« NHKの“タメ口喫茶” | トップページ | 湯桶箱読み? »

2007年1月27日 (土)

箸にも棒にも

 会社の帰りにいつものコンビニで、晩飯の弁当やら酒の肴のスルメやらなにやら、いろいろ買った。

 金を払うとき、レジ袋にスルメやら弁当やらを入れながら、その店員はさらりとおれに尋ねた。

「お箸、一本でいいですか?」

 い、一本って……。あまりのことにおれは絶句した。一本でよかろうはずがない。一本だったらそれは箸ではなく串ではないか見ればもう高校は出ていそうな風体の店員だがいまどきの若いもんは箸の数えかたも知らんのかなんという美しい国だろう――といったようなことが○・四八秒ほどのあいだにどっとおれの頭の中に湧いて出てきて、おれはつられて反射的にこう答えてしまった。

「はい、一本でいいです」

 よくない。いいものか。くそ、箸の正しい数えかたを教えてやるべきだったかと、コンビニから家まで歩いて帰る途中、おれは何度も後悔の臍を噛み千切っていたのだが、おや、ちょっと待てよ。

 コンビニでくれる箸は、透明なフィルムのようなもので包装された割り箸である。つまり、物理的にはなるほど“一本”にはちがいないのである。

 もしかしたら、割り箸は“一本”と数えるほうが合理的なのかもしれない。おれは厭だけどな。



|

« NHKの“タメ口喫茶” | トップページ | 湯桶箱読み? »

コメント

私はコンビニとかだと一膳二膳と言いますねぇ

くっついた状態の割り箸をそう数えるのが正しいのかどうか自信はないですが(^^;

投稿: モりやま | 2007年1月27日 (土) 09時03分

一日一膳。

投稿: ひめの | 2007年1月27日 (土) 13時32分

私は日頃「いりません」と答えているので「一本」と言うストレスはないんですが、時折お箸をもらうときは「ひとつ下さい」と言ってごまかしてます。

投稿: りんりん | 2007年1月27日 (土) 16時42分

 それより、どうしてその店員は相手が一人なのに割箸の本数を尋ねたんでしょう? 割箸の有無だけで十分なはずなのに。客が何を買ったかで判断もつくと思うのだけど。

投稿: 林 譲治 | 2007年1月27日 (土) 18時00分

齋藤緑雨の「按ずるに筆は一本也。箸は二本也。衆寡敵せずと知るべし」も、おかしいといえばおかしい……という説もありますね。

投稿: 堀 晃 | 2007年1月27日 (土) 18時35分

>モりやまさん

 ひどい店員だと箸を“ひとつ”とかいいますからね。より単純で汎用性が高いことはたしかですが、なにやら世界がだんだん“大味”になっていきそうで厭です。

>ひめのさん

 私は晩飯にしか米を食べないので、ほんとに一日一膳です。

>りんりんさん

 そうなんですよ、「一膳でいいです」とか言うと、店員に「は?」とか言われてしまいそうでわずらわしいですよねえ。だもんだから、相手のわかりそうな言葉をついつい使ってしまうのです。コンビニでウサギとか箪笥とか神様とか買うときには、ホントに気を遣います。

>林譲治さん

 たぶん、弁当のほかに岩塩焼きししゃもを買ったからじゃないかと思います。スルメもお徳用ででっかい袋入りだったので、二、三人で酒でも飲むんじゃないかと思ったのでしょう。

>堀晃さん

 アフォリズムとして名言だと思うのですが、論理的に考えると、気になりますね。箸は一本じゃ箸としての用をなさないわけですから。

 齋藤緑雨は、後世、多機能ペンなどというものが出現するとは想像していなかったでしょう。私は多機能ペンを愛用していて、「剣よりも箸よりも強い」などとひとりで納得しています。

投稿: 冬樹蛉 | 2007年1月27日 (土) 23時30分

 なかなか一本と聞かれたこともないですね(笑)。珍しい体験かも。
 たいてい「いりますか?」もしくは「お箸、ひとつでいいですか?」かと。
 ウサギとか箪笥とかは売ってないのでコンビニでは特殊な呼び方はあまりないかもしれませんが、「ひとつ、ふたつ・・・」というのは日本語にしては便利な数え方ですね。

投稿: TOMTOM | 2007年1月30日 (火) 12時44分

>TOMTOMさん

 なんでもかんでも、ひとつふたつにしてしまうのは、日本語を速習した外国人のようです。敬語も全部「れる」「られる」ですませてしまう、みたいな。

投稿: 冬樹蛉 | 2007年1月31日 (水) 02時00分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/161330/13673582

この記事へのトラックバック一覧です: 箸にも棒にも:

« NHKの“タメ口喫茶” | トップページ | 湯桶箱読み? »