によれば、ミネソタ在住のプログラマの奥さんがノートパソコンを盗まれたのだが、奥さんのパソコンでも SETI@home の解析用クライアントソフトを走らせていたのが幸いし、パソコンを取り戻すことに成功したということだ。

 この geek なダンナは、バークレイの SETI@home 総本山のデータベースをモニタして、奥さんの SETI@home アカウントで解析済みのワークユニットを自動的に送信してくる IP アドレスを掴みミネアポリス市警に通報、市警はプロバイダに協力させて盗品パソコンの“リアルな”所在を掴んだという顚末。ダンナの執念もたいしたもんだが、動いてくれた市警がえらいな。それとも、こういう捜査はアメリカならふつうにやってくれるんだろうか? そのへんの事情がいまいちわからん。日本なら、駆け込み先によって大きな差が出そうな気がするよなあ。地方警察がサイバー捜査なんたらというような専門部署を持っているところなら、捜査権限なしで掴める証拠を揃えてそこに直接通報すれば、広域性のある組織犯罪である可能性も考慮して動いてくれるのかもしれないが、多くの一般ユーザは、このプログラマのダンナみたいには証拠を揃えられないし、そもそも適切な駆け込み先がわからないはずだ。そのへんの交番で相談しても、「IP アドレスってなに?」と言われて、自転車の盗難と同じように扱われちゃうのがオチだろう。

 理屈のうえではあたりまえとはいえ、SETI@home にこんな“利用法”があったとはね。SETI@home のサイトでも、ちゃっかり Yet another reason to run SETI@home (SETI@home する理由がまたひとつ)などと報じている。

 だけど、それこそ理屈のうえでは、決まったサーバと自動的にデータのやりとりをする常駐ソフトがパソコンに入っていれば、SETI@home でなくたって、今回のような奪還劇は可能なはずだ。シマンテックでもマカフィーでもマイクロソフト(笑)でも、正規ユーザのアカウントで張られたセッションの生アクセスログを、きちんと本人確認した正規ユーザの求めに応じて提供するといったサービスをはじめてくれれば、奥さんのパソコンを取り戻してやれるダンナの数はいくらか増えるだろうが、まあ、そんなサービスを公式にメニューに入れたって、いまはペイせんでしょうなあ。

 しかし、そのうち、アプリケーションのアカウントと通信インフラ利用のためのアカウントが分離している機器であれば、こうしたサービスの利用価値と需要は大きくなってくるはずだ。高機能化したケータイと IP ネットワークが統合されてくる過程で、利用シーンによっては切実な需要が出てくるかもしれん。いわゆるユビキタス社会とやらになってくると、サービスレイヤー間でアクセス情報・利用情報を照合して“通常では考えにくい利用シーン”を自動的に検知し、それを正規ユーザの正常利用ではない可能性が高い状況の発生として、とくに挙動をマークするなどといったインテリジェントなユーザ保護サービス(あるいは、捜査手法)が出てくるかもしれないなあ。もっとも、そこまでやるなら、情報機器すべてに生体認証機能を搭載したほうが、社会全体でのコストは安く上がるかもしれないが……。

 パソコンが戻ってきた奥さんによれば、「geek はダンナにするにはいい」のだそうだが、otaku はどうだろうなあ? フツー人が geek を配偶者にするとなにかと便利かもしれないが、otaku の場合は夫婦揃って otaku じゃないと、あんまり旨みはないような気がする。



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2007年2月20日 (火)

千のパケットになって

Mourning on MySpace (CNN.com)
http://www.cnn.com/2007/US/02/15/myspace.mourning.ap/index.html

Pages live forever
MySpace avoids deleting the deceased's profiles unless asked by family members, which means the profiles-turned-memorials can stay active for years. Other social-networking and blogging sites, such as Xanga and LiveJournal, also host memorials tied to deceased users' pages.
"We often hear from families that a user's profile is a way for friends to celebrate the person's life, giving friends a positive outlet to connect with one another and find comfort during the grieving process," MySpace, a unit of News Corp., said in a statement.

