モグリの潜水艦じゃないのか
▼日本のタンカー、米原潜と接触 乗員無事 ホルムズ海峡 (asahi.com)
http://www.asahi.com/international/update/0109/011.html
米国政府などから日本政府に入った連絡によると、日本時間の9日午前4時15分ごろ、ペルシャ湾のホルムズ海峡南部で米原子力潜水艦ニューポート・ニューズと川崎汽船(東京都港区)の大型タンカー最上川(16万総トン)が接触した。双方の乗組員にけがはない。最上川は船底に傷が入って浸水しているが、自力航行が可能で、油漏れもないという。原潜にも放射能漏れはないと見られる。原潜が潜航していたのか、浮上していたのかは不明という。
いやあ、これには正直ぞっとした。第一報がCNNからケータイに飛び込んできたときは、"A U.S. submarine collides with a Japanese merchant vessel, a U.S. Navy official tells CNN, adding there were no injuries but there was damage." としか書いてなくて、数分後に、場所がホルムズ海峡で merchant vessel がタンカーだと知って仰天。とにかく、大事なくてよかった。
堺屋太一の『油断!』を即座に連想したね。まあ、あれは原潜の事故とかじゃなくて、地域紛争だったかなんだったかで、長期間ホルムズ海峡が封鎖されちゃう話だ。むろん、原油を断たれた日本の社会は、徐々に崩壊してゆく。いまもしほんとにそういうことが起これば、『油断!』が書かれた当時のシミュレーションよりはかなりましではあろうが、ホルムズ海峡が通れなくなる期間によっては、かなり深刻な影響を被ることに変わりはないだろう。人為的に作り出された微生物が石油化成品をことごとく分解してしまうという怖ろしい事態を描いた『終末のプロメテウス』(ケヴィン・J・アンダースン&ダグ・ビースン)にあったように、原油は燃料としてのみではなく、むしろ、現代文明を支えるプラスチックなどの化成品の原料として重要なのだ。
それにしても、最近アメリカの潜水艦はたるんどる。どこに目をつけて運転しとるのだ。“ちりんちりん”を盗まれ((C)チュートリアル)でもしたのだろうか(って、自転車じゃないんだから)。
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コメント
「油断」、なつかしい本ですね。記憶では、福岡大断水のあった年のヒット作ではなかったでしょうか。昭和53年ごろです。勤めていたビルの何階かにあった生産性本部の社長がこの本をたいそう褒めて、わざわざもってみえたのを記憶しています。
投稿: ひめの | 2007年1月24日 (水) 22時17分
>ひめのさん
私はテレビドラマ化されたのを観たのが最初です。関口宏とか江波杏子とかが出てましたよね。私は中学生くらいだったかなあ? 原油が入ってこなくなると、日本でも早晩多数の死者が出るのかとショックを受けたのを憶えています。都市ガスが時間を限定して断続的に供給されるため、コックの閉め忘れなどによる爆発事故が起きたり、紙などを燃やして暖を取ろうとするための火災が増えたりするなど、危機管理(なんて言葉は当時は知りませんでしたが)というのは、じつに難しいものだなあと思ったものです。原作を読んだのは、ずっとあとになってからですね。
投稿: 冬樹蛉 | 2007年1月25日 (木) 00時49分