 へぇ、MySpace は、故人のページを家族からの求めがあるまで消さないのか。mixi はどうなんだろうな? ココログは消されちゃうだろうなあ。

 おれも、パソコン通信の時代から、何度かネットでの知り合いの死というものに遭遇してきた。ほとんど文字でしか知らない人々の死ってやつは、生身で知り合った人々の死とはまたちがった、不思議な喪失感を覚えさせるものである。なんというか、ある日ふらりと甦ってきて、また新しい書き込みをしてくれたら、「やあ、おひさ」などと気軽に言えそうな感じがある。また、そんなことはけっしてないと頭ではわかっているからこそ、「おひさ~」といまにもやってきそうな感じにいっそうとまどい、喪失感がいや増すといった複雑な心持ちがするものだ。

 ブログやSNSが、遺された者たちの自我の組み換えにこのような形で貢献する媒体に育ってきているということには、奇妙な感慨を覚える。初めてウェブサイトを持って、継続的に日記を書くようになったころ、「おれが明日死んだら、ここはどうなるのかなあ?」などとよく想像していた。みんなするでしょう? 世界のどこかで、おれのまったく知らない人が、おれの死を悼んでくれたりするのかなあなどと想像しませんか?

 してみると、個人のウェブサイトってのは、現代の墓標なのかもしれない。いや、墓標というよりも、故人と共有した時間をすぐに呼び出せるアルバムのようなものになってきているのだろう。面白い時代だ。じつに面白い時代だ。こんな感情を持てたのは、人類史の中でも、いまここに生きているあなたやおれたちが最初なのですぞ。


  私のお墓の前で 泣かないでください
  そこに私はいません 眠ってなんかいません
  千のパケットに
  千のパケットになって
  あの大きなウェブを
  吹きわたっています



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2007年2月19日 (月)

ここだけ無性にやりたい楽器

 おれには演奏できると言えるほどに操れる楽器がないのだが、音楽を聴いたり、歌を唄ったりするのは大好きである。そんなおれでも、死ぬまでに一度はやってみたいと思える楽器がある。というか、“特定の曲の特定の箇所”だけどうしてもやってみたいというのが、いくつかあるのだ。ほれ、エレキギターをはじめた人が、Smoke on the Water のイントロだけは一度やってみたいとか、フォークギターをはじめた人がスナフキンの「おさびし山の唄」だけ弾けるようになれれば本望だとか、テルミンをはじめた関西人が「♪お~ま~え~は~あ~ほ~か~」だけはどうしてもやってみたいとか、ああいう類の理不尽な渇望がある。

 おれは努力が嫌いなうえに、歳も歳だから、いまからあんまり複雑な楽器の演奏を習得することなどできないだろう。自分で言うのもなんだが、手先は器用なほうだし、音感もリズム感も人並みにはある。だが、やはりこういうのは歳には勝てん。だから、できるだけ努力せずに、「ああ、この曲のココのところのコレがやりたい!」という渇望が満たせればいいのである。

 で、おれにもできそうで、やりたくてたまらない“特定の曲の特定の箇所”を、さっき iTunes でパーティシャッフルを流しっぱなしにしていて思い出した。そうだ、おれは子供のころから、これがやりたくてたまらなかったのだ!

「ウルトラ警備隊のうた」のシンバル

 ね? でしょでしょ? おれには、いまこれを読みながら、首をぶんぶんいわせて頷いている人が何人も見えるぞ。あれならできそうじゃないか。しかも、めちゃめちゃ気持ちよさそうじゃないか。さあ、行ってみよう!


 ♪ジャカジャーン、ジャカ、チャッチャッチャッチャッ、ジャーン、ジャカジャカジャーン
   ジャカジャーン、ジャカジャーン、ジャカジャーーーーーン

ぱぁ~~~~~んっ

   ジャッ、ジャカジャカジャカジャカジャッジャッジャッジャッ、ジャッ、ジャカジャカジャカジャカジャッジャッジャッジャッ……


 ああ、やりてー!



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2007年2月18日 (日)

あなたにもできる人助け

[メディア]内容が嘘であっても関係ない無責任な娯楽番組の中の人たち~「地獄に落ちない」ために、細木数子氏と江原啓之氏はしっかりリテラシーしようの巻 (木走日記
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20070204/1170538096

 これらはビジネスなのであり、彼女達に何か崇高な目的を求めること自体が間違いだからです。
 細木数子氏の「占い」も江原啓之氏の「霊視」も「TVショー」の中のショーアップが施された「娯楽」と考えたほうがよいのでしょう。
 マジシャンであるミスターマリック氏が自身の手品を「超魔術」と称していますが、誰も彼の手品が本当に超自然現象である「魔術」であるなどとは信じてはいけないのと同類の話です。

 いや、このエントリーはすばらしい。全面的に支持したい。

 要するに、ここにも、「しつけも道徳も、人間が自分の頭で考えなくてはならないことであって、自然科学に教わるものではないはずです」((C)菊池誠)という構造が存在するのだ。もっとも、この場合、「自然科学」の代わりに、皮肉にも「占いや霊視」が来るわけだが……。つまるところ、「人間が自分の頭で考えなくてはならないこと」を、“なにか別のもの”で安易に置き換えようとするところに諸悪の根源があるのだろう。この構造の前には、「自然科学」と「占いや霊視」が等価にすらなってしまう。結局、「自然科学」のところには、なにを代入したっていいのだ。それが、自分の頭を使わなくてよい安易なものでさえあれば。

 たしかに、これらの「TVショー」を作らなくては飯が食えない人々もいるわけであって、その点に関しては、おれも一サラリーマンとして多少は同情しないでもない。ビジネスっちゃあ、ビジネスだからね。まことに気の毒に思う。もっとも、そんなビジネスを自分の意思で選び取って、視聴率さえ取れれば恬として恥じないというところまですれっからしになってしまっているメディア人は、魂のレベルが低い(笑)し、そのうち地獄に落ちる(笑)としかおれには思えないけれども。

 メディアリテラシーというのは、「情報がどういう意図で発信されているかは、受信者が自分の頭で考えなくてはならないことであって、その情報内容に教わるものではないはずです」ということを忘れない能力のことなのだろう。むろん、この駄ブログも含めてだ。

 考えようによっては、おれたち一人ひとりがしっかりしたメディアリテラシーを持つことで、こうした「TVショー」を飯のために不本意ながらに作ることで魂のレベルを下げ、地獄に落ちそうになっているかわいそうな人々を救ってあげられるのかもしれない。要するに、観なければいいのだ。みなさんも、テレビに細木数子やら江原啓之やらが出てきたら、「こんな番組を作らないと飯が食えないかわいそうな人々の魂のレベルを上げて地獄から救い出す」のだと思って、即座にチャンネルを換えるという善行を積むようにしていただきたい。そうすれば彼ら・彼女らは、一時的には嘆くかもしれないが、内心、地獄から解放されたことにほっとするだろう。



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2007年2月16日 (金)

ちょっとガマクジラっぽい

Kaeru01Kaeru02 バレンタインデーに宇海さんからもらったカエル型メガネケース。これによく似たカエルに、クサガエルというのがいるが、もちろん口が尻まで裂けるわけではない。実際にこんなのがいたら、かなり不気味かも。敵に襲われると、ナマコみたいに内臓をぶちまけて威嚇するやつとか。









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2007年2月14日 (水)

多世界解釈

 今日という日には、恥じらいに頬を染めた妙齢の女性が、好きな男の方を向いて無言で太巻きを一本食うことになっている並行世界がきっとあるにちがいない。なんか、チョコ渡すより、そっちのほうが成功率高そうな気がするしな。少なくとも、おれはチョコよりドキっとすると思う。



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史上最大の侵略

ウルトラセブンのアンヌ隊員「フォトパネル」と「ドリンク」が発売 (MYCOMジャーナル)
http://journal.mycom.co.jp/news/2007/02/14/501.html

バンダイネットワークスは14日、今年で誕生40周年を迎える特撮テレビ番組『ウルトラセブン』に登場した「アンヌ隊員」の限定フォトパネルと、記念ドリンクの受注を開始した。販売は同社のWebサイト「LaLaBit Market」と、携帯電話サイト「バンダイキャラストア」および電話にて行われる。

 う、うーむ……。コーヒーはともかく、フォトパネルのほうはちょっと欲しいかも。これ、アンヌのいちばんかっこいい写真だよな。

 いやしかし、おれとしては、ぜひこれのフジアキコ隊員バージョンを作ってほしいのだ! ユリッペ・バージョンでもいいぞ。



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2007年2月13日 (火)

あったらコワくないセレナーデ

 嘉門達夫「あったらコワイセレナーデ」はおなじみかと思うが、本来コワいはずのものがコワくなくなるセレナーデ(?)向けのネタをいくつか考えてみた。


 ●ハイビジョン対応の貞子
 ●DRMでガチガチに保護されている呪いの動画ファイル
 ●男優霊
 ●続けて自分からの留守電が入っている「着信アリ」
 ●見出しが東スポ(大スポ)風の恐怖新聞
 ●少年少女恐怖新聞
 ●けらえいこタッチの『富江』
 ●裂けめが一周している口裂け女
 ●犬目小僧
 ●YES/NO枕返し
 ●ICタグのついた座敷童子
 ●フラクタル猫又
 ●マークシート方式の“怨みの門”

『地獄少女』篇》
 ●プライバシーマークを掲げている地獄通信
 ●中に納豆が入った藁人形
 ●花粉症の一目連
 ●デブの骨女
 ●三菱ふそう製の輪入道 (て、これはやっぱり怖いか)



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2007年2月12日 (月)

『ITロードマップ〈2007年版〉情報通信技術は5年後こう変わる!』(野村総合研究所技術調査部/東洋経済新報社)

 野村総合研究所が現時点の調査をベースに、二○一○年あたりまでのITの進歩を推測したレポート。五年後というのが妥当なところで、この業界、十年後まではなかなか読めない。いまの状況を十年前におれが予測できていたかというと、方向性はだいたい合っていたとは虚心坦懐に思うものの、個別の技術の出現や普及までは、とてもじゃないが予見し得ていたとは思えない。ヒト・カネ・モノ・情報を潤沢に持ったシンクタンクといえども、現時点では本書くらいの予測が精一杯だろう。そもそも、この種の予測は、あとで振り返ってみたときの“ハズレかた”こそが面白いわけなのである。あとで楽しむためにも、いま、これくらいの予測を眺めておくのも悪くはない。

 とはいえ、ITに疎い方以外には、あまりお薦めできない。そういう方々にはそういう方々向けの本がある。本書で取り上げられている個々の要素技術にさっぱり馴染みのない方が読んでも、無味乾燥でさっぱり面白くないと思う。バラバラには頭に入っているものが、野村総研的ロードマップの中に整理されているところが、IT関係者には面白いし、参考になるといった感じだ。セマンティックウェブやサーバの自律運用技術などについては、領域限定的な人工知能技術の実用化をかなりロングショットで期待しているようなところがあり、ここいらについては、おれのサラリーマン仕事とは別に、SFファン的にも興味津々である。

 IT業界人必読、SFギョーカイ人は専門分野によっては必読といったところか。野村総研が予測できる程度のことも考慮に入れていないSF作家ってのは、ちょっと論外だと思うぞ。



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2007年2月11日 (日)

抗ニセ科学ウィルス?

 このブログに検索エンジンからやってきた人が検索に使った妙な検索語を愛でて楽しむ、おなじみ《ヘンな検索語》シリーズ、先日やったところなんだが、あまりといえばあんまりなものがあったので、ここは紹介しておかずばなるまい……。

「蔓延する菊池教授」

 「蔓延する」と「菊池教授」の複合検索じゃないのだ。あくまで「蔓延する菊池教授」なのである。そうか、菊池教授は、知らないうちに蔓延しているらしい。菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授菊池教授……。

 それにしても、手抜きの検索だなあ。ちゃんと『「まん延するニセ科学」の菊池教授』と検索しなさい。



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2007年2月 9日 (金)

今年のバレンタインデーはこれで行こう!

 いま、例によって晩飯のコンビニ弁当を食い終わって、例によって芋焼酎のお湯割りを飲みながら、姪どもが前倒しでくれたバレンタイン・チョコを食っているのである。と、そこで、ある疑問が湧き起こった。

 世に“本命チョコ”なるものがあるらしい。なにしろおれ自身はそんなものをもらった経験がないから、人伝てに聞くばかりだ。でもって、一般に、“本命チョコ”の対義語は、“義理チョコ”である。というか、いままでそうだと思い込まされてきた。

 だが、虚心坦懐に、素直に、素朴に考えるとだな、“本命チョコ”の反対は、当然“大穴チョコ”なのではないか? そうだ、そうにちがいない。

 おれ以外にも、同じことを考えた人がきっといるはずだ――と検索してみると、おお、いるいる、たくさんいる! 正義は勝つ。

 というわけで、“義理チョコ”などという味気ない言葉はやめて、今年から“大穴チョコ”を流行らせるように。



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2007年2月 7日 (水)

不健全ですけど、なにか?

柳沢厚労相「結婚・子供2人、健全」発言に疑問の声 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0206/TKY200702060241.html

 柳沢厚生労働相の発言が、また波紋を広げそうだ。野党側が国会運営の正常化に向けて動き始めた矢先。「女は産む機械、装置」発言の波紋が残る中、6日の会見では若者が「結婚し、子どもは2人以上持ちたいという健全な状況にある」などと語った。識者からは改めて疑問の声が上がった。
 コラムニストの天野祐吉さんは「結婚願望とか子どもの数を、統計データを基に、多数派、少数派というならいいが、『健全』という言葉を使うのがおかしい。『産む機械』発言と奥の方でつながっている気がするし、失言というより、彼の人生観、社会観が出たんだろう」とみる。その上で「少子化担当のポストは無理だと思うが、柳沢さんはある意味正直に発言しただけ。政治家だけでなく、多くの人たちの中に無意識に残っているこうした考え方がなくならないと、大臣を代えても問題は解決しないと思う」。
 心理学者の小倉千加子さんも「結婚したい、子供が2人以上ほしい、というのを健全とすること自体、古い道徳観からくる発言で、年齢的な限界を感じる」と言う。「こういう発言が止まらない人が厚生労働大臣をしているから、ピントのずれた政策が続き、少子化が止まらないのだと思う。(夫の発言をメディアでしかった)奥さんはずっとまともな方のようだから、これからは外で何か発言する前に、奥さんにチェックしてもらった方がいい」と話した。

 ははあ、柳沢さん、さてはこれは、ウケを狙った畳みかけだな? 残念ながらスベってる。素人があんまり高度な技に挑んではいけない。“語るに落ちる”という言葉がぴったりという点で、“産む機械”発言よりもよほど根が深くてタチが悪い。ほとんど、森元首相状態と言えよう。

 自慢じゃないが、おれはいままでの人生で“健全”であることで褒められたことがない。「おまえは子供らしくない」、「ヒネている」、「斜に構えている」、「皮肉っぽい」、「大人を小バカにしている」、「なんでも他人事みたいに観察している」、「若いのに枯れている」、「覇気がない」、「ひきこもり予備軍だ」、「頭がいいのを鼻にかけている」、「才能を鼻にかけている」、「美男を鼻にかけている」、「脚が長いのを鼻にかけている」、「セクシーなのを鼻にかけている」、「女にモテるのを鼻にかけている」、「実家が億万長者なのを鼻にかけている」、「高貴な家柄の出なのを鼻にかけている」、「非の打ちどころのない完璧な神のような人間であることを鼻にかけている」……などなどなど、さんざん言われて育ってきた(えーと、実物を知っている人は、どのあたりから多少の誇張が混じりはじめているかがわかると思うが……)。

 だもんだから、べつに自分が不健全なことくらいは、おれがいちばんよく知っている。だが、なにも厚生労働大臣に言われる筋合いはないわい。おれは好きでこういうふうに生きておる。♪ほっといて~(関西弁風のフシをつけて読むように)。

 柳沢大臣には、この日記で以前に書いた言葉をそのまま贈っておこう――「あらゆる“らしさ”なるものは、おのれが自覚する自由はあるが、他人に押しつけられる筋合いのものではない」

 こんな単純なことが、な~ぜわからんのだ?



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2007年2月 5日 (月)

哀川翔、えらいっ!

 『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)を観ていたら、ゲストの哀川翔が、家で自分の子供がトイレットペーパーを使い切ったにもかかわらず替えずに出てきたら、「自分的には半殺しだと、教育方針を開陳していた。

 でしょー!? そーだよねー! 「こういうことは親が教えておけ!」と先日書いたばかりなので、たいへん意を強くした。まあ、べつに半殺しにまでせんでもいいけど、こういう親御さんがいるからには、まだまだ日本も捨てたもんじゃなさそうだ。哀川家のお子さんに、公衆トイレで不快な思いをさせられることはないだろう。

 でも、哀川さん、半殺しはちょっと厳しすぎるので、八分の一殺しくらいにしといてください。



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2007年2月 4日 (日)

トバしまくる『溜池Now』

 ををを。

 一週間遅れで『全国的ローカル情報番組 溜池Now』「アニソン 溜池ベスト10 前編」を観たら、なにやらどこかで会ったことがあるような人が中川翔子と並んで座っている。まさかとは思ったが、それは何度見ても「アニメソング研究家」という肩書きでご出演の日下三蔵さんなのだった。し、しかも、しょこたんとアニソン唄ってるし……。う、羨ましい。なにごとも一藝を極めると、このような役得が降ってくるのだろう。だけど、知らん人が見たら、この人はほんとうにアニソン研究だけで食っているヘンな人なのかと思うよなー。

 おまけに、ほんものの○○○○が出てきて「わぴこ元気予報!」を唄う! いやあ、懐かしいなあ、毎週欠かさず観てたよ、『きんぎょ注意報!』。なんか、妙に好きだったな、あれ。コミックスも買ったよ。UFOキャッチャーでぎょぴちゃんのぬいぐるみをいっぱい取ったよ。なにもかもみな懐かしい。いや、「わぴこ元気予報!」はアニソンとして楽しく美しい名曲ですな。そりゃまあ、小坂明子作曲ですから。

 それにしても、なんて豪華な番組なんだ! 豪華である方向が微妙に歪んでいるような気もするが、こういうのはウェブならではだなあ。同人誌みたいだ。

 うわ、後編の予告編には、しょこたんと「太陽戦隊サンバルカン」を唄う男性歌手の姿が――!



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2007年2月 3日 (土)

ぢっと検索語を見る

 さて、ひと月ぶりくらいになるので、そろそろやっとこう。このブログに検索エンジンからやってきた人が検索に使った妙な検索語を鑑賞する、おなじみ《ヘンな検索語》シリーズ。今日は連発で行くぞ。まず一発めは――

「フィギュア+ウンコ」

 いやだからそのあの、そ、そんなのどこかに売ってるのか? まあ、世の中にはいろんな趣味の人がいるから、あるのかもしれんなあ。今度、水玉螢之丞さんにお会いしたときにでも訊いておこう。

 むかし星新一が、胃の検査でバリウムを飲んだあとに出たウンコがまるでウンコの化石のようだといたく感心し、茶色く塗って棚にでも飾っておいたら、訪れる人が手に取って「ほんものそっくりだ」と言いそうだ――なんてことを書いていたっけなあ。少年時代に初めて読んだときには、そんなものかと思っていたのだが、就職して毎年健康診断を受けるようになると、化石みたいになるまで腹の中に溜めておいてはダメだよと実感した。アレは、下剤を飲んで液体のうちにとっとと出してしまわないと、あとがつらいぞぉ。

「井上和香 ウンコ」

 だから、ウンコから離れろって。いったい、なにがヒットすることを期待してこんな検索をしているのだ?

「読めば国語力がつく日記 友がみなわれより」

 なんじゃ、これは? 実際に検索してみると、Yahoo! Japan では、この検索でおれの日記が一位になってしまうことを発見した。朝松健氏の日記が四位に来ているのにはじつに説得力があるのだが、おれの日記読んで国語力がつくとは到底思えんな。ウンはつくかもしれないが。というか、そもそもどういう意図があってこんな検索をしているのか、想像を絶するよ。「読めば国語力がつく日記」なんてものがあるのなら、おれもぜひ読みたいものだ。でも、そんな検索までして探す熱意があるのなら、自分で日記を書いたほうがずっと国語力がつくと思うんだけど……。



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2007年2月 2日 (金)

コップに半分水が入っている

裁判員制度、8割が参加に消極的 内閣府世論調査 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0201/TKY200702010389.html

 ふつうの市民が刑事裁判に加わる裁判員制度について、内閣府は1日、特別世論調査の結果を発表した。8割が制度が始まることを知っていたが、3人に1人が「義務でも参加したくない」と答え、参加に消極的な人が8割近くを占めた。

裁判員制度:65%が「参加する」 内閣府世論調査 (MSN毎日インタラクティブ)
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070202k0000m040119000c.html

 内閣府が1日公表した「裁判員制度に関する世論調査」で、65.2%の人が「裁判員に選ばれれば参加する」と回答した。法務省は「参加意識がある程度進んだ」と評価するが、33.6%は「義務でも参加したくない」と答えており、2年後の制度スタートを控え、なお国民の間に根強い抵抗感があることも浮き彫りになった。

 見出しだけ読むと、一瞬「あれれれ?」と思うが、どちらもべつにウソをついているわけではないのだった。

 まあ、こうやって、誰にでもすぐに比べられるようになっているというだけでも、世界は十数年前よりずっとましな場所になっているのかもしれない。かな?



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2007年2月 1日 (木)

「元職員」とはなにごとだ

アニータさん、チリから来日 受刑中の夫と離婚協議へ (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0131/TKY200701310377.html

 青森県住宅供給公社から14億円余りを着服し懲役14年の実刑判決を受けた元職員のチリ人の妻アニータ・アルバラードさん(34)が31日に来日した。受刑中の元職員と離婚に向けて話し合うのが目的という。
 チリでアニータさんの弁護士を務めるアルド・デューク氏が朝日新聞記者に語った。デューク氏によると、アニータさんは現地時間29日にチリの空港を出発、フランクフルト経由で成田空港に到着した。チリでは、離婚には相手側の承諾のサインが必要。アニータさんは技師のチリ人男性と結婚を考えており、元職員に直接会い、離婚の意思を確認する必要があるという。
 デューク氏によると、チリのテレビ局が、アニータさんの日本での体験を再現するドラマを企画しているという。
 公社の横領事件では元職員が横領金のうち8億円以上をアニータさんに送金し、アニータさんがチリに豪邸を建てるなどして話題になった。

 はて、この報道のしかたはなんだろう? 気になる。件の横領事件で最も悪いことをしたのは、ほかならぬこの「元職員」千田郁司受刑者である。アニータさんはフルネームで報道されるのに、なんで千田受刑者はひたすら「元職員」なのだ? 服役中の受刑者は名前を出してはいかんことにでもなっているのか? そんなことはないだろう。受刑者どころか、まだ有罪と確定してもいない被告がフルネームで報道されているのなんて、いくらでも目にするぞ。こんな首尾一貫しない報道をしているのは、朝日新聞だけなのだろうか?

 2002年8月7日の日記でも、この事件に関する偏向報道について書いたが、四年以上経っても、まだ腑に落ちない。マスコミはアニータさんになんか恨みでもあるのか? そりゃまあ、アニータさんは、品のかけらも、恥も外聞もない、おれは個人的には絶対にお近づきになりたくないタイプの女性ではある。だが、この事件に関するかぎり、誰が犯罪者なのかはあきらかだ。なぜそんなに千田受刑者を庇う? なぜもっと青森県住宅供給公社の呆れるばかりの杜撰さを嗤わない? おれには、どう考えても、不公平に思えるよ。そもそも、女性の新聞記者はなにをしている? こんな偏向報道を許しておいていいのか?



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今月の言葉

派兵の品格

 ちょっと社会派かも。まあ、どのみちあのアホ大統領も、もはや“脚の不自由なアヒル”(ああ、口幅ってぇ)である。もう少しの辛抱だ。結局、中東情勢が前よりずっとタチが悪くなったころに、あいつの任期が切れるのかもな。

 しかし、このネタ、十年経って見たらわからんかもな。



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